食事内容を制限するダイエット方法として、糖質制限ダイエットと脂質制限ダイエットが有名です。2つのダイエット方法にはそれぞれ特徴があり、正しく実践すれば痩せることができます。
糖質制限と脂質制限では、どちらのほうで痩せやすいのでしょうか?
この記事では、糖質制限と脂質制限の効果や注意点を解説します。
糖質制限・脂質制限とは
糖質制限と脂質制限とは、人間が生きていくうえで必要な3大栄養素(脂質・糖質・たんぱく質)の脂質と糖質を制限することです。
糖質制限と脂質制限は、どちらもダイエット効果が期待できます。しかし、どちらがダイエットに効果的なのか、医師や学者のなかで議論が分かれているのが実情です。
どちらにもいえるのは、正しく実践すれば効果的であるということです。食事・体質・目的に合った方法を用いれば、ストレスなく効果的にダイエットができます。
まずは糖質制限・脂質制限の仕組みや効果を詳しく解説します。
糖質制限の仕組み・効果
糖質制限とは、3大栄養素の1つである糖質の摂取量を減らすことです。
食事から摂取された糖質は、体内で分解されてブドウ糖へと変化します。
その後、血糖値が上昇して膵臓からインスリンが分泌され、ブドウ糖は筋肉や肝臓へと送られて血糖値は正常に戻ります。
筋肉や肝臓に移動したブドウ糖はグリコーゲンとなって筋肉や肝臓内で蓄積されます。体内でエネルギーが必要になると再びブドウ糖に戻って利用されます。
グリコーゲンの蓄積量には限界があるため、蓄積できなかったブドウ糖は中性脂肪となります。これが太る要因です。
糖質の摂取を制限すると血糖値の上昇・インスリンの分泌を抑制し、中性脂肪が発生しにくくなります。
糖質制限中のカロリーの目安は、以下の記事で詳しく解説しています。
脂質制限の仕組み・効果
脂質制限とは、3大栄養素のなかでも最もカロリーが高い脂質の摂取を制限することです。脂質は、エネルギー源として使用されるだけでなく、以下の役割も果たします。
- ホルモンの材料
- 体温の維持
- 臓器の保護
上記として使用されなかった脂質は、内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられます。
脂質の摂取量が増加すると血液中の悪玉コレステロールが増え、血管内部に付着してメタボリックシンドローム・動脈硬化などの生活習慣病のリスクが上昇します。
脂質は1gあたりのカロリーが高いため、脂質を制限するとカロリーコントロールをしやすくなります。
脂質制限中はたんぱく質をしっかり摂取できるため、筋肉量が落ちにくい特徴があります。
ローファットダイエットにオススメの低脂質食品は、以下の記事で詳しく解説しています。
糖質制限と脂質制限のメリット・デメリットを比較
糖質制限と脂質制限には、それぞれメリットとデメリットがあります。メリットだけでなくデメリットを正しく理解して、適切な方法を取入れることが重要です。
糖質制限ダイエットのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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糖質制限ダイエットは基本的に食事の量自体は確保できるため、高い満腹度を得ることができます。1日あたりの糖質摂取量を守れば、間食を楽しめる点も魅力です。
一方、糖質を制限すると便秘・頭痛などが発生する可能性があります。
次に、脂質制限ダイエットのメリットとデメリットを解説します。
メリット | デメリット |
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脂質制限ダイエットは摂取カロリーを容易に落とせます。炭水化物を摂取できるので糖質制限よりも取り組みやすい点が魅力です。一方で、糖質制限より効果を実感しにくく、外食も制限されるため、ストレスが溜まりやすい弱点があります。
先述のとおり、糖質制限と脂質制限はそれぞれに一長一短があります。どちらが優れているわけではありませんが、効率良くダイエットしたい人は糖質制限のほうが早く目標を達成できます。
糖質制限と脂質制限で食べられるものの違い
糖質制限と脂質制限では、食べられるものが異なります。摂取制限があるなかでも、食べても良い食材を紹介します。
糖質制限 | 脂質制限 |
肉類 魚介類卵 大豆製品 油類(動物性脂肪もOK) 糖質の少ない乳製品(チーズなど) 焼酎やウイスキーなどの蒸留酒 糖質OFFの発泡酒(大量の飲酒はNG) |
米 パン(クロワッサンなど脂肪の多いものはNG) 麺類 脂肪の少ない肉類(鶏むね肉皮なし、ササミなど) 脂肪の少ない魚介類(イカや貝類など) 脂肪の少ない菓子類(和菓子がおすすめ) 野菜 果物 |
一方で、食べてはいけないものは、以下のとおりです。
糖質制限 | 脂質制限 |
米 パン 麺類 根菜類(少量の葉野菜はOK) 果物全般 糖質の多い菓子類 牛乳(乳糖が含まれているためNG) 日本酒 ビール ワイン |
多量の調理油 脂肪の多い肉類(鶏もも肉や豚バラ肉など) 脂肪の多い魚介類(サバやサンマなど) 卵黄(卵白はOK) 乳製品 シュークリームなど脂肪の多い菓子類 |
糖質制限では、甘味が強いものを避けて摂取しなければなりません。
脂質制限では、バター・マーガリンなど、調理に使用する油に注意してください。
糖質制限と脂質制限でどちらが痩せやすいかは筋肉量で変わる!
痩せやすさは、筋肉量や体質によっても大きく変化します。ダイエットは自分に合った方法で始めることが成功のコツです。
もし自分に合っていない方法を実践しても、その効果が薄れる可能性があるので要注意です。
糖質制限や脂質制限に向いている人の特徴を詳しく解説します。
それぞれの特徴の違いをしっかり理解して、最適なダイエット法を実践しましょう。
糖質制限が向いている人の特徴
糖質制限の場合、運動をする時間があまり取れない人に向いています。
運動不足の人が多くの糖質を摂ると、エネルギーとして消化されないまま脂肪に蓄積されやすいので、糖質制限は有効です。
糖質制限は食べる量自体を極端に減らす必要がないため、しっかり食事をとりたい人にもオススメです。特に、主食よりもおかずを多く食べたい方に適しています。
脂っこい食事を食べたい人にも向いています。糖質制限の場合は糖質を意識するだけで良いので、外食を楽しめるのも魅力です。
脂質制限が向いている人の特徴
ダイエットで重要なのは基礎代謝です。筋肉は身体の中で最もエネルギーを消費するので、筋肉量が少ないと基礎代謝量も少なくなります。
食事で糖質制限をおこなうと、筋肉量が極端に減る可能性があります。
一方で、脂質制限の場合は筋肉量を比較的落とすことなくダイエットができます。
脂質制限の場合、糖質制限と違ってある程度食事量自体を制限しなければなりません。空腹感にある程度耐えられる人なら、継続して実践できます。
炭水化物を食べたい人は、糖質制限で厳禁となるパンなどを摂取しても問題ありません。
脂質制限はごはんやパンなど主食を減らす必要がありません。一般的に主食よりもおかずのほうがお金はかかるため、お金をかけたくない方に向いています。
糖質制限や脂質制限をおこなう際の注意点
糖質制限や脂質制限をおこなう際の注意点を詳しく解説します。
PFCバランスを意識した食事にする
糖質制限や脂質制限では、食事の際、つねに3大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)を意識して摂取しなければなりません。
摂取量を知るための参考となるのが、PFCバランスです。
PFCとは、3大栄養素のたんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)の頭文字をとった言葉です。PFCバランスは、摂取カロリーにおける3大栄養素の占める割合を示しています。
厚生労働省では生活習慣病を予防・改善するための指標となるPFCバランスを以下に定めています。
- たんぱく質:13~20%
- 脂質:20~30%(飽和脂肪酸は7%以下とする)
- 炭水化物:50~65%
糖質制限・脂質制限の場合のPFCバランスは以下のとおりです。
糖質制限 たんぱく質:30%・糖質:10%、脂肪:60%
脂質制限 たんぱく質:30%・糖質:60%、脂肪:10%
糖質制限では炭水化物量、脂質制限では脂質量を抑えることが重要です。
PFCバランスを保ちながら、バランスの良い食事を心がけてください。
糖質と脂質を同時に減らさない
より高いダイエット効果を得たいと思って、糖質と脂質を同時に減らすダイエットを実践することはオススメしません。
先述のとおり、糖質制限や脂質制限をおこなう際は、PFCバランスをつねに意識してバランスの良い食事をとることが重要です。
糖質と脂質を同時に減らすと、必然的にたんぱく質の割合が増加します。カロリーや栄養不足になる可能性があります。
どうしても糖質と脂質を同時に制限したダイエットをおこないたい場合は、同時ではなく交互におこなうと、ダイエットに高い効果が期待できるといわれています。
最低でも2週間以上は続けて効果をチェックする
糖質制限と脂質制限は、即効性があるものではありません。筋力アップでも同じことがいえますが、効果を実感できるまでにどうしても時間がかかります。
効果が実感できないからといって、すぐに諦めてはいけません。最低でも2週間以上は続けて効果をチェックすることをオススメします。
糖質制限の場合はずっと続けるものではなく、最長2か月でやめてください。身体にはホメオスタシスという、変化を拒んで一定の状態を維持しようとする作用が働きます。糖質制限を継続すると、ホメオスタシスによって糖質が少ない食事に身体が慣れて、体脂肪の減少が悪くなるので注意が必要です。
糖質制限と脂質制限で必須なたんぱく質はプロテインの活用がオススメ!
糖質制限や脂質制限では、必須のたんぱく質を効率的に摂取してください。プロテインを活用すれば、たんぱく質を効率良く摂取できます。
糖質制限にも脂質制限にも併用可能なオススメのプロテインが『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』です。
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』は、山本義徳先生の完全監修のもと、圧倒的なたんぱく質含有量を誇るサプリメントです。
独自のイオン交換処理によって、純度の高いたんぱく質のみを抽出した、最高品質のWPIを100%使用しているのが特徴です。
どのフレーバーを選んでもたんぱく質含有量は90%以上で、プレーン味は96.4%の高い割合を実現しています。
6種類あるフレーバーはどれも味にこだわっており、毎日継続して使うことができます。
まとめ
糖質制限と脂質制限は正しく実践すれば、無駄な脂肪がつきにくくなり、どちらも結果としてダイエットにつなげることが可能です。生活習慣病の予防など、身体に良い効果も得られます。
糖質制限や脂質制限では、PFCバランスをしっかりと意識して実践することが重要です。ストレスを溜めることなく、無理のない範囲で糖質制限と脂質制限を実践しましょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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