トリプトファンは、筋肉の合成に欠かせない必須アミノ酸の一つです。必須アミノ酸は体内で作り出す事ができないため、毎日の食事から摂取する必要があります。しかし、バルクアップを目指す人の場合、トリプトファンをどれくらい摂取すればいいのか、知らない人も多いでしょう。
今回は、トリプトファンの正しい摂取量と過剰摂取に関する副作用などを解説します。
トリプトファンの摂りすぎによる副作用

まず、トリプトファンの概要を踏まえつつ、過剰摂取による副作用のリスクを解説します。
トリプトファンとは?
トリプトファンは体内で合成できない必須アミノ酸です。必須アミノ酸は毎日の食事などから必ず摂取しなければいけないアミノ酸です。
トリプトファンは神経伝達物質であるセロトニンの生成をうながす働きがあります。セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ、精神面の安定をうながす効果などがあります。
また、トリプトファンには筋肉のアナボリック作用を促進する働きもあります。アナボリックとは日本語で「同化作用」と呼ばれ、たんぱく質を取込み、筋肉が作られる作用をいいます。なぜトリプトファンにアナボリック効果があるのかというと、トリプトファンは、ミオスタチンという筋肉量を抑制する作用を持つ因子をブロックする働きを持っているからです。
そもそも、必須アミノ酸はすべて「筋肉合成をうながすシグナル」と「筋肉の材料」の2つの役割があります。必須アミノ酸であるトリプトファンも筋肉合成の効果に欠かせない成分のため、食事・サプリメントなどで積極的に摂取すると良いでしょう。
トリプトファンが多く含まれている食品は、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、豆腐・味噌・醤油などの大豆製品、肉類・魚類・米・ごま・卵・ピーナッツなどがあります。
摂りすぎで無気力・吐き気・頭痛などの副作用の報告あり
トリプトファンの過剰摂取には注意が必要です。フランス食品衛生安全庁(AFSSA)の資料によると、1日当たり3~6gのトリプトファンを短期間に摂取した場合、無気力・吐き気・頭痛などの副作用が報告されています。
摂取頻度は不明ですが、AFSSAではトリプトファンの必要量は食事から摂取できている事から、トリプトファンの過剰摂取への注意を喚起しています。
トリプトファンを摂取する際は、短時間に摂取をするのではなく、朝~寝るまでの幅広い時間をかけて、数回に分けながら飲むようにしましょう。
一部の医薬品との相互作用リスク

フランス食品衛生安全庁では、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)といった一部の医薬品について、トリプトファンとの相互作用リスクを指摘しています。
SSRIは脳内の神経伝達を改善し、憂うつな気分・不安感をやわらげ、意欲を高める効果があるとされ、うつ病・不安障害の治療に用いられている医薬品です。
ワークアウトをしている人は、サプリメントとしてトリプトファンを摂取している場合があります。また、何らかの疾患を持ちアミノ酸製剤・経腸成分栄養剤などのL-トリプトファン含有製剤を処方されているケースもあるでしょう。
SSRIの処方を受けている場合は、トリプトファンのサプリメントの摂取に関しても医師や薬剤師に相談をする事をオススメします。
トリプトファンを摂取する場合は1日当たり3~6gを目安に
トリプトファン自体、身体を構成するたんぱく質の成分となる必須アミノ酸のため、身体に有害なものではありません。
しかし先述のとおり、フランス食品衛生安全庁によると、短時間に3~6gを摂取すると無気力・吐き気・頭痛などの副作用が見られたため、トリプトファンは短時間に摂取するのではなく、毎食後など分けて1日3~6gを目安にするといいでしょう
また、トリプトファンにかぎらず、すべてのアミノ酸にいえますが、特定のアミノ酸だけを摂取すれば、体内のアミノ酸バランスが崩れます。トリプトファンだけを摂取するのではなく、ほかのアミノ酸もバランス良く摂取する事をオススメします。
トリプトファンの過剰摂取を避けるために
アミノ酸をバランス良く摂りながらトリプルファンを摂りすぎたくない人は、山本義徳先生が完全監修した『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』を摂取すると良いでしょう。
BCAAを含む9種類の必須アミノ酸を網羅しているため、トリプトファンだけを摂りすぎる心配がなく、バランス良くアミノ酸を摂取できます。
ボディメイクのためのダイエットや食事制限中でも、効果的に栄養補給ができます。また、バルクアップをしたいときにはアミノ酸補給が必要です。ワークアウトドリンクとしてもオススメです。
まとめ
トリプトファンは必須アミノ酸で、筋肉などの材料となるたんぱく質を構成するために欠かせない成分です。
しかし、一部の医薬品との相互作用リスクや、トリプトファンの過剰摂取に関する副作用の報告もある事から、食事以外でトリプトファンを摂取する場合は注意が必要です。
トリプトファンの摂りすぎが心配なら、必須アミノ酸がバランス良く配合されているサプリメントなどを上手に利用して、ボディメイクをしていきましょう。
監修者情報

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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