筋肥大とは筋肥大させることで、単に食事量を増やすことではありません。事前に食べる物・期間などを設定し、戦略的に取組むのが大切です。
しかし、筋肥大の正しいやり方がわからない人も多いでしょう。やみくもに始めても脂肪が増えるだけで、失敗する可能性が高くなります。
今回は、筋肥大に必要な期間を解説します。食事量別に3種類のやり方も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
筋肥大とは
筋肥大とは筋肉を大きくする、つまり筋肥大させることです。単純に体重を増加させることではありません。
筋肥大では、食事量を増やしつつトレーニング強度を高めるのがポイントです。食事量だけ増やしても、筋肥大は期待できません。
筋肥大中の食事は、消費カロリー+500kcalを目安に摂取します。消費カロリーは、基礎代謝に生活活動強度指数を掛け算して求めましょう。
生活活動強度指数とは、日常生活での負荷の大きさです。仕事の内容・トレーニング頻度などに応じて、1.3から1.9を掛け算します。
筋肉の分解を防ぐため、間食を摂るのも忘れてはいけません。血中アミノ酸濃度を常に維持するのが、筋肥大を成功させる秘訣です。
トレーニングは少しずつ負荷を強くします。ただしトレーニングのやり過ぎは逆効果です。回復が遅くなり、筋肉が成長できません。
できるだけ身体を休めるため、トレーニング頻度を少なくしましょう。1週間に2、3回はオフの日を作ります。
筋肥大には3種類の方法がある
一言で筋肥大といっても、複数の方法があります。各特徴を理解したうえで自分に合った方法を選択するのが、失敗しないポイントです。
以下で筋肥大の方法を3つ紹介します。
ダーティバルク
ダーティバルクとは、食べる物を制限せずにおこなう筋肥大です。ジャンクフード・揚げ物・スイーツなど何でも食べます。
ハイカロリーな食事を摂るのがダーティバルクの目的です。PFCバランスよりもカロリーの多さを重視します。
好きなものを食べられるので、精神的な負担が大きくありません。大量にエネルギーを摂取する分、ハードなトレーニングが可能です。
一方でPFCバランスを意識しないため、胃腸に負担がかかります。消化吸収が追いつかず、結果的に必要な栄養素を摂りきれないケースもあります。
オーバーカロリーになりやすいのもデメリットです。筋肉より体脂肪が増えやすくなります。
減量が大変になってしまうなので、コンテスト出場を目指している人は避けたほうが無難です。
クリーンバルク
クリーンバルクとは、PFCバランスを重視して摂取カロリーを増やす筋肥大です。
ダーティバルクでは食べる物に制限がありませんが、クリーンバルクでは食事の内容にこだわります。
基本的にジャンクフードなどは口にしません。焼く・煮るなどシンプルな調理法で作られた食事を摂取します。
筋肥大の理想的なPFCバランスは、以下のとおりです。
- P たんぱく質:30%
- F 脂質:20~30%
- C 炭水化物:40~50%
例えば、1日の摂取カロリーが3,500kcalの場合、クリーンバルクのPFCバランスは以下のとおりです。
- P たんぱく質:1,050kcal(262.5g)
- F 脂質:700~1,050kcal(77.7~116.6g)
- C 炭水化物:1,400~1,750kcal(350~437.5g)
食べ物がクリーンなので、ダーティバルクより胃腸に負担をかけないのがメリットです。
リーンバルク
リーンバルクとは、摂取カロリーを少しだけ増やす筋肥大です。食べる物はクリーンバルクと同じく、シンプルな調理法で作られたものを選びます。
PFCバランスも、クリーンバルクと同じ割合にします。ただし、摂取カロリーは、消費カロリーより500kcal程度増やすだけにとどめるのが重要です。
大量にカロリーを摂取するのではありません。必要最小限のカロリーだけ増やすのが、リーンバルクの目的です。
リーンバルクは、ダーティバルク・クリーンバルクに比べ、筋肉量が増えにくいものの、体脂肪もつきにくいのがメリットです。減量が楽になります。
極端に食べる量を増やさなくて良い分、胃腸への負担を最小限に抑えられます。身体が重く、トレーニングのパフォーマンスが落ちる心配もありません。
筋肥大に必要な期間
筋肥大に必要な期間は、トレーニングレベルによって異なります。筋トレ初心者は筋肉量を増やしやすいため、大量にカロリーを摂取しても問題ありません。
一気に体重を増やせば、筋肥大が期待できます。
筋トレ中級者・上級者は、すでに筋肉量が多い状態です。摂取カロリーを増やしても、筋トレ初心者ほど筋肉は増えません。
特に、コンテスト出場を狙っている人は、体重の増やしすぎに注意してください。体重を増やした分、減量期間が長くなります。
減量幅が大きいと、脂肪だけでなく筋肉も落ちてしまいます。減量により身体がしぼんでしまえば、コンテストで良い結果を残せません。
筋トレ中級者・上級者は、1年間で2~3kgの筋肉を増やすイメージで筋肥大してください。
筋肥大では、増量期・減量期を繰り返すのがオススメです。2か月間増量したあと、1か月間減量するサイクルを繰り返しましょう。
できるだけ脂肪を増やさず、筋肉量のアップが期待できます。
長期的な筋肥大に必要な増量期と減量期
長期的に筋肥大をおこなう場合、増量期・減量期を繰り返すことで効率良く筋肉量を増やせます。増量期・減量期の期間と体重増減の目安は、以下のとおりです。
期間 | 体重の増減 | |
増量期 | 2か月間 | 体重の5~10% |
減量期 | 1か月間 | 体重の5% |
上記を踏まえて、増量期・減量期の特徴を以下で解説します。
増量期
増量期は、食事の量・回数を増やすのがポイントです。普段より多くカロリーを摂取して、筋肥大を目指します。
摂取カロリーは消費カロリー+500kcalです。食事の回数は、1日あたり4~6回を目安にしてください。
1回の食事で大量のカロリーを摂取せず、小分けにして食べるのがオススメです。体内から栄養が枯渇するのを防ぎます。
野菜は、食べ過ぎないよう意識しましょう。満腹感が強くなるため、必要な量のたんぱく質・脂質・炭水化物を食べられなくなります。
増量期は、2か月間で体重の5~10%を増やしてください。例えば、筋肥大開始時の体重が60kgなら、3~6kg増量します。
1日あたりに換算すると、50~100gの増量です。大幅に体重を増やさないため、脂肪量も増えすぎません。
減量期
減量期では、脂肪を落とすことに専念します。増量期では摂取カロリーが増えるため、筋肉だけでなく脂肪もついてしまうからです。
増量期で増やした筋肉を維持できるよう、たんぱく質を多めに摂取しましょう。減量期は摂取カロリーが少なく、筋肉が分解されやすい傾向にあります。
体重1kgあたり2.5g程度のたんぱく質を目安に摂取してください。増量期よりも多めに摂取するのが、筋肉を分解させないためには大切です。
減量期は、1か月間を目安におこないます。1か月間で体重の5%減らしましょう。例えば体重60kgの人なら、3kg減量します。
脂肪をつけずに、筋肉だけ増やすことはできません。ある程度脂肪がつくのはしょうがないと割り切るのが、筋肥大を成功させる秘訣です。
筋肥大に最適な体脂肪率は、以下の記事でも詳しく解説しています。
筋肥大は栄養管理が大切
筋肥大では栄養管理が必要不可欠です。3大栄養素の中でたんぱく質が不足すると、筋肉が合成されません。
プロテインを摂取して、効率良くたんぱく質を補給しましょう。以下で、山本義徳先生が完全監修したオススメのサプリメントを紹介します。
VALX ホエイプロテイン
『VALX ホエイプロテイン』は、山本義徳先生の完全監修のもと、飲みやすさにこだわり抜いたプロテインです。98.6%もの人がおいしいと回答しました。
フレーバーは、チョコレート風味・カフェオレ風味・ベリー風味など8種類から選べます。お気に入りの味が見つかること間違いありません。
すべての味で何度も試作を重ねて完成した、おいしいプロテインです。
『VALX ホエイプロテイン』は、たんぱく質含有量も豊富です。すべての味で77%以上のたんぱく質含有量を誇ります。
多くのたんぱく質が含まれているため、無駄がありません。たんぱく質1gあたりの値段が安いため、財布にも優しいプロテインといえます。
コストパフォーマンスに優れたプロテインを求めている人にもオススメです。
VALX EAA9(イーエーエーナイン)
『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』は、山本義徳先生が完全監修した、必須アミノ酸9種類を摂取できるサプリメントです。筋肉を効率良く成長させるため、すべての成分が黄金比率で配合されています。
アミノ酸が1種類でも不足すると、たんぱく質は合成されません。
特に必須アミノ酸は、体内で合成できないため不足しがちです。食事・サプリメントからしっかり補いましょう。
『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』には、βアラニンも配合されています。βアラニンは筋肉量の減少を抑えるなど、筋トレに欠かせない効果を持つアミノ酸です。
EAA・βアラニンを一緒に摂取すれば、筋トレの効率が高まります。
不足しがちなアミノ酸だけでなく、筋トレのパフォーマンスアップも狙いたい人にも、『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』がオススメです。
EAAは、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
筋肥大とは、筋肥大を目指すことです。やみくもに食事量を増やすと、筋肉だけでなく脂肪も増えてしまいます。
筋トレ初心者は、何でも食べて一気にカロリーを摂取するダーティバルクがオススメです。
筋トレ中級者・上級者は、PFCバランスを厳密に計算するリーンバルクをおこない、できるだけ脂肪をつけず筋肉量を増やしてください。
長期的な筋肥大は、増量期・減量期を繰り返すのが大切です。減量期は増量期よりたんぱく質を多めに摂取し、筋肉の分解を防ぎましょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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