リジンとは、身体を構成するたんぱく質をつくるうえで欠かせない栄養素です。しかし、リジンは、必須アミノ酸の一種であり、体内でつくることはできません。そのため、筋肉の維持や健康のためには食品からの摂取が必要です。
このような話をすると、なるべくたくさんのリジンを摂取したほうが健康に良いと考える人もいるかもしれません。しかし、人間の身体に欠かせないリジンも、適切な摂取量を守らなければ、副作用ともとれる症状の原因になることがあります。
今回は、リジン摂取の適正量を確認したうえで、過剰摂取した場合に生じる可能性のある症状について紹介します。
リジンの適正量は?
WHO(世界保健機関)では、成人が1日に摂取するリジンの適正量として、体重×30mgを推奨しています。例えば体重70kgの人であれば、70×30mg=2,100mgが目安です。
リジンは、おもに以下のような食品から摂取できます。
- 牛乳
- チーズ
- 鶏肉
- 大豆 など
サプリメントから摂取することも多い必須アミノ酸ですが、通常の食生活に加えてサプリメントも利用していると、リジン単体では過剰摂取となるおそれがあります。そのため、リジンの摂取にサプリメントを活用する場合は、食事から摂れるリジンの量とのバランスを考えることが大切です。
必須アミノ酸を摂取する際は、1種類にこだわりすぎず、9種類をバランス良く摂取しましょう。
リジン摂取による副作用
リジンには基本的に副作用がありませんが、摂取不足や過剰摂取により、以下のような症状が出ることがあります。
めまい
めまいとは、次のような症状の総称です。
- 身体がぐらぐらする
- 身体がふわふわする
- 気が遠くなりそうな感じがする
- 物が二重に見える
- 目の前が真っ暗になる感じがする
- 自分の周囲・天井がぐらぐら回る
一般的なめまいの原因で多いのは、耳の奥にある三半規管に異常が生じるケースです。三半規管の異常は、リジンと関係する疲労が原因になることもあります。
目の充血
目の充血とは、目の血管が膨らんで目立つようになった状態です。目には細い血管が集中しているため、健康な状態で目立って見えることはありません。
目に炎症・疲れ(眼精疲労)などが生じると、酸素・栄養をたくさん運ぶために、目の血流量が増えることから充血が起こります。
胃痛・下痢
1日10gのリジンを5日連続で摂取した場合、胃痛・下痢などの消化器症状が生じる可能性が高いという調査結果があります。
アミノ酸が小腸から吸収されることを考えると、リジンを過剰摂取すれば、それだけ消化器に負担がかかる可能性は高いといえるでしょう。
吐き気
吐き気とは、胸からみぞおちにかけてのむかつきによって、嘔吐をもよおす不快感の総称です。吐き気には、消化器が刺激されて起こる種類もあるため、目安量以上のリジンを連続摂取して胃痛・下痢が生じた場合、その刺激から吐き気が起こっていることも考えられます。
なお、先述の目の充血と関係する眼精疲労でも、吐き気などの全身性の症状が起こることがあります。
集中力低下
適正量のリジンを摂取すれば集中力を高められますが、過剰摂取は逆効果です。
集中力が低下して長時間の仕事・筋トレなどを続けにくくなり、以下のような症状が同時に起こる可能性もあります。
- 頭がぼーっとする
- イライラする
- やる気がでない
- 思考力が低下する
貧血
貧血は、血液中にある赤血球のなかで酸素を運ぶ役割を担うヘモグロビン濃度が低くなった状態です。貧血になると以下の症状が起こります。
- めまい
- 息切れ
- 立ちくらみ
- 頭痛
- 胸の痛み
血中コレステロール値の上昇
脂質検査で調べられるコレステロール値には、以下の3つがあります。
- 総コレステロール(HDLとLDL、中性脂肪から算出される数値)
- HDLコレステロール(体内の余分なコレステロールを回収する「善玉」)
- LDLコレステロール(体内の隅々までコレステロールを運ぶ「悪玉」)
コレステロールの値で大切なのは、善玉と悪玉のバランスです。悪玉の値が著しく上がり、必要以上のコレステロールが全身に運搬された場合、以下のような疾患が誘発されやすくなります。
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 動脈硬化 など
肝機能障害
リジンには本来、脂肪の消化酵素であるリパーゼの働きを活性化させることで、肝臓の機能向上をサポートする役割があります。
一方、サプリメントなどで過剰摂取してしまうと、人によっては肝機能障害を起こすこともあるため注意が必要です。肝機能障害は栄養素が体質的に合わないことが原因で起こる場合もあります。
厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬物性肝障害(平成20年4月)」では、以下のような初期症状が1つあるいは複数見られ、それらが持続したときには、直ちに摂取を中止することを求めています。
- 倦怠感
- 食欲不振
- 発熱
- 黄疸
- 発疹
- 吐き気・嘔吐
- かゆみ など
参考:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬物性肝障害(平成20年4月)
ここにあげてきた症状は、リジンとは関係のない原因で生じることもあるため、普段の生活習慣が下の項目に該当する場合は、リジンを含めた必須アミノ酸の摂取量を一度見直すことも必要です。
- リジンなどの必須アミノ酸をサプリメントから摂取している
- 筋トレなどの運動前にサプリメントを摂取していない
- 食生活が乱れている
リジン摂取時の注意点
食事以外にサプリメントからリジンを摂取するときは、以下の点に注意しましょう。
アレルギー持ち・基礎疾患がある人は控える
先述のとおり、リジンは摂取量が多すぎても少なすぎても、副作用が出やすい成分です。過剰摂取と不足時で起こる症状が似ていることもあるため、自分の摂取量が適正であるかどうかの判断や原因の特定が難しい特徴もあります。
このような理由から、以下の基礎疾患・症状がある人は、サプリメントからのリジン摂取を控えたほうが良いとされています。
- 糖尿病である
- 腎臓・肝臓に異常がある
- アレルギーがある
妊娠中・授乳中の安全性に対して十分なデータがない
妊娠中・授乳中の女性について、現状ではリジンの適正量や安全性に関する十分な研究データがありません。
妊婦の場合、リジンの過剰摂取・不足がなくても、妊娠初期の体調不良で吐き気・めまいなどの症状が起こりやすいものです。リジンの過剰摂取による症状か判断が難しいことを考えると、妊娠中のリジン摂取はサプリメントではなく通常の食事を中心にすることをオススメします。
リジンに関連するオススメのプロテイン
筋トレをする人は、トレーニング中にたくさんのエネルギーを使います。運動中にエネルギーが不足すると、身体は自分の筋肉を分解して栄養を補おうとするため注意が必要です。
ただ、栄養を食事だけから摂取しようすると、今度は余計なカロリー・脂質を摂りすぎて、体重増加の心配なども出てきます。そこで、山本義徳先生が完全監修する『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』を活用するのがオススメです。
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まとめ
リジンの推奨摂取量は、体重×30mgです。過剰摂取時と不足時で起こる症状が似ている特徴もあるため、アレルギー・基礎疾患のある人・妊婦・授乳中の人は、リジンの摂取方法を食事中心にしてください。
プロテインをバランス良く摂取したい人には、山本義徳先生が完全監修する『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』をオススメします。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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