上腕三頭筋を鍛えると、たくましい二の腕・逆三角形の上半身が手に入ります。とはいえ、簡単に鍛えられる部位ではありません。力こぶの部分を指す上腕二頭筋と比べて「鍛え方がわからない」「なかなか大きくならない」と悩む人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、上腕三頭筋を構成する筋肉・効果のあるトレーニングについて紹介します。トレーニングする際の注意点も解説しますので、正しいフォームで鍛えられるよう参考にしてください。
3つの筋肉で構成される上腕三頭筋
二の腕部分の筋肉である上腕三頭筋は、腕のなかでも多くの面積を占めています。鍛えることで腕周りをしっかり太く見せられます。
上腕三頭筋は長頭・短頭で構成され、さらに短頭は、外側頭・内側頭の2つの部位に分けられます。正しく鍛えるためには、それぞれの筋肉の特徴を知ることから始めましょう。ここからは、上腕三頭筋を構成する筋肉について具体的に解説します。
長頭
長頭(ちょうとう)とは、肩甲骨から肘にかけてついている筋肉です。肩関節と肘関節の2つに接する筋肉のため、二関節筋ともいいます。肘・肩関節の曲げ伸ばしにより刺激を与えられる筋肉です。肩甲骨の関節下部分を起始として、肘の頂点である尺骨肘頭(しゃっこつちゅうとう)が停止となります。
外側頭
上腕三頭筋の短頭、その外側の部分を外側頭(がいそくとう)と呼びます。肘関節のみに接しているため短関節筋ともいいます。肘を伸ばして時計回りに回したときに刺激される部分で、起始は上腕骨体の後ろ側あたり。尺骨肘頭が停止となります。
内側頭
上腕三頭筋の短頭のうち、肘の近くに位置しているのが内側頭(ないそくとう)です。外側頭と同じく、肘関節にのみ接しているため短関節筋と呼ばれ、反時計回りに腕を回すことで作用します。こちらも外側頭と同じく、上腕骨体の後ろ側あたりを起始として、尺骨肘頭が停止となります。
上腕三頭筋の内側頭に効果的なトレーニングメニュー
上腕三頭筋の内側頭は、鍛え分けの難しい部分です。しかし、ここをしっかり鍛えれば腕の太さをアピールできるようになります。
ここからは、上腕三頭筋の内側頭を鍛えられるトレーニングメニューを5つ紹介します。正しいフォーム・注意点も解説しますので、参考にしてください。
パイクプッシュアップ
パイクプッシュアップは、自分の体重でしっかり負荷をかける腕立て伏せの応用編トレーニングです。15回を1セットとして、3セットおこないましょう。
パイクプッシュアップの手順
1. 脚を大きく開き、腰を曲げて床に手をつく
2. 肘が直角になるまで身体を下ろす
3. ゆっくり身体を斜めに押し上げて戻る
肩幅よりも手を広く置き、肩甲骨をしっかり寄せて姿勢を維持します。正しいフォームを意識しなければ、肩に余計な負担をかけてしまいます。肘が体幹の前に位置するよう意識しましょう。
ダンベルフレンチプレス
ダンベルを活用し、上腕三頭筋を鍛えるダンベルフレンチプレス。筋肉にしっかり負荷をかけられるトレーニングです。1セット10回を目安に、3セットおこなってください。
ダンベルフレンチプレスの手順
1. ダンベルを1つ持ち、背筋を伸ばして立つ(座ってもOK)
2. 両手でダンベルを縦に持ち、頭の後ろに構える
3. 肘をゆっくり伸ばしてダンベルを持ち上げる
4. そのままキープする
5. ゆっくり肘を曲げてもとの位置に戻る
肘の位置をしっかり固定して、ゆっくりおこなうのがポイントです。ダンベルの重さによっては肩・肘に負担がかかりますので、無理のない負荷から慣らしていきましょう。
ライイングダンベルトライセップスエクステンション
「ライイング」という名のとおり、仰向けになった状態でダンベルを持ち、肘の曲げ伸ばしをおこなうトレーニングです。10回×3セットをおこないましょう。
ライイングダンベルトライセップスエクステンションの手順
1. ベンチに仰向けに寝転ぶ
2. ダンベルを縦に持ち、胸の前で構える
3. ゆっくり腕を伸ばしてダンベルを上げる
4. 肘を曲げてダンベルを頭の上まで下ろす
ダンベルの重さにより腰が浮かないよう注意してください。また、ダンベルを反動で上げると、手から離れてケガをするおそれがあります。呼吸を意識して、自分の力で曲げ伸ばししましょう。難しい場合は、負荷を減らして挑戦するのがオススメです。
トライセプスエクステンション
ダンベルではなく、バーベルを活用して上腕三頭筋を鍛えるトレーニングです。こちらも10回×3セットを目安におこなってください。
トライセプスエクステンションの手順
1. ベンチに仰向けに寝転ぶ
2. 両手でバーをつかみ天井に向けて持ち上げる
3. 肘を曲げ、バーベルを頭の上部に向けて下ろす
肘と肩甲骨が動くと、上腕三頭筋ではなく背中に負荷がかかってしまいます。肘と肩甲骨の位置をしっかり固定して、ゆっくりおこないましょう。スピード・回数ではなく、正しいフォームを意識するのがポイントです。
チューブトライセップスエクステンション
チューブを活用したトレーニングです。肘を開くように意識しておこなうと短頭に、肘を閉じる意識でおこなうと長頭に負荷をかけられます。15回×3セットを目安にトレーニングしてください。
チューブトライセップスエクステンションの手順
1. 頭の上から両手でチューブを引っ張れるようにセットする
2. 仰向けになり、チューブを持って肘を曲げる
3. 下方向に肘を伸ばしてチューブを引っ張る
4. 状態を維持しながら上腕三頭筋を収縮させる
5. ゆっくり肘を曲げてもとの位置に戻る
チューブを使えば、その位置・長さによって自由に強度を変えられます。肘を動かすと大胸筋に負荷がかかってしまうため、固定しておこなうのがポイントです。
上腕三頭筋を鍛えるために有効なトレーニングについては、以下の記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてください。
上腕三頭筋の発達に効果的な栄養と食事メニュー
上腕三頭筋を鍛えるためには、トレーニングだけでなく栄養面でのアプローチも欠かせません。バランスの良い食事はもちろん、トレーニングに有効な栄養素をしっかり摂ることが必要です。ここからは、上腕三頭筋の発達に効果的な栄養素と食事メニューを解説します。
三大栄養素
身体に良いとされる食事の基本は、三大栄養素のバランスにあります。三大栄養素はたんぱく質・脂肪・炭水化物の3つを指し、英語の頭文字を取って「PFC」とも呼ばれます。
どれだけトレーニングの数を増やしても、身体をつくる栄養素が不足していれば効率良く筋肉を育てられません。PFCバランスを意識しつつ、筋肉をつくるたんぱく質をしっかり摂取することをオススメします。
食事
前述のように、トレーニングの効果を最大化するには栄養バランスの整った食事が必要です。特にたんぱく質を構成するアミノ酸は、傷ついた筋肉の修復に欠かせません。アミノ酸スコアの高い肉・魚・大豆・卵・牛乳などを食事メニューに取入れ、しっかり補給しましょう。
いきなり食事を変えるのが難しいという場合は、普段のメニューに卵料理をプラスしたり、サラダに豆類を入れたりするのもオススメです。
トレーニング効果を高める食事・摂取タイミングについては、以下の記事でも紹介しています。参考にしてください。
上腕三頭筋の内側頭が痛いときはストレッチがオススメ
トレーニングの影響で上腕三頭筋の内側に痛みを感じるときは、無理のない範囲でストレッチをおこなってみてください。血行が良くなることで、筋肉痛の緩和が期待できます。運動前のストレッチは筋肉痛予防にもつながるでしょう。以下では、手軽にできるストレッチの手順を説明します。
1. ベンチ・椅子に座り、右腕を頭の後ろへ上げる
2. 右肘を左手で引っ張る
3. 10秒ほどキープしてゆっくりもとに戻す
4. 腕を変えて2~3回繰り返す
上腕三頭筋は肩甲骨にもかかっているため、肩こりにも効果的なストレッチです。トレーニング前後に意識的に取入れてみてください。
食事で補いきれない栄養はサプリメントを利用しよう!
効率良く筋肉を鍛えるためには、トレーニングとバランスの良い食事が大切です。しかし、毎食欠かさず栄養素の種類・量をコントロールするのは簡単ではありません。そこでオススメなのが、必要な栄養素を手軽に摂取できるサプリメントの活用です。
VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト
山本義徳先生が監修した『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、たんぱく質の含有量が90%以上・プレーン味では96.4%を誇るプロテインです。BCAAも1回で約5,400㎎摂取できることもあり、多くのトレーニーが愛用しています。
プレーン味・チョコレート風味・ストロベリー風味・ライチヨーグルト風味・バナナ風味・抹茶風味と6つのフレーバーが用意され、好みで選べるのもポイント。「プロテインの味が苦手」「おいしくないので続けられない」と感じている人にもオススメです。とても溶けやすく、効率良くたんぱく質が摂取できるプロテインを、ぜひ試してみてください。
人気のプロテイン・選び方のポイントは以下の記事でも紹介しています。参考にしてください。
まとめ
長頭・外側頭・内側頭で構成されている上腕三頭筋。それぞれの部位をしっかり鍛えることで、上半身の印象が大きく変わります。ダンベル・バーベル・チューブなどの道具も用いながら、自分に合った方法でトレーニングをしてください。筋肉痛のある場合は、無理のない範囲でストレッチをすると良いでしょう。
また効率的なトレーニングには、三大栄養素をバランス良く含む食事が欠かせません。栄養管理が難しい場合は、たんぱく質を含むサプリメントの活用もオススメです。含有量が多く、飽きずに続けられるものを選んでください。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。
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