シトルリンはスーパーアミノ酸と呼ばれ、血流の促進や運動パフォーマンスの向上などの効果が期待できる成分です。
筋トレをおこなう際、シトルリンはいつのタイミングで摂取すれば良いのでしょうか。筋トレをおこなう前がいいのか、筋トレを終えた後がいいのか、頭を悩ませているトレーニーも多いでしょう。
この記事では、筋トレの効果を引き出すためのシトルリンの摂取タイミングを紹介します。運動パフォーマンスを向上させ、効果的なトレーニングで筋力アップを図るためにぜひ役立ててください。
シトルリンとは?
シトルリンは、1930年に日本の研究者がスイカの果汁から発見したアミノ酸で、スイカの学名「シトルラス ブルガリス」からこの名前がつけられました。ヒトの身体にも存在している成分で、たんぱく質の構成要素ではない遊離アミノ酸(たんぱく質を構成せず、細胞や血液中に蓄えられるアミノ酸)に分類されています。
シトルリンは、体内に発生したアンモニアを尿素に変換するためにおこなわれる「尿素回路(オルニチン回路)」のプロセスで使われるアミノ酸なので、ワークアウトをする人だけではなく、だれもが摂取すべき栄養素です。
またシトルリンは、アミノ酸の一つであるアルギニンとも深い関係性を持っています。アルギニンが酵素と反応すると一酸化窒素(NO)とシトルリンを作り出し、シトルリンも同様に代謝の過程でアルギニンを作り出します。
アルギニンは筋肉のたんぱく質を構成するアミノ酸のため、シトルリンもワークアウトの際には欠かせない成分と言えるでしょう。アルギニンの活性化をサポートする機能を持っているのがシトルリンです。
シトルリンの効果
スーパーアミノ酸とも呼ばれるシトルリンには、次の3つの効果があります。
アンモニアの除去
シトルリンは、体内に発生したアンモニアを尿素に変えるための尿素回路(オルニチン回路)の代謝活動に関わっています。
シトルリンが不足するとアンモニアの処理が十分にできないため、肝臓に負担がかかります。肝臓でアンモニアが処理できなかった場合は、代わりに腎臓がその役割を担います。
このようにシトルリンは尿素回路を活性化させる役割を担っているため、シトルリンを十分に補うと肝臓と腎臓を健やかに保つ事につながります。
血流促進
アルギニンと酵素が反応すると、シトルリンと一酸化窒素(NO)が作り出される事を「NO(一酸化窒素)サイクル」といいます。
一酸化窒素には、血管拡張して血流を良くする効果があります。血流が良くなると、体内に酸素や栄養素がいきわたって老廃物の排出が促進されるため、身体のコンディションが整うと考えられています。
運動パフォーマンス向上
シトルリンによる運動パフォーマンス向上を断言するにはまだ十分ではないものの、実際にシトルリンの摂取によって、運動パフォーマンスの向上が見られたという試験結果がいくつかあります。
その試験結果によれば、シトルリンを摂取すると、運動時に発生する乳酸値が低下し、運動パフォーマンスの向上などの効果が期待できるそうです。
筋トレ前?あと?シトルリンの最適な摂取タイミング
シトルリンの最適な摂取タイミングは、ワークアウトの1時間前を目安にすると良いでしょう。
シトルリンはヒトの体内に存在するアミノ酸で、なおかつ食品から発見された成分です。医薬品でもないため「これくらい摂取すれば効果がある」「これ以上摂取すると体調不良や副作用のリスクがある」など、明確な摂取方法は定まっていません。
食品安全委員会の見解によると、サプリメントや食品から摂取すべきシトルリンの1日分の目安は800mgとされています。筋トレのためにサプリメントなどで摂取する際には、サプリメントなどに記載された1日摂取目安量を参考に摂取しましょう。
筋トレなどの運動パフォーマンス向上・持久力アップなどの効果を期待したい場合は、サプリメントが体内に吸収される時間を考慮する必要があります。最初にのべたように、トレーニングの1時間前に摂取するのが最適です。
まとめ
スーパーアミノ酸と呼ばれるシトルリンには、アンモニアの除去・血流促進・運動パフォーマンス向上の3つの効果があります。
アルギニンの働きをサポートして、トレーニングのパフォーマンスアップが期待できるので、トレーニングの持続につながり、長い時間トレーニングをする事で筋力をつけるのにも効果が出ます。
シトルリンの最適な摂取タイミングは、筋トレを始める1時間前です。筋トレなどの運動パフォーマンス向上・持久力アップなどの効果を出すには、シトルリンが体内に吸収される時間を考慮し1時間前に摂取しましょう。
食品安全委員会の見解によると、サプリメントや食品から摂取すべきシトルリンの1日分の目安は800mgとされています。筋トレのためにサプリメントなどで摂取する際には、サプリメントなどに記載された1日摂取目安量を参考に摂取しましょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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