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内転筋ストレッチで股関節を強化!内もものほぐし方を山本義徳が解説

「テレワークでイスに座っている時間が長い」「運動不足で身体が硬いと感じる」と、悩んでいませんか?運動不足の人は、太ももの内側にある内転筋が硬くなり、血流が悪くなっているかもしれません。

運動不足を解消しようと、内転筋が硬いまま急に運動を始めれば、大きなケガにつながる恐れがあります。

この記事では、内転筋が硬くなる原因や、内転筋ストレッチの正しいやり方も解説しますので、参考にしてください。

内転筋とは?

内転筋とは、太ももの内側に位置する筋肉のことで、おもに恥骨辺りから脚の大腿骨付近にかけてついています。内転筋は太ももを閉じるときに使う筋肉ですが、毎日何気なく真っすぐ立っているときにも内転筋を使っています。

内転筋は内転筋群とも呼ばれ、以下のすべての筋肉を指します。

  • 大内転筋(だいないてんきん)
  • 小内転筋(しょうないてんきん)
  • 短内転筋(たんないてんきん)
  • 長内転筋(ちょうないてんきん)
  • 恥骨筋(ちこつきん)
  • 薄筋(はっきん)

内転筋は、股関節の部分にある外転筋群と一緒に動くことが多く、骨盤の安定を支えています。内転筋が弱いとフラフラしたり、姿勢が悪くなったりするため、スポーツでの動作だけでなく、日常的な歩行にも重要な役割を担っています。

内転筋が硬くなる原因

基本的に、使わない筋肉はどんどん硬くなって可動域が狭くなります。内転筋が硬くなる原因には、以下のようなものがあげられます。

  • 日常的に運動が不足している
  • イスに座って過ごす時間が長い
  • 加齢により筋肉が衰えている

「日常的に運動する機会が減っている」「イスに座っているばかりで歩いたり、階段を上り下りしたりするなどの動作が少ない」という人は、股関節を形成する一部の筋肉を使う頻度が少なく、硬化している可能性があります。

内転筋が硬い人は、以下の症状を引き起こす可能性があります。

  • 身体がふらつきバランスを崩す
  • 骨盤がゆがみ腰痛になる
  • 太ももの筋肉が弱くなりたるむ
  • 血行不良から冷え性になる

運動不足や加齢により筋肉が衰えれば、些細な動作でも筋肉に疲れが溜まります。その疲労から血流やリンパの流れが悪くなり、さらに筋肉が硬くなる悪循環につながります。

股関節の柔軟性をチェックしてみよう

内転筋が硬くなっていると、柔軟性が失われます。そのため、内転筋のストレッチをおこなう前に、股関節の柔軟性をチェックしてみることをオススメします。チェック方法は以下のとおりです。

股関節を曲げたときの柔軟性チェック

1. 壁から35~40㎝離れた場所に脚のつま先を置く
2. 片方の太ももを地面と水平になるまで上げ、膝を壁につける
3. そのまま身体を固定し、膝を支点に脚を内・外に回転させる
4. 内くるぶしと外くるぶしに手で触れてみる

膝を支点に、脚を振り子のように左右に動かします。手で左右のくるぶしを触れられなければ、股関節の可動域が狭くなっている可能性があります。つまり、柔軟性が失われているといえます。このとき、身体を傾けたり、膝が壁から離れたりしないよう注意してください。

股関節を伸ばしたときの可動性チェック

1. 手を壁に置き、身体を支えながら片膝を曲げる
2. 曲げた膝が反対の膝より前に出ないようにくっつける
3. 曲げた脚の足首を左右に振ってくるぶしに触れてみる

外くるぶしは同じほうの手、内くるぶしは壁についた手で触れます。肩の位置や姿勢を変えず、左右差なくタッチできれば問題ありません。くるぶしに触れるために支えている脚が曲がったり、肩の位置が変わったりする場合は、柔軟性が欠けているといえるでしょう。

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内転筋をストレッチするメリット・効果

内転筋のストレッチは、骨盤の安定に欠かせません。「姿勢が悪い」「O脚で悩んでいる」という人に効果があります。しっかりストレッチで身体を伸ばすことにより、硬くなった筋肉をほぐせます。

運動不足を解消したい、またはダイエットのために筋トレを始めたい人は、まずは内転筋のストレッチをおこないましょう。

内転筋のストレッチには、以下のようなメリットがあります。

筋肉が動きやすくなることによる代謝アップ

内転筋をストレッチすると、股関節の硬くなった筋肉を柔らかくできます。使える筋肉が増えれば可動域が広くなり、代謝アップが期待できるでしょう。

股関節をほぐすためには、周辺のさまざまな筋肉を動かす必要があります。今まであまり使われていなかった筋肉を動かすことにより、血流が良くなり、太もも部分のたるみが解消できるとされています。

トレーニング中のケガ防止につながる

内転筋のストレッチは、トレーニングの衝撃から起こるケガを防ぐ効果が期待できます。内転筋が硬いままトレーニングをおこなうと、股関節・膝関節などに大きな負担がかかります。

関節内の摩擦を減らすためには、股関節周辺の筋肉を上手く使用する必要があります。内転筋が硬いと、トレーニングで起きる衝撃を上手く吸収できず、ケガにつながる恐れがあるため、ストレッチは欠かさずおこなってください。

内転筋ストレッチの正しいやり方

内転筋をほぐし、股関節を柔らかくするためには、日常的に内転筋のストレッチをおこないましょう。とはいえ、身体を動かす習慣がなければ、なかなかストレッチを始めることは難しいものです。

ここからは、誰でも簡単にできるストレッチ方法を紹介します。

寝ながらできるストレッチ

寝ながらできるストレッチは、就寝前や起床時にオススメです。習慣化すれば、運動不足からの硬化を防げます。

1. 仰向けになり、片脚の膝を曲げて太ももを抱えて胸のほうへ寄せる
2. 抱えた脚の膝を徐々に伸ばす
3. 20秒を目安に反対側も同じようにおこなう

股関節の可動域をしっかり広げ、太ももの裏をゆっくり伸ばしていきます。無理に膝を伸ばさず、徐々に慣らしていきましょう。

座りながらできるストレッチ

イスや床に座ったままおこなうストレッチ方法です。テレワーク中やちょっとした休憩時間にオススメです。

1. 座ったまま片脚を開いて膝を伸ばす
2. 背中を伸ばしたまま上半身を前に倒す
3. 20秒を目安に反対側も同じようにおこなう

上半身を前に倒すときは、骨盤を前に傾くように意識します。伸ばしている脚とは反対の方向へ傾けると、より効果が期待できます。太ももの内側が張る感覚があれば、しっかり伸びている証拠です。

立っておこなうストレッチ

立ったまま、何も道具を使わずおこなうストレッチ方法です。ちょっとした空き時間に脚を伸ばすことで、血流を促したり、気分転換になったりします。

1. 片脚を後ろに引き、反対の脚は太ももと平行になるよう前に踏み出す
2. 両手は前に出した脚の膝に乗せて上半身を支える
3. 股関節を意識しながら後ろに引いた脚を伸ばす
4. 20秒を目安に反対側も同じようにおこなう

後ろに引いた脚を伸ばすときは、上方向に体幹を引っ張るイメージでおこないます。股関節を伸展させることで、硬くなった内転筋をほぐします。

なお、内転筋をほぐしたあと、本格的に筋トレを始めようと考えている人は、動きの少ないストレッチにより筋力を落としてしまう可能性があります。筋トレ前のウォームアップには、ラジオ体操やブラジル体操など、身体をしっかり動かす動的なストレッチがオススメです。

ストレッチは、以下の記事でも解説していますので参考にしてください。

筋トレ前の”ストレッチ”は行わないほうがいい?山本義徳氏が解説!筋トレ前にストレッチを行なっている方は多いのではないでしょうか?それ、実は逆効果何です。また、ストレッチにはいくつかの種類があることはご存知ですか?本記事ではストレッチの必要性や種類、効果的なやり方について山本義徳氏が徹底解説いたします。...

まとめ

内転筋とは、太ももの裏側にある筋肉のことです。運動不足などにより内転筋を使わない日々が続くと、どんどん硬くなってしまいます。内転筋が硬くなると、股関節の可動域が狭くなり、血流が悪くなる可能性があります。

自分の股関節がどの程度硬くなっているのか、気になる人は今回紹介した柔軟性チェックをおこなってみてはいかがでしょうか?

もし、内転筋が硬いまま激しい運動をおこなってしまうと、大きなケガにつながる恐れがあります。「スポーツを始めたい」「ダイエットのために筋トレしたい」と考える人は、まず内転筋をほぐすことをオススメします。また、内転筋のストレッチには、さまざまな方法があります。自分に合った方法で、少しずつ慣らしていきましょう。

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監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

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