筋トレは10回3セットが良い、インターバルを長くとってはいけない、などのいわゆる「筋トレの通説」のようなものは多数存在します。実際のところその通りに筋トレをおこなうのは本当に効果的なのでしょうか?
本記事では山本義徳先生が推奨する、筋トレの効果的なセット数とインターバルをご紹介します。数々の論文に基づいて提唱されているため、いずれは筋トレの新常識となるのかもしれません。
筋トレに最適なセット数は?
筋肉を効率よく発達させていくためには、できるだけ少ないセット数で追い込む必要があります。早く筋肉を成長させたいあまりに、たくさんのセット数を重ねてしまうと、逆効果になることがあります。
オーバーワークにならないために
トレーニングによって受けたストレスに適応することで、筋肉は発達していきます。バーベルやダンベルによる負荷に耐えうるだけの身体に適応した結果として、筋肉量や筋力が増えていくのです。
であれば、強い刺激を与え続けれ筋肉もどんどん適応して発達する、と思うかもしれません。しかしそこにはオーバーワークという落とし穴が存在します。
オーバーワークとは、トレーニングをやりすぎることによって、トレーニングの効果が現れない、あるいは逆効果になってしまっている状態のことです。
関連記事:オーバーワークの見極め方は筋肉痛!その筋トレは正しいのか!?記録を伸ばす方法とは? – VALX(バルクス)produced by 山本義徳
筋肉を発達させたいがために多くの人がやってしまいがちなことが、多くのセットを重ねるトレーニングです。しかし多くのセット数を重ねることで、オーバーワークに陥ってしまっていることには、なかなか気づくことはできないものです。
筋肉がストレスに適応でき、かつオーバーワークに陥らない範囲の量に納めなければ、せっかくのトレーニングが逆効果になってしまいます。
参考動画:筋トレにおけるオーバーワークとはどのような状態をいうのか?
2セットで追い込め!
では、実際にどのくらいのセット数でトレーニングをおこなえば良いのでしょうか。
さまざまな研究論文に基づいて、2セットしっかりと限界まで追い込めば十分であると山本先生は主張しています。
筋肥大を目的にトレーニングをする場合、できるかぎり少ないセット数で最大の刺激を筋肉に与える必要があります。
1セットで限界まで追い込むことができれば理想的です。しかし人間には心理的限界というものが存在するため、通常では本来の最大筋力を発揮できないよう制限がかけられています。1セットだけで本当の限界まで追い込むのは難しいのです。
そこで、1セット目を終えた後にインターバルをとり、2セット目をおこなうことで、すべての筋繊維をまんべんなく刺激をすることができると山本先生は提唱しています。
参考動画:山本義徳が現役時代に実際にやっていたトレーニングを再現したらきつすぎた【胸トレ】
筋トレに最適なインターバルは?
同じ種目を2セットおこなうとなると、セット間にはインターバルをとる必要があります。このインターバルはどのくらいとるのが適切なのでしょうか?
筋肥大に最適なインターバルは3〜5分
一昔前までは、1分ほどの短めのインターバルでトレーニングをおこなうと成長ホルモンの分泌が盛んになり、筋肉の発達にも良いと言われていました。しかし実際には、成長ホルモンは筋肥大や筋力向上にはあまり影響を与えないことがわかってきています。
長めにインターバルをとって、しっかりと筋肉を休めた方が次のセットでも高重量を扱うことができるため、筋肥大や筋力向上にも効果的であることが多くの研究で明らかになっています。
セット間のインターバルを、
・1分
・3分
・5分
で比較した研究によると、
1分のインターバルでは一番効果が低く、3分よりも5分のインターバルをとった方が筋肥大・筋力向上の効果がもっとも大きいという結果となりました。
実際のトレーニングをおこなう上では、肩や腕のなどの小さな筋肉は3分ほど、脚や背中などの大きな筋肉は5分ほどのインターバルを置くのが現実的でしょう。
パワーリフターはもっと休む?
また、挙上重量を競う競技のパワーリフティングをおこなっている人の場合、ベンチプレスのインターバルを10分ほどとることも珍しくありません。スクワットともなると、15分ほど休む人もいます。
十分なインターバルをおいて、神経や筋肉を回復させた方が高重量を扱うことができます。
そもそもインターバルとは、筋肉をしっかりと休めることでさらに強い刺激を与えることを目的としています。あまりに短いと挙上重量が下がってしまいインターバルの意味がなくなってしまいます。
筋肥大・筋力向上をを目的とする人は少なくとも3分できれば5分ほど、パワーリフターのように挙上重量を増やすことが目的の人は10分以上、インターバルをしっかりととるようにしましょう。
まとめ
・セット数は2セットおこない、しっかりと追い込む
・インターバルを少なくとも3分、脚や背中などの大きな筋肉の場合は5分しっかりととる。
筋トレで筋肥大・筋力向上を目指す人は、上記2点を意識して筋トレをおこなってみてください。オーバーワークを避けながら強い刺激を筋肉に与えることで、短期間で効率の良い筋肉の発達を目指せるでしょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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