トレーニングを始めてサプリメントを使うようになると、HMB・EAAといったサプリメントが気になってくるかもしれません。
HMBとEAAはどちらも筋肉の合成を助ける働きのあるサプリメントで、併用を検討している人もいるでしょう。
この記事では、HMBとEAAの違いやそれぞれの効果、併用による影響について解説します。
HMBとEAAの違いとは?
HMBやEAAは成分の名称です。まずは2つの違いを知っておきましょう。
HMBとは?
HMBとは、必須アミノ酸のロイシンが肝臓・筋肉で代謝される事で合成される成分です。筋肉の合成促進や分解抑制のほか、細胞膜の安定作用といった働きがあり、筋肥大を促すシグナルとなる成分です。よって、トレーニングに励む人は、摂取したほうが良い成分といえます。
ただし、HMBはあくまでも筋肉の合成を促進するものであり、HMB自体が筋肉の材料となるわけではありません。筋肥大を狙う場合は、HMBだけでなく次に解説するEAAの摂取が必要です。
なお、必須アミノ酸は体内で作りだす事ができません。そのため、必須アミノ酸のロイシンから作られるHMBを体内で生成するには、食事やサプリメントなどからロイシンを摂取する必要があります。ロイシンが豊富な食材は肉・魚・乳製品・大豆などです。
ただ、ロイシンから必要十分なHMBを生成するのは難しいため、HMB単体で摂れるサプリメントを使うことをオススメします。
EAAとは?
EAAとは、必須アミノ酸の総称で、下記9種類を指します。
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
- トリプトファン
- ヒスチジン
- メチオニン
- スレオニン
- フェニルアラニン
- リジン
このなかのバリン・ロイシン・イソロイシンはBCAAと呼ばれ、HMBと同じく筋肉合成の促進や筋肉分解を抑制する効果があります。
BCAAの運動効果は証明されています。よって、BCAAを含むEAAも間接的に運動への効果があると言えるでしょう。さらに、EAAはHMBとは違い直接筋肉の材料にもなります。
なお、HMBは、EAAに含まれるロイシンから作られますが、HMBの効果を得る目的でEAAサプリメントを摂取する事はオススメできません。なぜなら、ロイシンから作る事のできるHMBの量はごく微量だからです。3gのHMBを生成するには60gものロイシンが必要であり、それだけの量のロイシンをEAAサプリメントで摂取するのは現実的ではありません。
HMBとEAAは併用してもいいの?
ここからは、HMBとEAAの併用について詳しく解説します。
HMBとEAAは併用OK
結論からいうと、HMBとEAAは併用しても問題なく、むしろ併用は良いとされています。前述のとおりHMBは筋肉分解の抑制と筋肥大を促すシグナルの役割を持ち、EAAはそれらの効果に加えて、直接筋肉の材料にもなります。HMBだけでは筋肉の材料を摂取したことにはならないので注意しましょう。
プロテインや食事から多くのたんぱく質を摂取できていて、筋肉の材料になるアミノ酸が十分にある状態なら、HMB単体だけでも良いかもしれませんが、そうでないならEAAも併用することをオススメします。
なお、EAAはトレーニング効果のアップが見込めるだけでなく、トリプトファン・フェニルアラニンなど、精神安定・食欲抑制・鎮痛効果が期待できるアミノ酸も入っています。そうした効果を期待して、EAAとHMBを併用するのも有効です。
トレーニング前のEAA摂取には注意が必要?
EAAの1種であるトリプトファンには、リラックス効果をもたらし、眠気を与える効果があるとされています。このことから、一部の有識者は、トレーニングにトリプトファンが含まれるEAAの摂取は向かないと指摘しています。
ただし、トリプトファンにもメリットがあり、ミオスタチンと呼ばれる、筋肥大・筋肉アップを邪魔する遺伝子の働きを抑える効果があるとされています。デメリットよりもこちらのメリットのほうが大きいため、トレーニングにEAA自体は有効です。タイミングを工夫して摂取しましょう。
タイミングをずらして両方摂取するのもあり
HMBとEAAを両方摂取する場合は、タイミングをずらして飲むのがオススメです。
例えば、トレーニング前にはHMBを摂取し、トレーニング後にはリラックス効果も持つEAAを飲めば、両者のいいところを活かしながら摂る事ができます。
最近ではEAAとHMB両方を配合しているプロテインも登場しています。
HMBとEAAの両方を摂取する際は、タイミングをずらして飲む、両方が配合されたサプリメントを選ぶなど、自分に合った取入れ方を検討してみましょう。
EAAと摂取するのにオススメなHMBは?
EAAと併用して摂取するのにオススメなのが、山本義徳先生が開発・監修した本格サプリメント『VALX HMBタブレット』です。
トレーニーが1日に必要な摂取量をきちんと摂取でき、トレーニング効果を最大限に引出します。特にハードなトレーニングをしている人にオススメなので、身体を鍛えていきたい人はぜひ試してみてください。
まとめ
HMBとEAAは、効果が被る部分もありますが、それぞれ別の成分です。HMBは筋肉分解を抑制し、筋肥大を促すシグナルを出すもので、EAAはそれらの効果に加えて、直接筋肉の材料にもなります。HMB単体だけでは筋肉の材料にはならないので、トレーニングの効果を高めるためには、HMBに加えてEAAも摂取することをオススメします。
HMB、EAAそれぞれの特徴・効果を把握し、上手に取り入れれば、トレーニング効果をより高められるので、ぜひ活用してみてください。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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