理想の身体づくりを目指している人にとって、腹筋を割りシックスパックを作ることは一つのゴールです。しかし、そう簡単に割れずにとまどっている人もいるでしょう。
今回は、トップアスリートも指導する人気トレーナー山本義徳先生が、腹筋を割るための方法と条件を解説します。
山本義徳先生の経験が生んだノウハウ・スキルは、「最強メニュー」と呼んでも過言ではありません。「腹筋を割りたい」人は、ぜひ参考にしてください。
腹筋を割るには「増量」と「減量」のバランスが大切
腹筋は次の3つのブロックで構成されています。
- 腹直筋
シックスパックを作り出す腹筋表面にある筋肉です。胸下部から股下まで大きく広がり、部位は複数に分かれています。 - 腹斜筋
腹斜筋はインナーマッスルと呼ばれる脇腹にある腹筋で、ウエストのくびれを作る筋肉です。表層の「外腹斜筋」と深層の「内腹斜筋」で構成され、身体の左右それぞれに存在します。 - 腹横筋
腹横筋もインナーマッスルのため肉眼で確認できませんが、「姿勢の安定」や「腹圧の調節」面で身体を支えます。
腹筋のなかの「腹直筋」が6つに割れた状態が「シックスパック」です。では、シックスパックを実現するには、どのような条件が必要なのでしょうか?
シックスパックを実現する近道は、まず体脂肪を落として腹直筋を発達させることです。
腹筋を割るのに必要な「減量」=体脂肪の減少と「増量」=筋肉の発達を解説しますので、しっかり理解してください。
必要な条件1:体脂肪率の減少
筋肉増量に結果が出ても、腹直筋の上に余計な脂肪があるとシックスパックは確認できません。体脂肪率が15%以下になると、腹筋の割れが目視で確認できるようになり、体脂肪率が10%台に入ると「シックスパック」が目立つようになります。「腹筋を割る」ためには、体脂肪率を減少させることが不可欠です。
体脂肪率を計測する際は、数字そのものではなく確実に減少しているか「減少の推移」をチェックしましょう。同じ計測器で推移を見守るのがオススメです。
体脂肪率と筋肥大の関係性は、山本義徳先生が以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
必要な条件2:継続した腹筋の発達
腹直筋の発達が十分でないと、いくら体脂肪を減らしても美しいシックスパックにはなりません。
脂肪を減らして腹直筋を強化すればシックスパックにつながりますが、筋トレで強化して結果を出すためには、ある程度の時間が必要です。正しい方法でおこなえば、初心者でも2~3か月程度で結果が得られるでしょう。
筋トレを3か月続けても筋肉に変化が見られない場合、トレーニング・食事・休養などに問題がある可能性が大きいため、それぞれの内容を見直したほうが賢明です。
例外的に、体脂肪が10%超でも、腹筋が発達していればシックスパックが実現する可能性があります。また、体脂肪の落とし過ぎは健康上のリスクをともなう場合もあり、注意が必要です。
筋トレの効果による見た目の変化までの期間に関しては、山本義徳先生が以下の記事でも解説しています。
腹筋を強化するトレーニング
腹筋を割るために必要な条件「体脂肪の減少」「腹筋の増量」が理解できたら、具体的な腹筋強化トレーニングに取り組みましょう。
以下、腹筋を強化するトレーニングメニューを3つ紹介します。
腹筋を割るには、シックスパックに直結する腹直筋だけでなく、腹斜筋・腹横筋も含めた腹筋全体を鍛えたほうが効率的です。
軽い負荷からスタートし、身体が慣れてきたら10回1セットで、合計3セットを目指しましょう。筋トレの際は、呼吸の基本となる「力を入れるときに息を吐き出し、力を抜くときに息を吸い込むも意識してください。
腹直筋全体|Vシットアップ
基本的な「腹筋運動」より負荷が高いメニューです。
1. 仰向けの状態で両手を頭上に伸ばす
2. 上体・両脚を「V」の字になるように同時に持ち上げる
3. 両腕は床と平行に、両脚は伸ばした状態を保つ
腹斜筋|ツイストレッグレイズ
びれを作ると、腹部全体が引き締まります。
1. 仰向けで両脚を伸ばしてそろえ垂直に上げる
2. 両脚を側方へ倒して背骨をひねる
3. 脚が床につく直前まで倒す
4. 脚を垂直に戻して反対側へ倒す
5. 左右繰り返す
腹横筋|フロントプランクアームレッグリフト
効率的に体幹を鍛えられるメニューです。インナーマッスルの腹横筋強化は、腹部を凹ませる効果が期待できます。
1. うつ伏せでひざをつき、プランクの姿勢をとる
2. 片手をまっすぐ伸ばし、伸ばした腕と反対側の脚を真上に持ち上げる
3. 片ひじ・片脚状態で平行姿勢をキープ
4. 身体を傾かせず、ぐらつかせない
5. 左右交互におこなう
体脂肪を落とす全身トレーニング
体脂肪を落とすトレーニングとしてオススメなのは、高強度インターバルトレーニングです。正しくおこなえば高い効果が期待できるでしょう。
高強度インターバルトレーニング=「HIIT(ヒート)」は、オリンピック選手の心肺機能を高めるために考え出されたトレーニングで、全力運動と軽い運動を繰り返します。運動強度の高い無酸素運動が組み込まれており、高い脂肪燃焼効果が期待できるでしょう。体脂肪を落とすのに、ぴったりのトレーニング法です。
筋肉量増加も期待でき、基礎代謝が上がるので太りにくい体質も実現するかもしれません。以下、高強度インターバルトレーニングを2種類紹介します。
バーピー
プランク・腕立て伏せ・ジャンプなど、さまざまな動きを組合せたトレーニングです。
1. 背筋を伸ばした状態でまっすぐに立つ
2. しゃがんで両手を地面につける
3. ジャンプして両脚を一気にうしろに伸ばす
4. 腰の位置を肩から一直線にし、腕立て伏せの体勢になる
5. 胸を低く下ろして身体を押し上げる
6. ジャンプしながら元の位置に脚を戻し、しゃがんだ状態に
7. 立ち上がりそのままジャンプ
ジャンピングスクワット
スクワットに「しゃがんだ状態からジャンプを繰り返す動き」をプラスしたトレーニングで、スクワット以上の負荷が期待できます。
1. 脚を肩幅に開き直立する
2. 両腕は胸の前、お尻はややうしろに
3. 太ももと床が平行になるまでひざを曲げて腰を落とす
4. ジャンプする
5. 太ももへの負荷を意識して着地
高強度インターバルトレーニングは、山本義徳先生が以下の記事でも解説しています。
腹筋を割るための食事と栄養バランス
腹筋を割るためには「PFCバランス」を意識した食事が大切です。PFCは、3大栄養素にあたる、たんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)の頭文字をとった名称です。PFCバランスは、摂取カロリーのなかで3大栄養素それぞれの割合を指します。
増量・減量など目的ごとに適切なPFCバランスがあり、目的に合ったPFCバランスを意識して食事をコントロールすれば、理想の体型に近づくはずです。
筋肉量増加目的の場合
筋肉量が少ない人は基礎代謝以上のカロリー摂取で筋肉を増やします。特にたんぱく質は筋肉の材料となる栄養素です。意識してしっかり摂取しましょう。PFCバランスは以下を参考にしてください。
P:たんぱく質 30%
F:脂質 20~30%
C:炭水化物 40~50%
体脂肪減少目的の場合
一方、体脂肪率が15%以上の人は、体脂肪を減らす必要があります。先述のとおり、腹筋が割れているのが確認できるようになるのが、体脂肪率15%以下になるからです。山本義徳先生が推奨する方法は、糖質の摂取を控えて脂肪をエネルギー源にする「ケトジェニックダイエット」です。ケトジェニックダイエットでは炭水化物(糖質)割合を減らし、脂質割合を増やします。
P:たんぱく質 15~30%
F:脂質 60~70%
C:炭水化物 10~15%
ケトジェニックダイエットは、糖質を厳しく制限して脂肪がエネルギー源になる状態を作るダイエットです。厳しい糖質制限を実行するのがむずかしい人は、摂取カロリーを消費カロリーより少なくする、いわゆるアンダーカロリーを意識して、体脂肪減少を目指してください。
体脂肪を落とす目的で「食事を摂らない」選択をする人がいますが、健康的な生活に必要なエネルギー・栄養が不足してしまうリスクがあります。PFCバランスに加え、代謝に欠かせないビタミン・ミネラルも不足しないよう意識しましょう。
減量・増量ともに、自分の身体の最新状況を把握したうえで、課題解決のための食事内容にします。理想は、その日のトレーニング内容に合わせた食事管理です。
腹筋を割るための栄養管理にプロテインを活用しよう!
栄養バランスを意識した食事を摂るのが、むずかしいタイミングもあります。腹筋を割るために適切な栄養管理をおこなうには、プロテインを利用するのがオススメです。仕事や家事で忙しく食事内容に配慮する時間が取れない場合も、良質のプロテインを気軽に摂取できます。
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、山本義徳先生の完全監修のもと、たんぱく質以外の成分をほとんど除去し、たんぱく質含有量割合85~90%を実現したプロテインです。筋肥大に高い効果が期待できます。
プロテインの種類や期待される効果の違いを詳しく知りたい人は、以下の動画もご覧ください。
まとめ
腹筋を割るには、体脂肪減少と腹直筋の発達が不可欠です。一般的には体脂肪15%で腹筋の割れが確認でき、10%台でシックスパックが表れます。
目的に応じて腹筋強化メニューと体脂肪減少メニューを組合せた正しい筋トレをおこなえば、2~3か月で効果が期待できるでしょう。
腹筋を割るためには「PFCバランス」を意識した食事が大切です。食事の栄養バランスは、「筋肉増量」か「体脂肪減量」か、課題を明確にして考えます。プロテインを利用した栄養管理もオススメです。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。
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