糖質制限をしてもダイエット効果が感じられない場合、問題はどこにあるのでしょうか。糖質制限で痩せられない原因として「基礎代謝の低下」や「糖質制限が徹底できていない」などが考えられます。
糖質制限はそのメカニズムを理解して正しくおこなわないと、効果が出にくいダイエット法です。この記事では、糖質制限で痩せない原因や、糖質制限のメカニズムに基づく痩せるためのコツと注意点を解説します。ぜひ参考にしてください。
※本記事における糖質制限とはトレーニング指導者である山本義徳先生が掲げる糖質制限(ケトジェニック)です。食事からの糖質摂取をほぼゼロに抑え、脂肪を多く摂ることによって、ブドウ糖ではなくケトン体をエネルギーとして使うケトーシスを目指すもので、ケトジェニックダイエットの理論と同じです。
糖質制限のメカニズム
最初に、糖質制限とはどのような減量法なのかを簡単に説明します。なぜ糖質制限をすると痩せるのか、そのメカニズムを見ていきましょう。
糖質制限とは
山本義則先生の提唱する糖質制限の考え方(ケトジェニック)では、1日の糖質摂取量を限りなくゼロに近づけます。カロリー比率で、全体の10%以下が目安です。そのうえで、脂肪の摂取量を増やします。ケトジェニックダイエットではカロリー比率60%以上、ケトン食では60~90%を脂肪で摂取するとしています。
糖質制限で痩せるメカニズム
食事からの糖質摂取をほぼゼロにすると、活動エネルギーを補充するために、身体は脂肪酸からケトン体を作り出すようになります。
そして、このケトン体を活動エネルギーとして消化する状態のこととを「ケトーシス」と呼び、ケトーシス状態になることで結果的に脂肪を消化しやすい身体になります。
糖質制限をしても痩せない二大要因
糖質制限をしても痩せない場合、どのような原因が考えられるのか解説します。
筋肉量が減って基礎代謝が落ちている
糖質制限中は糖質だけでなく、ほかの栄養素も不足しがちです。なかでもたんぱく質が不足すると、体脂肪や内臓脂肪とともに筋肉もエネルギー源として分解されてしまいます。筋肉量が減った事で基礎代謝が低下し、痩せにくい体質になっているおそれがあります。
糖質制限をしているつもりで実は糖類を摂り過ぎている
糖質制限は、米・パン・うどん・そば・パスタなど主食を抜くだけでは不十分です。一見ヘルシーな野菜や野菜ジュース、意識せずに使いがちな調味料にも多くの糖質が含まれています。糖質制限中は「食べて良い食品」と「避けたほうがいい食品」の見極めが大切です。
こちらの記事では、糖質制限中に「食べて良い食品」と「食べないほうがいい食品」について解説していますので、参考にしてください。
糖質制限を成功させるコツと注意点
次に、糖質制限を成功させるコツを解説します。
たんぱく質・脂質をしっかり摂る
糖質制限中にたんぱく質・脂質が不足すると、筋肉が分解されやすくなります。エネルギーが不足すると、体内で糖を作り出す「糖新生」が活発になり、筋肉中の糖原性アミノ酸がその材料として使われてしまうからです。
筋肉が分解されると基礎代謝が下がり、痩せにくい体質になってしまいます。たんぱく質は、最低でも1日に体重×2gは摂取しましょう。食事での摂取が難しい場合は、プロテインなどの活用がオススメです。
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、ホエイから炭水化物・脂肪・乳糖・乳脂・灰分などを取り除き、たんぱく含有率は90%以上を実現(無水物換算値)しています。乳糖がほとんど取り除かれているので、牛乳でお腹がゆるくなりがちな人にもぴったりです。
脂質は、総摂取カロリーの60%以上を目指します。一般的な日本人の食事では、大量の脂肪を摂取する習慣があまりないので、この60%という数字には抵抗があるかもしれません。しかし高脂肪食でなければケトーシスにならないので、意識的に多く摂取する必要があります。
肉の脂身や卵の黄身など動物性脂肪を多く摂ると、それらに多く含まれる飽和脂肪酸がコレステロール値を上げ、身体に悪いといわれていた時代もありました。しかし、最近では、コレステロールは動脈硬化などの発症とは関係ない事がわかってきており、安心して食べて構いません。
摂取カロリー・消費カロリーも意識する
糖質の摂取量を減らしても、消費カロリーより極端に多いカロリーを摂取していれば痩せません。摂取カロリーが消費カロリーを大幅に超えないよう、カロリーコントロールをおこなってください。
ただし、糖質制限で最も重要なのはあくまでも糖質の摂取を抑える事であり、カロリーを気にしすぎる必要はありません。厳密なカロリー計算は不要です。食品のおおまかなカロリーをざっくり把握し、消費カロリーを過剰にオーバーしないように気をつけるだけで大丈夫です。
一般的に、たんぱく質・脂質メインの食事は、糖質メインの食事に比べて量を食べるのが大変なので、食べ過ぎの心配もあまり必要ないでしょう。
飲酒する場合は、お酒の種類に配慮してください。お酒は糖質の少ないウイスキーやウォッカなど蒸留酒を適量であれば問題ありませんが、糖質が多い日本酒・ビールなどの醸造酒は控えましょう。
まとめ
糖質制限で結果を出すためには、糖質制限で痩せるメカニズム「十分なたんぱく質ケトン体がエネルギーになる状態を作ること取と筋トレで糖質制限を成功させよう」が最も大切です。
糖質制限で痩せない場合「基礎代謝が低下している」「糖質が十分に制限できていない」といったケースが考えられます。
糖質制限の効果が出ていない人は糖質摂取量を見直し、たんぱく質・脂質をしっかり摂取しましょう。筋トレで筋肉量をキープするのも効果的です。「痩せない」状態から脱却し、糖質制限の成果が出てくるはずです。
十分なたんぱく質摂取と筋トレで糖質制限を成功させましょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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