広背筋は、背中から腰・腕に広がる大きな筋肉です。
今回の記事では、自分の体重を負荷におこなう「自重トレーニング」に注目し、懸垂以外で鍛えられる広背筋の自重筋トレのメリット・デメリットを解説します。
伝授するのは、2019年4月開設のYouTubeチャンネル『山本義徳 筋トレ大学』がチャンネル登録者数54万人を超える、トレーナー界のレジェンド・山本義徳先生です。
具体的なメニューや効果を得やすくするコツ・ポイントも紹介します。ぜひご一読ください。
広背筋とは?
最初に広背筋の全体像を理解しておきましょう。広背筋は背筋の一種で、背中の中央部から脇の下、腕へつながる筋肉です。
広背筋を含む背筋の種類
広背筋を理解のために、背筋全体を説明しておきます。背筋には以下さまざまな筋肉によって構成されています。
- 僧帽筋
- 脊柱起立筋(せきちゅういりつきん)
- 大円筋
- 広背筋
広背筋上部の首・肩・背中に広がる「僧帽筋」は肩甲骨を動かす・固定する働きがあり、背骨の両側に沿う「脊柱起立筋」は身体を安定させ、姿勢維持に欠かせません。
「大円筋」は脇の下から肩甲骨にかけてついている筋肉で、広背筋の伸展・内転・内旋動作の協働筋として働きます。
「広背筋」はその大円筋とともに肩関節の動作に関わり、うしろに腕を動かしたり、内側にひねったりする際に使われます。
広背筋を含めて背筋を鍛える効果
筋肉が発達した身体を「逆三角形」と形容しますが、この逆三角形を作る筋肉が広背筋です。逆三角形を目指すなら、広背筋を中心に背筋全体をしっかり鍛えましょう。
背中の筋肉は、身体全体のシルエット・印象を大きく左右します。背中の筋肉は直接自分で見られませんが、スタイルの良い若々しい身体に必須の部位です。背筋が未発達な身体は姿勢に問題があることも多く、実年齢より老けて見える場合もあるでしょう。
広背筋を自重で鍛えるメリット・デメリット
広背筋は自重で鍛えることが可能です。自重で鍛えるメリット・デメリットを把握すれば、高い効果が期待できます。しっかり理解しておきましょう。
【広背筋】自重筋トレのメリット
自重筋トレの「安い・気軽・安全」な点を説明します。
費用がかからない
ジムの会費・利用料も、器具の購入費用もかかりません。初期費用が発生しないので気軽に始められます。「筋トレにお金をかけるのには抵抗がある」人も安心です。
いつでもできる
ジムに通う必要がなく器具も不要なので、仕事・家事の合間を利用して、いつでも筋トレができます。時間の制約を受けずにトレーニングをおこなえるので、隙間時間を有効活用にもつながります。
ケガをしにくい
自分の体重を負荷にするトレーニングなので、負荷を強めてケガをするなどのリスクを軽減できるメリットがあります。
【広背筋】自重筋トレのデメリット
自重トレーニングのデメリットも理解しておきましょう。
負荷が固定されて効果が非効率になりがち
自分の体重を使うので、ダンベルやマシーンを使ったトレーニングのような負荷の調整ができません。慣れてしまうと物足りなくなる人もいるでしょう。負荷が増量できないため、効率の良い筋トレの実現に限界を感じる場合もあります。
やりすぎのリスクがある
負荷の少なさを解消するために回数を増やすことで、“やりすぎ”によるケガ・疲れなどのリスクがありうるでしょう。自重トレーニングに物足りなさを感じたら、お手頃価格で手に入り、収納に場所を取らないダンベルを使ったメニューを追加するのがオススメです。
トレーニングの内容が単調になりがち
自分の体重を使うトレーニングの内容は、どうしても単調になりがちです。チューブ・ダンベルを使うトレーニングに比べて種類が限定されるため、同じようなトレーニングの繰り返しに、飽きてしまう人もいるでしょう。
広背筋の効果的な自重トレーニング8選!
トレーニングを飽きずにおこないたい人のために、広背筋の効果的な自重トレーニングを8種類紹介します。先述した広背筋自重筋トレのメリット・デメリットを踏まえながら、まずはチャレンジしてみてください。「準備なしでいつでもできて良い!」「安心してできる」と感じることができるはずです。
スーパーマン
両手・両脚を同時に上げて広背筋に負荷をかけます。脚を上げたときにヒップの筋肉をキュッと締めれば、ヒップ・太ももを引き締める効果も期待できるでしょう。
1. うつ伏せの体勢で両手を伸ばす
2. 背中に寄せて行くイメージで両手・両脚を上げる
3. 上げた脚・腕をゆっくりと下ろす
手脚逆アップ
右手・左脚、左手・右脚を交互に上げるシンプルなメニューですが、丁寧で大きな上げ下げを意識すると、高い効果が期待できます。上げないほうの手脚は浮かないようにしてください。
1. うつ伏せの体勢で両手を伸ばす
2. 右手・左脚を同時に上げる
3. もとの体勢に戻り、左手・右脚を同時に上げる
4. 左右を交互に繰り返す
Tレイズ
胸を大きく開いて背中の大きな筋肉を刺激するメニューです。肩甲骨を寄せて広背筋の収縮を感じながら鍛えましょう。下ろしたとき、胸が完全に地面につけないようにするのがポイントです。
1. うつ伏せになり、手は横に大きく開く
2. 大きく上体をそらせて行く
3. 上げきったら、ゆっくりと下ろす
4. 動作を繰り返す
両脚アップ
背筋はもちろん、太ももの引き締めやヒップアップにも効果が期待できるメニューです。脚は意識して「つけ根」からしっかり動かしてください。
1. うつ伏せになる
2. 肩幅ほどに開脚して脚を上げる
3. ゆっくりと下ろす
ハイリバースプランク
上半身・下半身がバランス良く鍛えられるメニューです。背中に板が入っているようなイメージでおこないます。
1. 仰向けになる
2. 両脚のかかとをくっつけ、両手は肩の真うしろのポジションにつける
3. ヒップを持ち上げて背中から足首を一直線にキープする
ドンキーキック
背筋だけでなく太もも・ヒップも鍛えられるメニューです。膝は曲げたままをキープし、脚を下ろしたときに膝が床につかないようにしましょう。
1. 膝を90度に曲げ、うつ伏せの姿勢になる
2. 膝を曲げたまま、片方の脚を膝が腰の高さにくるまで上げる
3. ゆっくりともとに戻し、逆も同様におこなう
4. 動作を繰り返す
バードドッグ
背筋の「引き締め」に効果が期待できるメニューです。体幹にしっかり力を入れ、ヒップは上げすぎないようにするのがポイントです。
1. 床に手をついて四つん這いになる
2. 右手・左脚が身体と一直線になるように上げる
3. もとの体勢に戻り、左手・右脚が身体と一直線になるように上げる
4. もとの体勢に戻る
5. 動作を繰り返す
リバーススノーエンジェル
広背筋だけでなく、ほぼすべての背筋を鍛えられるメニューです。肩甲骨を意識してしっかり寄せておこないます。手の動きが早いと広背筋に負荷がかかりにくくなるため、ゆっくりした動きを心がけてください。
1. うつ伏せになり、脚はつま先だけをつけた状態で伸ばす
2. 両手は身体の横に広げる
3. 床から両手を浮かせ、肩甲骨をゆっくり寄せる
4. 両手を浮かせたまま、顔の横まで移動する
広背筋を効率良く鍛えるポイント
広背筋を効率良く鍛えるには、ポイント・コツを押さえておくことが大切です。トレーニングの際は以下の2つのポイントを意識してください。
すべての部位をバランス良く鍛える
背中はさまざまな筋肉で構成されています。筋肉の発達した大きな身体を手に入れるためには、広背筋だけでなく、僧帽筋・脊柱起立筋・大円筋も含めたすべての部位をバランス良く鍛えましょう。
ストレッチで筋肉をサポートする
運動前後のストレッチはケガ予防・疲れを取れやすくするために欠かせません。
いきなり激しい筋トレをすると、筋肉が驚いてしまいます。運動前には軽くストレッチしておきましょう。準備体操のイメージです。トレーニング後の筋肉を守るためには、運動後のストレッチも忘れないでください。
広背筋のストレッチは、以下の記事でも解説しています。
栄養補給も忘れない
効率良く筋肉を増やすためには、栄養補給も大切です。特にトレーニング中は、筋肉の材料となるたんぱく質を意識して多めに摂りましょう。
体重を減らす目的で食事を制限しすぎると、多くの場合、筋肉量も減ってしまいます。筋肉量が減ると基礎代謝が下がり、痩せにくく太りやすい身体になるおそれがあります。筋トレで結果を出すためには、過不足なくしっかり栄養を摂りましょう。
プロテインなどを上手に取入れれば、仕事・家事に忙しくて時間がなくても、筋肉に欠かせないたんぱく質がしっかり摂取できます。
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まとめ
僧帽筋下部に広がる広背筋は、逆三角形スタイルに欠かせない筋肉です。自重筋トレなら、お金をかけずにいつでもどこでも安全にトレーニングできます。ただし、自重では負荷が増量できず、非効率でメニューに飽きてしまうおそれがあります。
トレーニングを飽きずにおこないたい人は、今回紹介した広背筋の効果的な自重トレーニングをおこなってください。
背筋をバランス良く鍛えると、広がり・厚みのある上半身を手に入れることができます。筋トレ前後はストレッチを欠かさず栄養補給もしっかりおこない、筋肉をサポートしてあげましょう。