理想のウエストラインを手に入れるためには、腹直筋のトレーニングが欠かせません。
腹直筋を効率良く鍛えるためには、トレーニングと並行してストレッチが必要です。
今回は、ボディビル界のレジェンド・山本義徳先生が、腹直筋を効果的に鍛えられる簡単ストレッチ方法をご紹介します。
腹直筋の構造や役割
腹直筋(ふくちょくきん)とは、恥骨から肋骨にかけて縦に伸びている大きな筋肉で、内臓を守ったり身体を支えたりする働きがあります。
骨盤・体幹の安定性を保つ役割があり、身体をさまざまな方向へ動かすために重要な筋肉です。
腹直筋は、筋繊維上に縦に走る「白線(はくせん)」と横に走る「腱画(けんかく)」の2つの腱によって構成されています。
腹直筋を鍛えて筋肉の厚みが増すことで、「シックスパック」と呼ばれる、筋肉が6つのブロックに割れている状態になります。
腹直筋をほぐすとどのような効果がある?
腹直筋をトレーニングで正しく鍛えるとシックスパックが手に入りますが、腹直筋をストレッチでほぐすと、次のようなメリットを得られます。
猫背の人は姿勢が良くなる
腹直筋をほぐすと、猫背の人は姿勢が良くなります。
猫背の原因の一つは、「腹直筋が使えていないこと」です。
腹直筋は、骨盤の角度をコントロールする筋肉です。腹直筋が硬くなって使えなくなると骨盤が後ろに傾き、猫背につながります。
猫背にならないためには、硬くなった腹直筋をほぐして柔軟性を高めることが重要です。腹直筋には、身体をまっすぐ伸ばす働きがあります。硬くなっている腹直筋をほぐすことで身体がまっすぐ伸びて、キレイな姿勢につながります。
筋肉を正しく使えるようになる
腹直筋は骨盤の角度をコントロールする働きや、身体の体幹につながる筋肉です。腹直筋をしっかりとほぐすことで身体のバランスが整いやすくなり、各筋肉を正しく使えるようになります。
身体の筋肉が正しく使えないままトレーニングをおこなうと、筋肉の可動域が狭いために効果的なフォームができず、トレーニングの効果が十分に発揮されない可能性も高まります。
トレーニングの効果をより実感するためにも、まずは腹直筋をほぐしてあげることから始めてみてください。
腹直筋をほぐす簡単ストレッチメニュー

腹直筋をほぐすストレッチメニューを解説します。いずれも3分程度で簡単にできるものばかりなので、ぜひ挑戦してください。
基本の腹直筋ストレッチ
基本の腹直筋ストレッチを紹介します。トレーニングの前後におこなうと、バランス良く筋肉がつきます。
1. うつ伏せ状態で、手のひらと額を床につける
2. 下半身は動かさず、腕を使って上体を引き起こす
3. 骨盤が浮かないように気をつけ、お腹をしっかりと伸ばす
上半身を引き上げてお腹を伸ばしたら、ゆっくり呼吸しながら30秒間キープしましょう。
腰・肩が痛い人は無理せず、肘下を床につけたままゆっくりストレッチしてください。
腹直筋をほぐせるだけではなく、大腰筋にも効果的です。
自重で伸ばす腹直筋ストレッチ
タオル・バランスボールなどのアイテムを使った、自重で腹直筋をほぐすストレッチを紹介します。
・バランスボールを使用した腹直筋のストレッチ方法
1. 両足を肩幅に開き、背中をバランスボールに乗せる
2. 両腕を頭の方向に伸ばし、膝を曲げたり伸ばしたりしながらボールを転がしてお腹を伸ばす
3. 頭部方向に倒れないように注意し、30秒おこなう
バランスボールを利用すれば、自重によって効率良くストレッチできます。床でおこなうストレッチよりも足腰を痛めにくいのも特徴です。
・タオルを使用した腹直筋のストレッチ方法
1. 仰向けになり、腰の下にタオルを入れて腰を反らせる
2. ゆっくりと呼吸をしながら、お腹を伸ばす
タオルを使用したストレッチは、寝起き・就寝前に布団の中で手軽にできます。タオルを折りたたんで、自分に合った高さにしておこないましょう。
お腹全体を楽に伸ばすストレッチ
寝ながらお腹全体をほぐせるストレッチを紹介します。
腹直筋はもちろん、くびれを作るために欠かせない腹斜筋・腹横筋も同時にほぐせます。就寝前・寝起きにすぐにできるので、ぜひ毎日おこなってください。
・寝たままできる!ひねりストレッチ方法
1. 仰向けになり両膝を立てる
2. 両腕を肩の高さで広げ、背中全体を床に密着させる
3. 両膝をしっかりとくっつけ、かかとを軸にして右側に倒し、5秒キープ
4. 膝を中心に戻し、今度は左側へゆっくり倒す
5. 左右5~10回ずつおこなう
両膝を床に倒す際は、肩・背中が浮かないように注意し、上半身はそのままの状態で腰だけをひねるイメージでおこないます。
猫背に悩む人は腹斜筋のストレッチもオススメ

猫背に悩んでいる人は、腹直筋だけではなく、腹斜筋のストレッチもオススメです。腹斜筋とはお腹の横にある筋肉で、女性ならば美しいくびれを作るために欠かせません。
腹斜筋は表層部にある外腹斜筋、外腹斜筋の内側部分にある内腹斜筋に分かれ、それぞれ役割が異なります。
外腹斜筋の役割
外腹斜筋の働きは2つあります。お腹を丸める動作をする場合には左右両方で同時に働き、身体をひねる動作の場合には片側のみが働きます。
内腹斜筋の役割
内腹斜筋は、外腹斜筋よりも深層部にあるインナーマッスルで、身体をひねる動作をサポートします。体幹を安定させるために重要な筋肉です。
・腹斜筋のストレッチ方法
1. あぐらの姿勢で背筋をピンと伸ばして座る
2. 右腕を高く上げ、身体をゆっくりと左側へ倒す
3. 右側の脇腹がしっかり伸びていることを意識し、5秒キープする
4. 状態をもとに戻し、反対側も同じようにおこなう
5. 左右5〜10回繰り返す
上半身が前方に倒れないよう意識してください。脇腹に意識を集中させ、呼吸を止めずにストレッチしましょう。
キレイなシックスパックを目指すには筋トレと食事を見直そう!
キレイなシックスパックを目指すためには、腹直筋だけではなく、腹斜筋のトレーニングも大切です。
トレーニングメニューによって、上部に効くもの・下部に効くものなどがあるため、鍛えたい部位に合わせてメニューを考えてみましょう。
トレーニングの前後にストレッチを組合わせることで、よりキレイな筋肉がつきます。ストレッチ習慣を身に付ければ筋肉の柔軟性も高まり、トレーニング中のケガ予防にもつながるため、ぜひ取入れてください。
トレーニングだけではなく、食事の量・質も重要です。筋肥大につながりやすい良質なたんぱく質を摂取するために、サプリメントの併用もオススメです。
確実に腹筋を割る方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。

まとめ
キレイなシックスパックを目指すためには、腹直筋・腹斜筋のトレーニングだけでなく、ストレッチをおこなうことも大切です。
腹直筋のストレッチで筋肉をほぐすと、猫背が改善したり、筋肉を正しく使えるようになったりするなど、さまざまなメリットがあります。
腹斜筋のストレッチをおこなうと、女性ならば美しいくびれを作る効果が期待できます。
今回紹介した自重でできるストレッチを取入れながら、サプリメントも賢く利用して、憧れのシックスパックを手に入れましょう。

監修者情報

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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