トレーニング効果やケガの予防には、タイミングごとに行うストレッチ種目が異なります。
つまり、トレーニング前後で同じストレッチを行えばいい、というわけではないということです。
トレーニング前には身体を動かしやすくするためのストレッチ、トレーニング後には身体をクールダウンさせるためのストレッチを行いましょう。
そこで今回は筋トレの効果を高めるための、タイミングごとに行うべきストレッチ方法について紹介します。
トレーニング前に行うストレッチとは?
現在、トレーニング前に準備運動のような、一方向に筋肉を伸ばす静的(スタティック)ストレッチを行うと筋力を低下させることが判明しています。
なぜなら、ゆっくりとした動きの静的ストレッチを行うことで「副交感神経」が働き、身体がリラックスしてしまうからです。
そのため静的ストレッチの代わりに、ラジオ体操のような関節の可動域を広げたり、筋肉の温度と心拍数を高めたりする動的(ダイナミック)ストレッチを行う方が、パフォーマンス向上と怪我の予防に役立ちます。
参考:近未来型EMSトレーニング・ジム【SIXPAD STATION】
トレーニングで大事なこと
トレーニングを積み重ねてパフォーマンスの向上を目的とする場合、ダイナミックストレッチよりもウォームアップによって体温を上げることが大切です。
なぜなら、体温が上昇することによって、筋肉の神経伝達を良くすることができるからです。
100キロのベンチプレスを上げるための、ウォームアッププログラム
100キロのベンチプレスを上げるためのウォームアップ方法として、軽い重量のベンチプレスで血行の流れを良くして、体温を上げます。
そして、筋肉の神経伝達も良くなることで、重い重量のベンチプレスも上げられます。
具体的なプログラムを紹介します。
・軽い重量(20〜30kg)で25回程度
ウォームアップの重量は、最大重量の20%〜30%から始めることで、筋肉への疲労も少なく、多めの回数が可能です。
・60kgの重量で3回、80kgの重量で1回
重量を増やしながら、回数を減らすことで十分なウォームアップ効果を得られます。
トレーニング後に行うストレッチとは?
トレーニング後は、静的ストレッチを行うようにしましょう。
なぜなら、トレーニングの刺激によって傷ついた筋肉の繊維をゆっくり伸ばすことで、筋肉が短くなることを防げるからです。
さらに、筋肉を伸ばすことで血行が良くなり、身体の末端まで栄養を運ぶことが可能になります。
具体的なストレッチ方法
1回30秒程度の筋肉を伸ばすストレッチを、2セット程度行いましょう。
トレーニング後は、身体が温まっているため、トレーニングをした箇所の筋肉をゆっくりと伸ばしながら、交感神経の働きを抑えて、副交感神経を優位にしましょう。
さらにストレッチを行うことで、筋肉を発達させる効果も期待できます。
山本義徳先生のアフターストレッチのやり方
山本義徳先生は、ストレッチポールやフォームローラーなどを使用したアフターストレッチを行っています。
筋膜リリースではありませんが、フォームローラーの上に横になり身体の調整を行います。ベーシックセブンと言われるエクササイズなどで、腰・大腿四頭筋などを刺激して、痛い箇所で一度止めて、身体の力を抜いてコロコロさせる方法も有効です。
ベーシックセブンとは、ストレッチポールを使用した、基本的なエクササイズのことです。
ストレッチの他にも、半身浴で身体を温めることも有効です。
なぜなら、身体が温まることで血流が良くなり、疲労物質がうまく排出できるからです。
トレーニング中の汗をかいている状態では水分が足りなく、疲労物質の排出がうまくできないため、しっかり水分補給をしてから半身浴で汗をかいて疲労物質を流すことが重要です。
まとめ
筋トレとストレッチについて説明しました。
トレーニング前にはゆっくりと筋肉を伸ばすようなストレッチは筋力の低下を招いてしまうため、行わないようにしてください。
一方でトレーニング後は、ゆっくりと筋肉を伸ばすストレッチを行うことが重要なため、トレーニングの前後で最適なストレッチを行うように心掛けてください。
- トレーニング前に静的ストレッチを行うと筋力を低下させる
- ウエイトトレーニング前は、ストレッチではなくウォームアップなどで身体を温める
- 筋トレ後に静的ストレッチを行う
- アフターストレッチではストレッチポールやフォームローラーで身体を調整する
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
静岡県出身の日本のボディビルダー・トレーニング指導者。プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。サプリメントにも精通しており、サプリメント博士の異名を持つ。
2019年4月に開設したYouTubeチャンネル『山本義徳 筋トレ大学』は登録者数69万人を超える。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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