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ボディビルダーの体脂肪率は10%以下!体脂肪率の落とし方を山本義徳が解説!

ボディビルダーは大会時、体脂肪1桁を目指す、といわれています。そのためには、減量をはじめ、正しい体脂肪の落とし方を十分に理解する必要があります。

今回は、ボディビルダーの体脂肪率、ボディビルダーが目指す体脂肪10%以下にするための正しい方法を解説します。

体脂肪率とは

身体には2種類の脂肪があり、皮膚の下にある皮下脂肪・内臓周りにつく内臓脂肪を合わせ、体脂肪と呼んでいます。

体脂肪は身体にとって重要ですが、必要以上の体脂肪は病気の引き金となります。
内臓脂肪を蓄積すると、生活習慣病といわれる動脈硬化・糖尿病・高血圧・脂質異常症などの要因となるおそれがあるため、注意が必要です。

身長・体重のバランスを見ているだけでは、体重が重い場合でも体脂肪は少なく筋肉量が多いためなのか、筋肉量は少ないが体脂肪によるものなのかの判断はできません。

そのため、体脂肪が身体の中で占める割合を示す「体脂肪率」の測定は、健康な身体を見るためのバロメーターの一つです。

男女の標準体脂肪率

体脂肪率は体重に占める割合を示します。健康的な数値の目安は、男性で10~19%、女性は20~29%といわれています。それ以上の数値の場合は、肥満です。

引き締まった身体を目指すなら、男性は10~12%、女性は20%前後を目標とすると良いでしょう。

トップクラスになったボディビルダーのコンテスト前の測定値は、体脂肪率5~6%の数値が多い傾向にあります。これは飢餓状態に近い数値で、生きていくための最小限の数値です。

ボディビルダーの体脂肪率|男性

男性が10%以下の体脂肪率の場合、無駄な脂肪がほぼない状態です。身体のどの部位も、筋肉のラインがはっきりと目立つようになります。

ボディビルの大会は、筋肉の発達・ダイナミックさ・バランスなどの美しさを競うものなので、より美しく筋肉が引き立つ10%以下の体脂肪率を目指します。
体脂肪が10%以下でも、筋肉のない痩せた状態では、美しい見た目にはなりません。

筋肉をしっかりとつけ、減量で体脂肪率を落とすことが重要です。

体脂肪率1桁~20%の見え方の違い

体脂肪率は、わずか数パーセントの違いでも見た目は大きく変わります。
以下、体脂肪率別の違い・変化を解説します。

・体脂肪率3~4%の男性の場合

体脂肪はほぼなく、筋肉の輪郭が際立ち、腕・脚・お腹などの全身の血管が浮き出ている状態です。
ボディビルのトップ選手だと大会時の体脂肪率が、約3%だといわれています。

・体脂肪率6~7%の男性の場合

体脂肪率3%の男性ほどではありませんが、脂肪はほぼ皆無です。
身体中の600を超えるといわれる筋肉のほとんどが目視できる状態で、筋肉の美しさが際立っています。
大会に出場するボディビルダーは筋肉の美しさを際立たせるため、6~7%の体脂肪率を目指します。

・体脂肪率10~12%の男性の場合

美しい割れた腹筋が見え、適度に筋肉が引き締まっていることがわかります。
筋肉をすべて目視できなくなり、輪郭も体脂肪率1桁と比べて明確ではありませんが、肌にツヤが出て美しい見栄えです。

・体脂肪率15%の男性の場合

筋肉の境界線の明瞭さがなくなり、筋肉の隆起がわかる程度です。
多くの血管は皮下脂肪に隠され、浮き出て見える血管数が少なくなります。

・体脂肪率20%の男性の場合

多くの筋肉が皮下脂肪に隠され、代わりに脂肪が目立ってきます。
輪郭が不明瞭になり、ぜい肉も見えるため、鍛え上げられた身体の印象はなくなります。

ボディビルダーの体脂肪率|女性

男性とは異なり、女性のほうが体脂肪率は高くなります。

男性のボディビルダーが1桁の体脂肪を目指すのに対し、女性ボディビルダーの場合、大会参加時に体脂肪率10~12%を目指すことが一般的です。

女性の場合、体脂肪率を下げ過ぎることで体調不良のリスクが高くなりやすいので注意が必要です。具体的には、月経不順・便秘・慢性疲労・低血圧・骨粗鬆症の症状や、糖尿病のリスクが上昇します。

体脂肪率10~25%の見え方の違い

体脂肪率別に、女性の見え方の違いを見ていきます。

・体脂肪10~12%の女性の場合

男性の体脂肪率3%程度と同等レベルに、メリハリのついた筋肉の隆起がはっきりと見てとれる状態です。大会参加時の女性ボディビルダーの体脂肪が、およそこのレベルです。

・体脂肪15~17%の女性の場合

女性の体脂肪率15%となると、筋肉の輪部がはっきりし腹筋もかなり割れて見えてきます。
全身の筋肉も隆起し、血管も浮かび上がります。お尻・太ももなどは、わずかに女性特有の丸みを残したシルエットになります。フィットネスモデル・女子マラソンのアスリートが、15%前後といわれています。

・体脂肪20~22%の女性の場合

筋肉の輪郭はくっきりしていませんが、全体に隆起し、腹筋は適度に割れた状態です。
女性らしい丸みも十分に残ったシルエットです。
プロの女性ダンサーなどが、20%台前半の体脂肪率といわれます。

・体脂肪25%の女性の場合

筋肉の隆起は脂肪で隠されるものの、無駄な体脂肪は多くないため、健康的で女性らしい丸みを帯びたシルエットです。

ボディビルダー体型を目指す体脂肪率の落とし方

体脂肪率1桁を目指すには、やみくもにトレーニングをおこなえば良いわけではありませ
ん。
身体への負担を少なくし、健康的に体脂肪率を落とすには、きっちりとしたスケジューリング・食事コントロール・綿密なトレーニングが必要です。

以下の3つのステップを踏み、目標達成を実現しましょう。

1.目標設定

体脂肪率10%以下を目指した減量には、きっちりとした食事制限は欠かせません。
まずは、減量の期間を決めることです。厳しい食事制限はストレスが多くなるので、短期・中期のスケジュールを立て、何をおこなうか明確にします。

減量期間の目安は、一般的に2~4か月です。1か月では絞りきれないうえ、短期間での無理な減量は、筋肉量まで落とすおそれがあります。5か月以上の減量もオススメしません。長期にわたって減量をおこなうと精神的に負担が大きく、仕事・私生活にも支障をきたす可能性があります。

ハードな食事制限ではなく、毎日の習慣にできるような軽度ものなら、半年以上をかけた減量も問題ありません。余計なものの食べ過ぎに注意しながら、身体に良いものを摂取し、しっかりと運動をします。ちょっとした心がけでおこなえるような減量は、長期間でも大丈夫です。

・具体的な減量の目安

一般の男性が4か月で減量する場合は、1か月ごとに以下の体脂肪率を目指します。

  • 4か月前:体脂肪20%前後でスタート
  • 3か月前:17%前後
  • 2か月前:14%前後
  • 1か月前:12%前後

2.減量に適した食事コントロール

体脂肪を落とすには、食事のコントロールは欠かせません。摂取カロリー<消費カロリーのキープは当然として、徐々に摂取カロリーの量を減らしていきます。

・摂取カロリーの目安

消費カロリーの一般値は運動強度によって異なりますが、成人男性で2,200~3,000kcal、成人女性で1,200~2,000kcalです。

成人男性が4か月で減少する際は消費カロリーに対し、以下の摂取カロリーを目安にしてください。目安の消費カロリーから計算し、食事のメニューを組み立てましょう。

  • 4か月前:消費カロリーと同等、もしくは100kcal程度低めに設定する
  • 3か月前:200kcal程低めに設定する
  • 2か月前:300~400kcal程度低めに設定する
  • 1か月前:500~700kcal程度低めに設定する

・PFCバランスを意識した食事に

体脂肪を減らすには、カロリーをただ抑えるだけではなく、PFCバランスを意識した食事が重要です。

PFCとは、3大栄養素にあたる、たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の英語の頭文字をとった言葉です。

炭水化物を大幅にカットすると体重は減り、脂肪だけでなく筋肉も落ちてしまいます。筋肉を落とさず脂肪を減らすには、PFCバランスを意識した食が大事です。

・ビタミンや良質な脂の摂取も必要

効率の良いたんぱく質の分解・合成には、ビタミンも欠かせません。ビタミンが不足すると筋肉も分解されてしまうので、PFCバランスに注意しながら野菜・果物もきっちり摂取し、ビタミンも補給しましょう。

脂質は、摂取する種類が大事です。身体に良い脂質は脂肪の燃焼を助け、筋肉の合成を補助します。
ナッツ・アボカド・エクストラバージンオリーブオイルに含まれるオレイン酸や、おもに青魚に含まれるα-リノレン酸/EPA(エイコサペンタエン酸)など、不飽和脂肪酸シス型の脂質がオススメです。

PFCバランスは、以下の記事でも詳しく解説しています。

バルクアップのカロリー計算方法|筋トレ中のPFCバランスを山本義徳が解説本記事では、増量期と減量期におけるPFCバランス及び摂取カロリーの設定方法までを具体的に解説している。...

3.筋肉量を維持するトレーニング

減量中の身体は常にエネルギー不足となっているため、筋肉を分解して不足分を得ようとします。食事制限と同時にトレーニングをおこなうことで、摂取したエネルギーは筋肉の修復に使われ、不足分は脂肪を燃やすことで獲得する必要があります。

・大筋群を含めた週2回以上のトレーニング

身体の中でも大きな筋肉の大筋群と呼ばれる、大胸筋・広背筋・臀筋群・脚筋群・腹筋群のトレーニングは必須です。大筋群は、スタイルの維持・熱生産の向上につながる部位のため、ベンチプレス・デッドリフト・スクワットなどのメニューをルーティンに組込みましょう。

週2回以上の頻度でトレーニングをおこなった場合、筋肉量アップ・体脂肪減少が見込めます。

・効果を上げるためには適度な有酸素運動やHIITも

糖質・脂質をエネルギーとしておこなう有酸素運動は、脂肪燃焼効果としては筋トレよりも高くなります。脂肪が落ちづらくなったときなどに、適度な有酸素運動を追加で取入れるのも良いでしょう。

高い脂肪燃焼効果が期待できるトレーニングとして注目を集めている、HIITを取入れてみるのもオススメです。

HIITとは、High Intensity Interval Training(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)の略で、高強度インターバルトレーニングを指します。

HIITは短時間で脂肪燃焼効果が得られるトレーニングなので、時間的な負担も少なくて済みます。

体脂肪率を落とす際の注意点

トレーニングに夢中になって思わぬ落とし穴にはまって、効果を落としてしまうことは避けたいものです。
体脂肪率を落とす際に気をつけるべき3つのポイントを解説します。

睡眠不足にならないようにする

睡眠は、身体作りに欠かせません。睡眠中には、筋肉の修復を促す成長ホルモンなどが分泌されます。寝不足が続くと、筋肉の分解を促進するコルチゾールや、食欲を刺激するグレリンなどのホルモンも分泌されるため、睡眠不足で、せっかくの筋肉が分解されたり、食欲が増進して食べ過ぎたりしないよう、しっかりと睡眠をとりましょう。

アルコールを控える

適度のアルコールは百薬の長といわれ、身体に良いとされていますが、減量中はマイナスが多く、控える必要があります。
アルコールを摂取すると睡眠不足時と同じく、筋肉の分解を促すコルチゾールが分泌されるため、筋肉量が減り、筋トレの効果が落としてしまいます。
アルコールと同時に摂取するおつまみは高カロリーなものが多く、摂取カロリー過多になりがちです。せっかく目標設定した食事制限が台なしになりかねないので、できる限り控えましょう。

体調が崩れるようなら無理して減量しない

ハードな減量は、どうしても心身ともに負担をかけてしまいがちです。
減量しすぎて体調を崩したら、トレーニングができなくなり、それまでの努力も水の泡です。減量がストレスになり、仕事・私生活に影響が出ると本末転倒です。
自分の体調を一番に考え、無理をし過ぎない範囲で減量をおこなうことが重要です。
体調の異変を感じたら、早めにメニューの変更やトレーニングを中止し、体調管理に努めてください。

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山本義徳先生が「たんぱく質含有量・品質」にこだわり抜いたプロテインにもかかわらず、お手頃価格も人気の秘密です。

まとめ

ボディビルダーは大会に向けて、より美しく筋肉が引き立つ、10%以下の体脂肪率を目指します。

体脂肪率10%以下を目指して体脂肪を落とすには、スケジューリング・食事コントロール・トレーニングが必要です。

2~4か月を目安に、どの期間でどの程度の体脂肪を目指すかを明確にし、計画を立てて行きます。

食事は「摂取カロリー<消費カロリー」をベースとし、PFCバランスに注意しながら、良質の脂質・ビタミンの摂取を心がけます。

不足したカロリーを筋肉の分解から得ることがないように、トレーニングも食事制限と並行しておこないます。

トレーニングでは、寝不足・ストレスに気をつけながら、大筋群を含めたトレーニングを週2回以上おこなうことが重要です。

公式ライン

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。

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