筋トレをおこなっている一般的な人が、ボディビルダーの食事を真似しても良いのでしょうか。
ボディビルダーの食事を真似すると、太ってしまうこともあるため注意が必要です。さらに、途中で挫折するなど、失敗する可能性も高いことからオススメはしません。
とはいえ、自分の身体を熟知しているボディビルダーの食事法を参考にすれば、レベルアップができます。
この記事では、ボディビルダーの食事のポイントをはじめ、オフ・オンシーズン別の食事例を紹介します。
ボディビルダーの食事を真似しても良い?
筋トレで身体を大きくするときには、トレーニングだけではなく食事面の管理も大事です。トレーニングのプロであるボディビルダーの食事を真似すれば、身体を大きくできると考える人もいるかもしれません。
しかし、食事の量・食べるものなど、いきなりすべてを真似するのは避けたほうが良いでしょう。すべての食事方法を真似しても、継続するのが難しくなるからです。
ボディビルダーは、筋トレで最大のパフォーマンスを発揮できるよう、食事を管理しています。1日に何時間もトレーニングするなかで、一般人よりも多くのエネルギーが必要になるため、食事量も増えます。
トレーニング量が少ない人がボディビルダーの食事を真似ると、カロリーオーバーになるケースもあるため要注意です。ボディビルダーの食事を参考にしつつ、自分のトレーニング量・身体の状態に合わせて採入れるのがオススメです。
ボディビルダーの食事のポイント
多くのボディビルダーが気をつけている食事のポイントを、以下で5つ紹介します。一般的な人も応用できるため、参考にしてみてください。
たんぱく質は積極的に
筋肉を作るには、たんぱく質の摂取が欠かせません。
ボディビルダーは普段からたんぱく質を積極的に摂るよう意識しており、1食20gを目安にしている人もいます。
脂肪を増やさずに体重増加を最大化させるには、1.6g/kg/日が必要です。ただしボディビルダーは、たんぱく質摂取量がさらに多くなる場合もあります。
一般的には1.8~2.7g/kg/日の摂取で、最大3.5g/kg/日までを目安とするのがポイントです。
高たんぱく質な食材としては、鶏むね肉・サラダチキン・豆腐製品・味の濃くない焼き鳥などがあげられます。
余分な脂質は控える
不要な分の脂質は、なるべく控えることが大切です。脂質を摂りすぎると、体脂肪が増えやすくなります。ボディビルダーの場合、総摂取エネルギーの8~33%に抑えるのが推奨されています。
脂質は、何でも摂って良いとは限りません。サラダ油など、植物性の脂質は酸化しやすく、身体に良くないのではないかといわれているからです。
植物性の脂質は避け、アマニ油・オリーブオイルなどの良質な油から摂取しましょう
炭水化物は必ず摂取
炭水化物は、身体のエネルギー源となるため必ず摂取します。ただし、摂取するタイミングには気をつけなければなりません。
炭水化物を摂取するタイミングは、筋トレ前後が良いといわれています。筋トレ前後にエネルギーが不足していると、筋肉の成長を妨げてしまいます。
エネルギー不足を防ぐには、トレーニングの前後120分以内に消化の良い炭水化物を含む食事を摂るのがオススメです。なお、頭を使う作業も多くのエネルギーを使うことから、仕事前に炭水化物を摂取する人も少なくありません。炭水化物の摂取は、どこでエネルギーを消費するかを考えることが大切です。
食事回数は4~7回
食事の回数は1日4~7回に分けます。エネルギー不足になると筋肉が分解されるため、空腹状態を作らないようにするのがポイントです。
3食はバランスの整った食事をし、残りの4食をプロテインなどのサプリで補うボディビルダーも多くいます。
特に減量期はカロリーオーバーにならないよう、間食のメニューにも気をつけます。食事の回数を増やしても、1日の摂取カロリーを増やしすぎてはいけません。
間食は、プロテインなどの高たんぱく質なものを摂取するのがオススメです。
続けやすい食事を意識
続けやすい食事を意識するのが大切です。食事の内容・頻度ばかり意識しても、続かなければ意味がありません。
加えて、数日間だけ食事のポイントを押さえても、筋肉に良い影響を与えるのは難しいでしょう。無理のない範囲で毎日続けることが、筋肉の成長につながります。
1日のなかで、バランスを考えた食事を7回作るのは大変です。挫折しないためには、手軽に必要な栄養素を補給できる、コンビニ食・サプリメントなども活用しましょう。
ボディビルダーの食事はオフ・オンシーズンで違う
ボディビルダーは、オフシーズンとオンシーズンで食事の摂り方が変わります。大会の時期から逆算して、食事をコントロールしているからです。
時期により食事の摂り方は異なるものの、増量期・減量期にかかわらず体脂肪を低い状態でキープしています。コンディションが良い状態を維持する秘訣を、オフシーズン・オンシーズンの食事に分けて解説します。
オフシーズンの食事(増量期)
オフシーズンは、筋肉を増やすために多くのカロリーを摂取します。
1日あたりのカロリー摂取目安は消費カロリー+500kcalで、消費カロリーは基礎代謝×生活活動強度指数で求められます。
基礎代謝とは、一日中まったく身体を動かさなくても消費されるエネルギーです。ジムなどにある体組成計で測定可能な除脂肪体重に、28.5を掛け算すると求められます。
生活活動強度指数は、日常生活での活動量を数値化したもので、以下の値を目安にします。
- 低い:1.3
- やや低い:1.5
- 適度:1.7
- 高い:1.9
例えば、基礎代謝が1,800kcalで生活活動強度指数が「やや低い(1.5)」の場合、消費カロリーは以下のとおりです。
1,800kcal×1.5=2,700kcal
増量期の摂取カロリーは、上記に500kcalを加えて3,200kcalです。摂取カロリーは、増量期に適した以下のPFCバランスのとおり配分します。
- P:たんぱく質 30%
- F:脂質 20~30%
- C:炭水化物 40~50%
たんぱく質は1gあたり4kcal、脂質は9kcal、炭水化物は4kcalのため、増量期のPFCバランスと必要なグラム数は以下となります。
PFC | カロリー | グラム数 |
たんぱく質 | 960kcal | 240g |
脂質 | 640~960kcal | 71~107g |
炭水化物 | 1,280~1600kcal | 320~400g |
オンシーズンの食事(減量期)
大会が近づくオンシーズンは、食事メニューを変えて体脂肪を落とします。
1日あたりのカロリー摂取目安は、消費カロリー-500kcalです。増量期と同じように、消費カロリーは基礎代謝×生活活動強度指数で計算します。
例えば、基礎代謝が1,800kcalで生活活動強度指数が「やや低い(1.5)」の場合、消費カロリーは2,700kcalです。
減量期の摂取カロリーは、上記から500kcalマイナスした2,200kcalです。摂取カロリーは、減量期に適した以下PFCバランスのとおり配分します。
- P:たんぱく質 15~30%
- F:脂質 60~70%
- C:炭水化物 10~15%
減量期のPFCバランスと必要なグラム数は以下のとおりです。
PFC | カロリー | グラム数 |
たんぱく質 | 330~660kcal | 82.5~165g |
脂質 | 1,320~1,540kcal | 146~171g |
炭水化物 | 220~330kcal | 55~82.5g |
食事で摂りきれない栄養を補えるサプリメント3選
食事で摂りきれない栄養は、サプリメントで補うことが大切です。以下で、山本義徳先生が監修するオススメのサプリメントを3つ紹介します。
VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、高純度なたんぱく質含有量を誇るプロテインです。最大で96.4%のたんぱく質が含まれており、効率的にたんぱく質を摂取できます。
たんぱく質1gあたり4.4円と、コストパフォーマンスが良いのも特徴です。財布に優しいことから、長く飲み続けられるでしょう。
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、プロテイン特有のダマ・泡立ちが少ないのもポイントです。サッと溶けて飲みやすいプロテインを探している人にも、オススメです。
VALX EAA9(イーエーエーナイン)
『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』は、手軽に必須アミノ酸を補えるサプリメントです。体内では生成できない9種類の必須アミノ酸が、バランス良く配合されています。
たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、1種類でも不足するとたんぱく質の合成が上手くされません。特に必須アミノ酸は不足しやすいため、サプリメントで補って筋肉の成長につなげましょう。
『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』には、トレーニングのパフォーマンスアップが期待できるβ-アラニンも含まれています。よりレベルの高いトレーニングをしたい人にオススメです。
VALXクレアチンパウダー
『VALXクレアチンパウダー』は、筋肉の合成をサポートするクレアチン入りのサプリメントです。飲みやすいパウダー状で、高品質なクレアピュア(R)が100%使用されています。
基本的に激しいトレーニングをおこなうと、体内のクレアチンは消費されます。そこで『VALXクレアチンパウダー』を、1日5gを目安として飲み続けることで、体内のクレアチン貯蔵量を増やすことができます。ローディングをせずとも、パフォーマンスの良い状態をキープすることにつながります。
ワークアウトドリンクに混ぜて飲むと高いトレーニング効果が期待できるため、試してみてください。
まとめ
一般的な人が、ボディビルダーの食事をすべて真似するのはオススメしません。継続が難しかったり、カロリーオーバーしたりする可能性があるからです。
とはいえ、食事の頻度・食材は参考になるため、トレーニング量に合わせてボディビルダーの食事法を取入れてみてください。
食事だけで摂りきれない栄養は、サプリメントで補うことをオススメします。プロテイン・EAA・クレアチンを補給し、効率良く筋トレしましょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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