トレーニング

アップライトロウで効果的な肩のバルクアップ!山本義徳先生が解説

アップライトロウは、肩の筋肉に高重量の刺激を入れるのに適しています。

同じく肩の人気種目であるサイドレイズは三角筋を鍛える種目として、良く知られています。そしてアップライトロウも同じ肩関節の動きで三角筋を鍛える種目ですが、上腕二頭筋や僧帽筋を補助的に使うことで、より高重量を扱えるのです。

三角筋をよりバルクアップさせるために、肩のトレーニングのバリエーションとして取り入れてみてください。

アップライトロウとは

アップライトロウとは、肩の筋肉である三角筋を主に鍛えるウエイトトレーニングの種目です。バーベルやダンベルまたはスミスマシンなどさまざまな器具が使用されますが、なかでも手幅の調節がしやすいバーベルを使ったアップライトロウが特に人気があるようです。

アップライトロウは、肩関節の外転動作をおこなうことでで三角筋を鍛えることができます。肩の外転に加えて、肘関節の屈曲が同時に発生するので、上腕二頭筋も使われ比較的高重量を扱うことができる種目です。

アップライトロウで鍛えられる筋肉

アップライトロウでメインターゲットとなる筋肉は三角筋です。手幅を変えることで、同じ三角筋でも前部と中部どちらにより効かせるのかをコントロールすることができます。

また、アップライトロウには三角筋の他にも、僧帽筋そして上腕二頭筋も関与しやすいという特徴があります。手幅を狭くしておこなうと、動作中に肩甲骨が上がりやすく、そして肘も深く曲がるため、僧帽筋と上腕二頭筋がより大きく関与することになります。

起始と停止
筋肉の両端をそれぞれ起始(きし)と停止(ていし)と呼びます。一般的には、筋肉が収縮するときに関節の動きが小さい方が起始、大きい方が停止とされています。ターゲットとなる筋肉がどこに付着しているか意識することで、より効果的なトレーニングを行うことができます。

三角筋(さんかくきん)

三角筋は、筋繊維の走る方向によって前部(フロント)・中部(サイド)・後部(リア)の3つに分類されます。手幅を広くして持つことで、肩関節の外転動作がおこり三角筋の中部に刺激が入りやすくなります。
逆に手幅を狭くして持つと、肩関節の屈曲動作がおこり三角筋の前部が使われやすくなります。

起始
前部
鎖骨の外側1/3

中部
肩峰(けんぽう)

後部
肩甲棘(けんこうきょく)

停止
上腕骨の三角筋粗面(さんかくきんそめん)

作用

前部
肩関節の外転・屈曲・水平屈曲

中部
外展

後部
外展・伸展・水平伸展

僧帽筋(そうぼうきん)

僧帽筋

僧帽筋は、背中に全体的に覆いかぶさるように付着している面積の大きな筋肉です。上部・中部・下部の3つに大きく分けられ、アップライトロウで使われるのは僧帽筋の上部です。

起始
上部:後頭骨(こうとうこつ)
中部:第7頚椎・第1〜3胸椎
下部:第4〜12胸椎

停止
上部:鎖骨の外側後面1/3
中部:肩峰内側縁(けんぽうないそくえん)と肩甲棘上縁(けんこうきょくじょうえん)
下部:肩甲棘(けんこうきょく)内端

作用
上部:肩甲骨の挙上(きょじょう)
中部:肩甲骨の挙上・内転・上方回旋
下部:肩甲骨の下制(かせい)・内転・上方回旋

上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)

上腕二頭筋

アップライトロウでは肘を上げる動作をすることで、肘の関節が曲がります。そのため上腕二頭筋も必然的に使われます。上腕二頭筋をあまり使いたくない場合は、手幅を広くしてバーを持ち、肘関節が深く曲がらない状態を作っておこないます。

起始
長頭:肩甲骨の関節上結節(かんせつじょうけっせつ)
短頭:烏口突起(うこうとっき)

停止
橈骨粗面(とうこつそめん)と上腕二頭筋腱膜(じょうわんにとうきんけんまく)

作用
肘関節の屈曲
前腕の回外
肩関節屈曲の補助

アップライトロウのやり方

1.バーベルまたはスミスマシンを肩幅くらいで握って立つ

2.肘でリードするようにバーを真上にあげる

3.バーを元の位置に下ろす

まとめ

アップライトロウは、三角筋を鍛えるためのウエイトトレーニングの種目です。肩関節を外転させるサイドレイズの動きに、僧帽筋と上腕二頭筋も使うことで、より高重量の負荷をかけることができます。

また、手幅を広げてバーを持つことで三角筋の中部に、狭くして持つことで三角筋の前部に効きやすくなります。

三角筋をより発達させたい人は、ぜひ取り入れてみてください。

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

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