トレーニング

筋トレメニューの鉄則!初心者でも実践できるメニューを山本義徳先生が解説

筋トレの成果は、適切な筋トレと正しい食事をとることで初めて現れます。筋肉が大幅に増えやすいと言われている、筋トレを始めて間もない時期の人こそ身体を変えるために必要なことをしっかりとおこなっていきたいものです。

しかし、筋トレを始めたばかりだとどのようなメニューをおこなうべきか分からないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。この記事では筋肉博士こと山本義徳先生が勧める、筋トレのメニューを解説していきます。

まずは筋トレの種目を知ろう

筋トレには鍛える筋肉の部位と目的に応じてさまざまな種目が存在します。大胸筋の筋トレ種目として有名なものは、プッシュアップやベンチプレスなどです。筋トレのメニューを組み立てるには、まずはこれらの筋トレの種目を知らなければいけません。

そして、筋トレをおこなう場所によってもできる種目は変わってきます。たとえばプッシュアップは自分の体重を負荷として利用するため、場所を選ばず自宅などでも実践できます。それに対してベンチプレスは、専用の器具が必要なためジムにいく必要があります。

ここでは自宅でもできる筋トレの種目と、ジムでおこなう筋トレの種目をご紹介します。両方を使い分けることで、効率の良い筋トレメニューの実践に役立ちます。

自宅でも出来る筋トレ

まずは場所を選ばず、器具がなくてもおこなうことができる筋トレを紹介します。自宅の限られた器具でも、正しくおこなえば筋肉にしっかりと負荷をかけることができます。

プッシュアップ

プッシュアップとは、腕立て伏せのことを指します。腕を鍛える種目であると間違えられがちですが、実は大胸筋を効果的に鍛えることのできる種目です。

両手を肩幅ぐらいについて床につき、胸の筋肉を使って身体を地面から垂直方向に押し上げます。

ブルガリアンスクワット

ブルガリアンスクワットは、高さのある台を用いて片足づつスクワットをおこなう種目です。普通のスクワットを自宅で行っても負荷が弱く物足りなく感じる人にオススメです。

関連記事:ブルガリアンスクワットを山本義徳先生が徹底解説!

クランチ

クランチは腹筋を鍛える種目です。仰向けになった状態で、みぞおちから上を丸め込むような動作で腹直筋を鍛えます。通常は床の上でおこないますが、写真のようにバランスボールを使うことでさらに強度が高くなります。

変形プッシュアップ(肩)

自重の筋トレで肩を鍛えるのは難しいものですが、ジムに行くことができない人は、変形プッシュアップを試してみましょう。大胸筋を鍛える筋トレであるプッシュアップを、肩に効かせるためにフォームを変えたのが変形プッシュアップです。

肘を外に張っておこなう、普通のプッシュアップは大胸筋に効く種目です。プッシュアップを肩に効かせるためには、指先を外に向けて手を床につき、肘を閉じた状態でおこないます。

アームカール

アームカールは、ダンベルまたはバーベルを用いて腕を鍛える種目です。自宅にダンベルやバーベルが無い場合は、水を入れたペットボトルやゴムチューブで代用することもできます。

手に持ったダンベルやバーベルを下ろした状態から肘を曲げることで上腕二頭筋を鍛えます。上腕二頭筋は力こぶを形成する筋肉です。大きく発達させることで太い腕を作ることができます。

関連記事:アームカールで腕を太くする方法を山本義徳先生が解説!

ジムで出来る筋トレ

筋肉は非日常的な刺激を受けることで発達します。ウエイトを足すことで自重トレーニング以上の強度の高い刺激を与えることができるジムでの筋トレが、身体を変える上では非常に効果的です。

ベンチプレス

ベンチプレスといえば筋トレの代名詞であり、筋トレ種目のBIG3の1つにも数えられています。大胸筋だけではなく、三角筋や上腕三頭筋も鍛えることができます。

関連記事:ベンチプレスを山本義徳先生が徹底解説!筋肥大に効くフォームとは?

スクワット

スクワットというと大抵の場合、肩にバーベルを担いだ状態でおこなうスクワットのことを指します。脚の筋肉と同時に全身の筋肉を使うことで高重量を扱うことが出来る種目です。

関連記事:スクワットを正しくおこなうための基本を山本義徳先生が解説!

ラットプルダウン

ラットプルダウンは主に広背筋を鍛える筋トレです。始めたばかりのうちは、広背筋を意識することが難しいものですが、両手を上げた時に脇の下が伸びているのを感じることと、引くときに肘を骨盤に近づけ、同時に胸を張る意識をすることがコツです。

関連記事:ラットプルダウンで逆三角形の背中を作る!山本義徳先生が解説

サイドレイズ

両手に持ったダンベルを、腕を下ろした状態から真横にあげる動作をすると、肩の筋肉である三角筋を効果的に鍛えることができます。

関連記事:山本スペシャルでサイドレイズがさらに効く!山本義徳先生オリジナルメソッドを解説

デッドリフト

デッドリフトは、背中の筋肉を中心として背面から見える筋肉を全体的に鍛えることができます。バーベルを床から引く、床ひきデッドリフトをおこなえば脚や臀部の筋肉も効果的に鍛えることができます。逆に脚には効かせずに背中だけに集中したい場合は、パワーラックを利用した、ハーフデッドリフトをおこなうと良いでしょう。

関連記事:デッドリフトで腰を痛めないように”背中”を鍛える!山本義徳先生がお伝えします!

初めての人にオススメ!筋トレメニューの例

実際にこれから筋トレを始める人のために、筋トレメニューをご紹介します。ここでは仮に、週2回ジムで筋トレを、そして週1回は自宅で筋トレをおこなう人を想定しています。

ジムでおこなうメニューとしては、やはり家ではできない筋トレを中心におこなうと良いでしょう。例えば背中の筋トレは、専用の器具が無ければ鍛えるのは難しいものです。

そしてジムでおこなう筋トレには、高重量を扱うことができるというメリットがあります。ジムに行くことができる日は高重量を扱う筋トレをおこない、家でおこなう筋トレでは自重でも効果的な刺激を得ることができるように、メニューを組立てていきます。

自宅でおこなう筋トレメニュー

自宅では、ジムでは鍛えきれない細かい部分を狙ったメニューをおこないます。ゴムチューブなどのグッズがあればさらに筋トレの質を高めることができます。

アームカール

ゴムチューブや水を入れたペットボトルなどを負荷として利用すれば、自宅でもアームカールをおこない上腕二頭筋を鍛えることができます。

キックバック

キックバックも、アームカールと同じくゴムチューブや水を入れたペットボトルを負荷として利用します。筋肉を縮めきったところで収縮を強く意識することで、同じ上腕三頭筋でもベンチプレスでは鍛えきれない部分に効果的な刺激をいれることができます。

クランチ

床に仰向けになっておこなうクランチで、腹直筋を鍛えます。もしバランスボールが自宅にあればボールクランチをおこなうことでより強度を高めることができます。

ジムでの筋トレメニューその1

ベンチプレス

初めてトレーニングをおこなう人も、まずはベンチプレスに挑戦してみましょう。ベンチプレスは人気種目のため「ベンチ台」と呼ばれるベンチプレス専用の器具があります。初心者にとってはフォームの習得が難しいですが、ベンチプレスのような動きの軌道が不安定であるトレーニングにも早く慣れておくことで、最終的には筋肉を増やす上での近道となります。

ベンチプレスをおこなうことで、大胸筋(胸)・三角筋(肩)・上腕三頭筋(腕)を鍛えることができます。

チンニング(懸垂)またはラットプルダウン

背中の筋トレとしてオススメしたいのはチンニング(懸垂)です。チンニングスタンドと呼ばれるぶら下がるためのグリップがついた器具を使用します。

筋力がまだない初心者や女性の場合はチンニングが出来ない可能性があります。その場合は、ラットマシンを使ったラットプルダウンを代わりにおこなっても良いでしょう。

スクワット

脚の筋トレにはスクワットをおこないます。多くのジムにはパワーラックと呼ばれる器具が設置されています。パワーラックを利用することで、高重量のバーベルでも簡単に肩に担ぐことができるため、無駄な労力を使うことなくスクワットに集中することができます。

ジムでの筋トレメニューその2

2回目のジムでのトレーニングは、上でご紹介したメニューではうまく鍛えられない部分を補う種目をおこないます。

インクラインベンチプレス

通常のベンチプレスは、大胸筋の中部と下部に効きやすいという特徴があります。インクラインベンチプレスをおこなうことで、ベンチプレスでは効きづらい大胸筋の上部を鍛えることができます。慣れてきたら、より難易度の高いダンベルを用いたダンベルインクラインベンチプレスにも挑戦してみましょう。

関連記事:インクラインベンチプレスで大胸筋上部を刺激する!山本義徳先生が解説

プーリーロウ

プーリーロウとは、ケーブルマシンに付けたハンドルを両手で握り、みぞおちに向かって引く動作をする種目です。1日目でチンニングまたはラットプルダウンによって、腕を上から下に引く動作で広背筋を鍛えました。

プーリーロウでは、前から後ろに向かって引く動作をすることで、また違った角度から背中に刺激を入れます。

レッグプレスまたはハックスクワット

スクワットの代わりにレッグプレスまたはハックスクワットと呼ばれる脚を鍛えるマシンを使ったトレーニングを取り入れてみましょう。レッグプレスとハックスクワットはいずれも上半身を背もたれに預けるためバランスが安定しやすく、より脚の動きに集中することができます。

トレーニングプログラムの考え方

上記では、初めて筋トレをおこなう人を想定した、全身を1日で鍛える筋トレのメニューの一例をご紹介しました。少し続けて筋トレに慣れてきたら、今度は分割法でメニューを組むことをオススメします。なぜなら、トレーニングの技術が上がると筋肉により強い刺激を与えることができるようになり、次のトレーニングまでに筋肉の回復が追いつかなくなってしまうためです。

身体をパーツごとに分けて考えてトレーニングをおこなうことを、トレーニングの分割法と呼びます。分割法には筋トレの目的に応じたさまざまなやり方が存在しますが、ここでは初めて分割法をおこなう人でもやりやすい、全身を2つに分けておこなう分割法の筋トレメニューをご紹介します。

例えば、Aの日のメニューとBの日のメニューに分けるとして、胸・肩・腕の筋トレをAの日におこない、脚・背中をBの日におこなうような分け方が一般的です。

それぞれの種目を2〜4セットずつ、8〜12回が限界になるような重さを目安におこなってください。

関連記事:筋トレの分割法を山本義徳先生が解説

Aの日の筋トレのメニュー例

ベンチプレス

ディップス

サイドレイズ

アームカール

Bの日の筋トレのメニュー例

デッドリフト

ラットプルダウン

レッグプレス

レッグエクステンション

筋トレを始めたら意識したい食事メニュー

筋トレの効果を高めるためには、忘れずに意識したいのが食事のメニューです。

まず一番押さえておきたい点としては、タンパク質をしっかりと摂取することです。そしてタンパク質をしっかりと摂るかわりに、油物は控えめにします。

普通はタンパク質を多めに摂ると、あまりお腹が空かなくなりご飯などの主食を減らしてしまいがちでです。しかし、主食を減らすのではなく、おかずなどに含まれる脂質を減らした方が胃腸への負担も少なく、タンパク質の消化・吸収もうまくできます。

筋トレ初心者こそサプリメントを活用しよう

食事から摂ることのできるタンパク質の量だけでは、筋肉を成長させるためには不十分な場合が多いものです。筋トレの効果が出やすい、始めたばかりの時期のアドバンテージを逃さないためにも、プロテインを飲んで食事から摂りきれない分のタンパク質を補いましょう。

プロテインを飲むのに良いタイミングは、トレーニングの前後や就寝前です。食事からの栄養が補給できない時間を埋めるようにして飲むと良いでしょう。

また、クレアチンやマルチビタミンなどのサプリメントを積極的に活用するのも良いでしょう。クレアチンは筋肉が瞬発的に力を発揮するときにエネルギーを作るサポートを、マルチビタミンは体内の代謝をサポートする役割があります。

関連記事:山本義徳が徹底解説!クレアチンが筋肉にもたらす効果

まとめ

この記事では、筋トレを始めたばかりの人にオススメのメニューをご紹介しました。これから筋トレを始める人はぜひ参考にしてください。

適切な筋トレのメニューを組んで実践すること、食事のメニューを整えること、そしてきちんと休息を取ることで筋肉は発達していきます。まずは3ヶ月筋トレに取組んで、これからどんどんと筋肉を発達させていく上での基礎を作り上げてください。

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

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