筋トレ初心者の場合、意を決して腹筋トレーニングを始めても、大きすぎる負荷に耐えかねて三日坊主となってしまうことがあります。
しかし、腹筋トレーニングには、以下のようにたくさんの効果やメリットがあるため、なるべく継続したほうが良いのも事実です。
- お腹周りの筋肉を鍛える
- 姿勢が整う
- 基礎代謝が上がる
- 引き締まったボディラインになる など
では、筋トレ初心者が腹筋トレーニングを続けるには、どのような工夫をしたら良いのでしょうか。あわせて初心者が続けやすい腹筋トレーニングについても知っておきたいところです。
今回は、腹筋で初心者が意識すべきポイント・初心者の腹筋トレーニングが長続きしない理由・トレーニング継続のコツを解説します。初心者でもおこないやすい腹筋トレーニングも紹介しますので、これから筋トレを始める人は、ぜひチェックしてみてください。
腹筋で初心者が意識するべきポイント
筋トレ初心者が腹筋トレーニングを始める場合、まずは以下のポイントを意識しましょう。
トレーニンググッズを活用する
初心者の場合、思うように成果が出ず、床に当たった背骨の痛みなどに耐えかねて、途中でやめてしまうケースも少なくありません。
これらの問題を解消するには、以下のようなトレーニンググッズを用意するのがオススメです。
以下のようなアイテムを購入すれば、「せっかく買ったのだから、使わないともったいない」などの気持ちから、筋トレへのモチベーションも高まるでしょう。
- トレーニングマット
- プッシュアップバー
- バランスボール など
腹筋を鍛えられるトレーニンググッズは、以下の記事で詳しく紹介しています。
毎日やらない
腹筋などの筋トレでは、基本的に同じ部位を毎日鍛えてはいけません。おもな理由は、以下の2つです。
- 負荷が大きければ大きいほど良いわけでもないから
- オーバーワークが筋肉の発達を妨げるから
そのため、初心者が腹筋トレーニングを始めるときには、適度に休みを入れるスケジュールを立てると良いでしょう。筋トレに慣れてきたら、ほかのトレーニングと組み合わせておこなう分割法へのチャレンジもオススメです。
一定のリズムで呼吸をする
腹筋などで筋肉を鍛える場合、呼吸を止めないようにしておこないましょう。
その理由は、呼吸を止めた状態でトレーニングを続けた場合、酸素が上手く体内を循環しなくなる結果として、筋肉の動きが低下するからです。
腹筋するときの基本的な呼吸法は、「上体を起こすときに吐き、戻すときに吸う」です。鼻から息を吸い、長くゆっくりと口から吐き出しましょう。
初心者にオススメの腹筋トレーニングメニュー
初心者の場合、あまりに強い負荷がかかる腹筋トレーニングをしようとすると、動作の難しさ・ひどい筋肉痛などにより継続が難しくなります。
初めて腹筋にチャレンジするときには、初心者でも実践しやすい以下の種目から選び、メニューに取入れると良いでしょう。
ここでは、各種目の特徴・基本的なやり方を紹介します。
クランチ
腹筋全体を鍛えられるトレーニングです。腰への負担が少なく、初心者向けの種目といえます。以下の流れで20回×3セットを目安に実施しましょう。
1. 床で仰向けになる
2. 脚を立てて、膝と股関節を90度に曲げる
3. おへそを見ながら上体を起こす
上体を起こすときには、反動をつけて一気に上がるのではなく、ゆっくり起こすことを意識しましょう。脚を動かさないようにするのも、大事なポイントです。
かかとタッチ
腹筋上部と側面を両方鍛えられる種目です。引き締まったくびれのあるウエストを目指す人にもオススメできます。以下のやり方で、20回~40回×2セットを目安に実施しましょう。
1. 床で仰向けになる
2. 膝を少し曲げて脚を立たせる
3. お腹の力を使って上体を少し起こす
4. 上体が起きるときに、片手で左右のかかとをタッチする
かかとのタッチが難しい場合は、もう少し上のふくらはぎやスネのタッチから始めると良いでしょう。
サイドブリッジ
お腹の側面を鍛えることで、引き締まったくびれを目指せる種目です。以下の流れで30秒~1分×3セットを目安に実施しましょう。
1. 床で横向きに寝る
2. 肩の真下へ肘を持ってきて上半身を支える
3. 肩から脚までが一直線になる姿勢を保つ
サイドブリッジの効果性を高めるためにも、腰が反る・お尻が出るといった姿勢を避け、意識的に身体を真っ直ぐにしましょう。しっかりとしたフォームを保つには、お腹の横へ意識を向けることも大切です。
プランク
腹筋のみならず、肩や股関節周りの筋肉も鍛えられる定番の体幹トレーニングです。
上半身を起こす動作がないため、筋力の少ない初心者でもおこないやすいという魅力があります。以下の流れで30秒~1分をキープ×3セットを目安に実施しましょう。
1. 床に両肘をつけて、うつ伏せになる
2. 両肘とつま先が床についた状態で、腰を浮かせる
3. 頭・背中・腰・かかとが一直線になるように姿勢を意識する
プランクを効果的におこなうポイントは、下ではなく前方を見ることです。このとき、肩・腕には余計な力が入らないようにしなければなりません。とりわけ大事なのは身体が一直線となる姿勢です。お尻を上下に動かさないようにしましょう。
レッグレイズ
レッグレイズは、腹筋の下部を特に鍛えられるトレーニングです。
膨らんだお腹の引き締めを目指す人にオススメできます。以下の流れで10~20回×3セットを目安に実施しましょう。
1. 床で仰向けに寝転がる
2. 手は身体の横に置き、脚を真っ直ぐ伸ばす
3. 腰が床についていることを意識しながら、両脚を少し床から浮かせる
4. 脚を上半身に対して垂直まで浮かせたら、ゆっくり少し浮かせただけの姿勢に戻る
5. 3と4を繰り返す
レッグレイズをおこなうときには、腹筋に力を入れ続けることを意識しましょう。
腹筋下部を効率良く鍛えるには、反動を使わずにゆっくり脚を動かすことが重要です。腹筋に力を入れた状態を維持しながら、背中を床へ押しつけるようなイメージを心がけると、トレーニングの効果も高まるでしょう。
ドローイン
ドローインは、お腹を膨らませて凹ませる動き・腹式呼吸を組み合わせたトレーニングです。
基本的にはお腹を動かすだけなので、オフィス・通勤通学の電車のなかなど、どこでもできます。
基本的なドローインは、以下の流れで5回×3~5セットおこないましょう。
1. お腹に空気を溜めるイメージを意識しながら、息を吸う
2. 肩を上げず、真っ直ぐの姿勢をキープする
3. 限界まで吸ったら息を止める
4. お尻を引き締め、真っ直ぐかつキレイな姿勢をキープする
5. 膨らませたお腹を凹ませるイメージで大きく息を吐く
6. 完全に息を吐き出したら、お腹を凹ませた状態を30秒キープする
7. 1~6をゆっくり繰り返す
ドローインを効果的におこなうには、背中を丸めずキレイで真っ直ぐな姿勢を意識することが大切です。お腹を凹ませたときには、腹筋も意識しましょう。
初心者の腹筋トレーニングが長続きしない理由
筋トレ初心者の場合、腹筋トレーニングがあまり長続きしないことも珍しくありません。その理由としては以下のように、時間・目標・種目数の問題があげられます。
トレーニング時間をなかなか組み込めない
非常に多く見られるのが、トレーニング時間を確保できないというシンプルな理由です。
例えば、毎日残業をする人の場合、自宅に帰る頃には疲れていてすぐに寝てしまい、なかなか腹筋などをできないこともあるでしょう。
飲み会や出張など、急な予定が入りやすい人も、トレーニング継続の難しさを感じやすくなってしまいます。
目標設定が高すぎる
有名なビルダー・シックスパックを目指すなど、目標や理想が高すぎる場合も、途中で挫折しやすいといえます。
例えば、お腹の膨らんだ人が腹筋トレーニングを始めても、すぐに体形が大きく変化するわけではありません。
特に、これまで運動習慣がなかった人の場合、目に見える成果が出るまでにある程度の時間がかかるでしょう。
種目が多すぎる
長続きさせられない人には、理想のシックスパックなどを目指して、一日にたくさんのトレーニングメニューを詰め込みすぎる傾向もあります。
忙しい人が短時間でメニューを実施すれば、質より数をこなすトレーニングになりかねません。その結果、効果の高い運動ができなくなってしまいます。
初心者の腹筋トレーニングを長続きさせるためには
筋トレ初心者が腹筋トレーニングを長続きさせるには、工夫することで先述の問題を解消するのがオススメです。
生活のリズムにトレーニング時間を組み込む
仕事・家事などが忙しく、トレーニング時間をなかなか確保できない人には、以下のような生活習慣とセットにして、毎日のルーティンにしてしまう方法がオススメです。
- 朝のハミガキ後
- 朝ウォーキングからの帰宅後
- 出勤前
- テレワークの昼休み
- 帰宅後すぐ など
夜に残業・飲み会などが入りやすい人は、そうした予定がない朝のうちに腹筋をする習慣をつけたほうが良いでしょう。
変化をしっかりと把握する
腹筋トレーニングの場合、すぐに体形が大きく変わることはありません。しかし、筋トレによる僅かな変化をチェックすることで、「もっと頑張ろう」と前向きになれます。
例えば、毎週のように鏡の前でお腹周りをチェックしたり、スマートフォンで写真を撮ったりすれば、引き締まったウエストに気づくこともあるでしょう。少し細身のズボンやスカートが入るようになったなどの変化も、筋トレのモチベーションを高めてくれるはずです。
なかなか大きな変化が見られないときには、腹筋トレーニングそのものの実施記録を手帳などで管理して、継続できている自分を褒めても良いでしょう。
少しずつ負荷を増やし変化をつける
腹筋などの筋トレは、基本的に少しずつ種目数を増やし、負荷を上げて行くのがオススメです。初期のうちは、1~2つの簡単なメニューを、計画どおり確実に実施することを目標にすると良いでしょう。
そして、計画どおりにトレーニングができるようになったら、簡単なメニューを少し負荷の高い種目に入れ替えます。そうすることで、種目数が増えすぎてトレーニング自体が面倒になるといった問題も解消できるでしょう。
まとめ
今回は、初心者でも実践しやすい以下の腹筋トレーニングを紹介しました。
- クランチ
- かかとタッチ
- サイドブリッジ
- プランク
- レッグレイズ
- ドローイン
ただし、筋トレ初心者の場合、以下の理由で腹筋トレーニングの継続が難しいことがあります。
- トレーニング時間をなかなか組み込めない
- 目標設定が高すぎる
- 種目が多すぎる
腹筋などのトレーニングを長続きさせたい人は、以下のポイントを実践してみましょう。
- 生活のリズムにトレーニング時間を組み込む
- 変化をしっかりと把握する
- 少しずつ負荷を増やし変化をつける
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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