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山本義徳著「最高の健康 科学的に衰えない体をつくる」

筋トレはもはや、アスリートなどの特別な一部の人たちだけのものではありません。「人生100年時代」に突入し、いかに健康な状態で長生きするかが重要であるという考え方が広まったこともあり、若い人から高齢者まで、誰もが健康のために筋トレを取り入れ始めています。

そんな中、パーソナルトレーナーとして30年もの指導経験をもつ山本義徳先生の書籍「最高の健康 科学的に衰えない体をつくる」が株式会社KADOKAWAより、2020年11月19日に発売されました。

1000人もの身体の分析に基づいて得られた、筋トレで「最高の健康」を得る方法が書かれた本書は、これからの新しい時代の健康を意識するすべての人にとって必須の一冊となることでしょう。

年齢の限界をこえる「最高の健康」を手に入れるには筋トレ

「歳をとったら筋力が減って、体力もなくなってしまった」というのはもはや昔の話かもしれません。関節が痛い・疲れやすいといった症状も、筋トレによって克服できると山本義徳先生は述べています。

筋トレこそが「最高の健康」への鍵

山本義徳先生が考える「最高の健康」とは、その人の年齢からは考えられない体力を維持していることだそうです。この意味での体力とは、身体を動かすための「筋力」「パワー」「持久力」だけでなく、身体を一定の状態に保つ「恒常性」や、細菌やウイルスから身体を守る「免疫力」など、さまざまな要素が含まれています。

これらの体力を高めて「最高の健康」を手に入れるにはどうすれば良いのでしょうか。その答えこそが、筋トレであると本書では語られています。

筋トレをおこなうことで力がつき、筋肉が増えることはもちろん、適度な運動による「免疫力」の向上や、身体が疲れにくくなることによる「恒常性」を高めることもできます。

高齢になったら身体に不調が出るのは仕方がない、と考えるのがつい最近までの主流でした。しかし、長寿が当たり前の時代になったことにより、健康への意識を変える必要性を感じ、世代を問わず筋トレをおこなう人が増えているといいます。

筋肉博士こと山本義徳先生が蓄積してきた1000人分の身体データベース

本書でも紹介されている通り、山本義徳先生はパーソナルトレーナーとして今までに1000人以上の指導経験があります。メジャーリーガーやプロのスポーツ選手などのトップアスリートから、より健康を高めたい高齢者まで、実にさまざまな人たちへ指導をおこなってきたデータを基に本書は執筆されています。

筋肉博士が教える筋トレの新常識

山本義徳先生が数多くのクライアントを指導したデータを基に提唱したメソッドは、筋トレ愛好家の間でとてもよく知られています。中でも有名なのが、筋肉に適切な刺激を与えて効率的に発達を促す「101理論」と呼ばれるものです。

筋トレのやりすぎは禁物

筋トレをおこないダメージを受けた筋肉は、超回復という現象により以前よりも大きく強くなる。以前まではこの理論が、筋肉が成長するメカニズムとして広く受け入れられていました。しかし、超回復と筋肉が成長するメカニズムはまったく別のものであることが、近年では常識となりつつあります。

筋トレによって傷ついた筋繊維が以前よりさらに太くなるのは、身体がストレスに適応しようとする「ストレス応答」によるものであるといいます。筋トレによるストレスを受けると、それに適応しようと筋肉は増えていくのです。

しかし、早く筋トレの結果を出したいあまりに、やりすぎてしまうのは禁物です。筋トレをやりすぎて適度なストレスを上回る強い刺激を与えてしまうと、身体は疲弊してしまい、筋肉は成長するどころか逆に分解され、筋肉量が減ってしまうことにさえなりかねません。筋トレの翌日に激しい筋肉痛が訪れるような場合、やりすぎであると山本義徳先生は考えます。

必要なのは最低限の刺激

「101理論」は、山本義徳先生が考案したオリジナルのトレーニング理論です。今の身体の能力が100だとしたら、筋トレで与えるのは101の刺激で十分であり、120や130に値する強い刺激を与えるのは無意味である、という考え方です。

ストイックな人ほど、筋トレでは強い刺激をしっかり与えるべきだと考え、筋肉に必要以上に強いストレスを与えてしまいがちです。そのため多くの人が筋トレのやりすぎに陥り、成長が止まってしまっていると、山本義徳先生は長年説いてきました。そしていまや「101理論」そのものや、筋トレのやりすぎは良くないことは筋トレ愛好家の中では常識となりました。

「101理論」は筋トレをストイックにおこなう人だけではなく、健康のために筋トレを取り入れたい人にも、もちろん当てはまるものです。今までは筋トレ愛好家だけが知る専門知識であった「101理論」のメソッドは、本書の登場によりこれからの健康を考える上でのスタンダードとなるのではないでしょうか。

自分の弱点からやるべき筋トレを知る

日々筋トレに励んでいてもなかなか脂肪が落ちない人もいれば、痩せ型で体重を増やすことが難しいと悩む人もいます。これは、人が受精卵から発育していく時点で定まる体質によるものであり、けしてその人の食事や生活習慣が悪いのではありません。人の体質には大きく分けると3つのタイプがあり、自分がどのタイプかを見極めることが効果のある筋トレをする上では欠かせません。

また、山本義徳先生がアスリートのパーソナルトレーニングで重要視しているのが「弱点を見つける」ことなのだそうです。走る・跳ぶ・投げるなどの全身の筋肉を使ったスポーツ動作をする上で、どこかひとつだけ弱い筋肉があると、その動作を満足におこなうことは出来ません。まずは、その人の弱点となる筋肉を重点的に強化することが、最終的には全身を強くしていくための近道なのだそうです。

そして、これはアスリートに限った話ではありません。健康を目的としてトレーニングをおこなう人も、日常生活の悩みから自分の身体の弱点を見つけ出し鍛えることで、最高の健康により近づくことができるといいます。

本書の第2章「筋トレは『弱点を補うこと』から始めなさい」では、疲れやすい・肩が凝りやすい・風邪を引きやすい、といった日常生活を送る上での弱点を探し出し、それを解決するための誰でもおこなうことができる筋トレの種目が紹介されています。

まずは自分の体質を知り、さらに自分の弱点を補うための適度な筋トレをおこなうことが最高の健康への近道となることでしょう。より詳しく知りたい人は、ぜひ本書を手にとってみてください。

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バランスの良い食事は存在しない?サプリメントを効果的に活用する

食事ですべての栄養素をまかなおうとするほど非効率なことはありません。例えば、1日に必要なビタミンCをすべて食事から摂ろうとすると、1kg近くのレモンを食べる必要があるそうです。

そこで、サプリメントを積極的に活用することで、食事だけでは不足してしまう栄養素を補うことができます。

プロテインはすべての人に必須のサプリメント

筋トレの効率を上げるために取入れるべきサプリメントとして第一に挙げられるのはプロテインです。プロテインを摂ることで、筋肉の材料となるたんぱく質を補うことができます。筋トレをおこなう人にとって、たんぱく質が重要であることはいうまでもありません。

そして、筋肉が成長するために十分な量のたんぱく質をすべて肉や魚から摂るのはなかなか大変です。自分にとって無理のない食事で摂れるたんぱく質の量を把握し、残りをプロテインで補えば、筋肉に必要なだけのたんぱく質を毎日手軽に摂り続けることができます。

食事ですべての栄養を摂ることはできない

健康のためにはバランスの良い食事を摂ろう、と今までは当たり前のように言われていました。しかし、その人にとって必要な栄養素は千差万別です。不足しやすい栄養素はその人のDNAで決まっている、と山本先生はいいます。これは多くの人にとって、驚きの事実ではないでしょうか。

実際のところ万人にとってバランスのとれた食事なんて、この世に存在しません。

この一文は、今まで山本義徳先生の考えに触れてきた人であれば非常に納得できるものであるはずです。しかし、現段階では不足しやすい栄養素を正確に知る技術は存在せず、普通の人が自分の栄養状態を知るのは難しいものです。そこで、まずは本書を読む事が、サプリメントも活用しながらその人にとって必要な栄養素が摂れる食事を目指すための良いガイトとなる事でしょう。

本書の第5章「自分に必要な栄養は自分の体が一番知っている」では、疲れやすい・肌が荒れる・寝付きが悪い、などの具体的な症状から、自分にどの栄養が足りないのかヒントを得ることができます。そして、たんぱく質・脂質といった主要な栄養素や、ビタミンC・ビタミンB群などのビタミンの働きも知ることができます。

自分に足りない栄養素を知り、サプリメントも活用しながら補うことで「最高の健康」を手にいれるための手助けとなることでしょう。

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まとめ

いままでに山本義徳先生が執筆した書籍といえば、トレーナーはおろか医療関係者にとっても難しい専門用語が頻出する難しい内容である、という評判もあるほどでした。それに対して本書「最高の健康 科学的に衰えない体をつくる」は、これから筋トレを始めたいと思っている人でも分かりやすく読むことができ、誰にでも理解できる、わかりやすい内容になっています。

そして、誰にとっても分かりやすくはあるものの、山本義徳先生の考え方やメソッドは十分色濃く反映された内容です。間違った情報に惑わされずに、正しい筋トレを始めたいと考える人に強く勧めることのできる一冊となっています。書店でお見かけの際は、ぜひお手にとってご覧ください。

書籍情報

最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
著者 :山本 義徳
定価:1,650円(本体1,500円+税)
発売日:2020年11月19日
判型:四六判
商品形態:単行本
ページ数:224
ISBN:978-4-04-604932-2

公式サイト

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
静岡県出身の日本のボディビルダー・トレーニング指導者。プロ野球選手のダルビッシュ有や松坂大輔などをはじめ、多くのクライアントを指導している。サプリメントにも精通しており、サプリメント博士の異名を持つ。
2019年4月に開設したYouTubeチャンネル『山本義徳 筋トレ大学』は登録者数69万人を超える。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

【You Tube】
山本義徳先生の知識と経験に基づいたトレーニング方法や、プロテインやサプリメントの情報を科学的根拠(エビデンス)に基づいて、YouTube動画を随時更新しています。

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