MCTオイル(中鎖脂肪酸)は消化・吸収されやすく、エネルギーになるまでの時間が速いことで有名です。身体に蓄積されにくい脂質であるため、ダイエット効果を見込める食品として注目を浴びています。
ただし、多くの場合、MCTオイルは糖質制限と組合せることを推奨されているため、「糖質制限をしないと、MCTオイルを摂取しても効果がないのか」と疑問に思うかもしれません。
そこでこの記事では、糖質制限しないままMCTオイルを摂取した場合、ダイエット効果は見込めるのかどうかを解説します。
MCTオイル・パウダーは糖質制限中が効果的

そもそもMCTオイルを活用したダイエットは、糖質制限・ケトジェニックダイエットをおこなうことが前提となっています。
この記事では、山本義徳先生が提唱するケトジェニックダイエットの理論を元に解説していきます。ケトジェニックダイエットの詳細な理論は、以下の記事を参照ください。

ケトジェニックダイエットでは、糖質の摂取量を減らして、脂肪の摂取量を増やしていきます。PFCバランスで見ると、たんぱく質30%・脂質60%・炭水化物10%の、3・6・1の割合です。
人は通常、糖質(ブドウ糖)をエネルギーに変換して生命活動を維持しますが、糖質の摂取を制限すると、脂肪と脂肪の代謝産物であるケトン体をエネルギーに変換して使うようになります。この状態のことをケトーシスと呼びます。
ケトーシスの状態では、体内に蓄積された余計な脂肪がエネルギーとして消費されます。通常時と比べて脂肪のエネルギー変換効率が非常に高くなるため、ダイエットに成功しやすくなるのです。
ケトジェニックダイエットを成功させるには、大量の脂肪を摂取しないといけません。
総カロリーの60%以上を脂肪から摂取しますが、消化能力が弱い人の場合、脂肪の消化が上手くできず、胃もたれをする可能性があります。
胃もたれをしていると、ケトーシスになかなか移行できなかったり、力が出ずに空腹感を覚えやすくなったりしてしまいます。
その解決策として有効なのが、MCTオイルです。
MCTオイルなら、消化・吸収の負担が少ないので無理なく脂肪を補給でき、迅速にケトーシスに移行できます。実際、1日30gのMCTオイルを摂取すると、ケトーシスになりやすいといわれています。
もちろん、食事から脂肪を十分に摂ることが基本ですが、食事の補助としてMCTオイルを取入れることで、ケトジェニックダイエットが成功しやすくなるでしょう。
糖質制限をしない場合は意味がない?

MCTオイルは、糖質制限中の摂取でしか効果がないというわけではありません。
ただし、大きなダイエット効果は期待できないかもしれません。
なぜなら、MCTオイルは消化・吸収が速いというだけであって、油には変わりないからです。
体内に蓄積しにくい中鎖脂肪酸とはいえ、カロリーは1gあたり9kcalあり、摂取するだけで痩せるものでは決してありません。摂取とともに適度な運動・食生活の改善が必要です。
食事量・食事内容を変えずにMCTオイルを足すだけでは、カロリー過多で太る可能性があります。
糖質制限をせずにMCTオイルを摂取するなら、朝ごはんの代わりにMCTオイル入りのコーヒーを飲むなど、MCTオイルを活用した置き換えダイエットがオススメです。
コーヒーに油を入れるバターコーヒーが有名ですが、攪拌(かくはん)をして作るなど、手間がかかります。その点、MCTオイルならコーヒーに加えてスプーンで混ぜるだけで、手軽に置き換え食が用意できます。

コーヒーではなく、プロテインに混ぜても良いでしょう。

MCTオイルを一般的なオイルの代わりに使うのもオススメ
普段の食事のMCTオイルを加えるだけではダイエット効果が期待できないというのは、前述のとおりです。
ただ、MCTオイルは、ほかの油よりも脂肪として蓄積されにくく、エネルギーになりやすいというのは事実です。糖質制限をする・しないに関わらず、オリーブオイルなどの普段使っている油と置き換えてみるのは、悪くない選択です。
もちろん、普段使っている油と置き換えるだけでは、痩せる効果は期待できません。しかし、エネルギーになりやすい=満腹感を得やすいということなので、食べ過ぎの予防といった間接的なダイエット効果は得られるかもしれません。
MCTオイルは加熱調理に使えないので、すべての油をMCTオイルに置き換えるのは現実的ではありません。普段の食事にMCTオイルを取入れるためにも、サラダにかけていたオリーブオイルをMCTオイルに置き換えるところから始めてみてはいかがでしょうか。
運動前のエネルギー源として使うのはアリ
ダイエット目的だけでなく、運動前のエネルギー源として使う人もいます。
MCTオイルには通常の油よりも4倍速く吸収・分解され、素早くエネルギーに変換される特徴があるため、トレーニング前のエネルギー源としても効果的だからです。
筋トレ・ハードワーク時のエネルギー補給として、活用してみてはいかがでしょうか。
詳細は以下の記事で解説しています。

まとめ
MCTオイルで大きなダイエット効果を得るなら、糖質制限・ケトジェニックダイエットと組合せることが前提です。飲むだけで痩せることはありませんし、食事内容・食事量を変えずにMCTオイルをただ足すだけでは、カロリー過多で太る可能性すらあります。
ダイエット効果という点では、糖質制限をしないとMCTオイル本来の効果は引き出せないということです。
ただ、MCTオイルはエネルギーになりやすく、満腹感を覚えやすいので、食べ過ぎの予防といった間接的なダイエット効果は得られるかもしれません。糖質制限をする・しないに関わらず、MCTオイルを置き換えダイエットに活用したりほかの油の代わりに使ったりするといいでしょう。
また、MCTオイルは即効のエネルギー源になるので、筋トレ・ハードワーク時のエネルギー補給として活用することもできます。
MCTを取入れるなら、使い勝手の良いパウダータイプもオススメです。
『VALX MCTオイルパウダー』はココナッツ由来のMCTを100%利用しており、糖質・乳化剤添加物を一切含んでいません。料理・飲み物の温度に関係なく溶けやすいので、幅広い使い方ができます。
監修者情報

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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