筋トレなどの無酸素運動とは、短時間でおこなう負荷が高い運動のことです。運動時の負荷を測る基準の一つとして心拍数が用いられます。
筋トレの効果を最大限高めるには、トレーニングに応じた心拍数の目安を知るのが大切です。
この記事では、無酸素運動時の心拍数の考え方を解説します。心拍数の測り方も紹介するので、効率良く筋肥大を目指したい人はぜひ参考にしてください。
無酸素運動(筋トレ)時は心拍数も意識する
筋トレなどの無酸素運動時には心拍数を意識してください。
有酸素運動と無酸素運動では筋肉や体内での効果が異なるため、トレーニングの目的に合わせて適切な心拍数を維持する必要があります。
有酸素運動ではエネルギーとして脂肪が使われやすく、脂肪を分解する際には酸素が必要です。運動時に、酸素を消費してエネルギーを作り出すことから、有酸素運動と呼ばれています。
有酸素運動中は体内に酸素を取入れているため、それほど心拍数が上昇しません。長い時間運動を続けることができ、運動の持久力などが向上しやすいトレーニングです。
一方で筋トレなどの無酸素運動では、エネルギー源として体内の糖が使います。エネルギーを作る際に酸素を必要としないのが特徴です。
無酸素運動は短時間で大きな筋力が発揮され、瞬発力や筋力などが向上しやすいです。
トレーニングをおこなう目的が筋肥大の場合、有酸素運動を取入れると筋肉が発達しにくくなります。エネルギー源として筋肉が分解されやすくなるからです。
トレーニングの目的に合った効果を得るためには、適切な運動強度を確保する必要があります。つまり、運動する目的に応じた心拍数で運動するように意識することが大切です。
運動強度は心拍数の変化によって推測できます。
運動強度ごとの心拍ゾーン
運動強度ごとに心拍ゾーンが異なります。以下の心拍ゾーンを把握すれば、運動強度が推測できます。心拍ゾーンの考え方や種類を運動時の参考にしてください。
心拍ゾーンとは?
心拍ゾーンとは、最大心拍数に対する割合をもとにした身体の状態のことです。心拍ゾーンはゾーン1から5の5段階に分けられ、ゾーン1から5にかけて運動強度が高くなります。
トレーニング効果を最大限引き出すためには、トレーニングで達成したい目的に合わせた心拍ゾーンでトレーニングするのが大切です。
トレーニングの目的に応じた心拍ゾーンなら、オーバートレーニングやケガの防止にもつながります。
安全かつ効果的にトレーニングするためにも、心拍ゾーンごとの特徴を把握しておくことが必要です。
5段階の心拍ゾーン
心拍ゾーンは最大心拍数を100%としたとき、50~100%の範囲で5段階に分類できます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
ゾーン | 割合 | 身体の状態 | 運動効果 |
1 | 50~60% | 呼吸が乱れず普段どおり会話できる | 有酸素運動の基礎作り |
2 | 60~70% | 少し呼吸が乱れるものの会話はできる | ・心肺機能向上の基礎作り
・高強度トレーニング後のリカバリーにも最適 |
3 | 70~80% | 呼吸が深くなり会話が困難になる | ・心肺機能向上
・持久力向上 |
4 | 80~90% | 呼吸が荒くなり会話ができない | ・無酸素運動能力向上
・スピード向上 |
5 | 90~100% | 呼吸するので精一杯 | ・瞬発力向上
・筋持久力向上 |
ゾーン3と4が有酸素運動と無酸素運動の境目です。
心肺機能や持久力向上を目的としてトレーニングするなら、最大心拍数に対する割合が70~80%の状態でトレーニングをおこなうのが理想です。
一方でトレーニングをおこなう目的が筋肥大の場合、最大心拍数に対する割合が80%以上の状態だとトレーニング効果が高まります。
心拍数の測り方
無酸素運動時の目標となる心拍数は、安静時の心拍数と最大心拍数をもとに測定します。それぞれの心拍数の測り方は以下のとおりです。
安静時の心拍数を知る
安静時の心拍数とは、運動中ではなくリラックスした状態での心拍数です。
橈骨動脈(とうこつどうみゃく)という、手首の親指側の部分に人差し指・中指・薬指をあて1分間脈拍を数えてください。10秒間だけ数えて6倍にする方法や、30秒間数えて2倍にする方法もあります。
一般的な安静時の心拍数は、60~80/分程度が目安です。トレーニングに慣れてくると、安静時の心拍数は60/分を下回るケースもあります。
安静時の心拍数が下がったら、トレーニングの効果が高まってきたと考えてください。
最大心拍数を知る
最大心拍数とは心拍数の最大値で、『カルボーネン法』と呼ばれる計算方法を用いて算出します。
カルボーネン法では「220-年齢」が最大心拍数です。例えば、30歳の最大心拍数は190となります。
JACC(米国心臓学会誌)が提唱する「208-(0.7×年齢)」でも最大心拍数を求められます。例えば、30歳の場合は「208-(0.7×30歳)=187」が最大心拍数です。
カルボーネン法およびJACCが提唱する計算式で算出された最大心拍数に大差はないため、どちらの計算式で求めても問題ありません。
目標心拍数を知る
目標心拍数とは、運動効果を最大限高めるための目安となる心拍数です。
目標心拍数はカルボーネン法を使って算出できます。計算式は「目標心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×運動強度(%)+安静時心拍数」です。
運動強度には、先述した5段階の心拍ゾーンの割合を代入します。例えば、下記を例として目標心拍数を計算します。
- 年齢:30歳
- 最大心拍数:220-30=190
- 安静時心拍数:60/分
- 運動強度:ゾーン4(90%)
上記数値をカルボーネン法の計算式に当てはめると「(190-60)×90%+60=177」が目標心拍数です。無酸素運動後の心拍数が177/分程度なら、高い運動効果が期待できます。
筋トレの運動効果を高める山本義徳オススメのサプリメント
筋トレの運動効果を高めるには、サプリメントの摂取がオススメです。
筋トレでは体脂肪を効率的に減らしつつ、筋肉を大きくするのが理想です。
しかし、一生懸命筋トレしても体脂肪減少と筋肥大を両立させるのは困難なため、サプリメントを活用することも大切です。
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カロリー調整と栄養管理を徹底サポートするプロテイン
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食事だけで1日に必要なたんぱく質をすべて摂取しようとすると、過剰摂取カロリーになる危険性があります。例えば、たんぱく質120g分を牛肉だけで摂ろうとする場合、600kgの牛肉を食べなければなりません。その場合の摂取カロリーは約1,200~3,000kcalです。
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プロテインの必要性を詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
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HMBと筋トレの関係を知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
まとめ
無酸素運動は短時間でおこなう強度が高い運動で、心拍数を意識するのが大切です。運動目的に合わせた心拍数を維持すると、トレーニング効果を最大限発揮できます。
最大心拍数をもとに身体の状態を表す心拍ゾーンは、運動強度ごとに異なります。筋トレなどの無酸素運動の強度は、最大心拍数の80%以上が目安です。
安静時心拍数・最大心拍数・心拍ゾーンから、目標心拍数を測ります。目標心拍数を基準にして筋トレすれば、高いトレーニング効果が期待できます。
筋トレの効果をさらに高めるためには、カロリー調整と栄養管理を同時におこなえるプロテインと筋分解を抑制するHMBがオススメです。
サプリメントを活用して効率良く筋肥大を目指してください。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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