腕立て伏せはやり方によって鍛えられる部位が異なるだけではなく、正しいフォームでおこなわなければ思わぬケガにつながる可能性があります。
今回は、ボディビルダーやトレーナーとしても活躍している山本義徳先生が、腕立て伏せの正しいフォームやコツを伝授します。
トレーニングの効果をより実感しやすくするためにも、腕立て伏せの基本となる形をしっかりと身に付けていきましょう。
腕立て伏せの基本
腕立て伏せは知名度の高いトレーニング方法ですが、実は微妙なフォームの違いによって効果に大きな違いが出ることをご存知でしょうか。
腕立て伏せはその名前のとおり「腕を中心に鍛えるトレーニング」として位置付けられていますが、実は腕だけのトレーニング方法ではありません。
正しいフォームで腕立て伏せをおこなえば、腕はもちろん、肩・腕・バストラインのシェイプアップにもつながりやすくなります。
腕立て伏せの基本姿勢は、両手を肩幅よりやや広く広げ、額は床・並行に落とします。両手・額が三角形になるようなイメージで、ゆっくりと腕を曲げていきます。
腕立て伏せで腕を曲げる際は、必ず「息を吸いながら」がポイントです。腕を伸ばす際は「息を吐きながら」、もとの位置に戻しましょう。
腕立て伏せで大切なのは、正しいフォーム・呼吸でおこなうことだけではなく、胸・腕に効いていることを意識しながら取り組むことです。
鍛えている部位を意識するかしないかによっても効果が異なるため、鍛えている部位に意識を集中させてトレーニングしてください。
フォームによって鍛えられる部位が変わる
先述した腕立て伏せのフォームを基本にして、若干腕の位置を変えることで鍛えられる部位が変わります。
肩幅よりやや広めに広げている腕をさらに大きく開くことで負荷が高まり、よりハードなトレーニング内容になります。
腕を狭くすると上腕二頭筋(二の腕)への効果が高まったり、腕を前方に投げ出すことで三角筋・僧帽筋など肩周りの筋肉を刺激したりすることも可能です。
腕立て伏せはとてもシンプルなトレーニング方法ですが、腕の位置を少しずらすだけで異なる効果を得られる奥が深いトレーニングです。
筋トレ初心者に向けた「かっこいい身体の作り方」は以下の記事でも詳しく解説しています。
腕立て伏せで大胸筋を鍛える方法
大胸筋を鍛えるには、「腕立て伏せ」「ベンチプレス」などのトレーニング方法があります。
ベンチプレスは安定したフォームでトレーニングしやすいメリットがありますが、ベンチプレスよりも腕立て伏せの方が多くの筋肉を使用するため、効率的なトレーニングにオススメです。
腕立て伏せで大胸筋を鍛えるためには、肩幅の2倍くらい両手を広げることがポイントです。上半身が一直線になっているように気をつけましょう。
腕を曲げる際は顎が床につくほど深く曲げ、もとの位置に戻す際はしっかりと腕を伸ばします。
両手を肩幅の2倍広げておこなうと、数回の腕立て伏せでもかなりの負荷がかかります。トレーニング慣れしている人でも、2~3回でキツいと感じるほどです。最初は無理のない回数から始めると良いでしょう。
大胸筋を意識してトレーニングすることも、忘れないようにしてください。
腕立て伏せで大胸筋を鍛える際のポイント
腕立て伏せで大胸筋を鍛える際のポイントを詳しく解説します。一つひとつのポイントをしっかりと理解して実践すれば、より効率の良い腕立て伏せができるでしょう。
大胸筋を鍛える方法は、以下の記事でも詳しく解説します。
正しいフォームでゆっくりおこなう
正しいフォームは「肩幅の2倍くらいの広さに腕を開く」ことと「上半身を一直線に保つ」ことがポイントです。
腰が上がりすぎたり下がりすぎたりしないように注意し、2~3秒かけて腕を曲げ、2~3秒かけて状態をもとの位置に戻します。
正しいフォームでゆっくりおこなうと負荷がかかり、効率的に大胸筋を鍛えることにつながります。
正しいフォームが定着するまでは、プッシュバー・パワーブロックなどの器具を利用しても良いでしょう。
自分ができる最大の回数を3セットおこなう
トレーニングする回数は、自分ができる最大の回数を3セット、トータルでおこなうのがポイントです。
セットの間は3~4分の休憩を挟み、そのセットでできるだけの回数を続けていきましょう。
慣れるまではなかなか回数が伸びにくいものですが、正しいフォームで継続すれば少しずつでも筋肥大は進みます。
トレーニングの効果を感じられない場合は、食事の見直し・サプリメントなどの摂取も並行すると良いでしょう。
慣れてきたらより負荷をかける
トレーニングを進めて筋肥大がスムーズになってくると、20~30回腕立て伏せをしても疲れなくなってくる人も少なくありません。
そんなときは、リュックサックに本・ダンベルなどを入れて背負い、さらに強い負荷をかけて腕立て伏せをするようにすると良いでしょう。
足を椅子に乗せて頭が低くなるようにして腕立て伏せをおこなえば、効率的に負荷を強くかけることができるのでオススメです。
腕立て伏せで大胸筋を鍛える際の注意点
腕立て伏せで大胸筋を鍛える際は、毎日やらないことが大切です。毎日トレーニングした方が効果的と感じる人もいますが、筋肉を肥大させるには適度な休息が不可欠です。
なぜ休息が必要かというと、休息時に筋肉に栄養が蓄積されるからです。
筋肉が肥大していく過程では、筋肉がトレーニングによってダメージを受け、休息して肥大し、トレーニングする。この繰り返しで、どんどん筋肥大が進んでいきます。
筋肉痛が残っているにもかかわらずトレーニングを毎日おこなうと、筋肉に栄養が行き渡らなくなるため、筋肥大につながりにくくなります。
トレーニングをおこなう際は、鍛えたい部位を意識することも大切です。大胸筋に効かないときはフォームを見直す必要があります。必ず鍛える部位に意識を集中させてトレーニングをおこなってください。
筋トレ初心者が陥りやすい失敗は、以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
腕立て伏せの大胸筋トレーニングにオススメのアイテム
腕立て伏せの大胸筋トレーニングに最適なトレーニングアイテムを紹介します。
プッシュアップバー
プッシュアップバーとは、腕立て伏せの正しいフォームができない人に向けて発売されているトレーニング機器です。
床に置いて取っ手の部分を握ると、腕立て伏せのフォームが取りやすくなります。間違ったフォームによる手首や足腰のダメージを軽減してくれます。
床に直接手をついて腕立て伏せするよりも身体のバランスが整うため、より深く腕立て伏せができます。効率的に大胸筋を鍛えたい人、正しいフォームに自信がない人は、ぜひ利用してみてください。
プロテイン
プロテイン(たんぱく質)は、筋肥大には欠かせないサプリメントです。筋肉はたんぱく質によって合成されるため、トレーニング中は積極的にプロテインを摂取しましょう。
山本義徳先生がプロデュースした『VALX ホエイプロテイン』は、1食あたり約88円とリーズナブルなうえ、たんぱく質含有量は77%以上をキープしている、品質と価格のバランスが取れたプロテインです。
まとめ
大胸筋を効率的に鍛えるためには、正しいフォームでゆっくりと腕立て伏せをおこなうと良いでしょう。
正しいフォームに自信がない人はプッシュアップバーなどの補助機器を使用し、より効率的なトレーニングができるように工夫してみてください。
プロテインを摂取することで、さらに筋肥大の効果が高まります。プロテインの種類もたくさんあるため、自分に合ったものを選んで取入れてみましょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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