トレーニーにとって、筋肉量アップのために、たんぱく質を補給は欠かせないものです。
しかし、そのたんぱく質のアミノ酸スコアは何点か考えたことがありますか?
アミノ酸スコアは、たんぱく質を摂取するうえで必ず覚えておきたい知識です。アミノ酸スコアと聞いてピンとこない人はこの機会に理解を深めましょう。
この記事では、トレーニングと、効果的な栄養補給をして筋肉を増やすために欠かせないアミノ酸スコアについて解説します。
どの食材が筋肉に効果的なのか知りたい人は参考にしてください。
アミノ酸スコアとは
アミノ酸スコアとは、食品に含まれるたんぱく質と必須アミノ酸のバランスを表す指標のことです。
必須アミノ酸は、身体を構成するアミノ酸20種類のうちの9つのことです。
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
- リジン
- トリプトファン
- ヒスチジン
- メチオニン
- フェニルアラニン
- スレオニン
必須アミノ酸は体内では生成できない栄養素なので、食品などから摂取することになります。
アミノ酸は種類ごとに働きが異なり、一つのたんぱく質を生成するにも量と、種類、結合タイミングがそろわなければいけません。つまり一つでも不足すると、筋肉を作ることができないわけです。
筋肉を大きく、効率よく育てるためにはアミノ酸をバランス良く摂取しなければならず、バランス良く含まれている食品を選ぶ必要があります。
しかし、食品を見たところで成分表に書かれているのは、ほとんどがたんぱく質などの含有量のみです。それだけでは必須アミノ酸が含まれているのか判断がつきづらくなっています。
その際にアミノ酸スコアの知識が役立つのです。
アミノ酸スコアの評価方法は、FAO(国際連合食糧農業機関)・WHO(世界保健機構)・UNU(国連大学)により設定されたアミノ酸評点パターンを用いた方法が用いられます。
アミノ酸スコアの評点パターンと見方について
アミノ酸スコアを算出する具体的な計算式は、以下のとおりです。
食品たんぱく質の第一制限アミノ酸含有量(mg/gたんぱく質)÷アミノ酸評点パターンの当該アミノ酸量(mg/gたんぱく質)×100
「アミノ酸評点パターン」とは、FAO・WHO・UNUが定義する、人間の身体に必要な必須アミノ酸の量を指します。対して「第一制限アミノ酸」とは、たんぱく質のアミノ酸量のうち、最も不足している必須アミノ酸を指します。
つまり、必要な必須アミノ酸量に対して、食品中に含まれる必須アミノ酸のなかで最も少ないアミノ酸の量はどのぐらいなのかでアミノ酸スコアを出します。
アミノ酸スコアが100に近いものほど、良質なたんぱく質が補給できると考えて問題ありません。
具体的なアミノ酸評点パターンは、以下のとおりです。
アミノ酸評点パターン(2007年、18歳以上)
- イソロイシン:30
- ロイシン:59
- トリプトファン:6.0
- リジン:45
- ヒスチジン:15
- バリン:39
- スレオニン:23
- 含硫アミノ酸:22
- 芳香族アミノ酸:38
アミノ酸スコアが100となる場合、必須アミノ酸9種類すべての評点が上記の数字をクリアしていることを意味します。
アミノ酸スコアを食品別にチェック!
食品別にアミノ酸スコアが100のものと、100に満たないものをそれぞれ紹介します。100未満であっても、食品ごとの組合わせ次第でバランス良くアミノ酸を摂取することも可能です。
以下では、普段の食事でも用意しやすい食品を中心にピックアップしましたので、参考にしてみてください。
アミノ酸スコア100の食品一覧
まずは、単体でアミノ酸スコアが100の食品一覧です。いずれもスーパーなどで手に入る、馴染み深い食品群といえます。
アミノ酸スコア100の食品一覧 | |
肉類 | 鶏肉・豚肉・牛肉 |
魚類 | あじ・いわし・さけ・まぐろ |
卵類 | 鶏卵・うずら卵 |
乳製品 | 牛乳・ヨーグルト(全脂無糖) |
穀類 | 玄米・大豆 |
ちなみに、精白米のアミノ酸スコアは100に満たないため、白米を玄米に変えるだけでも、摂取できるたんぱく質は大きく向上するでしょう。
しかし、アミノ酸スコアが100だからといっても、上記の食品だけを食べ続けるのは得策ではありません。事実、野菜類も表中にありませんので、栄養が偏ってしまうだけです。
栄養バランスは食事のバランスと同義でもあります。そのため、さまざまな食品を組合わせて食べることが理想的といえます。
もちろん食品だけでの摂取が難しいのであれば、サプリメントやプロテインを取入れるのも賢い方法です。あくまで、良質なたんぱく質を食品から摂取したいときの参考として、活用してください。
アミノ酸スコア100に満たない食品は組合わせを工夫しよう
続いては、100に満たない食品一覧です。
アミノ酸スコア100に満たない食品一覧 | |
肉類 | ベーコン95 |
魚類 | うに82・ホタテ71・あわび68・はまぐり81 |
乳製品 | 脱脂粉乳95・ナチュラルチーズ92 |
穀類 | 精白米61・食パン44・とうもろこし31 |
野菜・果物類 | キャベツ53・じゃがいも73・トマト51・りんご56 |
お伝えしたように、上記のスコアが100に満たない食品であっても組合わせ次第でバランス良くアミノ酸を摂取できます。
例えば、精白米はアミノ酸スコアが60台で、とくにリジンというアミノ酸が低いとされていますが、スコアが100の大豆(納豆)と組合わせて食べると効果的です。
日本に古くからある食品の組合わせは、味だけでなく栄養面の観点からいっても理に適っている、といえるでしょう。
あるいは、パンと卵や乳製品の組合わせもいいでしょう。パンに不足しているリジンなどのアミノ酸などを補えます。
100に満たないからといって、食卓から除外する必要はありません。組合わせて食べることで栄養バランスを整えられるだけでなく、普段の食事を楽しむことにも繋がります。
おいしく食事を楽しみながらも、栄養バランスを考えて、身体づくりに役立つように摂取していきましょう。
アミノ酸スコアが低い食品に偏るとどうなる?
しかし毎日の食事で栄養バランスを完璧に整えるのは至難の業です。もし仮に低スコアの食品に偏ってしまった場合、どうなるのでしょうか。
懸念されることは、筋肉の減少と集中力の低下の2点です。それぞれについて具体的に解説します。
筋肉の減少
栄養が偏って不足すると、体内でエネルギーを生み出す成分が足りなくなり、筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとするため、筋肉量は減少してしまいます。
そして、筋肉が減少すると基礎代謝も低下してしまい、脂肪がつきやすい体質となるだけでなく、免疫力の低下も懸念されます。
トレーニングをしてバルクアップを目指す人にとっては、望ましくない状態に陥りかねないのです。
集中力の低下
集中力やリラックスを感じさせるホルモンなどの分泌にもたんぱく質が関わっており、不足すると、上手く体内で作られず、集中力の低下を招いてしまいます。
最近勉強や仕事中にボーッとしてしまう、いまいちトレーニングに集中できない、というときは、低スコアの食品に偏ってしまい、たんぱく質の摂取が不足しているのかもしれません。
集中力が低下したままトレーニングしても、パフォーマンスが上がらないどころかケガのリスクもつきまといます。まずは日頃の食事内容を見直して、バランスが取れているのか確認をしましょう。
良質なたんぱく質をバランス良く摂取するならサプリの併用もオススメ!
アミノ酸スコアが高い食品を摂ることの必要性と、食品ごとのスコアを紹介しました。
しかし、何度もいうように通常の食事だけでバランス良く摂取するのは難しいと考えられます。
そこで、栄養成分がバランス良く配合され、手軽に摂取できるプロテインやサプリメントを上手く活用するのがオススメです。
なかでも『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』は、トレーニングに特化した配合比率のEAAサプリとしてオススメです。
BCAAを含む9種の必須アミノ酸がしっかりと配合されています。選べる風味は3種類でシトラス、コーラ、パイナップル。トレーニング中のワークアウトドリンクとして非常に適しています。
1回あたりの必須アミノ酸は14,650mg (うちBCAAは9,000mg)、非必須アミノ酸であるβアラニンは3,000mg配合と贅沢な成分比率となっており、効果を実感していただきやすい内容になっています。
『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』のアミノ酸含有量(1回あたり)の詳細は以下のとおりです。
1回あたりのアミノ酸含有量(mg) | |
ロイシン | 5,500 |
バリン | 2,000 |
イソロイシン | 1,500 |
リジン | 2,500 |
メチオニン | 500 |
フェニルアラニン | 1,000 |
スレオニン | 1,000 |
トリプトファン | 150 |
ヒスチジン | 500 |
βアラニン | 3,000 |
EAAの効果やメリットについては以下記事が参考になります。
EAAとプロテインの違いについては以下をチェックしてみてください。
まとめ
たんぱく質と必須アミノ酸をバランス良く含む食品を測る指標がアミノ酸スコアです。
スコアが100に近づくほど、良質なたんぱく質とされています。筋肉アップはもちろん、心身いずれも健康な生活を送るためには、たんぱく質の摂取が不可欠です。
具体的に食品ごとのスコアも記載しましたが、100の食品ばかりを食べてもいけませんし、低スコアの食品ばかりでもいけません。筋肉量や集中力の低下を招きかねないため、アミノ酸スコアを気にしつつバランスの良い食事を心がけましょう。
食品でバランスを考えるのももちろんですが、サプリメントやプロテインで栄養を補うなど、効率よく摂取することもオススメです。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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