プロテインを利用していても、吸収時間を考慮せずに好きなタイミングで飲んでいる人も少なくありません。
プロテインは種類によって体内に吸収される時間が異なりますが、種類ごとの特徴と摂取する最適なタイミングを知ることで、トレーニングの質・運動パフォーマンスの向上が期待できます。
この記事では、プロテインの吸収時間をふまえて、飲むべきタイミングを賢くプランニングする方法を解説します。
プロテインは種類によって異なる特徴があることを知ろう
プロテインには、原材料・抽出方法によっていくつかの種類があります。
ホエイプロテイン
ホエイプロテインとは、牛乳由来のたんぱく質を指します。
ヨーグルトの蓋を開けると、上のほうに半透明な上澄み液ができていることがありますが、この上澄み液がホエイです。
プロテインには水に溶けにくいイメージがありますが、ホエイは牛乳たんぱく質の約20%を占め、水に溶けやすく吸収が速い特徴があります。
筋肉への吸収が速いBCAA(分岐鎖アミノ酸)を多分に含有する点も、ホエイプロテインの特徴です。
運動後は筋肉が傷ついたり、エネルギーを消費したりしているので、なるべく早くたんぱく質を補充する必要があります。
ホエイプロテインでたんぱく質を補給する場合、トレーニングの合間・トレーニング直後が最適です。
ソイプロテイン
ソイプロテインは、ホエイプロテイン・カゼインプロテインなどの動物性たんぱく質に対して、大豆が原料の植物性たんぱく質です。
たんぱく質は必須アミノ酸がすべて含まれていることが理想とされ、必須アミノ酸のバランスは「アミノ酸スコア」で示されます。
多くの場合、植物性たんぱく質よりも動物たんぱく質のほうが高いアミノ酸スコアを持っています。
例えば、豚肉などのアミノ酸スコアは100ですが、じゃがいもは73、キャベツは53など、アミノ酸スコアが低いことが分かります。
しかし、大豆のアミノ酸スコアは100で動物性たんぱく質と同等です。植物性たんぱく質の中でも、特に高いアミノ酸スコアを誇っています。
大豆に含まれている「大豆イソフラボン」は、女性ホルモンと似た働きをして美容効果ももたらすと期待されています。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインは、ホエイプロテイン同様、牛乳たんぱく質を原料としています。
牛乳から脂肪とホエイを取り除いた不溶性固形成分が、カゼインプロテインです。
カゼインプロテインは、ホエイプロテインに比べて吸収速度が遅い特徴があります。
吸収速度が遅いと、血中のアミノ酸濃度を長時間維持できます。
ホエイプロテインのようなトレーニング後の迅速な栄養補給には向いていませんが、就寝中のように長時間かけて栄養を吸収できる時間帯には、カゼインプロテインのほうが向いています。
満足感も持続するので、食欲を抑えやすい点もメリットです。
就寝前の栄養補給や、小腹が空いた際の間食としてもオススメです。
種類別!プロテインの吸収時間
プロテインの種類は大きく分けて3つあります。牛乳を原料とするホエイプロテイン・カゼインプロテイン、大豆を原料とするソイプロテインです。
それぞれ体内に吸収されるまでの時間が異なります。
ホエイプロテイン
ホエイプロテインは、消化・吸収のスピードが速いのが特徴です。吸収時間は1~2時間ほどで、3種類のなかでもっとも速く吸収されます。
さらに、ホエイプロテインは製法によって「WPC」と「WPI」の2種類に分けられます。
「WPC(ホエイプロテイン コンセントレート)」は、牛乳からろ過したホエイを凝縮して作られています。たんぱく質の含有量は80%前後で、吸収時間は3時間ほどです。
「WPI(ホエイプロテイン アイソレート)」は、牛乳からろ過したホエイを凝縮したうえで、不純物を取り除く加工が施されています。たんぱく質の含有量は90%以上と高く、吸収時間は1時間ほどです。
ホエイプロテインの利用を考えている人は、『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』がオススメです。WPI製法で作られた純度の高いプロテインで、スムーズに消化・吸収がおこなわれます。
ソイプロテイン
ソイプロテインは大豆を原料としたプロテインで、植物性たんぱく質を効率的に摂取できます。消化・吸収のスピードはゆるやかで、吸収時間は5~6時間ほどです。
ホエイプロテインと比べて吸収に時間がかかりますが、満腹感が継続する点がメリットです。ダイエット中や長時間食べ物を摂取できないときに活用できます。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインは、ホエイプロテインと同じく牛乳を原料とするプロテインです。吸収されるスピードは遅く、一般的に吸収時間は7~8時間ほどといわれています。
「吸収時間は7~8時間ほど」という結果が出た実験では、カゼインの摂取量がホエイよりも多くなるように調整されていました。多く摂取すれば吸収に時間がかかるのは当然なので、7~8時間という数値には、あまり根拠がないかもしれません。実際、カゼインとホエイを同じ量摂取して比較した実験では、3時間後の血中必須アミノ酸濃度は同程度という結果も出ています。
カゼインプロテインの吸収スピードは、少し疑問が残るため、確実に消化・吸収がゆるやかなプロテインを摂りたいなら、ソイプロテインをオススメします。
プロテインの選び方は、以下の記事でも詳しく解説しています。
プロテインを飲むベストタイミングを見つけるには
プロテインを効率良く摂取するには、どのようなタイミングで飲めば良いのでしょうか。
プロテインを飲む最適なタイミング、それぞれのタイミングで摂取できる効果を解説します。
吸収時間差と筋肉分解を考えプランニングする
トレーニング時はもちろん、安静時でも身体は常にたんぱく質を必要としています。特に筋肉は、身体がエネルギー不足に陥ったときに真っ先に分解されてしまうため、体内のたんぱく質量を常にキープしておくことが重要です。
プロテインを摂取してから体内に吸収されるまでには時間差があり、種類によって異なるため、状況にあわせて使い分けるのがオススメです。
例えば、空腹状態が続く睡眠中や、長時間にわたって栄養補給ができないときは、吸収時間の長いソイプロテインで筋肉の分解を防ぎます。
トレーニングの前後は、すみやかにたんぱく質を吸収したいタイミングなので、吸収効率の良いホエイプロテインがベストです。トレーニング前にホエイプロテインで血中のアミノ酸濃度を高めておけば、トレーニング時の筋肉分解を防げますし、トレーニング後は筋肉が損傷しているため、ホエイプロテインを摂取すると修復をサポートできます。
プロテインを摂取するタイミングを詳しく知りたい人は、山本義徳先生の解説動画「【プロテイン】山本義徳先生が考える本当のゴールデンタイムとは【飲み方】」もあわせてご覧ください。
プラン例
どの種類のプロテインをどのタイミングで摂取すれば良いのでしょうか?
ここでは、血中アミノ酸濃度を常に高い状態でキープして筋肉の分解を抑えるための、1日の具体的なプランをご紹介します。
【起床時】
寝ている間は栄養補給ができないため、朝起きたときは体内のたんぱく質が失われている状態です。筋肉の分解を防ぐには、血中アミノ酸濃度を速やかに上げる必要があるため、吸収が速いEAAが本来は適しています。
EAAは比較的高価なサプリメントなので、出費を抑えたい場合は、プロテインでの代用も可能です。EAAよりも血中アミノ酸濃度の上昇スピードはゆるやかですが、普通の朝食を食べることに比べれば、筋肉分解を抑える効果は高くなります。消化・吸収速度の速いホエイプロテインがオススメです。
プロテイン摂取後は、糖質・ビタミン・ミネラルを補える朝食を摂ってください。
【仕事前】
仕事中はプロテインを摂取できるタイミングがあまりないかもしれません。仕事が始まる前に、ゆるやかに吸収されるソイプロテインを摂取しておくのがオススメです。
【休憩中】
たんぱく質は筋肉以外にも、呼吸・内臓の働きなどで常に消費されています。仕事の休憩時間になったら、スムーズな栄養補給のために吸収効率が良いホエイプロテインを摂取してください。
【筋トレ前】
トレーニングを習慣にしている人は、トレーニング開始の1時間ほど前にホエイプロテインを摂取します。血中のアミノ酸濃度を高め、トレーニング中のエネルギー切れを防いでください。
【筋トレ後】
トレーニング直後は筋肉の合成がもっとも活発になっているタイミングです。素早くたんぱく質を吸収するために、トレーニング後30~45分以内にホエイプロテインを摂取するのがオススメです。
【就寝前】
睡眠中は栄養補給ができず、筋肉分解が進みやすくなります。寝る前に吸収速度がゆるやかなソイプロテインを摂取すると、血中のアミノ酸濃度をキープできます。
遅い時間に夕食を食べた場合は、食事からのたんぱく質摂取で血中アミノ酸濃度が高い状態になっているので、就寝前のプロテインは必須ではありません。夕食から就寝までに時間が空く場合に摂取してください。
以下の記事でも、睡眠前にプロテインを飲む効果を詳しく解説しています。
プロテインを効率良く吸収できる飲み方
プロテインはどのような方法で飲むかによっても吸収効率が異なります。
プロテインの吸収効率を上げる飲み方を解説します。
基本は水に溶かして飲む
プロテインの基本的な飲み方は、水で溶かして飲む方法です。
プロテインを水で溶かすと、以下3つのメリットがあります。
- カロリーを抑えられる
- プロテイン自体の吸収率を最大限活かせる
- コストがほぼかからない
プロテインのカロリーは20gあたり約100kcal前後です(糖質などが多く含まれていない商品の場合)。
仮にプロテインを牛乳で溶かすと、200mlあたり128kcalの牛乳のカロリーが付加されてしまいますが、水の場合はプロテインのカロリーしか吸収されません。
牛乳はたんぱく質の吸収速度を遅くしてしまうので、吸収速度を速くしたい場合もプロテインパウダーの成分を最大限活かせる水が最適です。
日本では水道水も安全に飲めるので、水の手配にほとんどお金もかかりません。
糖質と一緒に摂取すると吸収効率がアップ
筋トレなどを目的にプロテインを摂取する際、炭水化物などの糖質もあわせて摂取するのがオススメです。
筋トレなどの無酸素運動は、糖質を使ってエネルギーを産生しています。
血中の糖質が不足していると、体内の脂質やたんぱく質からエネルギーを産生し始めます。十分な糖質がなければ、筋肉のたんぱく質も分解されてエネルギーとして使われます。
トレーニングの際は糖質・プロテインを一緒に摂取すると、体内のたんぱく質を消費せずに、効率良くたんぱく質を吸収できます。
ジュース・お菓子などは急激に血糖値を上げてしまうので注意が必要です。血糖値の上昇がゆるやかにする食べ物は、冷たいおにぎりなどがあります。
ゆっくり吸収させたい時は牛乳・豆乳がオススメ
牛乳・豆乳でプロテインを溶かすと、たんぱく質の吸収速度が遅くなります。
牛乳の成分の80%はカゼインプロテインです。
カゼインプロテインは体内で吸収される時間がゆるやかなので、牛乳でプロテインを溶かした場合もプロテインの吸収速度は遅くなります。
さらに、牛乳には安眠作用もあるといわれています。
就寝前の栄養補給としてプロテインを摂取する場合は、吸収時間がゆっくりで牛乳と一緒に飲むと心地良い睡眠を得ることができます。
続けやすいホエイプロテイン・EAAなら山本義徳監修の『VALX』
プロテインを日常的に摂取する場合、気軽に飲めることが重要です。プロテインは独特な味で飲みづらかったり、溶かすのに時間がかかったりするため、飲むことがストレスとなり、なかなか習慣化しません。
プロテインは、飲みやすさにこだわった製品を選んでください。
特にオススメなのが、ボディービル・パワーリフティング界のレジェンドである山本義徳先生が監修しているプロテインシリーズ『VALX』です。
山本義徳先生は選手としての活躍はもちろん、トレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガーなど名だたる選手をサポートしてきました。
30年にわたるトレーナーとしての知識と経験をもとにした「本物」の製品を提供し続けています。
以下、飲みやすさや続けやすさにこだわったVALXのプロテインパウダーを2種類紹介します。
『VALX ホエイプロテイン』
『VALX ホエイプロテイン』は、「おいしい・安い・溶けやすい」にこだわったプロテインパウダーです。
従来のプロテインは独特な風味や溶けにくさがあり、「飲みにくい」「ダマが残る」と苦手意識を持つ人も数多くいました。
『VALX ホエイプロテイン』は水でおいしく飲める味を追求し、チョコレート風味・ベリー風味・ヨーグルト風味など全6種類のフレーバーを用意しています。泡立ち・粉っぽさも抑え、口当たりもなめらかです。
値段を気にせず飲める手ごろな価格を実現し、プロテインに求められるすべての条件をクリアしました。
これまでプロテインを敬遠していた人や、どのプロテインを選んだら良いか迷っている人にもオススメです。
『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』
『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』は、必須アミノ酸9種類がすべて配合されたサプリメントです。
たんぱく質は20種類のアミノ酸から構成されており、このうち体内で合成できないアミノ酸9種類を必須アミノ酸(EAA:Essential Amino Acid)といいます。必須アミノ酸は食べ物などから継続して摂取する必要がありますが、『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』は9種類の必須アミノ酸をすべて配合しているので手軽に補給できます。
フレーバーはシトラス風味・コーラ風味・パイナップル風味の3種類です。「VALXの味が一番おいしい」とユーザーからも好評を得ています。必須アミノ酸を効率良く摂取できるので、トレーニング後のドリンクとしてもオススメです。
まとめ
プロテインは種類によって吸収時間が異なります。ホエイプロテインがもっとも吸収効率が良く、ソイプロテインとカゼインプロテインはゆるやかに吸収されるため、状況にあわせて上手に使い分けてください。
就寝前や栄養補給が長時間できないときは、腹持ちが良いソイプロテインを摂取します。トレーニングの前後は、素早く消化・吸収できるホエイプロテインがオススメです。
吸収時間を考慮しながらプロテインの飲み方をプランニングし、筋肥大・健康的な身体作りを効率的に目指してください。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。
【筋トレ大学PRO】
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