広背筋は、背中・腰・腕につながっている大きな筋肉です。
広背筋を鍛えて、かっこいい背中を手になりたいと考えている人は多いでしょう。
しかし、広背筋は背中にあって見えないのでトレーニングのときに意識して鍛えることができません。
今回は、広背筋の概要・鍛えるメリット、自宅で簡単にできる自重メニューを解説します。あわせて、広背筋を効率良く鍛えられるオススメのプロテインも紹介します。
広背筋とはどのような筋肉?
背中の筋肉は背筋と呼ばれることが多く、一つの筋肉だと思われがちです。しかし、実際は以下、4つの筋肉で構成されています。
僧帽筋
僧帽筋(そうぼうきん)は、首・肩・背中上部にかけてつながっている筋肉です。
首・肩甲骨の動きに欠かせない重要な働きをします。
多くの人が悩んでいる肩こりは、僧帽筋と大きく関係しているケースがあります。長時間のデスクワークなどで僧帽筋に負荷がかかると緊張状態となり、周りの筋肉にも影響がおよぶことで肩こりをまねきます。
広背筋
広背筋(こうはいきん)は、背中中央部から脇の下・腰へつながっている筋肉で、ほかの筋肉と比べて最も面積が大きいのが特徴です。
後ろを動かす、引っ張るなど肩関節の動作に欠かせない筋肉です。
男性があこがれる逆三角形のボディラインは、広背筋を鍛えることで作れます。
大円筋
大円筋(だいえんきん)は、肩甲骨から脇の下にかけて続いている筋肉です。
小さな筋肉なのでピンポイントで鍛えるのは難しいのですが、立体感のある背中を作るのに効果的です。
広背筋と協働しながら肩関節の動きをサポートします。
脊柱起立筋
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、首から背骨の両側をとおりながら骨盤まで続いている大きくて長い筋肉です。
最長筋(さいちょうきん)・腸肋筋(ちょうろくきん)・棘筋(きょくきん)の3つの筋肉で構成され、背骨を支えて姿勢を維持するのに欠かせない重要な働きをしています。
私たちが直立できるのも、この筋肉のおかげです。スポーツのパフォーマンスにも大きく影響している重要な筋肉です。
広背筋の筋トレで得られる4つのメリット
広背筋を鍛えることで、以下4つのメリットが得られます。
逆三角形のボディラインになれる
広背筋は、背中にある逆三角形の形をした筋肉です。
トレーニングで鍛えることで上半身ががっちりと引き締まり、ウエストにもメリハリがついて、いわゆる逆三角形の体型になります。
筋トレする際は、大胸筋とあわせて鍛えることで、より理想のボディラインへと近づけます。
基礎代謝アップにつながる
一般的に、筋トレをすることで基礎代謝がアップするといわれています。基礎代謝とは、生命活動の維持に消費される、必要最低限のエネルギー代謝のことです。
広背筋はとくに大きな筋肉なので、筋トレで鍛えると全身の筋肉量も増え、基礎代謝の向上に効果的です。
基礎代謝が上がれば消費エネルギーも増加するため、痩せやすく、リバウンドしにくい身体になります。
広背筋の筋トレは、ダイエット目的の人にもオススメです。
トレーニングの幅が広がる
上半身のトレーニングは広背筋を同時に使うメニューが多く、トレーニングの幅が広がります。背筋を鍛えるトレーニングをすると、ほかの筋肉も一緒に効率良く鍛えられます。
正しい姿勢になる
長時間のデスクワークなどをおこなうと、猫背になるおそれがあります。猫背は、背筋・腹筋のバランスが崩れることが原因です。
どちらか一方だけ鍛えても正しい姿勢を保つのが難しく、背筋・腹筋をバランス良く鍛えることで正しい姿勢を維持できます。
丸まった背中とまっすぐ美しい姿勢では、周りの人に与える印象は違ってきます。
背中は自分ではなかなか見づらい場所だからこそ、しっかり鍛えて正しい姿勢を手に入れたいものです。
広背筋の筋トレを器具なしで鍛える最強メニュー
筋肉を鍛えたいけれど、仕事が忙しくてジムになかなか通えない人は、自宅で器具を使わずに広背筋を鍛えられるトレーニングメニューがオススメです。
器具を使わないですぐにできるメニューばかりなので、かっこいい背中を目指したい人は、ぜひ実践してください。
バックエクステンション
バックエクステンションは、器具なしで鍛えられる広背筋のトレーニングの中で最もポピュラーなものです。
床にうつ伏せになって上体を反らすことで広背筋だけでなく、僧帽筋・脊柱起立筋などにも効果的です。
その見た目からスーパーマンとも呼ばれるトレーニングです。
1. うつ伏せになり、頭の後ろで両手を組む
2. 身体を反りながら、ゆっくりと上体を上げていく
3. 限界まで上げたら、ゆっくりと下ろしてもとの状態に戻す
4. 2~3を繰り返す
10回を1セットとし、30秒ほどの休憩を挟みながら2~3セットおこないましょう。
上体を反らすときに息を吐き、下ろすときに息を吸い、途中で息を止めないようにします。
パートナード・インバーテッドロウ
2人でおこなうトレーニングで、パートナーの腕をつかんで持ち上げることにより背中の筋肉を鍛えることができます。
広背筋はもちろん、僧帽筋・大円筋、さらに相乗効果として上腕二頭筋・肘関節屈筋・三角筋後部にも効果的です。
1. 脚を広げて立っているパートナーの脚の間で、床に仰向けになる
2. 仰向けになったトレーニングする人は、前傾姿勢になったパートナーの腕をつかむ
3. 床にはかかとだけがつくようにして、身体を上に引っ張り上げる
4. 上まで引っ張り上げたら、ゆっくりと下ろす
5. 3~4を繰り返す
3セットおこないます。
身体を下ろすときに、背中が床につかないようにしましょう。
リバーススノーエンジェル
リバーススノーエンジェルは、うつ伏せになって腕を動かすことで背中が鍛えられるトレーニングです。
広背筋だけでなく、背中の筋肉をすべて鍛えることができます。
1. 床にうつ伏せになって両手を伸ばす(顔・手は地面から浮かせる)
2. 肩甲骨を寄せ、両腕を大きく開きながら頭上へ伸ばす
3. もとの位置へゆっくり戻す
4. 2~3を繰り返す
15~20回を1セットとし、3セットほどおこないます。
単純な動きですが、肩甲骨をしっかり寄せておこなうのがポイントです。
アイソメトリック・タオルロウ
アイソメトリック・タオルロウは、自宅でできるタオルを使ったトレーニング法です。
広背筋・大円筋・三角筋などを一緒に鍛えることができます。
1. 両脚を前後に開き、タオルの真ん中あたりを片脚で踏んでおさえる
2. タオルの両端をしっかり持ち、上体を前傾させ、前脚に重心をのせる
3. 肩甲骨を寄せてタオルを上に引っ張って10秒キープ
4. 力を抜いて脚を入れ替え、2~3を繰り返す
10回を1セットし、3セットおこないます。
リバースエルボープッシュアップ
このトレーニングは腕・背中を使った上体起こしで、肩甲骨を寄せるイメージでおこないます。
上体を丸めず、腹筋は使わないようにしましょう。
1. 床に仰向けになり、肘を脇につける
2. 床に肘をつき、お尻は上げずに、腕の力だけで上体を起こしてキープ
3. もとに戻して1~2を繰り返す
20回を1セットし、3セットおこないます。
タオルシーテッドロウ
タオルシーテッドロウは、タオルを使ったトレーニング法です。
広背筋・僧帽筋・三角筋後部・上腕二頭筋・脊柱起立筋などに効果が期待できます。
1. 床に長座してタオルを両脚にかけ、タオルの両端を握る
2. 肩甲骨を引き寄せるイメージで、両手を引く
3. ゆっくりもとに戻し、2~3を繰り返す
10回1セットで、3セットおこないましょう。
できるかぎり背筋を伸ばした状態をキープします。タオルを引くときに脚に力を入れ、負荷をかけていくのがポイントです。
ドアロウ
ドアロウは、ドアノブにタオルを引っ張ることで広背筋を鍛えます。
広背筋・大円筋・三角筋後部と同時に、上腕二頭筋・僧帽筋中部などの部位に効果的です。
背中全体をまんべんなく鍛えられるので、引き締まった美しい背中が目指せます。
1. ドアノブにタオルをかけて、タオルの端を握る
2. ドアを両脚で挟むように膝を曲げて立ち、後ろに身体を倒しながら腕も伸ばす
3. 背筋を伸ばしながら、腕を曲げてドアに引き寄せる
4. ゆっくりともとの位置に戻し、2~3を繰り返す
20回を1セットとし、3セットおこないます。
広背筋を意識せずにおこなうと、腕・肩の筋肉に負荷がかかります。広背筋がしっかり動いていることを確認しながらおこなうのがポイントです。
トレーニング前に、ドア・ドアノブの強度を確認しましょう。体重をかけておこなうため、ドア・ドアノブが壊れるおそれがあります。
広背筋の筋トレ効率アップにプロテインを活用しよう!
広背筋を効率良く鍛えるためには、たんぱく質の摂取が欠かせません。しかし、食事だけで、筋肥大に必要なたんぱく質を摂取するのは大変です。
手軽にたんぱく質を摂取するなら、プロテインがオススメです。
『VALX ホエイプロテイン』は、ボディビル界のレジェンド・山本義徳先生の完全監修のもと、高いたんぱく質含有量を保ち、原材料・おいしさにもとことんこだわっています。
フレーバーは、チョコレート風味・ベリー風味・ヨーグルト風味・カフェオレ風味・バナナ風味・レモネード風味・抹茶風味・杏仁豆腐風味に加え、キャラメルマキアート風味が数量限定で発売中です。
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プロテインの飲み方・選び方は、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
背中は、広背筋をはじめ、いくつかの筋肉が集まって構成されています。
広背筋を鍛えることで理想のボディラインが手に入り、基礎代謝アップ・姿勢改善などさまざまな効果が期待できます。
広背筋を鍛える際は、本格的なマシントレーニングは必要ありません。今回紹介したトレーニングメニューは、自宅にいながら簡単に広背筋を鍛えられます。ぜひ実践してみてください。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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