サプリメントは栄養補助食品とも呼ばれ、名前の通り特定の栄養素を食生活に足したい時に補助的に利用されるものです。そしてバルクアップを目指してトレーニングを行なっている人も、サプリメントを積極的に活用することでバクルアップの効率をあげることが期待できます。サプリメントを摂ることで、食事だけでは不足してしまう栄養素を補いましょう。
ここでは山本義徳先生が、バルクアップ・パフォーマンス向上・健康維持のために活用しているサプリメントを紹介します。
クレアチン
クレアチンは瞬発的なパワーを向上させるサプリメントとして有名です。さらにクレアチンはパワー向上だけではなく筋肉の発達の効果も期待できます。クレアチンを摂取することにより、筋肉の細胞のクレアチン量や塩分や水分量が増え、筋肥大の引き金となるのです。
通常は1日3g、ハードにトレーニングをしている人は5gを毎日摂り続けると約28日後に体内のクレアチンレベルがMAXになります。クレアチンの吸収率をあげるためにはこまめに1gずつ摂取してください。
参考:クレアチンリン酸 / CrP | e-ヘルスネット(厚生労働省)
ビタミンD
ビタミンDにはさまざまな作用があります。筋肉の合成を促進する働きのあるテストステロンを増やす作用、そして速筋線維の割合を増やす作用が特にバルクアップには役に立ちます。
山本先生は、花粉症や鼻づまりの治療目的であれば1日に10000IU(250μg)~20000IU(500μg)を、バルクアップ目的であれば、2000IU(50μg)のビタミンDを摂取しています。ビタミンDは油に溶ける性質のある脂溶性のビタミンなので、油分の含まれた食事のあとに摂取するのがオススメです。
参考:ビタミンD | 海外の情報 | 一般の方へ | 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業
EAA
タンパク質を補給するためのサプリメントとして、プロテインを飲んでいることは大前提として、その上でオススメしたいのがEAAです。EAAとは体内で合成することができない9種類の必須アミノ酸の総称のことです。EAAは、筋肉の合成を促すシグナルとなり、さらに実際に筋肉を作る材料にもなります。
ワークアウトドリンクに15gのEAAを溶かして飲むことで、筋肉を合成する材料をしっかりと補給しながらトレーニングを行うことができます。
脂溶性ビタミンC(Ascorbyl Palmitate)
通常のビタミンCは水溶性と呼ばれ、水に溶ける性質を持ちます。水溶性ビタミンCは摂取しても2~3時間で体内から排出されるのに対し、この脂溶性ビタミンCは体内に10~24時間残ります。そのため1日に2回摂取すれば、ビタミンC濃度を十分に高めておくことができます。
ビタミンCは免疫をあげる効果や抗酸化作用があることで知られています。特に脂溶性ビタミンCはコラーゲンの合成作用が強く、関節や腱の故障を予防したい人にも効果的です。
山本先生の摂取量は朝2g 夜2gですが、普通の人は朝500mg 夜500mgでも十分です。
ブロッコリースプラウト(Broccoli Sprouts)
ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトには、スルフォラファンという成分が含まれています。ブロッコリースプラウトには肝臓の保護機能があるという研究結果が示されていることで有名で、食事から摂ることもできます。山本先生がサプリメントから摂取する理由はブロッコリーが嫌いだからとのこと。
ブロッコリーが苦手な人はサプリメントを活用することで、健康的な生活をおくる上で役立つでしょう。山本先生の摂取量は朝2錠・夜2錠です。
ナットウキナーゼ(NATTO KINASE)
ナットウキナーゼとは名前の通り納豆に含まれる、納豆菌の生成物質です。ナットウキナーゼには血栓の溶解作用が報告されています。肉を頻繁に食べることで飽和脂肪酸の摂取が多くなることが心配な人にオススメできます。山本先生も朝1錠、夜1錠摂取しています。
ただ、すでに心臓病の抗凝固薬を飲んでいる人の場合は飲み合わせに注意してください。あくまで予防として摂取するといいでしょう。
亜鉛(OPTI ZINC)
亜鉛はアスリートにとって特に必要になるミネラルです。亜鉛にはさまざまな種類がありますが、オススメは吸収の良いOPTI ZINCというものです。亜鉛にはテストステロンなどの男性ホルモンのレベルをあげたり、遺伝子を正常にコピーするなどさまざまな作用があります。また、体内のさまざまな酵素の反応は亜鉛を必要とするので、摂取することで身体の代謝の促進が期待できます。日本人の食生活は亜鉛が不足しやすいので、サプリメントでの摂取することが望ましいです。朝または夜に1錠飲むだけで十分な量を摂取することができます。
ガーリックオイル(GARLIC OIL)
にんにくは健康効果のある食材として、多くの人に馴染み深いものです。そのにんにくの成分をニオイも無く摂取できるのが、ガーリックオイルのサプリメントです。ガーリックオイルにはビタミンB1の吸収を高める作用があります。ビタミンB1には糖質からのエネルギー産生や、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあります。人によって適切な摂取量には差があります。山本先生は夕食後に2錠摂取しています。
イチョウエキス(GINKGO)
ハーブのサプリメントにはさまざまな種類がある中で、山本先生が長年摂取をしているのがGINKGOと呼ばれる、イチョウの葉のエキスです。集中力アップの作用や脳のα派を増やす効果、リラックス効果などが報告されています。集中力を高めたい、しっかりと考えをまとめたいという人にオススメです。イチョウエキスをトレーニング中や試合本番に使うこともできます。トレーニング前や試合前の1時間前に2錠を飲むことで、後半になっても集中力が途切れないという作用が期待できます。
HIGHER MIND
セミナーに登壇したり原稿を書く機会の多い山本先生が、普段よりも頭の回転を良くしたいときに活用しているのが、このHIGHER MINDという商品です。さまざまなアミノ酸やハーブが総合的にミックスされたサプリメントで、脳の機能を高める効果が期待できます。試験が迫っているので勉強を頑張りたいといった時にもオススメです。
山本先生の場合、論文を読んだりセミナーに登壇する1時間前に4錠飲むと効果を体感できるそうです。人によっては2錠でも十分に効果を体感できる場合もあります。
ベータアラニン(Beta-Alanine)
トレーニングをしている人にはとくに勧めたいのがベータアラニンです。ベータアラニンは体内でヒスチジンというアミノ酸と結びついて、カルノシンという成分になります。カルノシンには、乳酸を除去する作用や糖化を防ぐ作用、脳のα波を増やす作用が期待できます。1日に3〜6gほどをパウダーまたは錠剤の好きな方で、1回でまとめて摂取しても、こまめに分けて摂取してもどちらでも問題ありません。
グルタミン(GLUTAMINE)
グルタミンはさまざまなアミノ酸の中でも重要度が高く、サプリメントでの摂取が望ましい栄養素です。トレーニングを行なっている人は免疫が下がりやすく、風邪を引いたり体調を崩したりしやすくなってしまいます。グルタミンを摂取することで免疫を高める働きがあるほか、筋肉の分解を防いでくれる働きもあります。山本先生はトレーニング後にグルタミンを15g摂取しますが、その量で下痢を起こしてしまう人もいるかもしれません。まずは5gから試して段階的に増やしていくのが良いでしょう。価格的にもそこまで高価なアミノ酸ではありませんので、サプリメントの入門として最適です。
まとめ
山本先生は「日本一サプリメントに詳しいトレーナー」と言われているだけあり、飲んでいるサプリメントの種類も摂取量も驚きの多さです。そのため、ここで紹介したサプリメントは実際に摂取しているうちのごく一部なのだそうです。
目的にあったサプリメントを活用することで、バルクアップや健康、パフォーマンス向上の助けとなることでしょう。ぜひ参考にしてください。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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