腹筋を、やみくもに毎日鍛えている人もいるのではないでしょうか。毎日腹筋を鍛えても良いのか、意味があるのかと気になっている人もいるでしょう。
腹筋のなかにもいくつかの部位があり、それぞれに合ったトレーニングをおこなっていないと、毎日継続したところであまり効果はありません。
また、毎日おこなうのではなく、筋肉を適度に休ませるほうが、効果を得られる場合もあります。
この記事では、腹筋の鍛え方や効果的な頻度を解説します。腹筋を効果的におこなうために大切なことも紹介するので、ぜひご覧ください。
腹筋を毎日する意味は?効果は出るのか
筋トレをおこなうと、筋肉の合成と分解が同時に起こりますが、合成・分解のバランスがうまくとれなければ筋肉はつきません。トレーニングをし続けるのではなく、分解が終わった時点で次のトレーニングをおこなうことで、筋肉の分解を最小限に抑えられ筋肉がつきやすくなります。分解が終わるまで、休息が必要なのです。
腹筋においても、同じように考えます。お腹全体の筋肉にしっかり負荷をかけたうえで、中4~5日空けてトレーニングすると高い効果が期待できるでしょう。
腹筋は、複数の筋肉が集まっているため、毎日同じ部位ばかり鍛えてもなかなか期待する効果は得られません。そこで、腹筋の部位別にアプローチできる筋トレ上級者なら、部位を変えて毎日鍛える場合もあります。
しかし、基本的には、ほかの部位と同じようにトレーニングの間隔を空けるのがオススメです。腹筋を毎日おこなう場合は、腹筋の部位を理解し、それぞれに合ったトレーニングをする必要があります。
ここからは、腹筋にある筋肉の部位について解説するので、腹筋を鍛えるうえで参考にしてみてください。
腹筋にある筋肉の部位
腹筋は、以下3つの部位に分けられます。
- 腹直筋
- 腹斜筋
- 腹横筋
腹直筋は、内臓の保護や背中を丸めるとき・正しい姿勢を保つときに使われる、お腹の前面にある長い筋肉です。
腹直筋には、筋肉の間を縦方向に走っている白線と、6つもしくは8つの部位に分けるよう横方向に走っている腱画があります。体脂肪が少なく腹直筋に厚みがあれば、割れた腹筋が浮かび上がってくるでしょう。
腹斜筋は、脇腹部分にある筋肉です。腹斜筋の表層部を外腹斜筋、内部を内腹斜筋とも呼びます。
いずれも、身体をひねる動きで使われるのが特徴です。腹斜筋を鍛えれば、ゴルフ・野球など、身体をひねる動作があるスポーツのパフォーマンス向上が期待できます。
腹横筋は、お腹の深部にある筋肉で、インナーマッスルの一つです。腹部全体を覆っていて、内臓のポジションなどにも影響を与えます。腹圧を高める役割があり、体幹を安定させる重要な筋肉です。
腹筋の各部位に効くトレーニング方法
厚みのある腹筋を作るためには、各部位をまんべんなく鍛えるのが大切です。ここからは、腹筋に効くトレーニング方法を部位別に紹介します。
具体的なやり方を解説するので、ぜひトレーニングに役立ててみてください。
腹直筋(上部):クランチ
クランチは、膝を90度に曲げた状態で肩甲骨が浮く程度に身体を起こします。硬い床の上だと腰を痛めてしまう可能性があるため、布団やトレーニングマットの上でおこないましょう。呼吸を意識し、ゆっくりとおこなうのがコツです。
1.仰向けになり、膝を90°に曲げて脚を上げる
2.おへそをしっかり覗き込み、息を吐きながら、肩甲骨が浮く程度に身体を起こす
3.息を吸いながら、頭を地面につくギリギリまで下ろす
10回×3セットを目安におこないますが、胸に重りをかかえたり、身体を起こす時間を長めにしたりすることでさらに負荷をかけることもできます。
腹直筋(下部):リバースクランチ
腹直筋上部が鍛えられるクランチは、上半身を起こす動作でしたが、リバースクランチは脚を持ち上げます。お尻を浮かせても、腰はできるだけ床につけたままにするのが大切です。
1.床に仰向けで寝そべり、手を広げてバランスをとる
2.膝を軽く曲げたらお尻を浮かせる
3.天井に向かって脚を押し上げる
10回×3セットが目安ですが、バランスボールを脚に挟んだり、インクラインベンチに寝そべったりすることで、より負荷をかけることもできます。
腹斜筋:サイドクランチ
動きはクランチと似ていますが、横向きに寝そべった状態で身体を起こすという点で異なります。
1.横向きになって床に寝そべり、膝を90度に曲げる
2.上側の手は頭に添えて、下側の手は床につけてバランスをとる
3.脇腹を縮めるよう意識しながら、肩甲骨が浮く程度に身体を起こす
左右それぞれ10回×3セットを目安におこないます。
下半身を動かさず、脇腹の収縮を感じるのが大切です。さらに負荷をかけたい人は、肩甲骨を浮かせたあとに、さらにもう一段階、身体を持ち上げると良いでしょう。
腹横筋:プランク
腹直筋・腹斜筋のトレーニングでは、上半身を起こしたり脚を持ち上げたりしますが、プランクでは一定の姿勢をキープします。
1.床にうつ伏せになる
2.腕を肩幅に開いたら、左右両方の肘から下を床につける
3.両脚は股関節と同じ幅に広げ、つま先を地面につける
4.お腹を持ち上げ、頭から脚まで一直線にする
疲れてくるとお尻が上がったり、頭が下がったりして、姿勢が崩れやすくなります。常に身体をまっすぐ保つよう、意識しましょう。
1セット20秒×3回を目安におこなうのが、効果的です。
腹筋を効率良く鍛えるために大事なポイント
やみくもに鍛えても、なかなかトレーニングの効果は出ません。ここからは、腹筋を効率良く鍛えるために大事なポイントを解説します。
以下で紹介する3つのポイントを押さえ、腹筋を鍛えていきましょう。
トレーニングと休養のメリハリをつける
効果的にトレーニングをするためには、休養も大切です。
筋トレをおこなうと、筋肉の合成と分解が進みます。筋肉の分解が合成より優位になると、一生懸命鍛えても筋肉は成長しません。
毎日、負荷の強いトレーニングをしたり、同じ部位を鍛えたりすると、かえって筋肉の分解が進みやすくなります。そのため、適度に休養し、分解を抑える必要があるのです。
そこで、身体の部位を2~4分割し、ローテーションで全身をトレーニングするのがオススメです。ローテーションでトレーニングをすることで、それぞれの部位は十分な休養ができます。
週に3~4回の頻度でトレーニングをおこない、同一部位は中3~5日空けるのが理想的です。スケジュールを参考に、トレーニングの計画を立ててみてください。
トレーニングスケジュール例(3分割) | 分割A→分割B→休み→分割C→休み→分割A→…… |
体脂肪を減らす
効率良く腹筋を鍛えるために、体脂肪を減らしましょう。体脂肪率が高いと、筋肉が成長しにくくなったり、体重が重いことでトレーニングの際に関節を痛めてしまったりする可能性があります。
腹筋のトレーニングだけではあまりカロリーを消費しないため、ウォーキング・サイクリング・水泳などの有酸素運動を取り入れて、体脂肪を燃焼させると良いでしょう。腹筋だけでなく、全身の筋トレをするのも効果的です。
体脂肪が減ることで、腹筋が割れて見えてくるでしょう。
必要な栄養をしっかり摂る
腹筋を効率良く成長させるには、生命維持に欠かせないたんぱく質・糖質・脂質をバランス良く摂ることが大切です。栄養が不足してしまうと、筋肉も減少してしまいます。
摂取バランスとしては、筋肉の材料となるたんぱく質をしっかりと摂取し、糖質・脂質は控えめにすると良いでしょう。
一日の食事の量はそのままで、回数を増やすことも効果的です。空腹の状態が少なくなることや、1回の食事量が減ることで、血糖値の上昇を防げるため、体脂肪の蓄積も抑えることができます。
効果的に筋トレをおこなうために心がけたいポイントについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
美しい腹筋作りにプロテインを活用しよう!
美しい腹筋を作るためには、プロテインを活用するのも良いでしょう。一日に必要なたんぱく質を、食事だけですべて摂取するのが難しい場合に役立ちます。
なかでも、たんぱく質含有量77%以上を誇る『VALX ホエイプロテイン』がオススメです。チョコレート風味・ベリー風味・ヨーグルト風味・カフェオレ風味・バナナ風味・レモネード風味・抹茶風味・杏仁豆腐風味の8つのフレーバーから、好みの味を選べます。おいしさにこだわっており、毎日飲んでも飽きがきません。
1杯あたり約88円とリーズナブルなだけでなく、溶けやすいのも魅力の一つです。たんぱく質含有量が多いプロテインを、手軽に取り入れたい人はぜひ検討してみてください。
トレーニング前後や間食などのタイミングで、一日2~3回摂取するのがオススメです。
まとめ
このように、腹筋の部位別にアプローチできる筋トレ上級者以外は、毎日ではなく、トレーニングと休養のメリハリをつけるほうが効果的です。そして、腹筋の部位を理解し、それぞれに合ったトレーニングをおこなう必要があります。
腹筋を鍛える以前に、体脂肪を減らすことや必要な栄養素をしっかり摂ることが欠かせません。食事で必要な栄養素を摂りきれない場合・手軽に栄養素を摂取したい場合は、プロテインを活用するのもオススメです。
必要なポイントを押さえて、効果的に腹筋を鍛えましょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。
【筋トレ大学PRO】
https://shop.valx.jp/shop/information_categories/kintoredaigaku-pro
【SNS】
X▶︎https://twitter.com/valx_official
Instagram▶︎https://www.instagram.com/valx_official/