ガッチリとした上半身に憧れてトレーニングに励む場合、腕周りのパンプアップが重要です。特に上腕二頭筋を鍛えることで、パッと見たときの印象をガラリと変えられます。
そこでオススメなのが、懸垂です。懸垂をすると上腕二頭筋はもちろん、さまざまな筋肉をバランス良く鍛えられるため、効率良くたくましい上半身に近づけます。
この記事では、懸垂で上腕二頭筋を鍛えるときのフォーム・注意点を解説します。たくましい上半身を手に入れたい人は、参考にしてください。
懸垂で鍛えられる筋肉
懸垂は「腕に効くトレーニング」というイメージを持つ人が多いでしょう。しかし、実際には腕だけではなく、さまざまな部位を鍛えられます。ここからは、懸垂で鍛えられる部位を紹介します。
上腕二頭筋
上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)は、力こぶになる部分の筋肉です。上腕二頭筋が盛り上がっていると「筋肉がある」「ガッチリしている」と判断されやすいため、意識的に鍛えておきたい部位です。
大きく短頭・長頭の2つに分類され、体重を上腕二頭筋で持ち上げる懸垂は長頭に大きな刺激を与えます。
三角筋
三角筋(さんかくきん)は、腕のつけ根部分にある筋肉です。前部・中部・後部肩に分かれており、関節を覆うようについているのが特徴です。
三角筋は、広い肩幅・逆三角形の上半身を作るために欠かせない部位でもあります。全体重を支える懸垂によって肩周りが発達し、大きくて丸く張る筋肉作りが期待できます。
大円筋
大円筋(だいえんきん)は、肩甲骨の下のほうにある筋肉で、脇の横あたりを指します。腕を後ろにまわすときに使いますが、意識的に鍛えなければ上手く発達しません。
懸垂で大円筋を鍛えると脇あたりの筋肉が厚くなって、腕が広がるようなシルエットになります。結果的に肩幅が広く見えたり、背中の逆三角形をキレイに見せたりできます。
僧帽筋
僧帽筋(そうぼうきん)は、首から肩甲骨に広がり、背中の表面に位置する筋肉です。上部・中部・下部の3つに分かれており、それぞれ役割が異なります。おもに物を持ち上げるときなどに使う筋肉で、懸垂により重点的に鍛えることが可能です。
僧帽筋が鍛えられると背中の筋肉が盛り上がり、胸板が厚くなります。Tシャツ・スーツを着たときの印象を、大きく変えられる部位といえるでしょう。
広背筋
広背筋(こうはいきん)は、肩甲骨から背骨に沿って広がる大きな筋肉です。上部には僧帽筋があり、背中の印象を決める筋肉といっても過言ではありません。広背筋は、床にある物を引き上げる動作など、腕を身体に寄せる際に使われることが多い筋肉です。
懸垂の身体を引きつける動作が、広背筋に大きな刺激を与えます。たくましい上半身を作るのに意識したい筋肉です。
上腕二頭筋には逆手懸垂がオススメ!そのメリットとは?
上腕二頭筋をはじめ、肩・背中周辺の筋肉を鍛えるには、懸垂が有効です。特に効果的なのは逆手懸垂で、順手懸垂よりも上腕二頭筋を使いやすくなります。
ここからは、逆手懸垂をおこなうメリットを解説します。
正しいボディバランスになる
逆手懸垂で背中を意識的に鍛えることで、バランスの良いボディを作れます。腹筋・下半身よりも、背中の厚さがパッと見た印象を左右します。懸垂で背中・肩などの筋肉をバランス良く鍛えれば、美しくたくましい体型を目指せるでしょう。
バーにぶら下がるだけでも効果が期待できるため、懸垂に慣れていない人は試してみてください。
肩こりの予防ができる
逆手懸垂をすると、腕周り・肩こり解消が期待できます。懸垂により血流が良くなることで、こりが解消すると考えられているからです。
デスクワーク・力仕事で肩が凝っている人は、逆手懸垂で血流を促すと良いでしょう。胸を張っておこなう懸垂は、巻き肩の改善にもつながります。姿勢・肩の位置が変化するだけでも、人から見たときの印象はガラリと変わるはずです。
とはいえ、逆手懸垂のやりすぎは禁物です。筋肉痛はパンプアップに欠かせませんが、痛みを強く感じるようであれば逆効果になる可能性があります。肩に負担をかけすぎないよう、無理のない範囲でおこなうのが大切です。
基礎代謝アップ
筋力トレーニング全般にいえることですが、筋肉を鍛えると基礎代謝が上がります。前述のように懸垂で鍛えられる部位は多く、筋肉量が増えると効率良く代謝アップが可能です。
特に、背中の大部分を占める広背筋は面積が広い分、基礎代謝に大きな影響を与えます。基礎代謝が向上すれば、太りにくく痩せやすい身体を手に入れられるのも大きなメリットです。
健康的な姿勢になる
猫背など、姿勢の悪さを改善するには肩・背中の筋肉を強化する必要があります。腹筋・脚の筋肉ばかり鍛えていると、バランスが悪く姿勢の改善が望めません。
逆手懸垂をすれば上腕二頭筋・広背筋に加え、大胸筋・腹筋などもしっかり鍛えられるため、健康的な姿勢に近づきます。
順手懸垂より低難易度
逆手懸垂は、順手懸垂よりも比較的簡単にチャレンジできます。順手懸垂と比べて、日常的に使うことが多い上腕二頭筋を活用するからです。上手に力を入れやすいことから、初心者の筋トレにもオススメです。逆手で身体を引き上げると上腕二頭筋に良く効くため、意識的におこなうと良いでしょう。
懸垂で上腕二頭筋を鍛える正しいフォームと注意点
懸垂で上腕二頭筋を鍛えるときは、正しいフォームでおこないましょう。正しいフォームを意識しなければ、肩・腕を痛めてしまうおそれがあります。ここからは、懸垂の正しいフォーム・注意点について解説します。
フォーム
懸垂の正しいフォームは、以下のとおりです。
1. 懸垂用のバーに両手でぶら下がる
2. 胸を張り背中の筋肉を使って身体を持ち上げる
3. 腰に肘を近づけるイメージであごをバーの高さまで上げる
4. 広背筋の収縮を意識したままもとの位置に戻る
身体を引き上げるときは、肩甲骨を引き寄せるイメージでおこないます。身体を少し斜めにすると、背中により刺激を与えやすくなります。ただし、腰が曲がらないよう注意してください。
上手く引き上げられない人は、体重が重くて支えられない・筋力が不足している可能性があります。ジャンプの勢いを利用して、懸垂の感覚を身に付けましょう。
それでも難しい人は懸垂ではなく、脂肪燃焼のエクササイズ・簡単なトレーニングから始めるのがオススメです。懸垂にぶら下がるだけでも効果があるため、無理をせず慣らしていきましょう。
注意点
懸垂を始める前に、しっかりウォーミングアップをおこないましょう。いきなり負荷をかけると、ケガにつながるおそれがあります。体重によっては強い負荷がかかるため、回数をこなすのではなく正しいフォームでおこなうことが大切です。
「ただ懸垂するだけでは物足りない」「もっと負荷をかけたい」と思う人は、握り方を変えてみましょう。懸垂の正しいフォーム・握り方は、以下の記事でも紹介しているので参考にしてください。
まとめ
懸垂は、上腕二頭筋を鍛えるために有効なトレーニングです。そのほか、三頭筋・僧帽筋・広背筋など、上半身のさまざまな筋肉をバランス良く鍛えられます。たくましい二の腕・逆三角形のスタイルを目指している人にオススメです。
懸垂で筋肉を鍛えることで、基礎代謝アップや健康的な姿勢の維持が期待できます。しかし、正しいフォームでおこなわなければケガにつながるおそれがあります。効かせたい筋肉を意識しながら、無理のない回数をおこなうよう意識しましょう。
懸垂などのトレーニングをするときは、効率良く筋肉をつけるためにサプリメントの活用もオススメです。トレーニングの際は、BCAAを含む必須アミノ酸が配合された『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』・たんぱく質含有量90%以上の『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』が効果的です。
それぞれ、複数のフレーバーが用意されているため飽きずに楽しめます。上腕二頭筋などの上半身を鍛えるには、懸垂・食事・サプリメントをバランス良く導入することが大切です。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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