脂質を制限してダイエットを成功させるには、栄養バランスの取れた食事・食材選びが大切です。今回の記事では、有名アスリートも指導するトレーナー山本義徳先生オススメの、高たんぱくで低脂質の食材を紹介し、脂質を増やさない調理法もお伝えします。
ローファットダイエットは効果がおだやかな分、リバウンドもしにくく、費用があまりかからない減量法です。ぜひこの記事を参考にダイエットで結果を出してください。
減量に低脂質食材が最適な理由
減量方法は、大きくケトジェニックとローファットの2種類に分かれます。
ローファットダイエットでの脂質を抑えた食事は、リバウンドしにくく、炭水化物が不足しにくいので筋肉がエネルギー源として使われるリスクも低いものです。そのため、筋肉を維持しやすい減量方法といえます。
栄養素の管理がシンプルで費用がかさむこともなく、始めやすいダイエット法といいえるでしょう。
ローファットダイエットの効果・方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
一方、ケトジェニックダイエットは糖質制限の一種で、糖質を限りなくゼロにし、エネルギー源を糖質から脂肪に切り替えて、脂肪を燃焼させるダイエット法です。
ケトジェニックダイエットのメリット・デメリット・具体的なやり方はこちらの記事で詳しく解説しています。
1日の脂質量は何g摂ればいい?
ローファットダイエットの際、脂肪は何gまで摂って良いのでしょうか?減量で効果を出すには、三大栄養素それぞれの役割を理解し、各栄養素のバランス=PFCバランスを大切にする必要があります。
以下、各栄養素の役割を見ていきましょう。
たんぱく質の役割
筋肉・臓器はもちろん、肌・髪・爪なども含めて身体を構成し、ホルモン・酵素・免疫物質などを作り、栄養素を運搬します。エネルギーが不足している場合、アミノ酸としてエネルギーの一部になる栄養素です。
脂質の役割
1gあたり9kcalと、たんぱく質・糖質の2倍ほどのエネルギーを作り出す栄養素です。細胞膜やホルモンを構成し、脂溶性ビタミンの吸収をサポートします。体温保持や内臓を保護する役割もあります。
糖質の役割
炭水化物は、体内で消化・吸収できる「糖質」と消化・吸収されない「食物繊維」に分かれる栄養素です。糖質は腸内で吸収され、身体の細胞が活動するのに必要なエネルギー源となります。エネルギーとして消費されなかった糖質は、脂肪として身体に蓄えられます。
脂質はカロリーの1割に
三大栄養素にはそれぞれ役割があり、ローファットダイエットの場合、PFCバランス(たんぱく質・脂質・炭水化物の割合)は3:1:6が基本です。
特定の栄養素が多すぎる・少なすぎるなどPFCバランスが崩れると、期待したダイエット効果がうまく得られない可能性があります。
また、ローファットダイエットは脂質排除ではありません。極端に脂質を減らすと体調管理の面で問題です。あくまでも摂取量を「LOW(=低い)」にするよう意識してください。三大栄養素をバランス良く摂り、ヘルシーに減量しましょう。
必要カロリーが2,000kcalの人ならPFCバランス=3:1:6で脂質量は200kcal、脂質は1g:9kcalなので、200÷9≒22g程度まで脂質が摂取できます。
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高たんぱく低脂質の食材一覧
ローファットダイエットの際に摂取できる脂質量は、必要カロリー1日2,000kcalの人で22gほどです。栄養バランスを崩さないためには、高たんぱくで低脂質の食材を選んで摂取する必要があります。ジャンル別に表でまとめましたので、ぜひ食事の参考にしてください。
文部科学省が開発して試験的に公開されている「食品成分データベース」では、検索すれば100gあたりの成分が脂質量も含めて表示されて便利です。脂質を確認したい食材をこちらで調べるのも良いでしょう。
牛肉 100gあたり
部位によってカロリー・脂質が大きく違います。我慢しないで食べられる部位を選びましょう。
部位 | カロリー 単位:kcal | 脂質(合計値) 単位:g |
タン | 356 | 31.8 |
ハラミ | 321 | 27.3 |
サーロイン | 298 | 23.7 |
肩ロース | 240 | 17.4 |
ヒレ肉 | 133 | 4.8 |
レバー | 132 | 3.7 |
豚肉 100gあたり
カロリー・脂質ともに牛肉に比較して控えめの傾向です。豚肉には体調管理効果が期待できるビタミンB1が豊富に含まれています。部位に配慮し、体調に合わせて選びましょう。
部位 | カロリー 単位:kcal | 脂質(合計値) 単位:g |
バラ肉 | 395 | 35.4 |
肩ロース | 253 | 19.2 |
肩肉 | 216 | 14.6 |
モモ肉 | 183 | 10.2 |
ヒレ | 130 | 10.2 |
レバー | 128 | 3.4 |
鶏肉 100gあたり
肉類のなかではカロリー・脂質がともに低めです。特に皮を取り除くと、カロリー・脂質両方がダウンし、ダイエットの心強い味方となります。
部位 | カロリー 単位:kcal | 脂質(合計値) 単位:g |
皮つき手羽先 | 226 | 16.2 |
ハツ | 207 | 15.5 |
皮つきモモ | 204 | 14.2 |
皮つき胸肉 | 145 | 5.9 |
皮なしモモ肉 | 127 | 5.0 |
皮なし胸肉 | 116 | 1.9 |
魚介類 100gあたり
魚介は肉類よりヘルシーなイメージですが、肉と同様、部位によってカロリー・脂質に差があります。魚介類の脂には血中コレステロール減少に効果が期待できる不飽和脂肪酸が含まれており、肉類ほど神経質にならなくて良いでしょう。
甲殻類・貝類やイカ・タコなどの軟体動物はカロリー・脂質ともに低めで、積極的に取入れたい食材です。
部位 | カロリー 単位:kcal | 脂質(合計値) 単位:g |
クロマグロ トロ | 344 | 27.5 |
クロマグロ 赤身 | 125 | 1.4 |
皮つきまあじ | 126 | 4.5 |
皮なしまあじ 刺身 | 123 | 4.1 |
紅鮭 | 138 | 4.5 |
まさば | 247 | 16.8 |
ブラックタイガー | 82 | 0.3 |
ヤリイカ | 85 | 1.0 |
あさり | 30 | 0.3 |
卵・加工品 100gあたり
安価で手に入れやすい高たんぱく食品ですが、卵白と卵黄ではカロリー・脂質が大きく違います。卵黄を必要以上に摂取しないようにしましょう。
部位 | カロリー 単位:kcal | 脂質(合計値) 単位:g |
鶏卵・全卵・生 | 142 | 10.2 |
鶏卵・全卵・ゆで | 134 | 10.4 |
鶏卵・卵黄・生 | 336 | 34.3 |
鶏卵・卵黄・ゆで | 330 | 34.1 |
鶏卵・卵白・生 | 44 | – |
鶏卵・卵白・ゆで | 46 | 0.1 |
同じ食材でも調理法の工夫で脂質カットが可能
脂質の量は調理の工夫で減らすことが可能です。脂質量を減らす調理のコツはもちろん、脂質が増えてしまう避けるべき調理法も解説します。
「ボイル」や「蒸す」調理でより低脂質に
「ゆでる」「蒸す」など、油を使わないでできる調理法であれば、脂質量は増加しません。油不使用の網焼きや電子レンジ調理もオススメです。
「揚げる」はNG!「焼く」なら一工夫を
脂質の少ない食材を選んでも、調理方法によっては脂質量がアップしてしまうので注意してください。
脂質量が多くなる調理法の代表は、「揚げる」「炒める」です。使った油の分、脂質量がグンとアップします。卵料理の場合、ゆで卵ならわずか5g程度の脂質量が、スクランブルエッグにしてしまうとおよそ3倍の15gにもなってしまいます。
炒め物など油が必要なメニューを食べたいとき、無理に我慢するとダイエットが続きません。調理器具や調理ツールを工夫するのが良いでしょう。
フッ素加工フライパンやクッキングシートを使う
フッ素樹脂加工のフライパンを使えば、半分程度の油で調理可能です。食材がこびりつきにくく、フライパンが汚れにくいのも魅力といえるでしょう。フライパンで使えるクッキングシートも油の使用を抑えられます。油の使用量を減らせるうえに洗い物も少なくて済み、一石二鳥です。
※使用する加熱器具に合わせたアイテムを選んでください。
カロリーオーバーならサプリメントやプロテインを活用しよう!
ダイエットを成功させるには、三大栄養素をバランス良く摂取する必要があります。各栄養素の役割は、「1日の脂質量は何g摂ればいい?」の項で解説したとおりです。
三大栄養素をバランス良く摂取しようとすると、カロリー・脂質がオーバーしがちで不安な人もいらっしゃるでしょう。摂取カロリーを消費カロリー以内にするにはどのような方法があるのでしょうか?
プロテインは脂質制限の強い味方!
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、ホエイから炭水化物・脂肪などを取り除き、90%以上のたんぱく質含有率を実現したプロテインです。
プレーン・チョコレート・ストロベリー・ライチヨーグルト・バナナ・抹茶と6種のフレーバーがあり、お好みに合わせて飽きずに続けられます。
外出先でプロテインを飲みたい人もいらっしゃるでしょう。『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は溶けやすさにもこだわっており、プロテイン特有の泡立ちやダマが生じにくく、外出先でも水さえあればサッと飲むことができます。
乳糖のほとんどを取り除いた、高品質WPI(ホエイプロテイン アイソレート)を100%使用しているため、牛乳でお腹を下しがちな人にもオススメです。
不足しがちなアミノ酸を補うEAA
プロテインよりも吸収スピードが速く、血中アミノ酸濃度を急上昇させるEAA(必須アミノ酸9種類)もアミノ酸補給にオススメです。
EAAのサプリにはタブレットタイプとパウダータイプがありますが、アミノ酸濃度を速く上昇させたい場合、水に溶けやすく吸収率の高いパウダータイプが良いでしょう。寒い時期は水分が不足しがちですが、水に溶かして飲むので水分補給もできます。
まとめ
ダイエットには食材知識が不可欠です。必要カロリーの1割程度を脂質量とし、食事を管理してください。
肉類は部位によってカロリー・脂質に差があり、イカなどの軟体動物、エビなどの甲殻類は脂質が低めです。
調理法は「蒸す」「ゆでる」が良く、少ない油で調理できるフライパン・クッキングシートを使うのも良いでしょう。
栄養バランスを崩さずカロリーオーバーにならないようにするには、プロテイン・サプリの活用もオススメです。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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