引き締まった腹部や、いわゆるシックスパックを目指す場合、トレーニングに腹筋ローラーを取入れるのもオススメです。腹筋ローラーは、以下のような悩みを抱えた人に適しています。
- 腹筋を鍛えたいが、忙しくて時間にあまり余裕がない
- 普通の腹筋運動は、すぐに飽きてしまった
- 首などに負担をかけずにお腹まわりを鍛えたい
- 手頃な価格で購入できる腹筋グッズを探している など
今回は、腹筋ローラーの効果・メリット・鍛えられる部位を紹介します。効率良く鍛えるための回数・頻度・正しく負荷をかけるコツなども解説するので、腹筋ローラーを活用する前に、ぜひチェックしてみてください。
腹筋ローラーとは?
腹筋ローラーとは、その名のとおり、腹筋を鍛える際に使うローラー状のトレーニング器具です。別名は「アブローラー」といい、タイヤのようなローラーの左右にグリップがついています。基本的には、グリップを両手で握り、ローラーを床に転がして行くと、お腹まわりに負荷がかかる仕組みです。
腹筋ローラーは、多くの商品が1,000円~3,000円ほどの手頃な価格で購入できます。コロナ禍で、ステイホーム中に自宅でも使えるトレーニンググッズとして、注目を集めるようになりました。
腹筋ローラーの効果やメリット
腹筋ローラーには、お腹まわりを鍛えられるほかに、以下のメリットがあります。
首が痛くならない
筋力の少ない女性が、クランチのような起き上がる動作を繰り返した場合、首まわりを痛めることがあります。一方で腹筋ローラーは、顔を下向きにして使うグッズであるため、首が痛くなりにくいです。
消費カロリーが高い
腹筋ローラーによるトレーニングでは、二の腕や肩などの上半身の筋肉を使うため、比較的大きな動きをします。そのため、動きの小さいプランクなどと比べて、消費カロリーが大きいことも腹筋ローラーの魅力の一つです。
短期間でお腹まわりを鍛えられる
腹筋ローラーは、自分の体重を利用した自重トレーニングの一種です。テコの原理を使うため、ローラーを持っている上半身と下半身の距離が離れれば離れるほど、多くの負荷をかけられます。
そのため、プランクやクランチのように自分の体重以上の負荷をかけられないトレーニングと比べると、大きな負荷をかけられ、短期間でお腹まわりを鍛えられます。
腹筋ローラーで鍛えられる部位
腹筋ローラーを後述する正しいやり方で使うと、以下のような筋肉を鍛えられます。
- 腹直筋
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
- 脊柱起立筋
など
このなかで特に鍛えられるのは、みぞおちから骨盤のつけ根まで伸びる腹直筋です。短期間で引き締め効果を出したい場合は、腹直筋を意識して腹筋ローラーを使いましょう。
腹筋ローラーの使い方
マットの上で、ハンドルを握って四つん這いになり、ローラーを前方に転がしてください。自分の筋力に応じて、なるべく遠くまでローラーを転がしたら、膝の方向にローラーを戻します。
腹筋ローラーを使っていると、人によっては腕・肩・腰が痛くなることがあります。こうした症状が出るのは、腰が反っていたり、重心が上半身に置かれていたり、腹筋を意識していなかったりするのが原因です。腹筋を使うことを意識して、肩を固定し、腰を丸めておこなうよう心がけましょう。
また、運動不足にもかかわらず急に負荷をかけたトレーニングをおこなったり、自分の体重を支えられるほどの腕の筋力がなかったりすることも原因として考えられます。無理せず、自分の筋力にあった負荷をかけ、正しいフォームでおこなうことが大切です。
効率良く鍛えるための回数や頻度は?
腹筋ローラーでお腹まわりを鍛えるときも、ほかの筋トレと同じように筋肉を回復させる時間も必要です。したがって、「腹筋だから毎日トレーニングしても大丈夫!」ということはありません。基本的には、一度のトレーニングで6~10回を3~4セットを目安に、中4~5日空けて実施しましょう。
しかし、腹筋ローラーは、比較的強い刺激を与えられるトレーニングです。自分のレベルや目的に合わせた、回数・頻度でおこなう必要があります。
先述の四つん這いになっておこなう方法であれば、一日あたり、以下の回数を参考にしてみてください。
- 腹筋ローラーを使い始めたばかりの人:5回を2セット
- 使い慣れてきて、お腹を引き締めたい人:10回を3セット
- 本格的に腹筋を鍛えたい人:15回を3セット
腹筋ローラーを使った筋トレ方法
腹筋ローラーを使ったトレーニングは、自分の筋力に合わせて変化させて行くのがオススメです。ここでは、初心者・上級者それぞれに適した、腹筋ローラーのトレーニング方法を紹介します。
初心者向け
初心者が腹筋ローラーを使う場合、先述の四つん這いでおこなう基本のトレーニングから始めます。
しかし、初めは、前方に転がせても引き戻すのがなかなか難しいものです。難しい人は、前方に転がしたあと、引き戻さずにそのまま横へ倒れる方法や、壁をストッパーにしてあえて可動域を狭くする方法がオススメです。可動域を狭くすれば、初めて挑戦する人でも、途中まで伸ばして引き戻す動作をスムーズにおこなえます。
その場合も、腹筋を意識しながらおこなうのが大切です。
上級者向け
基本の動きにある程度慣れたら、膝をつくのではなく、つま先立ちでおこないます。
初めて立って腹筋ローラーを使うときには、先ほどと同様に壁をストッパーする方法がオススメです。壁を使ってできるようになったら、少しずつ足の位置を後ろにずらして、可動域を広げてください。最終的には、壁につかずにできると良いでしょう。
それだけでも十分負荷をかけられますが、腹筋ローラーの代わりに雑巾・軍手を使うと、さらに大きな負荷をかけることができます。雑巾・軍手を使った場合、ローラーのようにスムーズに「押す・引っ張る」の動きができません。かなりの負荷がかかるため、上級者向けのトレーニングです。
詳しいトレーニング方法は、山本義徳先生の動画でも紹介しています。上級者ならではの負荷のかけ方が知りたい人は、ぜひチェックしてみてください。
腹筋ローラーで正しく負荷をかけるコツ・ポイント
腹筋ローラーを使って、効果的に腹直筋・腹斜筋・上腕三頭筋などを鍛えるには、以下のポイントを意識することが大切です。
正しいフォームでトレーニングする
腹筋ローラーを適当な方法でやみくもに動かしても、トレーニングの効果は得られません。背中が反った状態でおこなうと、先述のとおり腰痛などの原因になることもあります。そのため、背中を丸める・頭を上げない・手首は曲げずしっかり握ることを意識しましょう。
初めて腹筋ローラーを使うときや、正しいフォームでおこなえているか不安なときは、鏡に自分の姿を映し、山本義徳先生の動画と見比べるのもオススメです。
腹筋の伸び縮みを意識する
腹筋の伸び縮みを意識して、ローラーを動かすことが大切です。つい、腕や肩に力が入ってしまいがちですが、腹筋に力を入れて、下半身に重心を置くよう意識しましょう。
ローラーを引き戻すときにも、腕の力ではなく、腹筋を二つ折りにたたむように心がけます。あくまで、腹筋の力でおこなうのが大事です。
正しいフォームと腹筋を意識することで、正しく負荷をかけられ、効果的にトレーニングがおこなえます。
腹筋ローラーで筋トレする際の注意点
筋トレ時に呼吸の仕方が間違っていると、正しいフォームでトレーニングをしていても、期待する効果が出ないことがあります。そのため、腹筋ローラーを使ったトレーニングでも、正しい呼吸法を意識することが大切です。
力を抜くときに息を吸い、力を入れるときに息を吐くのが基本なので、「腹筋ローラーを押すときに吸い、膝の方に戻すときに吐く」を繰り返します。腹筋ローラーの負荷を高めたときに集中しすぎると、無呼吸になる場合もあるので注意をしてください。
呼吸の乱れは、フォームの乱れや疲れやすさ、酸素不足による集中力低下にもつながります。
まとめ
腹筋ローラーは、一見、簡単そうに見えるかもしれません。しかし、実際にやってみると、基本トレーニングだけでもかなりの負荷がかかります。それゆえ、腹筋だけでなく、背中や腕など上半身の筋肉が鍛えられるところが人気の理由です。
また、以下のようなメリットもあります。
- 首が痛くなりにくい
- 消費カロリーが高い
- 短期間でお腹まわりを鍛えられる
- 手頃な価格で入手できる
しかし、フォームが乱れていたり、自分の筋力に合っていない負荷をかけたりすると、なかなか思うような効果は出ません。かえって、回復までに時間がかかったり、ケガにつながったりするおそれがあります。
正しいフォーム・呼吸法を意識し、自分のレベル・目的に合わせた方法で、効果的に腹筋を鍛えていきましょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。
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