休息をはさまない筋トレは、筋肉増量につながらないといわれています。実際、筋トレにはどの程度の休息が必要で、頻度・回数はどれくらいにすれば筋肥大につながるのでしょうか?
今回の記事では、トップアスリートも指導する人気トレーナー山本義徳先生が、筋肥大に最適な筋トレの頻度・回数の決め方と注意点を解説し、オススメのサプリメントも紹介します。
筋トレの頻度・回数にお悩みのトレーニーは参考にしてください。
筋トレで筋肥大が起こるしくみ
最初に、筋トレで筋肥大が起こるしくみを解説します。筋肥大には栄養と休養が不可欠なことを理解しておきましょう。
筋肥大とは
筋肥大とは、細い筋細胞が千本単位で束になってできている筋線維が太くなり、筋肉の体積が増えることです。
筋肥大のメカニズム
トレーニングなどをとおして筋肉が刺激を受けると、筋線維の一部が破断されます。その際、適切な栄養・休養が与えられると、ダメージを受けた筋肉は修復に向かい、いったん破断された筋繊維が太くなって修復されるため、筋肉が大きくなります。これが「超回復」という現象です。
「トレーニング→休養→超回復→トレーニング」を繰り返すことで筋線維は太くなり、筋肥大が実現するでしょう。
筋肉は「慣れる」
一度だけの筋肉損傷・修復では、筋肥大につなげるのはむずかしいでしょう。さらに、同じような負荷・重量によるトレーニングの繰り返しも、筋肉が少しずつ刺激に慣れて傷つきにくくなってしまい、期待したような超回復が進みません。
筋肥大を継続して起こすためには、筋肉が慣れていない刺激が必要なため、少しずつ運動強度を上げていくことがポイントです。
筋肉が発達するメカニズムに関しては、山本義徳先生が以下の記事でも解説しています。
筋肥大させる筋トレ頻度の決め方
筋肥大させるには、「トレーニングと休養」を繰り返すことが大切です。では、筋トレの頻度はどのように決めると良いのでしょうか?
未回復時の筋トレは筋肉分解が進む
筋トレなど外部からの刺激によって、筋肉が緊張状態となることを「ストレス」といいます。ストレスがかかった筋肉は合成が促進されますが、同時に筋肉の分解も起きやすい状態です。筋肉が回復していないときに筋トレをおこなうと、筋肉の合成よりも分解が上回り、逆効果になってしまう可能性が高いため注意が必要です。筋トレで筋肉を刺激したら、次の筋トレまでは間隔を空けるようにしましょう。
筋肉の回復には72時間ほどかかるといわれており、回復時間を考慮して筋トレの頻度を考える必要があります。全身か部位別かトレーニングの種類によって頻度の目安が違うため、次章よりそれぞれの頻度の違いを詳しく説明していきます。
全身トレーニングの場合は週1~2回が目安
全身トレーニングの場合は週に1~2回を目安にしてください。筋肉にしっかり負荷を与えたら、次の筋トレまでは3日(=72時間)ほど空ける必要があるため、3~4日の休養を入れるのが良いでしょう。
例えば、日曜日に筋トレをしたら月・火・水と休み、木曜日に筋トレをして金・土・日と休む、というイメージです。
筋トレが上手にできるようになり、狙った筋肉にしっかりと効かせられるようになったら、さらに間隔を取り、4~5日空けた頻度でおこなうのが良いでしょう。
部位別トレーニングの場合は週5~6回が目安
身体を部位別に分けて筋トレをおこなう「分割法」では、1回の筋トレで胸・肩・背中・脚・腕などから1部位のみ、あるいは、いくつかの部位を組合わせて筋トレをおこないます。
分割法なら、胸の筋トレをおこなった次の日に背中の筋トレをしてもオーバーワークにはなりません。部位の組み方次第で週5~6回の筋トレが可能です。ただし、分割法の場合も、同一部位に関しては3~5日空ける必要があるため、注意してください。
特定の部位に集中した筋トレのため、筋トレ歴が長い上級者ほど、分割法でトレーニングをおこなう人が多い傾向にあります。1回の筋トレの種目数が多く、トレーニング時間が長くなりがちな人は、分割法を取入れてみると良いでしょう。できるだけ毎日筋トレしたい人にも分割法がオススメです。
1週間のトレーニングスケジュール例を、以下で紹介します。分割法の場合は、腹筋以外の部位も同様に間隔を空け、トレーニング日をずらしておこなってください。
- 日曜日に腹筋を鍛える
- 月・火・水と腹筋の筋トレを休む
- 木曜日に腹筋を鍛える
- 金・土・日は腹筋の筋トレを休む
- 月曜日に再び腹筋を鍛える
部位別に何回かに分けてトレーニングをおこなう「分割法」に関しては、以下の記事でも山本義徳先生が詳しく解説しています。
筋トレで筋肥大させるための回数は?
筋肥大が期待できる筋トレの頻度は上記のとおりですが、回数はどのように決めると良いのでしょうか?バーベルによる負荷をかけたトレーニングを例に解説します。
1セットの回数は10~12回が基本
筋肥大が目的の場合、10~12回が効果的といわれています。13回目が上げられない程度の重さに設定して連続で上げましょう。反復が限界と感じる負荷設定が目安です。
1種目のセット数は3セットが目安
1回だけの筋トレで高い効果は期待できません。トレーニング慣れしていない人ほど、1セット程度で筋肉を追い込むのは困難です。
筋肉を追い込むためには、トレーニングのセット数を複数回にし、初心者は3セットほどを目安にすると良いでしょう。
身体が慣れてきたら、3セットから4~5セットに回数を増やしたり、別メニューを追加したりするのがオススメです。
筋トレで筋肥大させる際の注意点
ここからは、筋肥大が目的の筋トレで注意したいポイントを解説します。高い効果を得るためには、休息・睡眠・栄養に配慮しましょう。
筋肉を休ませる時間を確保する
筋トレ後は「超回復」を促すためにも、しっかり休息を取ることが筋トレのパフォーマンス向上につながります。
筋トレで身体に疲れがたまる理由の一つとして、血行不良があげられます。筋肉にたまった疲労物質を排出するためには、水をしっかり摂り、血液を循環させることも大切です。
睡眠不足にならないようにする
睡眠中は全身の新陳代謝が促進されるため、筋肥大には質の良い睡眠も重要です。ただし、消化不良状態で眠りにつくと血液は消化を優先してしまい、筋肉修復が進みません。消化の良いものを中心に夕食を摂り、質の良い睡眠につなげて筋肥大を目指しましょう。
体内の活動を調整する自律神経は交感神経と副交感神経に分かれ、筋トレ中などは交感神経が優位に働いており、睡眠時は副交感神経が優位に働きます。身体の休息のためには、副交感神経が優位な状態へのスムーズな切り替えが必要です。
筋肥大を目指すためには、十分な睡眠はもちろん、規則正しい生活をすることも大切です。起床時間と就寝時間を毎日同じ時間にするだけでも生活リズムが整いやすくなり、活発な時間と回復促進時間にメリハリが出ることでしょう。
栄養不足にならないようにする
筋肉の発達のためには、たんぱく質・脂質・炭水化物の3つの栄養素が欠かせません。栄養バランスを欠いた食事では筋肉は作られにくくなってしまいます。筋肥大が目標なら、特にたんぱく質を意識して摂ることが重要です。
筋トレのやり方に問題はなさそうなのに筋肥大が進まない場合は、栄養不足が考えられます。栄養が不足しないよう、食事はしっかり摂るようにしましょう。筋肥大にはバランスの良い食事で筋線維に栄養を送ることが大切です。
バルクアップと栄養に関しては、以下の記事でも山本義徳先生が詳しく解説しています。この機会にPFC(=たんぱく質・脂質・炭水化物)とPFCバランスに関して理解しておきましょう。
筋トレで効率良く筋肥大させるためにオススメのサプリメントを紹介!
食事から栄養が十分に摂れていれば問題ありませんが、仕事・家事が忙しく食事に十分配慮できないケースもあるでしょう。ここでは、忙しくても足りない栄養が簡単に補える筋肥大にオススメのサプリメントとプロテインを紹介します。
筋トレの効率アップに『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』
『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』は、筋トレの効率アップにオススメのサプリメント。2019年4月に開設したYouTubeチャンネル「山本義徳 筋トレ大学」が登録者数55万人を超える、山本義徳先生が完全監修したサプリメントです。
たんぱく質を構成する20種類の物質のうち、9種類の必須アミノ酸は体内で生成されないため、積極的に摂取しないと不足してしまいます。
『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』には、BCAAを含む9種類の必須アミノ酸が配合されており、筋肉合成を促す効果が期待できるでしょう。トレーニング中のドリンクにぴったりです。
たんぱく質補給に『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、ホエイから炭水化物・脂肪などを取り除き、90%以上のたんぱく質含有率を実現しました。フレーバーはプレーン・チョコレート・ストロベリー・ライチヨーグルト・バナナ・抹茶と6種類あり、お好みに合わせてチョイスできるため、飽きずに続けられます。
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、溶けやすさにもこだわった処方で開発されました。プロテイン特有の泡立ち・ダマが生じにくく、外出先でも手軽に水分補給とたんぱく質補給ができます。外出先でプロテインを飲みたい人にぴったりです。
ほとんどの乳糖を取り除いた高品質WPI(ホエイプロテイン アイソレート)を使用しているため、牛乳が苦手な人にもオススメです。
まとめ
筋肥大が目的の筋トレは、適切な頻度・回数が大切です。
トレーニングの刺激で破断された筋繊維は、適切な栄養・休養により筋線維が太くなって修復され、筋肉が大きくなります。このメカニズムを理解してトレーニングメニューの頻度・回数を設定しましょう。全身トレーニングなら週1~2回・部位別トレーニングなら週5~6回が適切です。
筋肥大のためには休息・質の良い睡眠・バランスの良い栄養にも配慮してください。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。
【筋トレ大学PRO】
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