アミノ酸は人間の身体を作るうえで欠かせない栄養素です。
プロテインやサプリメントを摂取する人が増えてきたこともあり、アミノ酸の重要性も認知されてきました。
しかし、アミノ酸がなぜ必要なのか、豊富に含まれる食品や効率よく摂取するにはどうすればいいかわかりますか?
認知度が上がっているからこそ、アミノ酸について理解するために、必要性と摂取の仕方について解説します。
アミノ酸を摂取する必要性
人間の身体は髪の毛から足の爪に至るまで、すべてたんぱく質を材料としてできています。筋肉や血液、内臓、肌、爪や髪の毛もたんぱく質から生成されます。そしてそのたんぱく質を形成するのが、アミノ酸です。
人間の身体を形成するには20種類のアミノ酸が必要で、20種類のうち11種類が非必須アミノ酸、9種類が必須アミノ酸に分類されます。
また、一つのたんぱく質を形成するにも、アミノ酸の数と種類、結合する順番が決まっているため、仮に一つでも欠けていると生成されません。そうなると筋肉の合成はもちろん、血液や内臓などにも影響が出てしまいます。
つまり、アミノ酸をバランス良く摂取することは、生きていくうえで必要不可欠だということです。
とくに9種類の必須アミノ酸は、体内で生成できないため、食事やサプリメントなどから摂取しなければいけません。その9種類とは、具体的に「バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、スレオニン、ヒスチジン、トリプトファン、リジン、メチオニン」です。
必須アミノ酸には疲労感を和らげるなどさまざまな働きがあり、トレーニングしている人なら意識して摂取していることでしょう。
では、成人一人につき1日でアミノ酸がどれだけ必要なのでしょうか。
実はアミノ酸の必要量については、未だ解明されていません。なぜなら、個人によって代謝量や、体格、ライフスタイル、活動量などが異なるからです。
同じ人であっても活動量がまったく同じという日はないため、必要量を計算するのは難しいようです。
ただし必須アミノ酸に関しては、2007年にWHOなどの国際機関が定めた指標があり、成人一人あたり合計184mgの摂取が必要のようです。
そして、食品に含まれる必須アミノ酸・たんぱく質の量のバランスを表す指標をアミノ酸スコアといいますが、アミノ酸スコアが100に近づくほどアミノ酸が豊富にバランス良く含まれ、必要量を満たしているということになります。
つまり、数字が高いほど、たんぱく質として質が高い証拠といえるため、アミノ酸スコアを意識しながら積極的にたんぱく質を摂取しましょう。
また、たんぱく質は日々、合成と分解を繰り返す性質のため、毎日新しく摂取しないといけません。毎日質の高いアミノ酸を摂り続けることが、健康的な生活を送る秘訣といえるでしょう。
なお、9つの必須アミノ酸についての詳細は、以下の記事にて解説しています。
アミノ酸が豊富な食品はどうやって見分ければいい?
アミノ酸はたんぱく質が豊富な食品に多く含まれています。ただし、アミノ酸は種類によって性質が異なり、また、食品によっても含まれるアミノ酸の種類や含有量が異なります。
例えば、白米にはメチオニンというアミノ酸が豊富に含まれていますが、リジンという必須アミノ酸は少ししか含まれていません。逆に、豆類はリジンが多く、メチオニンが少ない、といった具合です。
つまり、単品の献立よりも、いくつかの食材を組合わせた献立のほうが、さまざまな種類のアミノ酸を摂取できるため、バランスも良くなります。
では、アミノ酸の豊富な食品をどのように見分ければいいのでしょうか。たんぱく質が豊富な食品、必須アミノ酸の含有量が多い食品、必須アミノ酸をバランス良く含む食品について、具体例を出しながら解説します。
たんぱく質が豊富な食品はアミノ酸含有量も豊富
たんぱく質が豊富な食品としては、動物性では、肉、魚、卵、乳製品。植物性では、大豆を使ったものなどがあげられます。
普段の献立でも準備しやすいものを中心に代表的な食材を紹介します。
肉類は、鶏肉のささみ、牛ヒレ、豚ロースなどが定番です。牛、豚においては、いずれも脂肪分の少ない赤身部分を優先的に摂取しましょう。
魚類なら、するめ、イワシ丸干し、鮭、まぐろの赤身、いくらなどで、ほたて貝柱もたんぱく質が豊富に含まれています。肉類同様、赤身系の魚は白身魚や青魚と比較すると脂肪分が多いですが、魚の脂は良質なもの(DHAやEPAなど)が多いため、そこまで気にする必要はありません。
卵もアミノ酸スコアが100と、良質なたんぱく源として有名な食品です。
乳製品では、チーズなどにたんぱく質が豊富です。最近ではたんぱく質含有量の高いヨーグルトも売られているため、気軽に摂取しやすいのもポイントでしょう。ただしチーズなど乳製品のなかには脂肪分が高いものも多いため、食べ過ぎは注意してください。
大豆のなかでは納豆が食べやすく、オススメです。
必須アミノ酸の含有量が多い食品一覧
体内で生成できない必須アミノ酸については、どの食品から摂るのが効率的でしょうか。
必須アミノ酸の含有量が多い食品は下記のとおりです。
※量の表記がない食品はすべて100gです。
バリン(BCAA)
まぐろ赤身8切れ(1400mg)・鶏胸肉(1200mg)・牛や豚レバー(1100mg)・プロセスチーズ1切れ(320mg )・木綿豆腐1/3丁(330mg)
ロイシン(BCAA)
カツオ刺身7切れ(1800mg)・鶏胸肉(1900mg)・鶏モモ肉(1500mg)卵1個50g(1100mg)・サンマ生中1 匹(1600mg)
イソロイシン(BCAA)
まぐろ赤身8切れ(1300mg)・豚ロース赤身(1000mg)・卵1個50g(680mg)・カツオ(1900mg)・あじ中1 匹(1700mg)
スレオニン(トレオニン)
まぐろ刺身7切れ(1100mg)・豚ロース赤身(1100mg)・鶏胸肉(1100mg)・凍り豆腐1本(315mg)・プロセスチーズ1切れ20g(166mg)
リジン(リシン)
カツオ刺身7切れ(2100mg)・真アジ(1900mg)・凍り豆腐1枚(510mg)
メチオニン
クロマグロ刺身7切れ(760mg)・鶏胸肉(640mg)・豚ロース赤身(620mg)・無調整豆乳(104mg)
ヒスチジン
カツオ刺身7切れ(2500mg)・クロマグロ刺身7切れ(2400mg)・真イワシ刺身(1000mg)
フェニルアラニン
牛レバー(1100mg)・クロマグロ刺身7切れ(970mg)・鶏胸肉(930mg)
トリプトファン
カツオ刺身7切れ(310mg)・牛・豚レバー(290mg)・プロセスチーズ1切れ20g(58mg)
出典:
独立行政法人環境再生保全機構|【参考資料】食品の選び方
一般社団法人 オーソモレキュラー営業医学研究所|必須アミノ酸と非必須アミノ酸
必須アミノ酸をバランス良く含む食品一覧
食品によって含まれるアミノ酸の種類も量も違いました。しかし、なかには必須アミノ酸をバランス良く含む食品もあります。
魚類では、カツオ・まぐろの赤身系がバランス良く含んでおり、肉類では鶏肉が最もバランスが良く、脂肪分も少ないためオススメです。
そして、アミノ酸スコアも優秀な卵。安価で手に入りやすいですが、栄養面でも非常に優秀です。
凍り豆腐・プロセスチーズといった食品もバランス良く含まれています。
以上が、必須アミノ酸をバランス良く含む食品です。
毎日の献立でバランス良く摂取できるのであればいうことはありませんが、なかなか難しいでしょう。そこで、サプリメントを活用するのがオススメです。
食品だけで必要なアミノ酸を補えないときはサプリメントを活用しよう
ここからは、山本義徳先生が監修したオススメのサプリメントを2つご紹介します。
必要なアミノ酸がしっかり摂取でき、運動をする人にオススメのサプリメント・女性の美容面にもアプローチしたサプリメントです。
すべての必須アミノ酸(9種類)を含むEAAサプリ
『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』は、必須アミノ酸がすべて配合されたサプリメントで、風味はシトラス、コーラ、パイナップルの3種類から選べます。トレーニング中のワークアウトドリンクとしてもオススメです。
1回あたりの必須アミノ酸は14,650mg、非必須アミノ酸であるβアラニンも3,000mg配合した豪華な成分比率になっていて、日常的にトレーニングしている人に適したサプリメントです。
女性にオススメのEAAサプリ
『EAA BEAUTY』は、女性のために開発されたビューティーアップサプリメントです。すべての必須アミノ酸が女性の美容に適したバランスで配合されています。
開発段階で多くの女性トレーナーに試飲してもらい、一番人気だったベリー味を採用。
毎日飲みたくなる味わいと、水で簡単に溶けることにもこだわり、おいしくて飲みやすい商品です。
さらに、フラボノイドを豊富に含んだ、飲むコスメともいわれるピクノジェノールRも含まれています。『EAA BEAUTY』で美しく、理想的な身体づくりを目指しましょう。
まとめ
アミノ酸が身体づくり、ひいては生きるために必要性の高い栄養素であることがわかりました。毎日新しい、質の高いアミノ酸を摂取しましょう。
しかし、体内で生成できない必須アミノ酸は、食事やサプリメントなどから摂取しなければなりません。
具体的にアミノ酸を多く含む食品も例にあげましたが、食事だけで摂取するのはなかなか難しいものです。そんなときにサプリメントをうまく活用すれば、アミノ酸をバランス良く補充できるでしょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
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