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筋トレは毎日してはいけない?理由と正しい頻度を解説

より良い効果を求めて筋トレを毎日やっても、筋肉が発達するどころか逆効果にすらなってしまう可能性があることはご存知でしたか?筋トレは毎日しなければならないものだと思い込みがちな真面目な性格の人が陥りやすい、落とし穴が存在します。

この記事では、筋肉の発達のメカニズムに基づいた筋トレを毎日やってはいけない理由と、適切な筋トレ頻度について山本義徳先生がご紹介します。

筋トレを毎日してしまう理由

なぜ筋トレを毎日やってしまうのでしょうか?それは毎日やらなければいけないという思い込みが強い場合や、毎日おこなう筋トレ方法があることが関係しているかもしれません。

筋トレを毎日やってしまう人の特徴

成果が早く欲しいと焦りがちな人は、筋トレを毎日やりたい気持ちに駆られてしまうこともあるかもしれません。また、真面目な性格をしている人ほど、筋トレは毎日やらなければいけないものだという思い込みをしている傾向が強いようです。

毎日やる筋トレが流行したことも

毎日をおこなう筋トレ方法が存在することも、筋トレは毎日やらなければいけないと言う誤解の元となっているかもしれません。エブリベンチとは、毎日ベンチプレスをおこなうことで、ベンチプレスの記録を伸ばすことを目的とした筋トレ方法です。雑誌で取上げられたことをきっかけに一時期大流行したものの、あまり効果がなかったためにすぐに流行は廃れてしまったといいます。

筋トレを毎日やってはいけない理由

毎日やらない方が、筋トレの効果が出やすいのはなぜでしょうか?それには筋トレによって筋肉が発達するメカニズムが関係しています。

筋肉はストレス(負荷)によって発達する

ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。つまり筋トレの負荷は身体にとってストレスとなります。

そして、筋トレを続けると筋肉が大きくなるのは、身体がストレスに対応して変化しようとする現象である「ストレス応答」によるものです。

重いバーベルやダンベルなどの負荷を持ち上げて、非日常的なストレスが身体にかかることで筋肉は大きくなっていきます。しかしそのストレスは大きければ大きいほど良いというものではありません。

オーバーワークが発達を妨げる

筋トレをおこない筋肉を発達させる上で「オーバーワーク」に陥らないように気をつけましょう。オーバーワークとは、筋トレをやりすぎることにより、筋トレの刺激によるストレスが身体の回復力を上回ってしまい、筋肉の発達が妨げられてしまう現象のことです。

オーバーワークの原因として考えられるのが、筋トレを長時間やりすぎてしまうことや、毎日休みなくおこなってしまうことです。

関連記事:オーバーワークの人は筋トレを見直すべき。筋肉痛からわかるトレーニングの改善方法

正しい筋トレの頻度

オーバーワークを避けるためには、同じ部位の筋トレは最短でも3日は次の筋トレまで頻度を空けるべきです。また、分割法を使って日ごとに鍛える部位を変えることで連日筋トレをおこなうこともできます。

筋トレの頻度は短くとも3日は空ける

筋トレをして筋肉にストレスを与えたら、次の筋トレまでは頻度を空ける必要があります。ストレスを与えた筋肉は合成が促進されていますが、同時に筋肉の分解が起きやすい状態でもあります。まだ筋肉が回復しきっていないときに次の筋トレをおこなってしまうと、筋肉の合成よりも分解が上回った状態になってしまい、逆効果になってしまいます。

筋肉にしっかりと負荷を与えたら、筋肉の合成と分解が盛んな状態が72時間は続くと言われています。そのため最短でも3日ほどは次の筋トレまでは頻度を空ける必要があるということになります。筋トレの熟練度が上がり、狙った筋肉にしっかりと効かせられるようになったら、4日から5日空けた頻度でおこなうのが良いでしょう。

分割法で筋トレする場合

分割法とは、身体を部位別に分けておこなう筋トレの方法のことです。1回の筋トレで全身の筋肉を鍛えることはせずに、胸・肩・背中・脚・腕などの部位に分けて1部位のみ、あるいは複数の部位を組合わせた筋トレをおこないます。

この分割法を取り入れることで例えば、胸の筋トレをおこなった次の日に続けて背中の筋トレをしてもオーバーワークを避けることができます。

1回の筋トレで特定の部位に集中することができるため、筋トレ歴が長い上級者ほど分割法を好んでおこなう傾向があるようです。1回の筋トレの種目数が多くなってきて、時間が長くなりがちな人は分割法を取入れてみても良いでしょう。

関連記事:筋トレの時間に関する疑問を解決!ベストな時間帯は?長時間やると良くない?

また、分割法で筋トレをする場合でも、同一の部位は3日から5日は空けるという基本は同じです。

分割法でも毎日おこなうのは避ける

分割法を取り入れている場合であっても、毎日休みなく筋トレをおこなうのは避けましょう。週に1,2日は完全休養の日を設けることで、身体に疲労が蓄積しパフォーマンスが低下するのを防ぐことができます。

筋トレのために毎日やらなければいけないこと

前述した通り、筋トレを毎日おこなうのは避けましょう。しかし、筋トレをいつもパフォーマンス高くおこなうためには、毎日気をつけたいことがあります。

毎日の食事

筋トレは毎日おこなわなくても、食事は誰もが必ず1日複数回は食べるものです。炭水化物・脂質・たんぱく質の3つは三大栄養素と呼ばれ、身体活動のエネルギー源や身体を構成する材料になります。そして、筋肉の発達のためにはこの三大栄養素をいずれも欠かすことはできません。

栄養が不足しないよう、毎日の食事をしっかり摂ることが、筋肉を発達させる上では絶対に必要な条件です。

筋トレをしない日もたんぱく質は毎日必要

三大栄養素の中でも、筋トレをする人が特に重要視したいのがたんぱく質です。なぜなら、たんぱく質は身体のあらゆる組織の材料として使われており、筋肉の材料でもあるからです。

筋肉をつけたい人は、当然普通の人よりも多くのたんぱく質が必要です。具体的な量としては1日に体重1kgあたり2gのたんぱく質を毎日摂る必要があると言われており、これは一般的な成人が健康を維持するための必要量の2倍ほどに相当します。

たんぱく質を毎日摂らないと?

たんぱく質の摂取が重要視される理由の1つに、意識しないとなかなか必要量を摂取することができないことがあげられます。一般的な食生活をしていれば、炭水化物と脂質が不足してしまうことはまずありません。むしろ摂りすぎになってしまい、肥満や生活習慣病に悩まされる人も少なくないのが事実です。

しかしたんぱく質に関しては、意識して肉・魚・卵などをたくさん食べないとなかなか必要量を満たすことはできません。日本人は米を主食とし、さらには一汁三菜の食事が健康に良いとしているため、どうしてもたんぱく質が不足しがちです。

だからと言ってたんぱく質が不足した食事を続けてしまうのは良くありません。せっかく筋トレをして筋肉の合成が盛んな状態になったとしても、筋肉の材料であるたんぱく質が足りなければ、結局は筋肉の分解が合成を上回ってしまいます。

せっかくの筋トレを無駄にしないためにも、筋トレをする日もしない日も、毎日たんぱく質の必要量を満たし続ける必要があります。

プロテインを活用しよう

体重が重く、筋肉量が多い人ほどたんぱく質も多く必要です。しかし、あまりにたんぱく質の必要量が多くなると、それらすべてを食事から摂るのが難しくなってくるでしょう。そんなときに積極的に活用したいサプリメントがプロテインです。

プロテインであれば水に溶かすだけで簡単にたんぱく質を摂取することができ、余計なカロリーを摂りすぎることなく、十分な量のたんぱく質を補うことができます。

毎日の休養・回復のための習慣

筋トレや食事と比べると、休養をとり身体を回復させることの重要性は軽視されがちです。しかし、しっかりと身体を回復させておくことが、筋トレのパフォーマンス向上に繋がることはいうまでもありません。

身体を回復させるために手軽に取り入れることができる習慣をご紹介します。

水を多く飲む

筋トレによって身体に疲労が溜まる理由の一つとして、血液の循環が滞っていることが挙げられます。筋肉に溜まった疲労物質や発痛物質を体外へ排出するためには、水をたくさん飲むことで血液の量を増やして循環させることが重要です。

1日に2〜3リットルを目安にすれば、摂りすぎに陥ることなく十分な水分補給をすることができます。

自律神経のバランスを整えよう

自律神経とは体内の活動を調整する神経のことで、交感神経と副交感神経に分けることができます。日中の活動的な時間帯や筋トレ中などは交感神経が優位に働いており、逆にリラックスしているときや睡眠時は副交感神経が優位に働きます。

身体の回復を促すためには交感神経が活発な状態から、副交感神経が優位な状態へのスムーズな切り替えが必要になります。

交感神経から副交感神経への切替えに有効なのが、半身浴です。筋トレをした日の寝つきが悪い、または胃もたれがしやすいという人は、筋トレ後に38度くらいのぬるめのお湯での半身浴を試すと良いでしょう。

また、日々の生活リズムを規則正しく整えることも、自律神経のバランスを整える上では重要です。毎日の起床時間と就寝時間を同じ時間にするだけでも、生活リズムが整いやすくなり、活発な時間と回復が促進される時間のメリハリが生まれやすくなります。

まとめ

筋トレを毎日やってしまうと、オーバーワークに陥ってしまい筋トレが逆効果にもなりかねません。オーバーワークに陥ることなく、効率よく筋肉を発達させていくためには、同一部位の筋トレを短くとも3日は空けるようにしましょう。筋トレに慣れてきたら分割法を取入れることで、連日筋トレをおこなうことも可能です。

毎日食べる食事に関しては、まずはたんぱく質が十分な量摂取できているかを意識しましょう。そして、多めの水分摂取や自律神経のバランスを整えることを毎日意識し、いつでも筋トレで十分に力を発揮できるコンディションを整えておくことも非常に重要です。

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

【You Tube】
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