大胸筋は肩周りの筋肉のなかでも、広くて大きい筋肉です。日常でのパソコン作業・スマートフォンの使用など、長時間前かがみになることで硬くなりやすい部位でもあります。
大胸筋が硬くなると「背中を伸ばす」「胸を張る」などの動作が難しくなり、肩こりや首の痛みにつながります。身体に悪影響を与えないためにも、普段からストレッチなどで大胸筋をほぐすことが大切です。
この記事では、大胸筋が硬くなる原因や簡単なストレッチの方法を紹介します。オススメのサプリメントも紹介するので、参考にしてください。
大胸筋が硬い原因とは?
大胸筋は日常生活で硬くなりやすいといわれており、姿勢や運動不足などがおもな原因と考えられています。以下で、具体的な原因を解説します。
姿勢が前かがみになっている
仕事などで長時間パソコン作業をしたり、普段の生活でスマートフォンを見続けたりすることで、次第に姿勢が前かがみになります。いわゆる猫背の姿勢です。
猫背の状態が続いて大胸筋が硬くなると、背中を伸ばすこと・胸を張ることが難しくなります。
筋肉が縮んで弱っている
もう一つ、大胸筋が硬くなる原因として、筋肉が縮んで弱くなることがあげられます。大胸筋は、日常生活でよく使われる筋肉です。とはいえ、あまり運動しない人だと腕を後ろに引く機会がほぼなく、筋肉が硬くなります。
そのため、トレーニングなどで積極的に大胸筋を鍛えておかないと、加齢とともに弱くなって縮んでいきます。
筋肉は筋繊維という細胞の束で構成されており、スライドして縮みながら動く仕組みです。通常、縮んだ筋肉は元の位置に戻ろうとしますが、運動不足・加齢などが原因でくっついたまま慢性化し、弱くなってしまいます。
簡単に大胸筋をやわらかくするストレッチ方法5つ
簡単に大胸筋をやわらかくするストレッチの方法を、5つ紹介します。どの方法も誰でもすぐに覚えられるため、普段の生活にぜひ取入れてみてください。
壁を使っておこなうストレッチ
壁を使ったストレッチは、伸ばす側の手を壁に当てて身体を前に出すことで、大胸筋を刺激していく方法です。
大胸筋は鎖骨部線維(上部)、胸肋部線維(中部)、腹部線維(下部)の3つのパーツに分かれています。それぞれパーツごとに伸ばすことで細かく刺激を与えられるため、効果的なストレッチ法です。
1. 壁に対して垂直に立ち、壁側の肘を直角に曲げる
2. 手の平をアゴのラインで壁につける
3. 壁側の脚を少し前に出して、反対側の手は鎖骨部線維(上部)を押さえる
4. 体重を前にかけながら10秒ほどその状態をキープする
5. 壁側の手の平を、二の腕が床と平行になる高さまで上げて壁につける
6. 2~3を繰り返す(※胸肋部線維(中部)を押さえる)
7. 壁側の手の肘をアゴの高さまで上げてつく
8. 3~4を繰り返す(※腹部線維(下部)を押さえる)
9. 身体を入替えて反対側も同様におこなう
手の位置ごとにそれぞれ約10秒ずつ伸ばし、合計30秒を目安にして1日に2~3セットおこないましょう。
ストレッチの際は「壁側の脚を少し前に出す」「反対側の手で大胸筋を固定する」という2点に注意してみてください。
両手を押し合わせておこなうストレッチ
両手で押し合うだけで大胸筋に刺激を与えられるストレッチです。いつでもどこにいても簡単にできるのが魅力のため、以下の手順でストレッチしてみてください。
1. 脚を肩幅に開いて立ち、背筋を伸ばす
2. 胸の前で左右の手の平を合わせて力を込める
3. 両手を押し合ったまま肘を腰のあたりまで下げて、再び胸の高さに戻す
4. 3の動作を繰り返す
ストレッチは、10回×2セットを目安としておこないます。ただ、慣れないと肩に力が入って、大胸筋に上手く負荷が伝わらないことがあります。力の入れすぎに注意して、楽な状態でおこないましょう。
肩甲骨を寄せておこなうストレッチ
肩甲骨を背中の真ん中に寄せて、胸を張ることで大胸筋を伸ばすストレッチです。肩甲骨を寄せておこなうストレッチの手順は、以下のとおりです。
1. 脚を肩幅に開いて背筋を伸ばし、両手を後ろにして手を組む
2. 息を吸いながら肩甲骨を寄せて胸を張り、腕を後ろに上げていく
3. 大胸筋と上腕二頭筋が伸びていることを意識し、10~15秒キープする
4. ゆっくりと腕を元の場所まで下ろす
身体が硬くて腕が上がらない人は、肩甲骨を背中の真ん中に寄せるストレッチをしてみましょう。痛みが出るときは、無理をせずに中止してください。
上記のストレッチは椅子に座りながらでもできるため、仕事の合間などに実践してみてはいかがでしょうか。
ストレッチポールでおこなうストレッチ
ストレッチポールを使用したストレッチは、大胸筋の柔軟性アップに加えて姿勢改善の効果も期待できます。
1. 仰向けになって横になり、ストレッチポールを左足の太ももの横におく
2. 身体をひねって右足のふくらはぎをストレッチポールに乗せ、固定する
3. 両手は合わせたまま右手を前へスライドさせる
4. 胸を開いて半円を描きながら右手を右側へ戻す
5. 左右互いに10回繰り返す
ストレッチポールがない場合は、枕やクッションで代用できます。
寝ながらおこなうストレッチ
床に寝ながらでもできる、大胸筋のストレッチです。自分の体重を利用して肩から胸にかけて刺激を与えることで、筋肉が集中的に伸びます。
1. うつ伏せで横になり、両手を広げてT字の体勢になる
2. 右のこめかみを床につけたままで左半身を持ち上げる
3. 左足を立てて足の裏を床につけ身体を安定させる
4. 胸のあたりで左手をついてバランスを取り、ゆっくりと呼吸しながら体勢を維持する
5. 2~4を反対側も同様におこなう
左右15~30秒ずつ×1セットおこないましょう。慣れてきたら、バランスを取っている手を上へ伸ばしながらおこなうと、より効果的です。
大胸筋に効く筋トレの方法2つ
ここでは、簡単にできる大胸筋に効果的な筋トレを2つ紹介します。
立った状態でおこなう筋トレ
立った状態でおこなう場合は、最初に中身が入った500mlのペットボトルを2本用意しましょう。
1. 脚は腰幅に開き、両手でペットボトルを持つ
2. みぞおちの高さで肘を合わせて固定する
3. 肘が開かないように力を入れながら、腕を上がるところまで上げて元に戻す
4. 息を止めずにテンポ良く繰り返す
腕を上げるときに肘が開くと大胸筋への刺激が減るため、肩を上げずにしっかり閉じるのがポイントです。目安は20~40回×3セットですが、自分の体力に合わせておこないましょう。
寝ながらおこなう筋トレ
寝ながら筋トレをおこなう場合も、ペットボトルを2本使用します。
1. 床に仰向けになり、膝は90度に曲げて腰幅に開く
2. 両手にそれぞれペットボトルを持ち、上に真っ直ぐ伸ばす
3. 両腕を開きながら肘を軽く曲げて、床にギリギリ触れるまで下ろす(3秒かける)
4. 息を吐きながら3秒かけて戻す
5. 3~4を繰り返す
腕を元に戻すときには、反動をつけずにゆっくりと戻します。手首が返ったり肘が伸びたりすると、ケガの原因となるため要注意です。
基本的に20~40回×3セットを目安にし、刺激を追加する場合はペットボトルに砂を入れておこなうと良いでしょう。
大胸筋のストレッチや筋トレにオススメのサプリ
大胸筋のストレッチや筋トレの効果を高めたい人には、山本義徳先生が監修するサプリメントがオススメです。
山本義徳先生は一般人からトップアスリートまで、幅広いクライアントを指導する有名トレーナーです。山本義徳先生自身も、国内・海外のボディービル・パワーリフティングの大会などで多くの優勝経験があります。
以下で、山本義徳先生が監修したサプリメントを2つ紹介します。
VALX EAA9(イーエーエーナイン)
『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』は、トレーニングに特化したサプリメントです。BCAAを含む9種類の必須アミノ酸が、バランス良く配合されています。
フレーバーはシトラス風味・コーラ風味・パイナップル風味・青りんご風味の4種類から選べます。どのフレーバーも癖がなく飲みやすいため、初心者の人にもオススメです。
EAA BEAUTY(イーエーエービューティー)
『EAA BEAUTY(イーエーエービューティー)』は、美しく引き締まった美ボディを効率良く手に入れたい人にオススメです。
全9種類の必須アミノ酸だけではなく、ピクノジェノール(R)・β-アラニンも配合。女性の美と健康を守るのに役立つサプリメントとなっています。
味にもこだわっており、おいしいと評判のベリー風味のため、継続しやすいでしょう。
まとめ
ここまでで大胸筋が硬くなる原因、簡単にできるストレッチ・筋トレを紹介しました。
日常生活でよく使う大胸筋は、長時間のパソコン作業などで動かさずにいると、硬くなってしまいます。
猫背をはじめ、加齢・運動不足で硬くなった筋肉を放置すると、肩こり・首の痛みなどにつながります。身体へ悪影響を与えないよう、普段から積極的にストレッチをしてほぐすことが大切です。
ここで紹介したストレッチ・筋トレは簡単にできるため、ぜひ生活に取入れてみてください。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。
【筋トレ大学PRO】
https://shop.valx.jp/shop/information_categories/kintoredaigaku-pro
【SNS】
X▶︎https://twitter.com/valx_official
Instagram▶︎https://www.instagram.com/valx_official/