肩の筋肉の筋トレを、大胸筋や腕の筋トレと比べると、つい疎かにしてはいませんか?肩の筋肉である三角筋を発達させる一番のメリットは、やはり肩幅が広がることでしょう。そしてさらに細かく鍛え分ける事で、丸い形の肩が出来上がります。丸く大きく発達した三角筋は、いわゆる「メロン肩」と呼ばれることもあります。
この記事では、筋肉博士こと山本義徳先生が、肩の筋肉を鍛える種目を一挙ご紹介します。山本先生が考案したオリジナル種目も取り入れて、大きな肩を目指してみませんか?
三角筋とは?
三角筋とは、腕のつけ根のところに付着する、肩の丸みと幅を作る上で重要な筋肉です。
一般的に肩というと、ちょうどリュックサックの肩紐をかける場所の事を指します。しかし、解剖学的にいうとその部位は肩の筋肉(三角筋)ではなく、首の筋肉(僧帽筋)にあたります。
三角筋を鍛える事で、広い肩幅や逆三角形の上半身を手に入れる事ができます。トレーニングを始めて、大胸筋や腕の筋肉が発達してくると、合わせて肩の三角筋を鍛えることの重要性に気づくことでしょう。三角筋のボリュームが、上半身の他の筋肉と釣り合っていないと、大きくかつカッコいい身体を作る事はできません。
また三角筋は、筋繊維の走る方向によってさまざまな種目を使い分け、まんべんなく鍛える必要があります。三角筋は、大まかに前部(フロント)・中部(サイド)・後部(リア)の3つに分類され、これらをバランスよく鍛えることが丸い肩を目指す上ではとても重要です。
三角筋の起始・停止・作用
三角筋は小さな筋肉だと思われがちですが、体積で考えると上半身の筋肉の中でもっとも大きいと言われています。筋繊維の走る方向によって前部(フロント)・中部(サイド)・後部(リア)の3つに分類されます。
起始
前部
鎖骨の外側1/3
中部
肩峰(けんぽう)
後部
肩甲棘(けんこうきょく)
停止
上腕骨の三角筋粗面(さんかくきんそめん)
作用
前部
肩関節の外転・屈曲・水平屈曲
中部
外展
後部
水平伸展
三角筋を鍛える筋トレ種目一覧
三角筋を鍛える筋トレには、発達させたい場所によってさまざまな種目があります。ここでは、比較的ベーシックな種目から山本義徳先生のオリジナル種目まで、バリエーションを含めてご紹介します。
三角筋前部(フロント)を鍛える肩の筋トレ
ショルダープレス
両手にダンベルやバーベルなどを持ち、頭上にプレス(押し上げる)動作をするのが、ショルダープレスです。肩の筋肉を全体的に鍛える種目と言われることが多いものの、三角筋の前部がストレッチされやすいため、三角筋前部に強く刺激が入ります。
関連記事:ショルダープレスで大きな肩を作る!山本義徳先生が解説!
フロントレイズ
フロントレイズでは、両手に持ったダンベルを前方に向かって上げていきます。一般的なフロントレイズというと、立位の状態で行うものを指す場合がほとんどです。山本義徳先生が指導するフロントレイズは、角度をつけたベンチに座って、三角筋にストレッチをかけた状態から行う場合が多いようです。
三角筋中部(サイド)を鍛える肩の筋トレ
サイドレイズ
サイドレイズは、三角筋中部を鍛えるためにおこなわれるもっともベーシックな種目だと言えます。両手にダンベルを持った状態で、肩の外転運動をする事で三角筋中部を鍛えていきます。
しかしサイドレイズには、スタート時に三角筋に負荷がかからないというデメリットがあります。そのデメリットを解消した種目が、次にご紹介するインクラインサイドレイズです。
インクラインサイドレイズ
インクラインサイドレイズは、角度をつけた(インクライン)状態のベンチに横向きになり、片手づつサイドレイズをおこないます。直立の状態でおこなう普通のサイドレイズでは、スタート時に三角筋に負荷がかかりません。しかしベンチを使って上体を倒した姿勢でスタートする事で、動作開始時から三角筋にしっかりと負荷をかける事ができます。
関連記事:インクラインサイドレイズで肩の鍛え方を山本義徳先生が解説!
アップライトロウ
ダンベルまたはバーベルを両手にもち、肘でリードするような動きで真上に引き上げます。肩関節と同時に肘関節も曲げる多関節運動となるため、高重量を扱うことができますが、三角筋と同時に僧帽筋も使われやすくなります。
関連記事:アップライトロウで効果的な肩のバルクアップ!山本義徳先生が解説
山本式スキャプラプレーンサイドレイズ
角度をつけたベンチの上に仰向けになった状態で、親指を上にした状態でサイドレイズをおこないます。スキャプラプレーンとは、肩甲骨面上という意味です。肩甲骨が付着する角度の延長線である肩甲骨面でサイドレイズをおこなう事で、肩の関節に無理な負荷をかけることなく三角筋を鍛えることが出来ます。
三角筋後部(リア)を鍛える肩の筋トレ
リアレイズ
腰を曲げて上半身を前傾させて、両手にダンベルを持ち、肘を高くあげるようにして振り上げます。
サイドライイングリアレイズ
リアレイズではうまく三角筋に効かせることができず、僧帽筋に刺激が入ってしまうという人も多いようです。その場合は代わりにサイドライイングリアレイズを選択すると良いでしょう
関連記事:サイドライイングリアレイズで肩のリアを強烈に鍛える方法を山本義徳先生が解説!
山本式3way ダンベルリアレイズ
山本式3way ダンベルリアレイズは、その名前の通り山本義徳先生オリジナルのトレーニング種目です。角度をつけたベンチにうつ伏せになって、3種類のリアレイズを続けておこなうことで三角筋のリアに強烈な刺激を入れることができます。
1.リアレイズ
通常のリアレイズのように、円運動の軌道でダンベルを動かします
2.リアデルトロウ
リアレイズがおこなえなくなったら、今度はロウイングの動きで直線的にダンベルを引きます。
3.ダンベルスイング
ロウイングも限界まで達したら、最後は肘を伸ばした状態でダンベルを振り子のように横に揺らします。
三角筋の筋トレメニューの作り方
肩の筋トレでは、実際に肩の形を見て、弱いところを先に優先的に鍛えていきましょう。ベンチプレスを頻繁におこなう人の場合、ベンチプレスの動作で肩のフロントが良く発達している場合があります。また背中のトレーニングが好きな人は肩のリアに良く刺激が入って発達している場合もあります。
自分の筋肉を良く観察して、弱いところを先に、発達しているところを後におこなう形でメニューを組み立てましょう。
また肩の筋肉は、比較的多めの回数に反応しやすいのが特徴です。筋肥大を狙うのであれば10〜20回の高回数のトレーニンをメインでおこなうと良いでしょう。山本義徳先生オリジナルのトレーニング法である山本スペシャルや、山本式3/7を取り入れるのも効果的です。
セット数は1部位につき2セット、多くても3セットまでに収まるようににしてください。フロント・サイド・リアそれぞれに2セットずつ、トータルで6セット行えば十分に鍛えることができます。
胸や背中の筋トレでも肩の筋肉は使われています。オーバーワークにならないためにも、セット数を抑え、短時間でおこなうようにしましょう。
関連記事:山本スペシャルでサイドレイズがさらに効く!山本義徳先生オリジナルメソッドを解説
VALX EAA9(イーエーエーナイン)は、メジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家など多くのアスリートを指導していたこともある”山本義徳”先生が完全プロデュースしたEAAです。
必須アミノ酸9種類をバルクアップに最適なバランスで配合。
さらに疲れの原因となる乳酸の蓄積を減らすベータアラニンも追加することで、トレーニング中のワークアウトドリンクとして最適な仕上がりになっています。
また、「まずくて飲みにくい」のがEAAのデメリットでしたが、VALX EAA9ではシトラス・コーラ・パイナップル・青りんごという4つのフレーバーを用意。
他のEAAを飲み続けることができなかったという方にも非常におすすめのEAAです。
まとめ
三角筋を鍛えて、肩を大きく見せるために大切な事は、フロント・サイド・リアの3方向をまんべんなく鍛える事です。自分にとっての弱点を見極めてから、弱い部位を優先的に鍛えるメニューを組み立て、取組んでいきましょう。
そして三角筋は、高回数でおこなうトレーニングに比較的反応しやすく発達しやすいという特徴があります。3〜5回ほどでおこなう高重量トレーニングよりも、10〜20回の高回数でおこなうトレーニングの方が筋肥大しやすいと言われています。
肩の筋トレ種目に、山本スペシャルや山本式3/7法を用いるのも良いでしょう。通常の高回数トレーニングとは異なる刺激のバリエーションとなります。
効率的に肩の筋肉を発達させて、誰もが憧れる丸くて大きな肩に近づく事ができます。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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