トレーニング効果を高める方法として、EAAサプリメントやBCAAサプリメントの摂取が広まっています。BCAAは、トレーニング効果を高めるためのサプリメントとして以前からある程度有名でした。一方、EAAにはまだBCAAほどの知名度がありませんが、海外ではEAAを摂取するトレーニーが増え、日本でも少しずつ普及してきました。
このような状況で、「EAAとBCAAはどちらが効果的なのだろう」「併用すべきなのだろうか」と疑問に思う人も多いでしょう。
そこで今回の記事では、EAAとBCAAを併用すべきなのか、どちらがおすすめなのかなどを解説していきます。
EAAとBCAAの共通点・違い
EAA・BCAAには共通点もありますが、相違点もあります。共通する部分と異なる部分を知ることで、両者の特徴がはっきり理解できるはずです。
EAA・BCAAはどちらもアミノ酸を摂取できるサプリ
EAAサプリメントとBCAAサプリメントは、どちらもアミノ酸を摂取できるサプリメントです。さらに詳しくいえば、EAAサプリメントとBCAAサプリメントは両者とも、体内では作り出せない必須アミノ酸を含んでいます。
では、なぜこれらのアミノ酸サプリメントがトレーニング効率を上げるといわれているのでしょうか。
アミノ酸はたんぱく質を構成するパーツです。食事やプロテインから摂取したたんぱく質は、消化器官でアミノ酸に分解されてから吸収されます。吸収されたアミノ酸は、筋肉の合成などに使われます。
EAA・BCAAの強みは、プロテインと比べて、体内への吸収が速いことです。プロテインは体内でアミノ酸に分解される必要がありますが、EAAやBCAAは最初からアミノ酸の形をしているので、体内で分解する必要がなく、そのまま吸収されます。吸収スピードが速いということは、筋肉合成の材料をすばやく体内に届けられるということです。
強度の高いトレーニングや長時間に渡るトレーニングの場合、血液中のアミノ酸濃度が途中で低下することがあります。アミノ酸が不足すると、身体は筋肉を分解してエネルギーを得ようとします。筋肉の分解を防ぐには、トレーニング中にアミノ酸を補給してあげることが必要。そこで、吸収が速いEAAやBCAAが活躍します。アミノ酸をすばやく補給し、血中アミノ酸濃度を維持できるので、筋肉の分解を抑えて筋肉合成を促し、トレーニングの効果をしっかり保てるのです。
EAA・BCAAは摂取できるアミノ酸の数(種類)が異なる
EAAとBCAAはどちらも必須アミノ酸を摂取できるサプリメントですが、両者に含まれる必須アミノ酸の数(種類)は異なります。
EAAには、9種の必須アミノ酸がすべて配合されています。一方BCAAに含まれるアミノ酸は、必須アミノ酸のうちトレーニングに特化した成分であるロイシン・イソロイシン・バリンの3種類のみです。
必須アミノ酸(EAA) | 体内で期待される役割・効果 |
ロイシン(BCAA) | たんぱく質の合成、肝機能サポート、筋肉強化 |
バリン(BCAA) | たんぱく質の合成、肝機能サポート、血液中の窒素バランスの調整 |
イソロイシン(BCAA) | 成長促進、血管拡張、肝機能サポート、筋肉強化、神経機能サポート |
フェニルアラニン | 精神安定、食欲抑制、鎮痛効果 |
スレオニン | 成長・新陳代謝の促進、肝機能サポート |
ヒスチジン | 神経機能サポート、成長促進、慢性関節炎やストレスの緩和 |
トリプトファン | セロトニン生産サポート、安眠効果、精神安定 |
リジン | 肝機能サポート、免疫力向上、カルシウムの吸収促進、脳卒中の発症抑制、ホルモン・酵素の生成 |
メチオニン | アレルギーによるかゆみ軽減、肝機能サポート、抑うつ効果 |
必須アミノ酸はそれぞれ異なる役割を持っています。効率的な身体づくりを目指すなら、すべての必須アミノ酸をバランス良く摂取するのが理想的です。その意味で、トレーニングにはBCAAよりEAAのほうがオススメだといえます。
EAAとBCAAは併用すべき?
EAAには、BCAAに含まれるロイシン・イソロイシン・バリンも含まれているので、EAAとBCAAを併用する必要はありません。
もし複数のサプリメントを組み合わせたいなら、EAAとプロテインを併用するか、BCAAとプロテインを併用すると良いでしょう。
EAAには必須アミノ酸9種類が含まれているため「EAAだけ摂取すれば良いのでは」と思うところです。しかし、プロテインには非必須アミノ酸も含まれており、EAAにはない効果を期待できます。BCAAの場合も同様です。
また、EAAとBCAAはプロテインと違って体内で分解する必要がないため、すばやくアミノ酸を吸収できます。プロテインは吸収が遅い分、就寝前のようにしばらく栄養補給ができないタイミングでの摂取に向いており、腹持ちも良いのが特徴です。アミノ酸サプリメントとプロテインサプリメントは互いに短所を補い、長所を活かし合える関係なので、両方使うと効果的です。
EAAとBCAAのメリット・デメリット|結局どちらがオススメ?
ここまでの解説で、EAAとBCAAの役割や期待できる効果がお分かりいただけたかと思います。
次に、EAAとBCAAのメリット・デメリットを比較してみましょう。「EAAとBCAAのどちらを摂取しようかな」と迷っている人は、以下の解説をサプリメント選択時の判断材料としてください。
EAAのメリット・デメリット
EAAのメリットは、必須アミノ酸9種をバランス良く摂取できるところです。体内で生成できない必須アミノ酸をサプリメントで手軽にカバーできるのは、身体を作っていく上で大きなメリットです。
期待できる効果 | 必須アミノ酸の種類 |
筋肉の合成促進・分解抑制 | バリン、ロイシン、イソロイシン(BCAA) |
脂肪燃焼 | リジン、メチオニン |
脳機能の活性化 | トリプトファン |
成長のサポート | イソロイシン、スレオニン、ヒスチジン、リジン |
リラックス・安眠効果 | トリプトファン |
表からもわかるとおり、EAAには、BCAAに期待できる効果だけでなく、さまざまな効果が期待できます。脂肪燃焼、脳機能活性、筋肉の成長のサポート、リラックス安眠効果と、さまざまな面から身体機能向上を目指せるのがEAAの魅力です。
デメリットは、BCAAよりも価格が高いところです。サプリメントは継続的に摂取することが大切です。予算によっては、EAAを摂取し続けるのが難しいかもしれません。
BCAAのメリット・デメリット
BCAAのメリットは、EAAよりも安価なことです。サプリメントにかける費用を抑えたい場合は、BCAAを選ぶほうが無理なく継続できるでしょう。
一方、BCAAのデメリットは、必須アミノ酸のうち3種類しか摂取できないところです。EAAなら9種類の必須アミノ酸をすべて摂取でき、BCAAよりもさらに効率の良いトレーニングを目指せます。しかしBCAAではロイシン・イソロイシン・バリンの3種しか摂取できません。これら3つは、9種類の必須アミノ酸のなかでも特に筋肉の合成を促す効果が期待できるものではありますが、より高い効果を求める人には、すべての必須アミノ酸が含まれているEAAのほうがオススメです。
EAAとBCAAのどちらがオススメ?
EAAとBCAAそれぞれのメリット・デメリットを踏まえると、効率的なバルクアップを目指すのであればEAAがオススメだといえます。
BCAAは筋肉合成と分解抑制に特化したサプリですが、EAAには筋肉合成や分解抑制に役立つアミノ酸のほかに、脂肪燃焼・トレーニングの集中力アップ・リラックス効果が期待できるアミノ酸も含まれています。EAAであれば、BCAAの効果を含めたさまざまな効果が期待できるのです。
必須アミノ酸9種をすべて食事から摂取するには、さまざまな食材を取り入れた適切な献立を考えなければなりません。忙しい現代人にとって、毎食理想的な栄養バランスの食事を用意するのはなかなか難しいものです。そこでEAAを活用すると、手軽に9種の必須アミノ酸を補えます。食事で摂取しきれないアミノ酸を補うという意味でも、より多くの種類のアミノ酸が含まれるEAAのほうがオススメです。
EAAの飲み方は?
EAAサプリメントの飲み方や摂取タイミングについてご紹介します。飲み方とタイミングによって吸収効率が変わるので、EAAの効果を最大限に高めたい人はぜひ以下のポイントをチェックしてみてください。
水に溶かして少しずつ飲む
EAAは粉末状のサプリメントで、水に溶かして飲むのが基本です。身体に吸収されるのが速いEAAは、少量を何回かに分けて飲むことで、十分な効果が期待できます。
一度に一気に飲んでしまうと、大量のEAA成分が腸に送られます。そうなると、浸透圧性の下痢を引き起こすことになるので、たくさん飲みすぎないよう気をつけましょう。
EAAの摂取量は、総アミノ酸量で1回あたり10g~15gが目安。EAA摂取が少ないと期待する効果を得られず、多すぎると下痢を引き起こします。パッケージに目安摂取量が記載されている場合は、記載の分量で摂取するようにしてください。
摂取したいタイミング
EAAを摂取する上で押さえておきたいタイミングは、起床時・トレーニング前・トレーニング中の3つです。
起床時は、就寝中に低下した血中アミノ酸濃度を上げるため、早めに摂取した方が良いでしょう。アミノ酸濃度が低い状態が続くと、筋肉の分解が進んでしまいます。起きたらすぐにEAAを摂取し、アミノ酸濃度を上げることで、筋肉の分解を抑えましょう。
トレーニング前の摂取も、オススメの摂取タイミングです。トレーニングをしている途中で体内のアミノ酸が不足すると、身体は筋肉を分解してエネルギーに変えようとします。トレーニング開始時から効果を発揮するためには、開始の30分ほど前に摂取すると良いでしょう。
トレーニング中のEAA摂取も重要です。特に、強度が高いトレーニングや長時間のトレーニングをおこなう場合、途中でアミノ酸が不足しやすくなります。せっかく筋肥大させるべくトレーニングしているのに、アミノ酸不足で筋肉が分解されてしまっては損ですよね。ハードなトレーニングをするときは、トレーニング中にEAAを摂取しましょう。
効率的なトレーニングにオススメのEAAサプリメント
効率的なトレーニングを目指したい方へのオススメEAAサプリメントとして、『VALX EAA9(イーエ―エーナイン)』をご紹介します。
『VALX EAA9』は、数々のプロアスリートへの指導実績のある山本義徳先生が完全監修したサプリメント。効率的なEAA摂取を実現させるべく、各必須アミノ酸の配合比率にこだわりました。また9種の必須アミノ酸にプラスして、エナジー成分βアラニンも配合しています。
「EAAはまずい」というイメージを払拭するため、『VALX EAA9』では美味しさも追求しています。飲みやすく続けやすいサプリメントを目指し、シトラス風味・コーラ風味・パイナップル風味の3つの風味で仕上げました。多くのユーザーから「美味しかった」と声が集まり、飲みやすいEAAサプリとして人気上昇中です。
トレーニングの効果を高めたい人、EAA摂取を無理なく継続したい人は、『VALX EAA9』をぜひ試してみてください。
まとめ
今回は、アミノ酸サプリメントであるEAAとBCAAを比較しました。
EAAサプリメントは、必須アミノ酸9種をすべて含むサプリメントです。さまざまな必須アミノ酸の効果をすべてカバーしたいのであれば、EAAを選びましょう。価格はBCAAよりも高い傾向にありますが、コストパフォーマンスを考えると、EAAは優れたサプリメントといえます。
サプリメントは継続して摂取することが重要です。価格で見るとBCAAの方が安価で手に入るため、予算に限りがある場合はBCAAのほうが継続しやすいでしょう。
EAAかBCAAかで迷ったら、「価格重視か効果重視か」で決めてみてはいかがでしょうか。EAAの購入を検討している人は、『VALX EAA9』も選択肢に入れてみてください。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。
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