トレーニング

スクワットを正しくおこなうための基本を山本義徳先生が解説!

スクワットは、人の身体の基本的な動作である「しゃがんで立つ」ことが、そのままトレーニング動作となっています。そして、初心者が自宅でも簡単にできる自重トレーニングとして知られていますが、トレーニングを長年続けている上級者も、正しいフォームとバーベルの重量を追求してやり込む奥の深い種目でもあります。

本記事では山本義徳先生が、効果を出す上で重要な正しいフォームや、適切な頻度や回数について解説します。

スクワットとは

スクワットとは、ウエイトトレーニングのBIG3にも数えられる、代表的なトレーニング種目です。大腿の筋肉を中心とした下半身だけではなく、身体の多くの筋肉を鍛えることができるため「キングオブエクササイズ」とも呼ばれます。

そしてスクワットは、同時に複数の関節が動き、高重量を扱うことができる種目のため、怪我の原因になりやすい種目でもあります。怪我を避けるためには、必要以上に追い込みすぎないことと、フォームに気をつける必要があります。

スクワットがどうしても身体に負担がかかりすぎてしまい難しい人の場合は、ブルガリアンスクワットをおこなうという選択肢もあります。ブルガリアンスクワットもスクワットの一種のバリエーション種目です。片脚ずつおこなうため、軽い重量でも脚の筋肉にしっかりと負荷をかけることができます。

関連記事:ブルガリアンスクワットを山本義徳先生が徹底解説!

スクワットのやり方

1.バーベルのラインを目印に左右対称にバーを持ち、肩に担ぐ

2.足は肩幅より少し広いくらいにとり、つま先は外側を向ける

3.太ももが地面と平行になるまで膝を曲げる

スクワットのポイント

・つま先は少し外側に向けることで、スムーズに膝を曲げることができます

・腰を後ろに引くようにしてしゃがみ、膝があまり前に出過ぎないように注意します。

スクワットで鍛える筋肉

スクワットがキングオブエクササイズと呼ばれる理由は、使われる筋肉が多くたくさんの重量を扱うことができるためです。股関節・膝関節・足関節(足首)が同時に働き、それに伴い身体の中でも大きな出力をもつ筋肉が働きます。

起始と停止

筋肉の両端をそれぞれ起始(きし)と停止(ていし)と呼びます。一般的には、筋肉が収縮するときに関節の動きが小さい方が起始、大きい方が停止とされています。ターゲットとなる筋肉がどこに付着しているか意識しすることで、より効果的なトレーニングを行うことができます。

大腿四頭筋

大腿四頭筋は、太ももの前面に付着しています。大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋の4つの筋肉の総称です。

起始

下前腸骨棘(かぜんちょうこつきょく)(大腿直筋)
大腿骨上部(外側広筋・内側広筋・中間広筋)

停止

膝蓋骨(しつがいこつ)
脛骨粗面(けいこつそめん)

作用

股関節の屈曲(大腿直筋のみ)
膝関節の伸展

ハムストリングス

ハムストリングスとは、半腱様筋(はんけんようきん)・半膜様筋(はんまくようきん)・大腿二頭筋の3つの筋肉の総称です。スクワットの動作中、坐骨を引っ張り骨盤を立たせるという役割を持ちます。

起始

坐骨結節(ざこつけっせつ)

停止

脛骨粗面(けいこつそめん)の内側
脛骨外側顆(けいこつがいそくか)と腓骨頭(ひこつとう)

作用

股関節の伸展
膝関節の屈曲

大臀筋(だいでんきん)

しゃがんだ状態から股関節を伸ばすときに、大臀筋は強い力を発揮します。

起始

腸骨稜(ちょうこつりょう)の後方1/4 

仙骨と尾骨

停止

大転子(だいてんし)外側面
大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)の腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)

 

作用

股関節の伸展
股関節の外旋
股関節の内転の補助

スクワットの重量・回数・セット数・頻度

正しくスクワットをおこなうためには、効果的な重量・回数・セット数・頻度の意識をしてみましょう。スクワットをはじめとしたトレーニングは、やりすぎてしまうと疲労により逆効果になってしまうこともあります。適切なセット数と頻度をまもるようにしてください。

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スクワットの重量と回数

フォームを習得して間もない初心者の方は、余裕を持っておこなえる軽い重量で15回前後を目安にスクワットに挑戦してみましょう。怪我を避けるためにも過度な追い込みは禁物です。

スクワットに慣れてきたら、だんだんと重量を上げていきます。6〜8回で限界になるような重量でもフォームが安定してきたら、熟練者と言えるでしょう。そのようにスクワットをおこなうことで、筋肥大・筋力向上に効果的な刺激を与えることができます。

スクワットのセット数

ウォームアップは、怪我を防ぐためにも2〜3セットを目安に必ず取り入れましょう。十分に高重量を扱う準備ができたら、メインを2〜3セットおこないます。トータルで5〜6セットにおさまるようにすると、やりすぎを防ぐことができます。

スクワットの頻度

トレーニングが終わってから、筋肉のタンパク質は36時間〜72時間ほど合成が高まる時間が続きます。効率的に筋肉を発達させていきたいのであれば、週1回よりも若干頻度を詰め、中4〜5日を目安にスクワットをおこなうと良いでしょう。

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まとめ

スクワットは、主に大腿を中心とした下半身の筋肉を鍛えることができるトレーニング種目です。大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋などの身体の中でも大きな筋肉の筋肥大や筋力向上を狙うことができます。

怪我を避けるためには、初心者のうちは無理には追い込まないようにしましょう。また高重量を扱えるようになってからも、必ずウォームアップをおこなってください。

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

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