プロテイン

プロテインの摂取量を計算する簡単な方法とは?厚生労働省の基準も紹介

プロテインを飲む際に、適正量はどのぐらいかと疑問に思う人も多いでしょう。プロテインの適正な摂取量は、個人の運動量によって異なります。自分に見合う摂取量を把握していないと、総摂取カロリーが増えて太ってしまう事もあります。

今回は性別・年齢・身体活動レベル別にたんぱく質の摂取目安量を一覧で掲載。さらに誰でも簡単にプロテインの摂取量を計算できる方法もご紹介します。適切なたんぱく質やプロテインの摂取量を把握し、効率的な筋肥大を狙いましょう。

【一般の人向け】身体活動レベル別に見たたんぱく質の摂取目安量

厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」(2020年版)をもとに、性別・年齢・身体活動レベル別で見たときのたんぱく質の摂取目安量は以下となります。

男性 女性
身体活動レベル
1~2(歳) 31~48 29~45
3~5(歳) 42~65 39~60
6~7(歳) 44~68 49~75 55~85 41~63 46~70 52~80
8~9(歳) 52~80 60~93 67~103 47~73 55~85 62~95
10~11(歳) 63~98 72~110 80~123 60~93 68~105 76~118
12~14(歳) 75~115 85~130 94~145 68~105 78~120 86~133
15~17(歳) 81~125 91~140 102~158 67~103 75~115 83~128
18~29(歳) 75~115 86~133 99~153 57~88 65~100 75~115
30~49(歳) 75~115 88~135 99~153 57~88 67~103 76~118
50~64(歳) 77~110 91~130 103~148 58~83 68~98 79~113
65~74(歳) 77~103 90~120 103~138 58~78 69~93 79~105
75以上(歳) 68~90 79~105 53~70 62~83

出典: 「日本人の食事摂取基準」(2020年版)【表8 身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量(g/日)(非妊婦、非授乳婦)】 厚生労働省

身体活動レベルについて

1日にどれだけ身体を動かしているかは、携わっている仕事の内容など環境によって人それぞれです。身体活動レベルは、活動量に応じて3つのレベルで分けられます。下記で自身が該当するレベルを確認してから、表を確認してみてください。

・身体活動レベルⅠ
1日の生活でほとんどが座って過ごし、静的な活動が中心の場合を指しています。近年では在宅ワークなども多くなり、自宅でパソコンなどの前から動かない人も多くなっている事から、レベルⅠに分類される人も増えてきています。

・身体活動レベルⅡ
デスクワークなどの座り仕事が中心です。職場内での移動や立っておこなう作業・接客・通勤・買い物・家事・軽いスポーツなどをおこなっている人が該当します。また、ジムなどで積極的な運動はしていないものの、日常生活でも身体を動かしている人も含みます。

・身体活動レベルⅢ
肉体労働が中心で、移動や立っておこなう事が多い仕事をしている人が該当します。休日に活発なスポーツをする人やジムでトレーニングなどをしている人も、このレベルに該当します。

18~49歳男性の例

上記の表を確認すると、1日で摂取するたんぱく質の目標量は性別や年齢、身体活動レベルごとに定まっています。
その中で18歳~49歳の男性の身体活動レベル別に見た場合、たんぱく質の目安量は、以下の数値となります。

  • 身体活動レベルI……75~115(g/日)
  • 身体活動レベルⅡ……86~133(g/日)※18歳~29歳
  • 身体活動レベルⅡ……88~135(g/日)※30歳~49歳
  • 身体活動レベルⅢ……99~153(g/日)

上記の事から、18〜49歳男性であれば最低でも1日100g程度のたんぱく質摂取が食事からの摂取も含めて必要という事がわかります。他の年齢や性別の人も同様の見方で、自身のたんぱく質摂取目安量を確認してみましょう。

山本先生推奨アスリート向けたんぱく質の摂取目安量

上でご紹介した厚生労働省のたんぱく質の摂取量目安は、あくまで一般の人が健康を維持するために最低限必要な量です。

ハードにトレーニングする人やアスリートの場合は、より多くのたんぱく質を摂取する必要があります。

山本義徳先生が推奨している摂取目安量は、体重×2.8gです。これは、トレーニングをおこなう人が最大限の筋肥大効果を得るために必要な量です。実際、体重×2.8gのたんぱく質を1日で摂取する事で、筋肥大の効果は最大になるという研究もあります。

参考:
A high protein diet (3.4 g/kg/d) combined with a heavy resistance training program improves body composition in healthy trained men and women – a follow-up investigation

体重60kgの人なら、60kg×2.8g=168gなので、約170gのたんぱく質摂取が目標になります。

ハードにトレーニングする人やアスリート向けの適切なたんぱく質摂取量は、以下の記事で詳しく解説しています。

筋トレをする人の適切なたんぱく質摂取量は?山本義徳先生が解説1日に必要なたんぱく質量、足りている自信はありますか?また、たんぱく質が体内で再合成されるということ、リサイクルされるということ、ご存知ですか?知られざる『たんぱく質』について山本義徳氏が徹底解説!...

【簡単】プロテイン摂取量の計算式

1日に必要なたんぱく質を食事から確保しようとしても、難しいこともあるでしょう。とくに筋肥大効果を目的にするなら、【体重×2.8g】のたんぱく質摂取が必要になり、体重60kgの人なら【60kg×2.8g=168g】です。

約170gものたんぱく質を食事から補うのは、あまり現実的ではありません。食事で摂りきれないたんぱく質は、プロテインで補う必要があります。プロテインは糖質や脂質が少ないので、余分なカロリーをカットしてたんぱく質だけを効率よく摂取できます。

ここからは、足りないたんぱく質をプロテインで補う場合の、プロテイン摂取量の簡単な計算式をご紹介します(一般の人も同じ計算式を使えます)。

以下の計算式で求められます。

1日のたんぱく質摂取目安量 ー 食事で摂取したたんぱく質 = プロテイン摂取量

1回の食事で30gのたんぱく質を補充したと仮定した場合、食事で摂取できるたんぱく質量は3食で合計90gです。1日のたんぱく質摂取目標量が170gだとすれば、170gから90gを引いた80gが、プロテインで補う量になります。

ちなみに、食事で摂取したたんぱく質の量は厳密に計算できないため、ある程度大まかな数値で構いません。

不足するたんぱく質については、プロテインで摂取するのがオススメです。

ちなみに、プロテインは摂取するタイミングも重要ですので、以下の記事で山本義徳先生が詳しく解説しているプロテイン摂取のゴールデンタイムについても確認してみてください。

筋トレのためのプロテインを山本義徳先生が解説たんぱく質の重要性が広まり、身体づくりの一環としてプロテインを積極的に取り入れる人が増えています。この記事では、これからプロテインを飲み...

まとめ

今回は、厚生労働省が定める1日に必要なたんぱく質量を紹介するとともに、プロテインを摂取する際の計算方法を紹介しました。たんぱく質の摂取は1日3食の食事だけで目標とする量の摂取は難しいので、足りない分はプロテインなどを利用して摂取すると良いでしょう。

1日に必要な量のたんぱく質量をしっかり摂取しながらトレーニングを続ける事で、筋肥大の効果が期待できます。また、自分にとって必要なたんぱく質の量を把握できれば、プロテインの過剰摂取によるカロリーオーバーを防ぐ事もできます。ぜひ今回の記事の計算方法を参考に、適正量を計算してみてください。

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

【You Tube】
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