プロテインは筋肉の材料になるたんぱく質を豊富に含んでおり、大きく分けて「動物性」と「植物性」の2種類があります。
では、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質は、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、動物性・植物性の違いに着目し、それぞれの特徴とメリットなどを解説します。あわせて2つのプロテインを混ぜることで得られる効果についても紹介します。これからプロテインを使って筋肉作りを本格的におこないたい人は必見です。
動物性プロテインと植物性プロテインの違い
プロテイン自体は、筋肉の材料となるたんぱく質を主成分とするサプリメントです。筋肉作りに欠かせないたんぱく質を補い、筋肉の再生・修復に役立つアミノ酸の産生を促す効果などがあります。
たんぱく質には、魚・肉などに含まれる「動物性たんぱく質」と穀物・豆類などに含まれる「植物性たんぱく質」があります。プロテインも原材料の違いによって動物性と植物性に分けられているのです。
自分に合ったプロテインを知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
動物性プロテインの種類・特徴
動物性プロテインは、動物性たんぱく質を原料したサプリメントです。原料の違いによって「ホエイ」「カゼイン」「ビーフ」「フィッシュ」などの種類があります。
フィッシュプロテインは、魚肉から生成されるプロテインで、かまぼこ・ちくわ等の魚肉練り製品に含まれています。低脂質・低カロリーであり、健康目的で手軽にたんぱく質を摂取できる手段の一つとなっています。
ビーフプロテインは牛肉由来のたんぱく質です。しかし、牛肉そのものからたんぱく質を抽出するよりも乳由来のほうが製品コスト面でも良いので、現在ではホエイプロテインが主流となっています。
ホエイプロテイン・カゼインプロテインは牛の乳を原料としたものです。生乳を酸によって凝固させたたんぱく質をカゼインといい、カゼインを取り出した後の残った水分をホエイ(乳清)といいます。
ホエイプロテインは、体内に速やかに吸収されやすいのが特徴です。カゼインプロテインと比べて乳糖が少ないので、乳糖不耐症で牛乳が飲めない人にも使えます。運動前などに摂取することで、筋肉へ即効性の高いアプローチが期待できます。
植物性プロテインの種類・特徴
一方、植物性プロテインは、植物性たんぱく質を原料としたサプリメントです。大豆由来の「ソイ」・エンドウ豆由来の「ピー」・「ヘンプ(麻の実)」・「ライス(米)」など、いくつかの種類が存在します。それぞれの種子(実)から抽出されるたんぱく質であり、食物繊維が含まれています。
植物性プロテインには、女性の美容面を支えてくれる効果があるといわれています。筋肉作りのために摂取するというより、ダイエット・健康維持のために使うものといった認識を持つと良いでしょう。動物性食品を食べないヴィーガン主義(完全菜食主義者)の人にもたんぱく質の補給のために選ばれています。
日本で販売されている植物性プロテインの主流は、大豆由来のソイプロテインです。ソイプロテインは体内への吸収が遅いため、運動後の筋肉トリートメントには向いていません。就寝前に摂取して就寝中の代謝に必要なたんぱく質・アミノ酸の補給の役目に適しています。
動物性プロテインと植物性プロテインを混ぜるメリット・効果
ハードな運動の後は、筋肉に蓄積されたアミノ酸が筋肉の修復に奔走するため、筋肉が落ちやすくなります。そのために運動の前後・就寝前にプロテインを摂取することが大切です。最近では、植物性プロテインと動物性プロテインを混ぜることで相乗効果が得られるといわれるようになりました。そのメリット・効果についてまとめます。
たんぱく質を長く持続して吸収できる
動物性プロテインと植物性プロテインを混ぜて飲むことで得られるメリットの一つは、たんぱく質を長い時間持続して吸収できるという点です。これは、2種類のプロテインの「吸収速度」に着目したものです。
とくに品質が良く購入しやすい動物性プロテインであるホエイプロテインは、水溶性たんぱく質なので身体へ速やかに吸収されることがメリットです。筋肉に対して即効性があるため運動の前後に飲むことが推奨されています。
対して植物性プロテインであるソイプロテインは、水に溶けにくい不溶性たんぱく質のため、身体への吸収がゆっくりと進む傾向があります。
吸収速度の異なる2種類のプロテインを同時に摂取することで、動物性たんぱく質を単体で摂取した場合に比べ、血中アミノ酸濃度が長時間一定に保たれることから、効率的にたんぱく質を体内に吸収される傾向にあります。
筋肉の減少を抑える効果を期待できる
もう一つの効果としては、筋肉の減少を抑える効果が期待できるという点があげられます。
動物性たんぱく質(主にホエイ)、筋肉の合成を促す効果が、また、植物性たんぱく質(主に大豆)には筋肉の分解を抑制する効果があるとされています。
それぞれの効果は、先述のようにたんぱく質の持続的な吸収により相乗効果として発揮しやすくなるため、結果的に筋肉の減少を抑える効果につながるのです。
動物性プロテインと植物性プロテインを混ぜる場合の割合や注意点は?
筋肉量をアップするためには、単純に「2種類のプロテインを混ぜて飲めばいい」というものではありません。2種類のプロテインをどのくらいの比率で混ぜれば良いのかなど、細かい点までを理解したうえで実践することが、理想の身体に仕上げるためには大切です。混ぜる際の注意点とあわせて解説します。
ホエイプロテインとソイプロテインなら1:1の割合で効果大
2種類のプロテインを混ぜるなら、動物性プロテインは身体に吸収されやすいホエイプロテインと、植物性プロテインは腹持ちが良くゆっくりと身体に吸収されるソイプロテインの組合わせがオススメです。
ソイプロテインには活性酸素を減らす効果と、筋たんぱく質を分解する酵素を阻害する作用があり、ホエイプロテインには筋肉を作るアミノ酸が豊富に含まれています。
プロテインを混ぜる比率は1:1がベストです。1:1が最も筋たんぱく分解による筋委縮を抑えられることが最新の研究結果で明らかになっています。
筋トレ直後は混ぜないほうがベター
運動後の身体は「筋肉が壊れた状態」にあります。バルクアップを目指して激しい筋トレをおこなうことは、「筋肉を追い込む」「いじめ抜く」といった表現をすることがあるでしょう。バルクアップは、壊れてしまった筋組織を治そうとする力を利用し、筋肉肥大を目指すことが重要です。
筋肉はアミノ酸を取り込み、壊れた筋肉の修復によって筋肉肥大(筋繊維が太くなる現象)効果が得られます。運動後にプロテインを摂取することが大切といわれるのは、筋肉が回復する過程で必要以上にアミノ酸を欲しているからです。トレーニーは、速やかにプロテインを補充し、筋肉にストックされたアミノ酸の消費を防がなければいけません。
こういった理由から、筋トレ直後は吸収が素早いホエイプロテインだけの摂取がベターです。就寝前などの時間帯にプロテインを混ぜて飲むことをオススメします。
栄養成分表示を確認しよう
プロテインを混ぜることで「栄養過多」となる可能性も否めません。プロテイン1食分のカロリーは商品によってばらつきがあるものの、おおよそ100kcal前後とすると、ホエイプロテインとソイプロテインをそれぞれ1食分の量を使用すれば200kcal程度のカロリーです。回数・量を増やして摂取すれば、カロリー摂取過多のおそれがあるので、混ぜる際には1食分の量を調整する必要があります。
また、カロリー過多を避けるためには、たんぱく質以外の成分(炭水化物・脂肪・乳糖・乳脂・灰分など)の割合が抑えられた純度の高いプロテインを選ぶのもポイントです。
乳糖・糖などを極力除き、たんぱく質の割合を高めたプロテインとしてぜひオススメしたいのが、『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』です。
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』はWPI製法によって乳糖を限りなく除去してたんぱく質の含有率を高めているので、乳糖不耐症でおなかがゴロゴロしやすい人にもオススメできます。フレーバーの種類が多いので、毎日飽きずに使えると好評です。
まとめ
プロテインには、植物性と動物性の2種類があります。これらを混ぜて摂取することでお互いのプロテインの良さを引き出します。
2種類のプロテインを混ぜる場合は、ソイプロテインとホエイプロテインがオススメです。摂取タイミングに注意し、1:1の比率で混ぜると良いでしょう。
2種類のプロテインの違いや良い点を理解し、カロリーを含む栄養の摂取過多に注意しながらバルクアップを目指して行きましょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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