筋肉を大きくしたいと考え、プロテインを活用している人は多いでしょう。しかし、それ以外にも筋肉を大きくするために必要な栄養素は多くあり、バリンもその一つです。では、バリンには具体的にどのような効果があるのでしょうか。
この記事ではバリンの筋肉や肌への効果、効果的な摂取方法・タイミングをご紹介します。バリンが配合されたオススメのサプリもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
バリンとは
バリンは必須アミノ酸の一種です。必須アミノ酸は、体内では合成できず、食べ物などから摂取しなければならないアミノ酸のため、バリンも食べ物などから摂取する必要があります。
必須アミノ酸のうちバリン・ロイシン・イソロイシンの3種類はBCAA(分岐鎖アミノ酸)に分類され、筋肉に蓄えられてエネルギー源になります。そのため、バリンは運動時のスタミナ・筋肉量の維持に効果的です。
また、バリンには、傷ついた筋肉を治したり成長を促したりといった効果もあります。
バリンを多く含む食品は魚類・肉類・卵などです。
以下の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。
バリンの効果
バリンには損なわれた筋肉を修復させる効果・たんぱく質の合成促進効果などがあります。
以下で詳しく見ていきましょう。
筋肉の修復効果
バリンは筋肉のたんぱく質を構成するために重要なアミノ酸であり、筋肉の修復効果があります。ハードなトレーニングなどで傷ついた筋肉を、バリンは修復してくれるのです。
バリンは筋肉のエネルギー源ともなります。一般のアミノ酸は肝臓で分解され、エネルギーに変換されますが、バリンはグリコーゲンなどが減少した際、筋肉でエネルギー源として使われることになるのです。
バリンの筋肉修復は、窒素のバランスを保つことによりおこなわれます。体内にある窒素の量と体外に排泄される窒素の量のバランスが崩れると、身体はバランスを整えるために筋肉を破壊して窒素を体外に排泄します。この窒素の排泄を食い止めるのがバリンです。バリンは、窒素バランスを調整し、正常に戻すことにより、筋肉の破壊を防ぐのです。
たんぱく質の合成促進効果
必須アミノ酸であるバリンは、たんぱく質の合成を促進する効果もあります。
アミノ酸は、さまざまなたんぱく質を構成する成分です。しかし、単に構成成分であるばかりでなく、アミノ酸そのものが体内の生合成に機能します。
特にバリンを含むBCAAは、近年の研究によってたんぱく質の合成を促す生理機能があることが明らかにされつつあります。 その機能により、バリンは筋肉の発達を促進してくれるのです。
肌のハリを維持する効果
バリンの効果として、肌のハリを維持する効果も見逃せません。
人間の肌は表面から、角質層・表皮層・真皮層の3層構造になっており、真皮層は、おもにコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸という3つの成分からできています。
このエラスチンの構成成分の一つがバリンです。エラスチンは、肌のハリを維持するため重要な役割を果たし、ゴムのように伸び縮みする性質でコラーゲン同士を結びつけます。この現象により肌を内側から支え、肌のハリを保っているのです。
つまりエラスチンの構成要素であるバリンも、肌のハリを維持する重要な要素といえるでしょう。
なお、エラスチンの成分のうち、80~90%は、バリンを含む5種類のアミノ酸が占めています。
肝機能の向上
バリンには肝機能向上の効果も期待できます。肝硬変患者の症状を改善する効果があるとされているのです。
肝硬変になると、「芳香族アミノ酸」と呼ばれる特定のアミノ酸の血中濃度が高くなる一方で、バリンなどBCAAの濃度が低下 します。アミノ酸のバランスがこのように崩れてしまうと、肝性脳症による意識障害をまねいたり、昏睡状態におちいったりしかねません。
そこで現在では、肝硬変によるアミノ酸バランスの崩れを防ぐため、BCAAを用いた製剤の発案 もなされています。
肝硬変になると、体内で物質を運ぶ役割を果たすたんぱく質「アルブミン」の血中濃度が低下して低栄養になるとともに、アンモニア濃度が高くなることもあります。その際、アルブミンの合成とアンモニアの処理をおこなうのが、BCAAです。肝硬変患者に投与すると、低栄養や意識障害などの症状を改善する効果があります。
バリンの過剰摂取と欠乏について
バリンを過剰摂取したり欠乏状態になったりした場合、どのようなことが起こるのでしょうか?
過剰摂取
バリンを過剰摂取した場合でも、身体に特別な影響があることはありません。バリンの過剰摂取により副作用が出たという研究報告もありません。
バリンなどのBCAAは、ほとんどが筋肉で代謝され、摂取時の内臓への負担はほぼないからです。また、たんぱく質やアミノ酸を過剰に摂取したとしても、身体はすべてを吸収できず、吸収できなかった分は肝臓や腎臓で分解されて、尿として排出されます。
したがって、バリンの過剰摂取はあまり気にする必要がありません。
ただし、たんぱく質にもカロリーがあります。バリンそのものの過剰摂取の影響ではありませんが、バリンを含む食品を摂りすぎるとカロリーオーバーになることがある点には注意しましょう。
なお、BCAAはバリン・ロイシン・イソロイシンが協同して作用するため、バリンだけに摂取が偏ってしまうと効果は弱まってしまいます。バリンだけでなく、ロイシン・イソロイシンも含めてまんべんなく摂取するのが大切です。
欠乏
バリンが欠乏すると、アンモニアが体内に蓄積されやすくなる可能性があります。
血液中に溶けているアンモニアは、通常、肝臓を通過して尿として排出されます。ところが、前述のとおり肝硬変になり、肝機能が低下してくると、バリンなどBCAAの血中濃度が低下するにつれ、アンモニアの血中濃度が高まることがあるのです。
アンモニアの血中濃度が高まるとエネルギーを作り出せなくなり、疲労が蓄積されやすくなったり、免疫力が低下しやすくなったりするおそれがあります。
また、脳症による意識障害を起こしやすくなる可能性も出てくるでしょう。
肝硬変のこれらの症状を改善するため、BCAAが医薬品として投与されることもあります。ふつうに食事していればバリンが不足する心配はまずありませんが、念のため覚えておきましょう。
ちなみに、バリンの1日摂取量は、成人1人あたり26mg とされています。
バリンの効果的な摂取方法・タイミング
筋肉の修復・成長に効果が期待できるバリンですが、どのように摂取すれば良いのでしょうか。
摂取の方法とタイミングについて見ていきましょう。
バリンだけでなくロイシン・イソロイシも摂取する
バリンを摂取するにあたってまず重要なのは、BCAAのほかのアミノ酸、ロイシン・イソロイシンもあわせて摂取することです。バリンだけに偏って摂取しても効果が発揮されません。
また、筋肥大・筋力アップが目的なら、BCAAのみならず、9種類の必須アミノ酸すべての摂取も必要となってきます。
そのため、必須アミノ酸をすべて摂取できるタイプのEAAサプリ活用がオススメです。
EAAサプリのオススメ商品を以下でご紹介します。
VALX EAA9(イーエーエーナイン)
VALX EAA9(イーエーエーナイン) は、バリンなど9種類の必須アミノ酸すべてを、最適な比率で配合した商品です。スッキリとしたシトラス風味やコーラ風味、パイナップル風味があり、トレーニング中もゴクゴク飲めるでしょう。
2,000人以上の購入者を対象としたアンケートでは、98.2%「が美味しかった」と答えているイチオシ商品です。
バリン含むBCAAサプリの摂取タイミング
バリンを含むBCAAサプリの効果的な摂取タイミングは、以下の4つです。
朝起きてすぐ
朝起きると、夜間に食事を摂っていないため、体内のエネルギーやアミノ酸が低下した状態になっています。朝起きてすぐにBCAAを摂取するのがオススメです。
筋トレ前
筋トレの30分程度前も、オススメの摂取タイミングといえます。BCAAは摂取してから30分程度で血液中に届くといわれるからです。
筋トレ中
長時間の筋トレであれば、トレーニング中もBCAAを摂取しましょう。トレーニング中に飲むことによってエネルギー消耗による筋肉の分解を防ぐことが可能です。
筋トレ後
筋トレ後のBCAA摂取により、トレーニングで傷ついた筋肉の修復、筋肉痛・疲労感の抑制などの効果が期待できます。
筋トレ効果を上げるバリンの摂取方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
必須アミノ酸の一つであり、BCAAに分類されるバリンは、筋肉の修復と発達・肌のハリの維持・肝機能の向上などの効果が期待できます。過剰摂取と欠乏についての心配は、それほどありません。
バリンの摂取にあたって、バリンだけでは効果を発揮できないため、BCAAのほかのアミノ酸、あるいはほかの必須アミノ酸とあわせて摂取するよう意識するのが大切です。最適な比率で配合されたサプリメントを利用すれば、手軽に摂取できるでしょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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