筋肉量の増加にオススメのプロテインは、ホエイプロテインです。しかし、ホエイプロテインは製法によってさまざまな種類に分けられるため「どれを選べば良いかわからない」と悩む人も少なくありません。
この記事では、ホエイプロテインの種類と、効果や目的に合った選び方についてご紹介します。ホエイプロテインの意外なデメリットも解説するので、自分に合ったプロテインを探している人はぜひ参考にしてみてください。
ホエイプロテインとは?
ホエイプロテインは、牛乳を原料とする動物性のプロテインです。
かつては、牛乳からチーズを作る際に余る上澄として廃棄もされいた時代もありましたが、その物質にたんぱく質が豊富に含まれていることが発見され、現在では多くのプロテインサプリメントの原料として利用されています。
ソイプロテインと比べて消化吸収が速いため、トレーニングで栄養補給を素早くおこないたい人に最適です。
ホエイプロテインは母乳の成分にも近く、低カロリーながら栄養が凝縮されています。
必須アミノ酸のBCAAが豊富に含まれており、たんぱく質を合成するシグナルが送られることから、筋たんぱく質の合成(アナボリック)の作用が強いのが特徴です。
「筋肉を作りたい」「身体を大きくしたい」という場合にベストなプロテインといえるでしょう。
ホエイプロテインには身体の免疫機能を高める成分も含まれているため、健康維持のためにプロテインを飲むという人にもオススメです。
プロテインの種類や効果の違いについて、詳しくは以下の記事でも解説しています。
ホエイ・カゼイン・ソイの違い
プロテインには、ホエイプロテインのほかに、カゼインプロテイン・ソイプロテインという種類があります。それぞれの違いは以下のとおりです。
原材料 | 吸収速度 | 摂取タイミング | |
ホエイプロテイン | 牛乳 | 速い(1~2時間) | 運動の前後 |
カゼインプロテイン | 牛乳 | 遅い(7~8時間) | 就寝前・間食 |
ソイプロテイン | 大豆 | 遅い(5~6時間) | 就寝前・間食 |
ホエイプロテインの種類
ホエイプロテインは、製法別に3つの種類に分けられます。どの種類を選ぶかによって期待できる効果も異なるため、以下で紹介する選び方のポイントを意識してみましょう。
WPC
WPCとは「Whey Protein Concentrate」の頭文字をとったもので、濃縮乳清たんぱく質とも呼ばれています。
原料の乳清(ホエイ)を濃縮膜処理法という方法でろ過したうえで、液体を濃縮して作られており、たんぱく質含有量は約70%です。乳清に含まれるビタミン・ミネラルを多く残せるメリットがあります。
VALXでもWPCプロテインを販売しています。たんぱく質含有量78%以上を実現しつつ、価格は抑えめ(1杯90円ほど)になっています。
WPI
WPIは「Whey Protein Isolate」の略で、分離乳清たんぱく質とも呼ばれています。
WPC製法で作ったたんぱく質をイオン交換法という方法で分離させることで、たんぱく質以外の成分をほとんど除去できるため、たんぱく質の含有量は85~90%と高濃度です。ただし、WPIは多くの製造工程を要するため、価格が割高な傾向にあります。
VALXのプロテイン製品は、品質の高さや効果を期待する人には特にオススメです。
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、たんぱく質を90%以上含有しているため、バルクアップを目指す人に適しています。
WPH
WPHは「Whey Protein Hydrolysate」の略で、加水分解乳清たんぱく質・ペプチド・加水分解ペプチドとも呼ばれています。
加水分解とは、酵素や酸によってたんぱく質を吸収しやすく加工することで、ペプチドはアミノ酸が50個より少ない数で結合している状態です。WPHのプロテインはアミノ酸に近い大きさになっているため、ホエイプロテインのなかで最も消化吸収に優れています。たんぱく質の含有量も約95%と最も多く、価格も割高な傾向にあります。
プロテインの種類や効果の違いについて、詳しくは以下の動画もあわせてご覧ください。
ホエイプロテインの効果・メリット
ホエイプロテインを飲むことで、以下の効果やメリットが期待できます。
体内への吸収が速い
ホエイプロテインにおける最大の魅力は、筋肉の合成に欠かせないたんぱく質を素早く吸収できることです。
例えば、肉・魚などの食品によって血中アミノ酸濃度を上げる場合、たんぱく質をアミノ酸に分解し小腸で吸収するまでに、2時間以上かかるのが一般的です。これに対して、不純物を取り除くことでたんぱく質含有量を高めたWPI(ホエイプロテイン アイソレート)の場合は、1時間ほどで吸収できます。
吸収に5~6時間かかるソイプロテインや、7~8時間かかるカゼインプロテインなどと比べると、ホエイプロテインの吸収速度が非常に速いことがわかります。
筋肉の修復サポート
消化吸収が速いホエイプロテインは、トレーニング後の筋肉を修復させるうえでオススメの種類です。
筋トレなどの運動をすると、筋肉合成が活発になるとともに、筋肉の分解や損傷も始まります。したがって、トレーニングによって筋肉を増やすには、ホエイプロテインで血中アミノ酸濃度の高い状態を維持し、筋肉を壊さない・減らさない工夫が必要です。
肉や魚などの食品や、ソイプロテイン、カゼインプロテインといったほかのたんぱく質摂取の方法では、消化吸収までにかなりの時間がかかってしまいます。
また、トレーニング時間から逆算して食事をする場合、筋肉修復につながる理想的なタイミングがわからなくなることもあるでしょう。
そのため、効率的に筋肉を増やす目的でたんぱく質摂取のプランニングをする際は、摂取から1時間ほどで消化吸収できるホエイプロテインの活用がオススメです。
免疫力の向上
ホエイプロテインから摂取できるたんぱく質には、筋肉を増やしたり修復のサポートをしたりする以外にも多くの効果があります。なかでも特に注目したいのは、免疫力アップにつながる役割です。
ホエイプロテインのたんぱく質は、体内での病原菌の繁殖を抑え、除去する働きを担う免疫グロブリン・αラクトアルブミン・ラクトフェリンなどを含んでいます。
ただし、免疫力はたんぱく質さえ摂っていれば高まるものではありません。高い免疫力を維持するためには、ホエイプロテインのたんぱく質とともに、以下のような栄養素をバランス良く摂取する必要があります。
・ ビタミンA:粘膜の働きを整える
・ ビタミンB6:免疫機能をサポートする
・ ビタミンC:白血球の働きをサポートする
・ 食物繊維:腸内環境を整える など
ホエイプロテインにもデメリットはある?
必須アミノ酸のBCAAを多く含み、筋肉量アップの効果が期待できるホエイプロテインですが、人によってはデメリットと感じる面があります。
お腹の調子が悪くなる場合がある
ホエイプロテインは牛乳が原料のため、乳糖が含まれています。乳糖を消化するにはラクターゼという酵素が必要ですが、ラクターゼが欠乏している乳糖不耐症の場合は乳糖をうまく消化できず、胃痛・下痢・お腹の不調につながる可能性があります。
乳糖不耐症の可能性がある人が筋力トレーニングをおこなう場合は、乳糖含有率を抑えたWPI製法のホエイプロテインを選びましょう。
また、WPH製法のホエイプロテインは、消化吸収が非常に速く、浸透圧性の下痢が起こりやすい種類です。消化吸収が速いと腸内のプロテインの濃度が急激に高まり、それを薄めようと浸透圧の作用で腸が水分を多く取込もうとします。腸内の水分量が増えた結果、下痢が起こる仕組みです。
乳糖不耐症や浸透圧性の下痢については、以下の動画もあわせてご覧ください。
腹持ちが良くない
ホエイプロテインは、ソイプロテイン・カゼインプロテインと比べて消化吸収に優れています。つまり、お腹の中に長くはたまらないため、腹持ちはあまり良くありません。
「減量中で空腹が気になる」「就寝中の栄養枯渇を防ぎたい」などの目的がある場合は、ホエイプロテインと別の種類のプロテインを併用するのがオススメです。
乳製品アレルギーが起こることがある
まれに、乳製品アレルギーの人がホエイプロテインにもアレルギー反応を示す場合があります。乳製品アレルギーの多くは子どもに見られる症状ですが、大人でも発症する可能性があるので注意が必要です。
アレルギー症状は腹痛・嘔吐・吐き気・口内炎・皮膚の赤み・かゆみ・鼻水・鼻詰まり・咳など、多岐にわたります。乳製品アレルギーを持っている人は、ホエイプロテインの摂取を控えるようにしましょう。
ホエイプロテインを飲むタイミング
筋肉を増やすためにホエイプロテインを役立てるには、以下のタイミングで飲むのがオススメです。
運動前
筋力トレーニングをおこなううえで最も大事なタイミングは、「運動の60~70分前」です。ホエイプロテインの消化吸収には1時間ほどを要するため、このタイミングで摂取しておけば、筋肉のエネルギーになる血中アミノ酸の濃度をトレーニング前に最大化できるでしょう。
運動前に飲むホエイプロテインには、筋肉の分解を抑え、修復をスムーズにする役割もあります。これまでのトレーニングで増えた筋肉を壊さないためにも、必ず運動の60~70分前にホエイプロテインを摂取しておきましょう。
間食
1日3回の食事だけでは、空腹時に血中アミノ酸濃度が下がる可能性があります。しかし、オフィスなどで仕事をしている場合、勤務時間中に固形食品からたんぱく質を摂取するのはむずかしいかもしれません。
そんなときには、水分補給をする感覚でホエイプロテインを飲むのがオススメです。間食として上手に取入れることで、空腹によるストレスに悩まされることなく、理想のボディを目指しやすくなるでしょう。
運動中はEAAがオススメ
長時間のトレーニングで、運動中も血中アミノ酸濃度をキープしたいときには、ホエイプロテインよりもEAAの摂取がオススメです。EAAの魅力は、およそ30分でアミノ酸が体内吸収されることにあります。
例えば、120分のトレーニングをする場合に、運動中にプロテインを活用しようと考えると、終了時間を逆算して早めに飲みきる必要があります。一方、EAAならたったの30分で吸収されるため、運動中に水分補給をする感覚でゆっくり摂取できるのです。
長時間のトレーニングを習慣化したい場合は、ホエイプロテインだけでなくEAAも上手に活用すると良いでしょう。EAAについて、詳しくは以下の記事でも解説しています。
オススメのホエイプロテインは山本義徳先生監修の「VALX」
ホエイプロテインをお探しの場合は、山本義徳先生がプロデュースするVALXの商品がオススメです。
山本義徳先生は、メジャーリーガーやJリーガーなどアスリートの指導もおこなう有名なトレーナーです。30年以上の指導歴があることから、トレーナー界のレジェンドとも呼ばれています。山本義徳先生ご自身もボディビルダーであり、国内外のボディビル大会での優勝経験も豊富です。
2019年4月開設のYouTubeチャンネル「山本義徳 筋トレ大学」では、エビデンスに基づくサプリメントやプロテインの飲み方、トレーニング方法などを紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
山本義徳 筋トレ大学の登録はこちらから
山本義徳 筋トレ大学
VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、ホエイから炭水化物・脂肪などを取り除くことで、90%以上のたんぱく質含有率を実現しています。
6種類のフレーバーで飽きずにおいしく飲めるうえに、溶けやすさにもこだわっており、プロテイン特有の泡立ちやダマが生じにくいのが特徴です。
ほとんどの乳糖を取り除いた高品質なWPI(ホエイプロテイン アイソレート)を100%使用しているため、牛乳でお腹を下しがちな人にもオススメできます。
VALX ホエイプロテイン
『VALX ホエイプロテイン』は、プロテインパウダーに求められる条件である「おいしさ・溶けやすさ・低価格」をすべて満たしたVALXの自信作で、Amazon新着ランキング1位を獲得したプロテインです。非常に高いたんぱく質含有率でありながら、リーズナブルな価格を実現しています。ホエイプロテインにありがちな粉っぽさや泡立ちも抑えられており、初心者でも簡単に取入れられるアイテムです。
おいしさにこだわった以下の7つのフレーバーから、好みに合わせて選べます。
・ チョコレート風味
・ ベリー風味
・ ヨーグルト風味
・ カフェオレ風味
・ バナナ風味
・ レモネード風味
・ 抹茶風味
『VALX ホエイプロテイン』に豆乳やヨーグルトなどを加えて、アレンジを楽しむのもオススメです。
まとめ
ホエイプロテインは牛乳が原料の動物性プロテインで、製法によってWPC・WPI・WPHの3種類に分けられます。
ホエイプロテインは筋肉の合成作用が強く、トレーニングにオススメのプロテインです。ただし、お腹を下しやすい人や腹持ちを重視したい人には合わない可能性もあるので、特徴を十分に理解しましょう。
プロテインは別の種類と組合せることで、相乗効果が期待できるといわれています。ホエイプロテインをベースに、目的に合ったプロテインを併用すると良いでしょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。
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