栄養・食

MCTオイルとは何? 期待できる効果を解説

トレーニングやダイエットに役立つ油として、MCTオイルがありますが、そもそもMCTオイルが何なのかよくわからないという人も多いかもしれません。MCTオイルを摂取することで、具体的にどんな効果が期待できるのかも気になるかと思います。

そこでこの記事では、MCTオイルの概要と、摂取することで得られる効果を詳しく解説していきます。MCTオイルに興味がある場合はぜひ参考にしてください。

MCTオイルとは?

MCTオイルとは、ココナッツオイル由来の中鎖脂肪酸100%の食用油脂です。
MCTはMedium Chain Triglycerideの略で、日本語では中鎖脂肪酸と訳されます。

中鎖脂肪酸の“中鎖”とは、炭素のつながりを指しています。
肉・魚・なたね油などに含まれるような一般的な脂肪は長鎖脂肪酸と呼ばれ、炭素が16個ほどつながっています。一方、中鎖脂肪酸の炭素は長鎖脂肪酸の半分ほどしかないため、分解されやすく消化が速いのが特徴です。

また、長鎖脂肪酸は、脂肪を代謝する細胞内の器官であるミトコンドリアに運ばれる際に、カルニチンという成分を必要としますが、中鎖脂肪酸はカルニチンを必要としません。

つまり、100%中鎖脂肪酸で構成されたMCTオイルなら、素早いエネルギー補給が可能です。その速度は一般的な油の約4倍とされ、体脂肪としても蓄積しにくいことから、ダイエットはもちろん、運動時のエネルギー補給にも最適といえます。

MCTオイルについては、こちらの動画でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

MCTオイルの摂取で期待できる効果

MCTオイルの摂取で期待できる効果は以下の通りです。

  • ダイエット効果
  • 運動時のエネルギー補給
  • 毎日すっきりを実感
  • 脳のエネルギー補給

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

ダイエット効果

MCTオイルは、一般的な油の約4倍速くエネルギーになるため、体脂肪として蓄積されにくいのが特徴です。もちろん、油には変わりないので、飲むだけで痩せるわけではありません。過剰に摂取すれば、カロリー過多で太ることになるでしょう。

MCTオイルのダイエット効果を引き出すなら、ケトジェニックダイエットを同時に実践する必要があります。ケトジェニックダイエットとは、糖質の摂取量を減らし、脂質を多く摂取するダイエット方法のことです。

ケトジェニックダイエットを実施する際は、ケトーシスという状態に持っていくことが重要です。ケトーシスとは、β-ヒドロキシ酪酸・アセト酢酸・アセトンという3つの物質の総称であるケトン体を、身体のメインエネルギーとしている状態のことを指します。

通常はブドウ糖がメインエネルギーですが、ケトーシスになれば、ブドウ糖ではなく脂肪と脂肪の代謝産物であるケトン体をメインのエネルギーとして利用できるので、効率的なダイエットが可能です。

ケトジェニックダイエット中に、1日30g程度のMCTオイルを摂取すれば、ケトーシスまでの期間短縮が期待できるでしょう。

ケトジェニックダイエットについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。

山本義徳先生が推奨しているケトジェニックとは?山本義徳先生がケトジェニック(低炭水化物食)のわかりやすい解説、メカニズム、方法などを解説します。 ケトジェニックとは? ケ...

運動時のエネルギー補給

MCTオイルは速やかにエネルギーになるので、運動時のエネルギー補給にも適しています。

また、MCTオイルは食事誘発性熱産生(DIT)を引き起こしやすいのも特徴です。
食事誘発性熱産生とは、食事をしたあとに何もしなくても代謝量が増加することを指します。

普段使っている油をMCTオイルに置き換えれば、食事誘発性熱産生を引き起こすことができ、運動時のエネルギーアップを実感できるでしょう。

オススメなのは、トレーニング前にMCTオイルをプロテインに混ぜて飲む方法です。
プロテインによって血中アミノ酸濃度を高め、MCTオイルによって運動時のエネルギー源を確保することで、筋肉の分解を防いだりトレーニングのパフォーマンスを向上させたりする効果が期待できます。

毎日すっきりを実感

MCTオイルは良質な油のため、しっかり摂取することで腸内の潤滑油のような役割を果たしてくれます。そのため、便の滑りを良くする働きが期待できます。

特に、これまで脂質の摂取量が少なかった人は、MCTオイルなどの良質な油をしっかり摂取することで、スムーズな排便が実感できるかもしれません。

ただし、MCTオイルを一度に飲みすぎると下痢になってしまうので、適度な量を摂取しましょう。目安は1日30gで、1回大さじ1杯程度を小分けにして飲むのがオススメです。

脳のエネルギー補給

ケトジェニックダイエット中、MCTオイルを摂取することで、脳のエネルギー(ケトン体)補給にもなります。

体内のブドウ糖が不足した際、脳ではケトン体が利用されます。脳が優先的にケトン体を使うようになると、頭がすっきりとした感覚を得られるでしょう。

実際、ケトン体には神経をダメージから守り、炎症を防ぐ作用があるといわれ、アルツハイマーの治療にも有効とされています。

参考:中鎖脂肪酸油を含むケトン食による高齢者の認知機能向上 | 株式会社明治

MCTオイルの効果が出るまでの期間

続いて、ケトジェニックダイエットを実践しているケースを想定し、MCTオイルの効果が出るまでの期間について解説します。

ダイエット効果が出るまでの期間

ダイエット効果を実感できるのは、ケトン体優位のケトーシスに切替わってからです。
ケトーシスに切替わるまでの期間には個人差がありますが、1週間程度の短期間では難しく、最低でも2~3週間はかかるでしょう。

できるだけ素早くケトーシスに移行したい場合は、以下の3点を意識しておくことが重要です。

  • 糖質の摂取を限りなく0にする
  • アミノ酸の種類を変える
  • 脂肪をたくさん摂取する

アミノ酸の種類を変えるに関して、アミノ酸の中にはケトン体になりやすいケト原性アミノ酸があります。
主要なものはロイシンとリジンです。この2つを多く摂取すれば、体内で糖質を作り出す糖新生が起こりにくくなり、ケトーシスに切替わりやすくなるでしょう。

その他の効果が実感できるまでの期間

運動時のエネルギー補給に関しては、個人差はあるものの、すぐに実感しやすい傾向にあります。運動前にMCTオイルを摂取すれば、エネルギーアップを素早く感じられるはずです。

便秘解消の効果は、1~3日など、比較的短い期間で実感できるかもしれません。
もちろん、便秘は複数の要因が絡んでいるため、MCTオイルを足すだけでは解消しない可能性もあります。水分を十分に摂取したり、不溶性食物繊維を補ったりと、その他の対策も同時におこないましょう。

まとめ

MCTオイルは消化・吸収が速く、エネルギーになりやすい特徴を持っています。
ダイエットに取入れる際は、ケトジェニックダイエットで摂取する糖質を減らし、脂肪を多く摂ることで、MCTオイルが持つ効果を存分に感じられる可能性が高まります。

また、MCTオイルは、運動時のエネルギー補給やお通じを良くしたいときなどにも効果が期待できるでしょう。

手軽にMCTオイルを取入れるなら、『VALX MCTオイルパウダー』がオススメです。粉末状なので持ち運びに便利なうえに、良質なエネルギー源として利用できます。

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
静岡県出身の日本のボディビルダー・トレーニング指導者。プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。サプリメントにも精通しており、サプリメント博士の異名を持つ。
2019年4月に開設したYouTubeチャンネル『山本義徳 筋トレ大学』は登録者数69万人を超える。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

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