鶏胸肉は、ダイエット中の人や筋肉トレーニングをおこなう人に高い人気を誇る食材です。スーパーでいつでも簡単に手に入り、肉類のなかでは安価な点に魅力を感じている人も多いでしょう。
今回の記事では、人気の鶏胸肉に注目しました。すぐれた栄養価・期待できる効果を解説し、一緒に食べると良い食材や低脂質レシピも紹介します。ダイエッター・トレーニーにとても役立つ内容です。食事作りの際、今日から参考にしてください。
鶏胸肉は減量・増量にオススメのスーパー食材!
最初に、鶏胸肉の栄養価に関して解説します。
鶏胸肉は鶏肉のほかの部位と皮なしで比較した場合、たんぱく質が最も多く、脂質が最も控えめです。たんぱく質量を維持しながら脂質を下げるにはぴったりの食材で、減量はもちろん、増量にも使えます。
同じ胸肉でも、皮ありで摂取すると100gあたりの脂質量が4gほど増えます。鶏胸肉を用いた食事での減量・増量効果を効率的に得るには、基本的には皮を除いて摂取しましょう。
鶏ささみより鶏胸肉をオススメする理由
鶏ささみも脂質が少なくたんぱく質が多めで、ダイエッターに人気の部位ですが、筋肉トレーニングやダイエットをしている人には、鶏ささみより鶏胸肉がオススメです。オススメ理由を3つの観点から解説します。
リラックスできる
脳が疲れたときは、抗酸化作用のある栄養素を摂取して、脳細胞の酸化ストレスを軽減すると良いといわれています。鶏胸肉に含まれているイミダペプチドは、抗酸化作用が期待できる成分です。鶏胸肉を食べれば、ハードなトレーニングによるストレスがやわらぐ効果が期待できます。
1日200mgのイミダペプチドで疲労感の軽減が確認できた研究結果もあり、これは、身体への吸収効率を考慮すると、鶏胸肉100gの摂取で効果が期待できるとされています。
糖化を防ぐ
糖質の多い食事で血糖値が上がると、余分な糖質が体内のたんぱく質などと結びき、細胞などを劣化させてしまいます。これが糖化と呼ばれる現象です。鶏胸肉に豊富なカルノシンは筋肉や肝臓にある抗酸化物質で、糖化を促進させる活性酸素を取り除き、老化の元凶を抑える効果が期待できるといわれています。
鶏胸肉でカルノシンをしっかり摂取してトレーニングをおこなえば、若々しい身体作りが実現しやすくなるでしょう。
乳酸を減らしてくれる
鶏胸肉に含まれるイミダペプチドには、乳酸の分解を促進する成分が含まれており、夏バテや内臓の疲れを軽くする効果があるといわれています。筋トレで疲れた身体にぴったりの食材です。
鶏胸肉と組み合わせたい低脂質食材
鶏胸肉は減量・増量に役立つだけでなく、トレーニー・ダイエッターの健康増進効果も期待できる食材です。できるだけ積極的に摂取しましょう。
ここでは、鶏胸肉と一緒に食べるのがオススメの低脂質食材を紹介していきます。
ブロッコリー
ブロッコリーは、鶏胸肉と同じようにトレーニーやダイエッターに人気があります。人気の理由は、筋量アップに必要な栄養素がバランス良く含まれているからです。
ビタミンB1・ビタミンB6・ビタミンCが豊富で、野菜のなかではたんぱく質も多めで、食物繊維・葉酸・鉄分・カリウム・マグネシウムなども含有します。さらに、男性ホルモン「テストステロン」を強化する働きを持つ成分も含み、筋トレの効果向上が期待できる食材です。
トマト
トマトは、低カロリーでビタミンC・ビタミンE・カリウム・食物繊維などをバランス良く含まれています。トマトといえばリコピンの抗酸化作用は有名ですが、脂肪酸の脂肪燃焼効果も注目されています。
サラダチキンと合わせてサラダにする、鶏胸肉とトマト缶を使って煮込みにするなど、さまざまなアレンジが楽しめ、鶏胸肉との相性は抜群です。トマトジュースを500~600ccほど飲むだけでも効果が得られるので、忙しい人も簡単に摂取できます。
豆腐
豆腐を水切りしてサラダチキン・野菜・トマト缶などと合わせてチーズをトッピングして焼けば、ホワイトソースなしで高たんぱく・低脂質のグラタンが楽しめます。
豆腐と鶏胸肉のひき肉を合わせて作るつくね・チキンハンバーグは、さっぱりとした味わいで、動物性たんぱく質・植物性たんぱく質が一緒に摂れ、とてもヘルシーです。
高たんぱく質低脂質な食品については、以下の記事でも詳しく解説しています。
納豆・ノンオイルのツナ・卵白などもオススメの高たんぱく質低脂質食材です。低脂肪乳・ビーフジャーキー・プロテインバーなどはコンビニエンスストアでも購入できる高たんぱく質低脂質食材で、忙しくて自炊が難しいときにも助かります。サラダチキンとともに常備しておくと良いでしょう。
1食10g以下!鶏胸肉を使った人気の低脂質レシピ
鶏胸肉を使った1食あたりの脂質10g以下の低脂質レシピを紹介します。
「鶏胸肉はパサつく」という意見もありますが、酒をもみ込んでから余分な水分を取り除く・ヨーグルトに漬ける・片栗粉をまぶすなど、調理の工夫次第で、しっとりおいしく仕上げることが可能です。
高たんぱく低脂質の王道親子丼
料理法によってはパサつきやすい鶏胸肉ですが、そぎ切りにして、だし汁・醤油・みりん・酒・砂糖を加えた調味液に漬け込み、玉ねぎと煮込めば、しっとりとした味わいに。刻み海苔・さやえんどうをトッピングし、見た目も重視して仕上げましょう。
- カロリー 約350kcal
- たんぱく質 約20g
- 脂質 7g
- 炭水化物 約53g
腹持ち良しで作り置きもOK!鶏胸肉とブロッコリーのトマト煮
たっぷりの野菜・きのこを使っているので、満足感があります。鶏胸肉にカリフラワー・ブロッコリー・プチトマト・しめじ・パプリカ・さやいんげんなどを合わせ、トマトの水煮とコンソメで煮込みます。一晩置くと味がしみて違った味わいになるため、作り置きするのもオススメです。冷蔵庫の野菜を整理したいときにも良いでしょう。
- カロリー 約150kcal
- たんぱく質 約23g
- 脂質 約4g
- 炭水化物 11g
少ない材料で簡単!ヘルシートマト棒々鶏
鶏胸肉を耐熱容器に入れてフォークで全体に穴を開け、酒をかけてラップして600ワットの電子レンジで1~2分加熱、裏返してさらに2分ほど加熱します。加熱しすぎて肉が固くならないようにしてください。
薄切りトマト・千切りきゅうり・手で裂いた胸肉に醤油・ごま油・酢・豆板醤・すりごまで作ったタレを合わせます。白ごまをトッピングしても良いでしょう。
- カロリー 約120kcal
- たんぱく質 約18g
- 脂質 約4g
- 炭水化物 約5g
鶏胸肉と豆腐で作るふわふわボリューミーつくね
鶏胸肉のひき肉に、絹ごし豆腐を混ぜてボリュームアップします。鶏ひき肉・豆腐にみじん切りのネギ・生姜・片栗粉・酒・塩を加え、粘りが出るまで混ぜ込んでください。テフロン加工のフライパンかオーブンシートの使えるフライパンで焼けば、油なしかごく少量の油で焼けます。
塩・鶏ガラスープの素・ごま油・粗挽き黒胡椒で作ったタレをかければ完成です。お弁当のおかずにも良いでしょう。
- カロリー 約150kcal
- たんぱく質 約14g
- 脂質 約7g
- 炭水化物 約9g
蒸し鶏ストックはいろいろ使えて便利
厚さをそろえて切り、たたいて繊維を切った鶏胸肉に塩をなじませ、耐熱容器に入れて酒をふりかけます。ラップをふんわりとかけて600Wの電子レンジで4~5分ほど加熱して蒸らします。加熱しすぎると固くなるので注意してください。
蒸し汁ごと保存し、メニューに合わせて食べやすく切るか裂いて使います。蒸し鶏は和洋中さまざまなメニューにアレンジでき、鶏胸肉料理のレパートリーも広がるでしょう。
低脂質な食事で不足しがちなたんぱく質はプロテインで補給しよう!
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、成人が1日に必要なたんぱく質量は、男性65g、女性50gです。ただし、これは「運動をおこなわない」場合の目安で、トレーニングやバルクアップが目的の場合、より多くのたんぱく質が必要となります。トレーニングをおこなう人は、体重1kgあたり2g以上のたんぱく質摂取を目指しましょう。
脂質を避けながらたんぱく質量を増やすには、食事の工夫が必要です。より簡単にたんぱく質を摂取する方法として、脂質含有量が少ないプロテインを利用するのがオススメです。
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、ホエイから炭水化物・脂肪などを取り除き、90%以上のたんぱく質含有率を実現しています。
フレーバーはプレーン・チョコレート・ストロベリー・ライチヨーグルト・バナナ・抹茶と6種もあり、好みの味がセレクト可能です。とても溶けやすいプロテインで、プロテインにありがちな泡立ちやダマが生じにくく、外出先でもストレスなく摂取できます。
乳糖のほとんどを取り除いた品質の高いWPI(ホエイプロテイン アイソレート)を100%使用しており、牛乳でお腹を下しがちな人にもオススメです。
1日に必要なたんぱく質量・プロテインに含まれるたんぱく質量については、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
鶏胸肉は減量にも増量にも使える食材です。リラックス・糖化防止・乳酸分解促進などの効果も期待されており、人気の鶏ささみ以上にオススメできます。
栄養価が高いブロッコリー・トマト・豆腐と合わせると、ダイエット・筋トレに高い効果が期待できるでしょう。
親子丼・野菜との煮込み・棒々鶏・つくねなど、鶏胸肉のレシピは豊富にあります。ストレスを感じることなく、食事を楽しみながらダイエット・筋トレができるはずです。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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