筋肉など身体を作るもととなるたんぱく質を効率良く摂れるプロテインは、ハードなトレーニングの合間などに意識して摂取したいところです。しかし摂りすぎによる弊害はあるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
今回は、プロテインの摂りすぎによる身体への影響や注意すべき症状に加え、過剰摂取となる量の目安について解説します。過剰摂取にならないオススメの飲み方についても紹介していますので、プロテインの摂りすぎや飲む量に不安がある人はぜひ参考にしてみてください。
プロテインの体内での働き
最初に、プロテイン(たんぱく質)が体内でどのような働きをするのか見ていきましょう。
たんぱく質は身体づくりに欠かすことができません。たんぱく質は、筋肉・臓器・皮膚・毛髪・ホルモン・酵素・抗体などの材料となる重要な栄養素です。人間の身体から水分を除いた重量の約半分はたんぱく質が占めています。
たんぱく質とは、アミノ酸が結合してできた化合物のこと。体内のアミノ酸は20種類あり、それらが約50~1,000個結合してたんぱく質を構成しています。
体内に存在する10万種類におよぶたんぱく質の種類の違いは、結合するアミノ酸の数や種類、順序によって決められます。
たんぱく質は体内で合成される一方、古くなると分解され、成人の場合は、この合成と分解のバランスが取れているのが一般的です。しかし、筋肉量を増加させたい場合には、分解される以上のたんぱく質を合成しなければなりません。そのため、十分な量のたんぱく質を摂取する必要があります。
プロテインの働きについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
たんぱく質が不足するとどうなる?
たんぱく質が不足すると、以下のような悪影響が生じることがあります。
筋肉量の低下
体内のたんぱく質の50%は筋肉にあるといわれ、合成と分解のバランスが保たれています。ところが、たんぱく質の摂取が不足するとそのバランスが崩れ、筋肉のたんぱく質は分解される一方となり、筋肉量が低下してしまうのです。筋肉量によって基礎代謝量が下がれば、その分エネルギーが消費されず、太りやすい体質となります。
肌や髪のトラブル
肌のハリ・ツヤ・弾力を維持するのはコラーゲンというたんぱく質でできています。また、髪の毛はケラチンというたんぱく質でできています。そのため、たんぱく質が不足するとコラーゲン・ケラチンが減少してしまい、シワ・たるみのほか、枝毛・切れ毛の原因にもつながります。
集中力・思考力の低下
精神を安定させる働きがあるセロトニン・やる気を引き出すドーパミンといった神経伝達物質は、アミノ酸からできています。たんぱく質の摂取が不足すれば、アミノ酸も足りなくなり、集中力や思考力の低下をまねくことがあります。
プロテインの摂りすぎで心配される症状
プロテインの摂りすぎによる身体への影響や症状には、以下のようなものがあげられます。
カロリーオーバー
プロテインを飲みすぎて摂取カロリーが消費カロリーを上回れば当然ながら太る原因となります。これは「プロテインだから太る」というわけではなく、単純に消費しきれなかったカロリーは脂肪となって蓄積される、という身体の基本的な仕組みによるものです。
プロテインのなかにはエネルギー源となる糖質が多く含まれている商品もあります。プロテイン自体のカロリーにも配慮が必要です。1日の総摂取カロリーをオーバーしないように、プロテインの飲みすぎは控えたほうが良いでしょう。
体臭の悪化
プロテインのなかでも、動物性のホエイプロテインは硫黄を含むアミノ酸が多く、摂りすぎると体臭を悪化させる原因になりやすいものです。
プロテインがうまく消化されないと、腸内で発酵してしまいます。消化能力が強くない人の場合、大量にプロテインを飲むと消化できなかった分が腸内で発酵し、腸内環境を悪くしたり、体臭を強めたりしてしまう可能性があるのです。
お腹がゆるくなる可能性
摂りすぎていない場合でも、プロテインの種類が自分の体質に合っていないと、お腹がゆるくなることがあります。身体への吸収が早いなどのメリットから多く飲まれているホエイプロテインは、牛乳が原料です。乳糖不耐症の場合、このホエイプロテインでも下痢の症状を引き起こす可能性があります。
牛乳などでお腹を下しやすい人は、ホエイプロテインの飲みすぎにも特に注意する必要があるでしょう。
参考:たんぱく質の摂りすぎは危険!?過剰摂取による影響とは|江崎グリコ株式会社
過剰摂取の目安はどれくらい?
厚生労働省が設定しているたんぱく質量の指標を見ると、推奨摂取量や必要量などは定められていても、摂取上限は決められていません。そのため「これくらい摂取すると過剰になる」という具体的な数値を出すことは難しいといえます。
一方、体重1kgあたり3.4~4.4gのたんぱく質摂取を続けても健康上問題がなかった、とする研究もあります。
そのためたんぱく質摂取の常識的な範囲といえる、体重1kgあたり2~2.5g程度であれば、問題はないと考えて良いでしょう。
実際、体重1kgあたり3.4~4.4gものたんぱく質を摂取するのは、プロテインを利用したとしてもなかなか難しいものです。
身体へのリスクを心配するほど多くのプロテインを一度に飲むのは、肉体的にも「苦しい」と感じるはずなので、あまりプロテインの過剰摂取を心配しすぎる必要はないでしょう。
プロテインの過剰摂取を防ぐ方法
プロテインは適切な量を摂取すれば、過剰摂取による不快な症状はなく、メリットのみ享受できます。過剰摂取を防ぐために大切なポイントを以下で見ていきましょう。
一日の摂取量を知っておく
プロテインの過剰摂取を防ぐためには、過剰摂取とならない目安の摂取量を知っておくことが必要です。この摂取目安量は、年齢・性別・運動量によって変わります。
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によれば、たんぱく質の一日の摂取目安量の例として、以下のようなものがあります。
- 18歳~49歳の一日のほとんどを座って過ごす女性 ……57~88g
- 18歳~49歳の肉体労働が中心の男性……99~153g
プロテインの摂取目安量を計算する方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
山本義徳先生は、ハードにトレーニングする人やアスリートの場合には、「体重×2.8g」が摂取目安量になるとしています。体重が70㎏の人なら、摂取目安量は196gです。
プロテインのたんぱく質含有量は商品によって異なります。使用するプロテインのたんぱく質含有量はあらかじめ確認しておきましょう。
プロテインに含まれるたんぱく質の量については、以下の記事でも詳しく解説しています。
必要量を複数回に分けることで下痢を防ぐ効果も
牛乳が原料となるホエイプロテインやカゼインプロテインに含まれる乳糖により、乳糖不耐症で下痢を起こすことがあるのは前述したとおりです。
乳糖不耐症による下痢を防ぐためには、プロテインを以下のように摂取すると良いでしょう。
プロテインをゆっくり飲む
未消化となった乳糖の濃度が腸内で急激に高まると、乳糖不耐症によって下痢を引き起こすといわれています。そのため、プロテインを一気に大量に飲むのではなく、ゆっくり少しずつ飲むことで改善できるでしょう。
一日の必要量を複数回に分ける
一日の必要量を1回で飲むのではなく、複数回に分けることによっても、下痢を防ぐことができます。
プロテインを複数回に分けて飲む場合、最適なタイミングは以下のとおりです。
- トレーニングの60~70分前
- トレーニング後45分以内
- 就寝前
- 起床後
プロテインを複数回に分ける飲み方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
たんぱく質は毎日の食事からも摂取している
プロテインの過剰摂取を防ぐにあたって忘れてはいけないのは、たんぱく質は毎日の食事からも摂取しているということです。よって、プロテインによって摂取するたんぱく質の量と、食事から摂取するたんぱく質の量を合わせて考えなければなりません。
特に、たんぱく質含有量の多い食品をよく食べる人は、たんぱく質の摂りすぎに注意する必要があります。
たんぱく質が多く含まれる食品の代表格は、肉類・魚類・卵・乳製品などです。プロテインを摂取する際は、毎日の食事とのバランスを見ながら適切な量を摂るようにしましょう。
たんぱく質含有量の多いプロテインなら山本義徳監修の『VALX』
たんぱく質含有量の多いプロテインなら、山本義徳先生が監修する『VALX』がオススメです。
山本義徳先生はボディビル界のレジェンドと呼ばれ、国内・海外の大会では優勝経験も多数あります。
早稲田大学在学中からベンチプレスの大会で知名度があり、1990年代からボディービルダーとして活躍。1994年に東京都ボディビル選手権で優勝したのを皮切りに、1998年NPCアイアンマン・アイアンメイデン(ライトヘビー級)優勝、2005年NPCトーナメント・オブ・チャンピオンズ(ヘビー級)優勝などの実績を誇ります。
また、トレーナーとしては複数のメジャーリーガーなど、多くの著名人クライアントを指導し、日本一サプリメントに詳しい筋肉博士とも呼ばれます。
山本義徳先生について詳しくは、以下の記事でもご紹介しています。
VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト
「奇跡のプロテイン」と呼ばれる『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、山本義徳先生が完全プロデュースした商品です。いつもどおり飲んでみると、違いが歴然とわかるはずです。
違いの秘訣は、プロテイン以外の材料を最小限にし、たんぱく質としての純度を高めたこと。たんぱく質含有量96.4%(プレーン味の場合)を達成しています。
山本義徳先生の「これぞプロテインと、胸を張っていえる商品をお届けしたい」との熱い想いのもと開発されました。
こだわりの商品でありながら、価格は手頃で、たんぱく質1gあたり4.9円です。この量は他社の製品と比べても破格です。
さらに、毎日飲むものだからこそ味にもこだわり、抹茶風味をはじめとする6つのフレーバーをラインナップしています。
VALX ホエイプロテイン
プロテインを飲み続けるために必要な条件は、おいしいこと。そこで「日本一おいしいプロテイン」を目指して開発がすすめられ、徹底した原料選定と幾度もの試飲を繰り返した末に誕生したのが『VALX ホエイプロテイン』です。
こだわりぬいたフレーバーは、チョコレート・ベリー・ヨーグルト・カフェオレ・バナナ・レモネード・抹茶の7種類。ユーザーからも、「ダントツでおいしい」「今までに飲んだプロテインのなかで一番おいしい」「おいしいので続けられる」などと、多数の喜びの声が届いています。
独自の配合で溶けやすさを実現。泡立ちや粉っぽさを抑えているため、スムージーやデザートなどにも使えます。毎日飲むものだからこそ、続けやすい価格で提供されている商品です。
まとめ
プロテインの摂りすぎによる身体への影響や症状として、腎機能への負担や体臭などが考えられます。しかし、1日あたりの摂取上限は特に定められておらず、飲みすぎによる影響を心配するほど多くのたんぱく質を摂取するのは、物理的に難しいといえるでしょう。
ただし、プロテインを飲みすぎてカロリーオーバーになれば肥満の原因となってしまいます。運動量や食事のバランスを考えながら、1回20g程度を1日3回に分けて飲むのがオススメです。カロリーが気になる場合は、糖分や脂肪分が少なく、純度の高いプロテインを選ぶようにしましょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。
【筋トレ大学PRO】
https://shop.valx.jp/shop/information_categories/kintoredaigaku-pro
【SNS】
X▶︎https://twitter.com/valx_official
Instagram▶︎https://www.instagram.com/valx_official/