バリンが筋肉にもたらす効果とは？筋トレ効果を上げる摂取方法も解説【山本義徳監修】

筋トレをする人たちの間で注目されているアミノ酸の一つ、バリン。「強い筋肉を育てるために必要なの？」「どんな効果があるの？」といった疑問を持つ人も多いと思います。

そこでこの記事では、筋肉へバリンがもたらす効果に加え、筋トレ効果を高めるバリンの摂取タイミングと摂取方法を詳しく解説します。効果的にバリンが摂れるサプリメントもご紹介しますので、効率的かつ質の高い筋トレがしたい人はぜひ参考にしてください。

バリンが筋肉にもたらす効果

まずは、バリンを摂ることで、筋肉にどんな影響があるのかを詳しく見ていきましょう。

そもそもバリンとは、9種類ある必須アミノ酸の一つです。その中でも、ロイシン・イソロイシンとあわせて分岐鎖アミノ酸（BCAA）に分類されています。
これらBCAAは身体にさまざまな影響をおよぼしますが、筋肉に対してはその合成促進・分解の抑制・破壊された筋繊維の修復といった効果・機能があります。

筋肉の合成を促進する

バリンをはじめとするBCAAの摂取効果としてまずあげられるのは、筋肉の合成促進です。

一般にアミノ酸は、筋肉など身体のさまざまな部分を構成するたんぱく質の材料となります。しかし、BCAAの働きはこれだけにとどまりません。ほかのアミノ酸とは異なり、筋肉づくりを促すシグナルとしての機能を持っています。

BCAAが体内に入ると、筋たんぱく合成に関わる分子たちが活性化され、動きが活発になります。この働きにより筋肉の合成がスタートし、促進されて筋肥大につながるというわけです。

ただし、バリンそのものが筋肉の材料になるわけではありません。筋肉をより大きく・強くするためには、同時にその材料となるほかの必須アミノ酸・非必須アミノ酸を摂ることが必要です。

筋肉の分解を抑制する

筋肉への効果として次にあげられるのは、筋肉を分解しようとする働きの抑制です。

筋肉は通常、たくわえられている糖質（グリコーゲン）・脂肪・アミノ酸などをエネルギー源として使用します。ところが筋トレ・運動によりエネルギーを消費し、これらのエネルギー源が足りなくなると、筋肉にあるたんぱく質を分解し、エネルギーとして利用してしまうのです。

前述のような筋肉分解が続けば、当然ながら筋力の低下は避けられません。苦労して続けている筋トレ効果も半減してしまいます。
こうした事態を防ぐのが、筋肉のエネルギー源となる、バリンをはじめとするBCAAです。
これらをしっかりと摂取のうえ筋肉にたくわえておくことで、筋トレ・運動による筋肉の分解抑制が可能になり、効果的な筋肥大が期待できます。

筋繊維を修復させる

バリンをはじめとするBCAAには、傷ついた筋繊維を修復する効果もあります。

激しい筋トレ・運動をすると、筋繊維が傷つきますが、傷ついた繊維の修復を繰り返すことで、筋肉は強く・大きくなります。BCAAは筋繊維を早急に修復する材料となり、筋肉の効率的な成長をサポートする役割も担っています。

実際に、被験者をBCAAの摂取者・非摂取者で2つのグループに分け、肘の関節の曲げ伸ばしによる筋肉痛・筋肉損傷の程度を測定する研究がおこなわれました。その結果によれば、BCAAを摂ったグループのほうが筋肉損傷の程度が低くなっています。この実験からも、BCAAは筋繊維の修復に効果があるといえるでしょう。

参考：043 共 A10403 運動に伴って生じる筋肉痛・筋損傷に対するアミノ酸摂取の効果

筋トレ効果を高めるバリンの摂取タイミング

ここまでBCAAは、筋トレ・運動による筋肉の合成・その分解の抑制・筋繊維の損傷修復に効果を発揮することをのべてきました。次に気になるのは、摂取のタイミングでしょう。これについては、筋トレと運動をセットで考えることが重要です。

以下では、バリンの筋トレ前・筋トレ中・筋トレ後の摂取について、それぞれ詳しく見ていきます。

筋トレ前

まず、バリンをはじめとするBCAAは、筋トレ前に摂ることを推奨します。あらかじめ筋肉組織にBCAAを豊富にたくわえておくことで、筋肉の分解を防げるためです。

ただし、筋トレ直前よりも、30分程度前の摂取がベストといわれています。なぜなら、BCAAは血液を経由して筋肉へ届けられるためです。摂取後すぐの、血中濃度が上がっていない状態ではその機能・効果をフルに発揮できないため、筋トレを始める30分程度前に摂取しましょう。

BCAAの血中濃度が摂取してから30分後に最大になることは、実験でも証明されています。

参考：研究成果 1 分岐鎖アミノ酸飲料の単回摂取に対する血中分岐鎖アミノ酸応答｜大塚製薬

筋トレ中

短時間の筋トレ中であれば、筋トレ中にBCAAが枯渇することはないため、補給は必要ありません。しかし、筋トレが長時間におよぶ場合は、筋トレ中にBCAAが枯渇してしまうこともありえます。せっかくの筋トレを無駄にしないよう、こまめな補給を推奨します。

これについても、効果を裏付ける実験結果があります。
フルマラソンで、193人のランナーをBCAAの摂取者・非摂取者の2グループに分けてタイムを計測しました。するとBCAAを摂ったグループは非摂取のグループと比較して、タイムが5～6分短縮したという結果となりました。

参考：スポーツとアミノ酸｜より深く知る アミノ酸のヒミツ!｜アミノ酸大百科｜味の素株式会社

長時間におよぶ筋トレをするなら、こまめなBCAA補給は効果的といえるでしょう。

筋トレ後

筋トレ後は、運動によって傷ついてしまった筋肉の修復が必要です。そのため、損傷をリカバリーする機能を持つBCAAの補給は、筋肥大に欠かせない重要事項です。

もし、筋トレ後に疲れてしまい、何も口にしたくない場合は、すぐに補給しなくても構いません。疲れが落ち着いてから、ゆっくり補給して身体を休めましょう。

筋肥大のためにはアミノ酸をまんべんなく摂取する

ここまで、バリンをはじめとするBCAAの有用性を紹介してきましたが、注意すべきは、効率的な筋肥大のためにはアミノ酸をまんべんなく摂る必要があることです。一部のアミノ酸だけを大量に摂取しても、筋トレの効果は思うように上がりません。

BCAAでいうと、たとえバリンをしっかり摂取しても、ロイシン・イソロイシンが不足してしまえば、バリンの働きも弱くなってしまうということです。偏りのない、バランスの良い摂取が重要です。

また、BCAA自体は筋肉の材料にはなりません。筋肉を大きく強く成長させるためには、ほかの必須アミノ酸も必要です。より筋トレ効果を高めたいならば、非必須アミノ酸もまんべんなく摂るべきだといえます。

必須アミノ酸はEAAサプリメントで、非必須アミノ酸はたんぱく質の含有量が多いプロテインでそれぞれ摂取すると高い効果が期待できます。

以下では、EAAサプリメントとプロテインのオススメ商品をご紹介します。どの商品を買えばいいのかお悩みの人は、ぜひ参考にしてください。

VALX EAA9（イーエーエーナイン）

『VALX EAA9（イーエーエーナイン）』は、バリン・ロイシン・イソロイシンといったBCAA、およびそのほかの必須アミノ酸を、身体づくりに最適な比率で配合した商品です。
スッキリとしたシトラス風味で、筋トレ中にもゴクゴク飲みやすい商品です。

VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト

『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、WPI製法によりプロテイン以外の材料を最小限にし、たんぱく質としての純度を高めた商品です。
WPC製法で作られた一般的なプロテイン商品のたんぱく質含有率が約80％であるところ、この商品のたんぱく質含有率は96.4％（プレーン味）を実現しています。

フレーバーは、プレーン・チョコレート・ストロベリー・ライチヨーグルト・バナナ・抹茶の6種類。日々摂るものだからこそ、手頃な価格にもこだわっています。

まとめ

バリンがもたらす身体への効果は、筋肉の合成促進・分解抑制・損傷した筋繊維の修復など多岐にわたります。バリンは運動とセットで摂取することにより効果を発揮するため、筋トレの前後・筋トレ中に積極的に摂取するようにしましょう。

ただし、バリンだけの摂取では十分な筋トレの効果は期待できません。身体づくりには、バリン以外の必須アミノ酸・そのほかの非必須アミノ酸も含め、バランスの良い摂取が必要です。
EAAサプリメントやプロテインを利用して、これらの栄養素を手軽かつ効率的に摂取し、理想の身体へ近づきましょう。

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