栄養・食

【徹底解説】低脂質な外食メニューの選び方を山本義徳が伝授!

どんなに過酷な食事制限をしていても、仲間とのコミュニケーションは大切です。なかには、飲み会や食事会への参加を余儀なくされることもあるでしょう。仲間内なら、糖質や脂質などの食事制限をネタにできますが、オフィシャルな会食であればなかなかそうもいきません。
この記事では、外食の際に選ぶ低脂質メニューのヒントをまとめました。自炊による脂質制限が思うようにいかない人や、外食が多い人はぜひ参考にしてください。

低脂質な食事の基本はバランス良く!

あなたはどのような理由で食事制限をおこなっていますか?「バルクアップのために脂質を抑え、たんぱく質を多めに摂取している」「純粋な減量」「ボディメイクのために若干増量を試みている」などさまざまな理由があるでしょう。

このような理由を持っている人のなかには、「贅肉をためないよう脂質制限をする」という人が多く見られます。しかし、ストイックなまでの脂質制限をするのは身体に良いことではありません。脂質制限やローファットダイエットなどと呼ばれる食事制限では、脂質を100%排除することはNGです。脂質は体調維持に欠かせない栄養素でもあることから、ゼロにするのではなく、標準摂取量より減らすなどのスタンスで食事制限をおこないましょう。

ローファット(脂質制限)をおこなう場合は「PFCバランス」に着目しましょう。Protein(たんぱく質)・Fat(脂質)・Carbohydrate(炭水化物)の頭文字をとった言葉で、メニュー作りではこれらの摂取バランスを「3:1:6」にすることが、脂質制限の基本だといわれています。

普段の食事を振り返り、PFCバランスが整っているか考えてみるのも良いでしょう。

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低脂質にこだわった外食メニューの決め方・コツ

自炊ができない人や、自炊すると食事や食欲のコントロールがうまくいかない人もいることでしょう。また、仲間とのつき合いなどで外食する機会が多いと、「低脂質」とは縁遠いメニューが続いてしまうことも良くあります。

外食時には、メニューに載っている情報をチェックすると「低脂質」につながるヒントが得られます。とくに、ダイエット中やトレーニングのために食事制限をおこなっているときは、外食であっても低脂質にこだわることができます。

1食で摂る脂質量の目安を知っておく

体重や年齢から、1日に摂取すべき脂質量が提示されています。まず、この脂質量を把握することから始めましょう。脂質の摂取量は、成人で1日に必要なエネルギーの20%~30%が理想とされています。脂質は1gあたり9kcalであることを踏まえて考えていきましょう。

18歳以上69歳までの身体活動量が普通以上の男性の場合、1日に必要なエネルギー量は2,400kcal~3,000kcalです。仮に3,000kcalの摂取を基本としたとき、脂質摂取量は最大の30%で900kcalと算定されます。先に示した「脂質は1gあたり9kcal」にあてはめると、1日の脂質摂取量は100gまでとなります。したがって、1日3食とした場合、1食あたり33gを上限に脂質を摂取できると考えましょう。

ファミリーレストランのメニューには、脂質相当量が記載されている場合もあるため、チェックしてみてください。

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調理法で大まかに絞り込む

自炊をしない人でも、調理方法で脂質が多いメニューか見極めることができます。例えば、湯豆腐や野菜の鍋なら脂質は少ない、フライ定食ならエビフライ2本よりとんかつ150gのほうが脂質量は多いというように、漠然とでも脂質量の違いはわかるでしょう。

脂質相当量がメニューに記載されていない場合は、調理方法で絞り込むのも選び方の一つです。

調理法では、「ゆでる・蒸す<煮る・焼く<炒める・揚げる」の順で脂質の多さが変わります。「野菜<魚<肉」の順で含有する脂質量も違うこともわかります。これらをあてはめていくと、食べるべき料理が自ずと絞られてくるでしょう。
スープや脂身の部分を残すなどのちょっとした我慢も、脂質摂取を減らす工夫になります。

一品料理よりも定食ものを選ぶ

一品料理を注文すればヘルシーな食事になると考えがちです。どんなにヘルシーでも食欲を満たすことが優先されるため、一品料理だけを都度頼んでしまうと、カロリー摂取過多やPFCバランスを逸脱した食事に傾いてしまいます。麺類・丼など好きなものばかりに偏ってしまうこともあるかもしれません。

外食をするなら、定食物を1品だけ注文するのが得策です。定食であれば、主食・副菜・汁物とバランスの取れたメニュー構成になっています。脂質の摂りすぎにさえ注意すれば、PFCバランスはもちろん、食欲も満たされます。食べ過ぎを防止する観点からもオススメです。

メイン料理はたんぱく質を確保できるとベスト

良質な筋肉を作ることはもちろん、身体作りを意識した食事を摂取したいなら、たんぱく質をメインに確保できるメニューを選択しましょう。その方法として、主食(メイン料理)をたんぱく質多めのメニューで選ぶことをオススメします。

たんぱく質摂取を意識するなら、魚料理・豆腐・赤身肉を中心に考えてください。どんなお店でもこれらの食材をメインに扱っているため、調理法などもすり合わせながら自分が注文すべきメニューを選びましょう。
もちろん、メニューのなかにはカロリーや塩分が高いものも存在します。カリウム・食物繊維を含む、葉物野菜のサラダなどを合わせて注文するようにしましょう。脂質制限を意識するなら、ドレッシングはノンオイルが基本です。

ジャンル別!低脂質のオススメ外食メニュー

脂質制限できるメニューを考えていたら、毎日同じ店に通っていたというケースも見受けられます。これではPFCバランスが崩れ、食生活の楽しみも半減してしまいます。お店ごとに低脂質が見込める食材があるので探してみましょう。

和食

和食は、低脂質で高たんぱくのメニューが多いことが特徴です。オススメしたいのが、魚・豆腐類をメインに使った主食です。刺身には酵素が含まれていますし、焼魚などは低脂質です。また、湯豆腐・高野豆腐などを使ったメニューはたんぱく質が摂取できます。若い世代やトレーニーの場合、「もう少しボリュームたっぷりの食事がしたい」と思うこともあるでしょう。普段の食事のカロリーや脂質量調整に和食を選ぶことも一案です。

洋食

洋食には、イタリアン・フレンチ・創作料理などさまざまなメニューがありますが、低脂質を目指すなら、白身魚をメインとしたものや肉のグリルがオススメです。とくに、ラム肉(子羊の肉)は脂肪分の融点が44度と高いため、体内に吸収されにくいといわれています。また、L-カルニチンが含まれており、脂肪燃焼効果も期待できます。オリーブオイルをドレッシングに使った生野菜サラダと合わせて食べるようにしましょう。

中華

中華料理は油をたっぷり使った調理法が多く、低脂質の食事を目指したい場合は避けたほうが良いと考えられています。しかし、唐辛子などのスパイスが脂肪燃焼を促してくれることもあるため、すべて避けるべきとはいいきれません。たんぱく質が摂取しやすい麻婆豆腐や、ピーマンやタケノコなど繊維質が豊富なチンジャオロースーも一案です。お米と一緒に定食メニューにすると、おかずの量を減らせます。単品の天津飯・中華丼などは、炭水化物の摂りすぎが懸念されるのでオススメしません。

麺類

ラーメン・うどんは炭水化物を多く含むため、脂質摂取を避けるならチャーハン・ミニ丼などのセットは避け、ライスのみにするのが妥当です。天ぷらなどのサイドメニューもNGです。カリウムを豊富に含む、わかめなどがトッピングされているラーメン・うどんを選びましょう。ただし、同じトッピングでも、コーン・辛味みそなどは思った以上に脂質や糖質が含まれています。時折のご褒美として麺類を食べる場合でも、トッピングは避けたほうが無難です。

ステーキ・焼肉

赤身の肉は、L-カルニチンが豊富に含まれるため積極的に摂取しましょう。気になる脂質を抑えるには、肉の脂を落として焼ける網焼きがオススメです。ホルモンなどの臓物系は脂質過多になりやすいので避けましょう。
焼肉の場合は、タレにかなりの油や砂糖が使われることもあるため、タレ漬け肉はNG。お店のタレは使わず、塩か醤油をつけて食べることを念頭においてください。肉を食べるときは、消化を促してくれる生野菜も必ず一緒に摂りましょう。サラダを多めに食べると少量の焼肉でも満足できます。

おつまみ

小腹満たし・お酒のつまみにオススメしたいのが、高たんぱく質のナッツ・チーズ類です。とくに、アーモンド・ピーナッツは、噛みしめて食べると満足感・満腹感が得られやすくなります。ただし、脂質も含まれているので食べ過ぎは禁物です。調味料が使われていないするめなども良いでしょう。
一般的に「酒のつまみ」は味つけが濃いため、食べ過ぎてしまうこともしばしばあります。1つずつ個包装されたものを食べるなど工夫しましょう。

外食が多い人はケトジェニックへ切り替えるのもオススメ

PFCバランス・脂質オフメニューを検討しても、自炊より外食依存傾向が高い人は、ドレッシング・トッピングなどで見えない脂質を多く摂取しがちです。お店によっては脂質メインの高カロリーな食事になってしまうこともあります。もし、自身の食生活を振り返って低脂質にこだわるのが難しいと感じたときは、「ケトジェニック(糖質制限)」に切り替えることも一案です。

ケトジェニックは、1日の摂取栄養素から糖質を10%以下に制限する方法です。たんぱく質は1日の摂取量を守ります。90%の糖質制限によってカットされてしまうエネルギーは、脂質から摂取するという考え方です。この場合、糖質(白米・根菜野菜など)の摂取は避け、揚げ物や肉類はOKといったとらえ方もできるため、食欲も気持ちも満足するでしょう。

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外食でたんぱく質が足りない場合の対処法

ケトジェニックもしかり、外食が中心で、どうしてもPFCバランスの整った食事ができない場合があります。外食続きで、たんぱく質の摂取が少ないと感じたときに試してほしい対処法を紹介します。

おやつや間食で高たんぱく低脂質な食品を選ぶ

コンビニやスーパーなどで気軽に購入できる商品のなかには、高たんぱく・低脂質の商品がたくさん販売されています。オススメしたいのが、サラダチキン・豆腐・プロテインバーなどです。サラダチキンは軽く塩味がついていてそのままでも食べられますし、細く裂いてコンビニの生野菜サラダに混ぜて食べれば、カリウム・食物繊維も摂取できます。
低脂肪乳なども脂質を抑えてたんぱく質補給ができるため、食事にプラスしてみても良いでしょう。

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プロテインでたんぱく質を補給する

バルクアップを目指すトレーニーには、たんぱく質の補給は必要不可欠であり、「足りない」と感じたときには筋肉量が減り始めていることも考えられます。どんなときでも手軽に摂取できるプロテインで、たんぱく質を積極的に補給する方法も一案です。

VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト

『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、WPI製法によって、純度の高いたんぱく質だけを抽出したホエイプロテインです。たんぱく質の含有量は全フレーバー90%以上。食事でたんぱく質を補いきれないと感じたときはもちろん、ワークアウト中のたんぱく質補給にも最適です。
水に溶けやすいVALXならではの製法で、飲みやすく、体内での吸収率も高いのがメリット。チョコレート風味やバナナ風味など、おやつ感覚で補給できるのもオススメポイントの一つです。

まとめ

食事制限で筋肉量を減らさないためには、たんぱく質の摂取量は減らさないように心がける必要があります。外食では魚・赤身肉などを中心にメニュー選びをすると良いでしょう。脂質を減らすには調理法などにもこだわってください。

脂質を減らす食生活を実践していても、外食が多いとどうしてもたんぱく質の摂取が減ってしまいがちです。コンビニ・スーパーで購入できる食品・プロテインを上手に使って、効率的にたんぱく質を補っていきましょう。

公式ライン

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

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