最近、テレビ・雑誌で多く取上げられているMCTオイル。ダイエットや脳のエネルギー補給といった効果が期待でき、寝る前に摂取するのが良いといわれることもあります。
しかし、本当に寝る前の摂取が良いのでしょうか?
この記事では、MCTオイルの摂取に最適なタイミングを解説します。生活にMCTオイルを取入れようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
MCTオイルの特徴とダイエット効果への期待
MCTオイルとは、中鎖脂肪酸の油のことをいいます。
中鎖脂肪酸は、ココナッツ・パームヤシ・牛乳・母乳などに含まれている天然成分です。
脂肪酸とは油脂を構成する成分の一つ。炭素が鎖状につながった構造で、その炭素の長さによって長鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・短鎖脂肪酸に分類されます。
中鎖脂肪酸の炭素の長さは、大豆油・なたね油といった一般的な油に含まれる長鎖脂肪酸と比較すると、約半分になります。
短いほど体内での分解が容易になり、消化吸収が良く、効率的にエネルギーに変えられます。
また、中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸では、代謝経路が違います。
具体的には、長鎖脂肪酸はリンパ管を経由して吸収され、ゆっくりと全身に運ばれます。
一方、MCTオイルのような中鎖脂肪酸は水に溶けやすく、肝臓への門脈を通って肝臓に直接取込まれ、エネルギーになります。これが、MCTオイルの分解・エネルギー消費が速く、脂肪として身体に蓄積されにくい理由です。
最近話題の、糖質の摂取を制限する「ケトジェニックダイエット」でも、MCTオイルの素早くエネルギーになる特徴が注目されています。
さらに、スポーツをするときも、MCTオイルを摂取したほうが持久力が高まるという研究結果があります。
したがって、ダイエットのためにも、MCTオイルを一定期間摂取しながら運動を続けるのがオススメです。もちろん、MCTオイルにもカロリーはあります(1gあたり9kcal)。摂り過ぎれば太る可能性はあるので、1日の摂取上限目安(30g)の範囲に抑えましょう。
MCTオイルは寝る前の摂取が効果的?
特にダイエット目的でMCTオイルを摂取する場合、就寝前に摂ると良いといわれることがあります。
しかし実際は、朝~夕方(夕食時)までに摂取するのがオススメです。その具体的な理由を見ていきましょう。
MCTオイルを朝~夕方までに摂取すべき理由とは?
MCTオイルは、消化が良いといっても油であることには変わりありません。そのため、活動量が低下する睡眠の直前に摂取してしまうと、エネルギー消費ができず、体内に蓄積される可能性が高くなります。
また、人の身体は、空腹になったときにケトン体が分泌され、深く良質な眠りが促進されるメカニズムがあります。そのため、寝る直前にMCTオイルの入った食べ物・飲み物などを摂取して満腹になると、ケトン体の分泌量が少なくなり、眠りの質が悪くなってしまいます。
深い睡眠は、成長ホルモンの分泌にも関係します。効率良くダイエットをするには、眠りの質を低下させないMCTオイルの取入れ方を選択するのが理想です。
こうした理由から、遅くとも就寝の3時間前には、夕食などとともにMCTオイルを摂取しておくようにしましょう。
MCTオイルの基本の摂り方
これまでの解説のとおり、MCTオイルは寝る前の時間帯に摂取するより朝~夕方までに摂取するのがオススメです。
MCTオイルを摂取すると、最初お腹が緩くなることがあるため、まずは1回3gほど(小さじ1杯程度)を複数回に分けて摂取しましょう。慣れてきたら、1回5gほどに増やしていきます。
MCTオイルの取入れ方としては、以下の2つがオススメです。
食生活に取入れる
MCTオイルは無味無臭なので、どのような食材にも合わせられる油です。味噌汁・スープ・サラダ・カレー・オムライスといったさまざまな料理にかけられます。
オイルに慣れずお腹がゆるくなってしまう人は、豆乳とあわせて摂取すると、乳化によって刺激を抑えられてお腹がゆるくなりにくくなります。
朝食時、コーヒー・野菜スムージーなどに入れるのも、手軽で始めやすいでしょう。また、MCTオイルでサラダ用のドレッシングを作れば、さまざまなレシピで味を変えながら摂取できるので飽きにくくなります。
MCTオイルにはビタミンA・ビタミンEの吸収を促進する作用があるので、スムージー・サラダで緑黄色野菜と一緒に摂るのもオススメです。
ただし、加熱によってオイルの沸点である160℃を超えると、発泡したり煙が出たり、それ以上加熱すると引火する可能性があります。そのため、揚げ油・炒め油としては使えません。完成した料理にかける、もしくは火からおろしたスープ・飲み物に混ぜるようにしましょう。
なお、生肉・魚などにMCTオイルを混ぜたまま放置すると、オイルが脂肪分解酵素と反応することで、独特な匂いが生じることがあります。マリネ・ハンバーグのタネに入れて長時間寝かせたりせず、でき上がった料理・飲み物に入れて、すぐに食べましょう。
トレーニング前に取入れる
MCTオイルは、筋肉トレーニングをする前に摂取すると、即効性のあるエネルギー源として効果が期待できます。また、マラソン・水泳・サッカーなどの場合、高いパフォーマンスを長時間維持できることも知られています。
なお、筋トレをするときには、MCTオイルをプロテインドリンクに混ぜて飲むのがオススメです。
まとめ
MCTオイルはエネルギー消費が速く、ダイエット効果が望めます。しかし、活動量の低下する寝る直前に摂取してしまうと消費されずに蓄積されてしまったり、睡眠の質を下げてしまったりします。
そのため、MCTオイルは活動時間内、就寝の3時間前までに食事とあわせて摂取するようにしましょう。パウダータイプなら、油浮きや分離を気にすることなく、どのような料理にも手軽に使えます。
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監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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