トレーニングをする際に、筋肉の材料となるアミノ酸を補う事ができる、プロテインを活用している人が多くいます。一方で、よりトレーニングを効果的なものにするために、クレアチンの摂取も重要であると、耳にする人も多いでしょう。
実は、プロテインで得られるアミノ酸と同じく、クレアチンもアミノ酸の一種です。しかし、両者のアミノ酸では、それぞれ働きが異なります。
そこで今回は、トレーニングのパフォーマンス向上のために利用される事が多いクレアチンに焦点を当て、ほかのアミノ酸との違いや関係を解説します。
そもそもクレアチンはどのような働きがあるの?

クレアチンは、肉や魚などに含まれるアミノ酸の一種です。ヒトの身体にも存在し、平均的な成人の体内には80~130gほどのクレアチンがあるとされています。
体内のクレアチンは、約95%がリン酸と結合したクレアチンリン酸の形で筋肉に貯蔵されています。クレアチンリン酸は、筋肉が収縮する際にエネルギー源として使われるATP(アデノシン三リン酸)を、再生させる働きを持つ重要な物質です。体内に十分な量のクレアチンがあると、短時間・高負荷の運動をおこなう際にエネルギーがスムーズに供給されるため、スタミナ切れを起こしにくくなります。
なお、一般的な成人の場合、一日に必要なクレアチンの量は2g程度です。2gのうち約半分は体内で生成されますが、残りの半分は食事から摂取しなければなりません。クレアチンは、生肉や生魚500gに約3g含まれますが、加熱により破壊されるため、実質的な摂取量は6~8割程度にとどまります。
一方、ハードな運動をする人はクレアチンの消費量が多いため、一日に5gほどの摂取が必要とされています。クレアチンを一日に5g摂取するためには、毎日肉や魚を1kg以上摂らなくてはならないため、非現実的といわざるをえません。
したがって運動をする人は、サプリメントを利用してクレアチンを摂取するのがオススメです。
クレアチンの効果をさらに詳しく知りたい人は、以下のコラムを参考にしてください。

クレアチンとアミノ酸の関係とは?

前述のとおり、クレアチンはエネルギー源であるATPの再生に関与する重要なアミノ酸です。では、クレアチンはほかのアミノ酸とどのような関係があるのでしょうか。
ここでは、クレアチンとほかのアミノ酸の関係、そしてクレアチンとほかのアミノ酸の併用で期待できる効果を解説します。
クレアチンは体内のアミノ酸から生成される
クレアチンは、体内でグリシン・アルギニン・メチオニンの3種類のアミノ酸から、おもに肝臓や腎臓で生成されます。
生成されたクレアチンの多くは、クレアチンリン酸として骨格筋に貯蔵され、運動時のエネルギー生産に使用されます。
クレアチン単体では筋肉を合成できない
クレアチンは、ATPを素早く再生させてエネルギー供給をサポートする栄養素です。したがって、クレアチンを摂取すると、筋力トレーニングなど瞬発力が要求される運動をおこなってもスタミナ切れを起こしにくくなり、質の良いトレーニングを繰り返しできるようになります。
しかし、クレアチンは筋肉を作り出す栄養素ではなく、あくまでも筋肉を動かすためのエネルギー供給をサポートする栄養素であるため、クレアチンのみを摂取しても、筋肉を合成する効果は期待できないのです。
クレアチンは単体で機能する
クレアチンはアミノ酸の一つではありますが、人体をたんぱく質を構成する20種類のアミノ酸には含まれず、単体で機能します。
では、クレアチンを利用して筋肥大効果を得るためにはどのようにすれば良いのでしょうか。
クレアチンはEAAやプロテインと併用するのがオススメ
筋肉を肥大させるためには、筋肉の材料となるEAA(Essential Amino Acids:必須アミノ酸)やプロテインを摂取しなければなりません。
EAAやプロテインで血中アミノ酸濃度を高め、クレアチンでトレーニングの質をアップさせれば、より効率の良いバルクアップを目指せるようになります。
オススメは、EAAとクレアチンをワークアウトドリンクとして利用する方法です。クレアチンはインスリンにより筋肉に取り込まれやすくなるため、ワークアウトドリンクに糖分をプラスするとより良い効果が期待できます。
まとめ
クレアチンはアミノ酸の一種で、体内ではグリシン・アルギニン・メチオニンの3種類のアミノ酸から生成されます。クレアチンが体内に十分あると、トレーニングのパフォーマンスアップが期待できますが、クレアチンのみでは筋肉を作れません。筋肥大効果をねらう場合は、クレアチンだけではなく、EAAなどを摂取するようにしましょう。
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監修者情報

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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