「腕の筋肉を鍛えたいけれど、ジムに通う時間もお金もない……」こんな悩みをお持ちの人もいるのではないでしょうか。
自分の体重を負荷とする自重トレーニングであれば、スポーツジムにある専用の器具を使わずとも上腕二頭筋を鍛えられます。自宅にいながらスキマ時間に筋トレをおこなえるため、無理なく理想の身体に近づけるでしょう。
この記事では、上腕二頭筋の自重トレーニング方法・メリット・デメリット・注意点を解説します。
監修は、多数の有名アスリートを指導する人気トレーナーの山本義徳先生です。自宅で上腕二頭筋を鍛えたいと考える人は、ぜひ参考にしてください。
上腕二頭筋とは?長頭と短頭に分かれている筋肉

上腕二頭筋とは、いわゆる力こぶになる筋肉のことを指します。
肩甲骨をスタートに、肘から手首までの橈骨(とうこつ)までかかる筋肉のため、肘を曲げるだけでなく、手のひらを上に向ける・腕を上げるなどの動きにも欠かせません。
上腕二頭筋はその名のとおり、長頭と短頭の2つに分けられます。
長頭
自分から上腕二頭筋を見たとき、外側にあるのが長頭です。おもに肘を曲げるときに負荷がかかる部位で、ここを鍛えると力こぶの盛り上がりが増します。
短頭
自分から上腕二頭筋を見たとき、内側にあるのが短頭です。肘を曲げる動作に加え、手のひらを上に向けるなど、腕を外側にひねるときに負荷がかかります。短頭を鍛えることで、腕の太さに磨きをかけられます。
このように、働きの異なる2つの筋肉で構成されている上腕二頭筋。たくましい腕を作るには、どちらもバランス良く鍛えることが重要です。
上腕二頭筋の筋トレを自重で鍛えるメリット・デメリット
器具を使わず、自分の体重で負荷をかける自重トレーニングは、自宅にいながら手軽に上腕二頭筋を鍛えられる方法です。そのメリット・デメリットを解説します。
メリット
1.いつでもどこでもトレーニングができる
自重トレーニングの最大のメリットは、時間・場所を選ばずトレーニングできること。専用の器具などは必要ないため、その手軽さもポイントです。継続もしやすく、無理なく筋肉を鍛えられます。
2.お金がかからない
自分の体重で負荷をかけるため、ジムの入会金・ダンベル購入などの初期投資は必要ありません。これから筋トレを始める人にとっても、ハードルが低い方法です。
3.身体への負担が少ない
器具を用いたウエイトトレーニングは、高い負荷がかけられる半面、筋肉のみならず関節にも負担がかかります。
また、運動不足の人・高齢の人がいきなり高負荷のマシンを利用すると、ケガのリスクも高まるでしょう。段階的に負荷を上げていくためにも、初心者は負担の少ない自重トレーニングから始めるのがオススメです。
デメリット
1.高い負荷はかけられない
身体への負担が少ないぶん、筋肉への負荷もそこまで大きくありません。日常的にトレーニングをしている人・身体を動かし慣れている人は、物足りなさを感じることもあるでしょう。
2.負荷の調整が難しい
スポーツジムに用意されている器具・マシンは、負荷を細かく設定・変更できます。一方、自分の体重を用いる自重トレーニングの場合はこうした調整ができません。「効率的に筋肉を鍛えたい」「すぐに結果を出したい」という人には不向きなトレーニングだといえます。
上腕二頭筋の筋トレ最強自重メニュー
ここからは、上腕二頭筋を鍛えるのにオススメの自重トレーニングメニューを5つ紹介します。複数を組合せておこない、バランス良く筋肉を鍛えましょう。
パームカール
上腕二頭筋のトレーニングとして有名なのが、ダンベル・バーベルを用いておこなうアームカールです。自重トレーニングの場合、手のひらという意味の「Palm」という単語を用い、「パームカール」と呼びます。上腕二頭筋のなかでも、短頭を鍛えるトレーニングです。
左右15~20回を1セットとして、3セットおこないましょう。
1. 鍛えたいほうの手で拳を作り、反対側の手で手首を上から押さえる
2. 押さえている手に力をかけながら、拳を作った手を上げる
3. ゆっくりと腕を下ろす
ポイントは、鍛えたいほうの肘を固定させること。しっかり筋肉に負荷をかけるには、フォームを安定させることが重要です。脇を締め、身体の横から肘が動かないように意識しながらおこなってください。難しい場合は、脇にタオルを挟むなどの工夫をしてみましょう。
腕を上下する時間を計測するのもオススメです。3秒で上げ、4秒で下ろす程度の負荷をかければ、筋肉にしっかりアプローチできている実感を持てるでしょう。何度か試しながら、自分に合った負荷を見つけてください。
パームカール逆手
先ほど紹介したパームカールを、手のひらの向きを逆にしておこないます。
逆手にすることで筋肉に異なる刺激が加わり、より効果的なトレーニングになります。こちらも左右15~20回を3セットおこないましょう。
1. 鍛えたいほうの手を逆手にして拳を作り、反対側の手で手首を上から押さえる
2. 押さえている手に力をかけながら、拳を作った手を上げる
3. ゆっくりと腕を下ろす
順手でおこなうパームカールと同じく、肘が動かないように注意してください。また、腕を上げる際に反動を使ってしまうと、筋肉にしっかり負荷がかかりません。動作を一つずつ丁寧におこなうことを意識しましょう。
逆手懸垂
順手でおこなう懸垂よりも、より上腕二頭筋に効かせられるのが逆手懸垂です。全体重を腕力で持ち上げるため、自重を利用する上腕二頭筋のトレーニングのなかでも大きな負荷をかけられます。鉄棒など、ぶら下がれるものがある場合は、ぜひチャレンジしてください。
1セット10回・3セットが目安です。セット間のインターバルは1分間程度とりましょう。
1. 手のひらを自分のほうに向け、肩幅より広めの幅を取り、バーを握る
2. 上半身をまっすぐにキープし、体幹に力を入れる
3. バランスを意識しながら、身体を持ち上げ、少しキープする
4. ゆっくりともとに戻す
呼吸を止めずに、上腕二頭筋を意識しながらおこなってください。正しく負荷をかけるためにも、反動は使わないよう注意しましょう。
逆手懸垂は、負荷が大きいぶんキツいトレーニングです。最初は1回もできない人もいるでしょう。自分のペースで、無理なく進めてください。
手のひらを合わせて上腕二頭筋の収縮
胸の前で左右の手のひらを合わせて押し合うことで、肩周りから大胸筋・上腕の筋肉全体が収縮し、筋力アップにつながります。座っていてもすぐにできるため、仕事の休憩時間などにも気軽に取入れられるトレーニングです。
ほかのトレーニングと異なるのは、関節を動かさずに筋肉を収縮できる点です。関節への負担が少ないため、筋肉痛にもなりにくいといわれています。
1. 両手を身体の前で合わせる(合掌のようなポーズ)
2. 力をかけて押し合う
3. 20秒間キープする
押し合うときは、息を吐きながら強く力をかけてください。
ハグジアース
両手を広げておこなう腕立て伏せのことです。地球に抱きつくような姿勢になることから、ハグと名前がついています。1セット10回を3セットおこないましょう。すぐに効果は実感しにくいかもしれませんが、繰り返しおこなうことで、着実に筋肉がつくトレーニングです。
1. ギリギリまで両手を広げる
2. 手を広げたまま腕立て伏せをおこなう
できるかぎり手を広げておこない、上腕二頭筋に刺激を与えましょう。
上腕二頭筋の筋トレを自重でおこなう際の注意点
自宅で気軽におこなえる自重トレーニングですが、やりすぎはよくありません。自重で上腕二頭筋の筋トレをおこなう際の注意点を5つ解説します。
毎日はやらず休暇を取る
マシンでおこなうような高負荷の筋トレと同様に、自重によるトレーニングにもしっかり身体を休める期間が必要です。
筋肥大は、トレーニングにより破壊された筋線維が以前よりも太くなって回復することで起こります。この回復には時間がかかり、上腕二頭筋は48時間程度が必要といわれています。
そのため、2日ごとに上腕二頭筋のトレーニングをおこなえば、筋線維がしっかり回復され、スムーズな筋力アップが期待できるでしょう。
トレーニングと休息のバランスを上手くとることが、理想の身体への近道です。
自己流のマッサージは控える
トレーニングにより筋肉痛が生じると、揉みほぐしたくなることもあるでしょう。ところが、自己流のマッサージは筋肉痛を悪化させる可能性があります。
筋肉痛は、傷ついた筋線維を修復するために集まった白血球などによる炎症が、筋膜を刺激して起こります。
炎症を起こしているところをマッサージで強く刺激すると、さらにその症状が悪化し、痛みを長引かせてしまう可能性があるのです。
筋肉痛があるときは、該当部位を軽く動かす程度にとどめ、自己流のマッサージは避けましょう。どうしても気になる場合は、筋肉・トレーニングの知識を持つプロに相談することをオススメします。
ストレッチを必要以上にやらない
筋肉をゆっくり伸ばす静的ストレッチは、筋トレ後の柔軟性向上に役立ちます。しかし、過度に刺激を与え、痛みを感じるまでおこなうのは避けましょう。筋肉のパフォーマンスを低下させてしまう可能性があります。
トレーニング前も、長時間の静的ストレッチはオススメできません。筋肉が伸びることで強い力が入りにくくなってしまいます。筋トレ前は、肩甲骨回し・前屈など、大きな動きの動的ストレッチで身体を温めましょう。
左右のバランスを考慮して筋トレをする
◇左右のバランスを考慮して筋トレをする
筋肉のつき方に左右差があると、姿勢が悪くなるばかりでなく、他種目のトレーニングやスポーツにおけるパフォーマンスの低下を招きかねません。アンバランスな身体つきは、見た目にも大きく影響します。
こうした事態を防ぐためにも、上腕二頭筋の筋トレをおこなう場合は、必ず左右をバランス良く鍛えてください。
低負荷の種目は高回数やる
マシンを用いたウエイトトレーニングに比べると、どうしても負荷が軽くなりがちな自重トレーニング。おもりの重量を上げるなどの調整ができないぶん、より負荷をかけるには、その回数を増やすことが必要です。
筋トレ初心者の場合、無理にたくさんおこなう必要はありません。しかし、筋肉を大きくするためには強い負荷が必要なのも事実。慣れてきた段階で、徐々に回数アップに挑戦してみましょう。
上腕二頭筋の筋トレ効率アップにプロテインを活用しよう!

筋トレによって破壊された筋繊維の修復には、筋肉のもととなるたんぱく質が使われます。しっかり身体を休め、強い筋肉を作るには、十分な量のたんぱく質を摂取することが必要です。
しかし、食事から必要量のたんぱく質を摂るのは難易度が高く、余計なカロリー・脂質の摂取にもつながりかねません。
そこでオススメなのが、効率良くたんぱく質を補給できるプロテインです。以下では、筋トレをより効果的におこなうために、ぜひ取入れてほしい商品を紹介します。
VALX ホエイプロテイン
『VALX ホエイプロテイン』は、山本義徳先生の監修のもと、徹底的にその味にこだわって作られたプロテインです。98.6%の人が「おいしい」と答え、多数のアスリート・トレーナーも愛用。SNSでも「継続できるプロテイン」として注目され、多数のメディアで取り上げられています。
もちろんおいしいだけではありません。国内製造・かつたんぱく質含有量は77%以上と、高品質で毎日安心して飲める商品です。
フレーバーは、チョコレート風味・ベリー風味・ヨーグルト風味・カフェオレ風味・バナナ風味・抹茶風味・ミルクティー風味・キャラメルマキアート風味の8種類。好みに合わせて、飽きずに楽しめます。
効率良く筋肉を鍛えるためにも、『VALX ホエイプロテイン』を生活に取入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ここまで、自宅にいながら上腕二頭筋を鍛えられる自重トレーニングをご紹介しました。手軽に始められるため、筋トレ初心者にもぴったりです。左右をバランス良くトレーニングすることを意識し、継続してみてください。筋肉にしっかり負荷をかけるため、徐々に回数を増やしていくと良いでしょう。
トレーニングと一緒に、たんぱく質を効率的に摂取できるプロテインを取入れることで、より筋力アップが期待できます。ぜひお試しください。

監修者情報

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。
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